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第146話 僕/私は悪くない

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なんでこうなったんだ?

友達はあの居酒屋でみんないなくなった

けだるげな暑さで汗が気持ち悪い


「よー、元気ー?いやそうは見えんなー」

「久しぶり」



久しぶりに高校時代の友だちに会った、大学のことを知らない友達だ

竹山裕也、別のクラスだったけどなんとなく仲良くなった

家が裕福じゃなくて成績は良かったけど就職した

たまに話していたけど会うのは久しぶりだ

もともとスポーツをして体格は良かったけど就職して働いてるからかムキムキになっている

爽やかな顔立ちで芋っぽさが完全になくなって、かなり垢抜けたな


涼しいクーラーが心地よい、当たり前だけどポテト美味しい


ファミレスでだべるのも懐かしいな・・・大学でもよくやってたのに


「お前昼からビールにタバコって親父かよ」

「うるへーうるへー」


共通の友達の近況を話し合う

就職したやつ、会社を首になったやつ、車を買ったやつ、事故を起こしたやつ、結婚したやつ


「そういや、前に自慢してた遥ちゃんだっけ?どう?」

「・・・・・・・・別れた」


色々あった、あまり話したくはないが事情を知らないこいつなら良いか

ムカつく胃にビールを注ぎ込んで別れたと話した


「まじかー、まぁ元気出せって!」

「うっせぇ!そういうお前はどうなんだよ?」

「俺か?俺は高校の同級生と付き合ってるぜ」

「・・・へー、おめでとさん、いつから?」


何も知らない相手

だからこそ話せるがこいつにまでせめられたくない

僕が悪いわけじゃないけど誰もまともに話も聞いてくれない


「最近だよ2週間ほど前」

「よかったじゃん、どんな子?」

「特別に見せてやろう、どうだ!俺の彼女可愛いだろ!!」


信じたくない写真がそこにあった






「どういうことだよ!」

「は?今更、何いってんの?」


久しぶりに真莉愛と話した気がする

真莉愛を呼び出して一対一で話す

あの居酒屋の後、2回ぐらい会って「そっとして」って言われてから1月ぐらいは経っただろうか?

言う通りそっとしてただけなのになんでこんなことに?


「裕也と付き合ってるってどういうことだよ!」

「あんたに関係なくない?」

「・・何言ってるんだ?真莉愛は、僕の彼女だろ・・・・・?」


何を言ってるかわからない

だって、真莉愛は





ずっと僕の味方だって約束した



そうだろう?



「はぁー、キモい」

「は?」

「しつっこい!いい加減にしてよね!」

「・・・・・・・っ!!」


初めて真莉愛に怒鳴られた

頭が真っ白になって手首をつかんだ、でも言葉は出て来ない


「だいたい、私のこと襲っておいて男らしくないのよ!」


眼の前の女性があれだけ大切だった女性だとは信じられない


「嫌いじゃなかったからズルズル続けちゃったけどさ、私を守ってもくれないしずっと放置してさ、付き合う意味ある?」

「なっ!?ふざけっ!ふざけるなよ!!?」

「いった、離してよ!!だいたいあんたは私よりも遥を選んだじゃない!!今更、痛っ!痛いって!離して」


自分でも何をいえばいいかわかんない、だけどとにかく腹が立って手首をつかんだ


「春樹、手を離せ」

「裕也君!」


裕也が出てきて僕の手首を握った、痛みに真莉愛の手を離してしまう


「大丈夫か?真莉愛」

「うん、裕也くんのおかげだよ」


真莉愛は僕から隠れるように裕也の後ろに隠れ、お互いに通じてるって顔をお互いに向けている

怒りで目の前が真っ赤になった

許せない


「ふざけんなぁっ!!!??」


「真莉愛さがって」

「うん」


光が走り、僕は空を見ていた、顔が痛い、殴られた・・・?裕也に殴られたのか??


「真莉愛、何があったか教えてくれないか?」

「うん、でも裕也には聞かせたくない・・・」

「話してくれ、今は俺が真莉愛の彼氏だろ?」

「裕也くん・・・!」


殴られて言うことを聞かないガクつく足

やけに熱い駐車場のアスファルト

なんでこうなったんだ

真莉愛が言うには僕との関係は酒に酔った僕が真莉愛を襲ってそれから始まって仕方ないけど結婚しようと考えたのに真莉愛とその時彼女だった春日井遥とを比べて私をとった

だけど春日井遥とばったりあったら私じゃなくて春日井遥を彼女だって言ったんだ

そう、泣きながら言っていた


「違う」

「そうじゃないだろ」


言う度に裕也に蹴られる、蹴られた場所が酷く痛む

クソクソクソ!!なんで僕が!!!真莉愛を睨みつける


「二度と真莉愛に近づくな、絶交だわクソ野郎」

「裕也くんスマホ壊して!私の恥ずかしい写真撮ってるのこいつ!」

「・・糞女が」

「糞はお前だよ二度と喋るな」


真莉愛に向かって心の底から出た言葉だが裕也に激しく殴られた



僕の意識は闇に沈んだ
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