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第102話 だらだら異世界観光
しおりを挟むいつの間にか大きなベッドに寝かされていた
一週間ぐらいは寝てなかったし自分で思ってるより疲れてたのかもしれない
でも久しぶりに怪我人や病人相手を治癒するんじゃなくて【清浄化】を空にうちあげてなんかスッキリした
瘴気は減るし空気は吸いやすくなる
それに魔物も減るから定期的に山とかにもぶちかましてたんだけど病院でやって怒られてからやってなかった
なんか肩?肩とかすっきりした、それにやっぱり夜にやると綺麗だった
光の粒が溢れるし、雲を切り裂いたりして遊ぶもの面白い
仲間よりも体力あるから寝ずに旅して襲撃に備えたりするのにも星空だったら明るくなる、僕星空好きだしね
あんまりやると場所がバレるとか言われてたけど魔物自体が来にくくなるから結果的にすごく楽だった
【清浄化】を使っても大物だったらそのまま来るけど一日中雑魚に襲われるのに比べると大分マシだと思う
昼は昼で吸血鬼のいる洞窟やアンデッドのいる陰気で薄暗い領域に安全に近づいてぶっ放すのは安全でとても良い
「うん・・・」
でも【清浄化】は死霊や吸血鬼のような効果のある敵よりも効かないやつのほうが多い
結局自分や仲間を強化して斬りかかるのが一番簡単だ
「・・・・・んっ・・・・」
あー、あー、レアナービル大丈夫かなぁ!!
・・・・・・・・・・・うん、いや、別のこと考えるのはやめよう
この20人は寝れそうなベッドだが寝てるのは僕とはるねーちゃんと黒葉だ
あのドレスのまま寝たんだろう
なんだか2人の方を見ちゃいけない気がする
すぐ横にいる2人、ちらっと見ると気持ちよさそうに寝ている
シュルリとシーツの音が聞こえる、最高級品だなこれ
あ、こっちに来るなら服ももっと買いこんでおけばよかったかも
なんか恥ずかしくて思考に逃げてしまう
「はるねーちゃん、黒葉、起きてー」
「うぅん・・」
「・・・あれ?私いつ寝たんだっけ」
「僕出てるから服いくつかおいておくねー」
できるだけねーちゃんたちを見ないようにして僕は部屋を出た
部屋の端にあった録画用の魔道具を収納した、没収です
もう昼を過ぎていたのでちょっとお腹すいた
「今日はどうするの?」
「うーん、少しここの観光しよっか」
2人を連れて市場を回る
以前来たときよりも活気があって良い
肉の串焼きを食べたりして歩いて行く、何本かお土産にしよう、六太あたりは喜ぶ
「あれなに!あれ!」
「あれはルクトですね、あおきちきゅー世界にはないのですか?」
「ない!何に使うの?」
お付きのエルフのばーちゃん神官がついてくれてる
見た目は若いが凄い年齢で孫もいる
ここに来たときは色々と助けてくれたし頼りにしているので案内を任せている
この土地では顔がきくのか彼女がいると僕たちの周りの一定の距離から人が居なくなってくれるのはとても助かる
「潰して薬にするのです」
「こっちに薬ってあるんだ?レアナー教の人たちで何でも治せるんじゃないの?」
「無理です、洋介聖下様方が特別なだけです、我等が聖王でも月に1人が限界です」
「へー、王とか大神官とか階級どうなってるの?」
はるねーちゃんは任せてもいいとして黒葉はスマートフォーンを揺らさず撮影しながら移動していて声も出してないのどちょっと心配
でもワクワクとした顔をしているところを見ると楽しんでいるのだろう
「大丈夫?」
「う、うん、どうせなんで録画しておこうかなーって」
小声で返された
いつも信徒黒葉はなんでもスマートフォーンで写真を撮る、食事やふとした瞬間、それに野良猫や雲だって撮って写真にする
邪魔しちゃ駄目かなと思わず僕も小声で返してしまう
「なにかうつしたいものある?協力するよ?」
「あ、あのエルフっぽい神官さんの耳を見たいです」
「珍しいかな?」
「はい」
「じゃあ後で頼んでみるね」
「ありがとうございます、なにかおすすめのスポットはありますか?」
スポットってなんだろって聞くとおすすめの場所らしい
うーん、ここの城には後で行くし・・ギルドや訓練場は臭いし
女の子が喜ぶ場所・・喜ぶ場所?
遊園地はない
動物園もない、獣はいるけど珍しくはないしあぶない
水族館もない、水辺は危険
そもそもここは旅の途中で通りがかった城塞都市であって僕のを召喚したザウスキアではない
レアナー神聖教国でもない、何度か立ち寄っただけでこの土地に詳しくはない
・・・・神殿?そうだ!治した女性は喜んでた!・・・・・・いや、違うな
甘味処・・は、無いな、貴族用でもコンビニスイーツよりもしょぼい
服屋・・もないな、仕立て屋は行くものではなく来てもらうものだ
魔道具店はどうだ?ギルド直轄店舗なら役に立ちそうな・・・いや「役に立つ」のと「信徒黒葉が喜ぶ」は違うだろう?!
あ、そうだ!
「後で近くまで行くから一緒に行こっか」
「わかりました」
魔道具店や屋台、色んなギルドを回ってたまに欲しい物を買っていく
ちょっと疲れたので休むことにした
「はい、あ、これ食べよ、あ、ケーリーリュ、黒葉がカメラで耳撮りたいらしんだけど良い?」
「良いですけど、なんです?これ、冷たいですけど?」
「向こうのお菓子、美味しいよ」
「んーーーー!!」
耳をピコピコ動かしてスーパーで買ったアイスを食べてるエルフ
感動でなにかエルフ語か精霊語を言ってるがいまいちよくわからない
黒葉がそれをスマホで撮ってるがこれで良いのだろうか?
「私チョコで」
「はい」
「それとそれ、ひとくち頂戴」
うんって言う前にパクリと食べられた
僕にも差し出されて食べた
黒葉にも一口あげるとなぜかケーリーリュも食いついて無くなった、良いけどさ
だらだらコンビニのアイスを食べながら名のある店回って歩いてるだけだ
何も買わずにふらふら挨拶しているのを2人は変に思っているっぽい
「ねぇ洋介、ケーリーリュさんなんで色んなところを回ってるんですか」
「次で終わりですので」
「その前に練兵場寄ろう」
街で一番の建物、ここの領館だ
その横の練兵場に行く
今日も今日で兵士たちは武器を打ち合わせている
「ふぇー」
「ゲームのキャラみたいね」
「洋介聖下!ここには何の用で?」
「トゥガール、騎獣の子供いる?見に来たんだ」
「もちろん、いつでもいるものですが・・気をつけてくださいよ?あまり近づくと危険です」
城門から少しして迎えに来てくれたトゥガール、彼の顔はよく知っている
まさか婚姻なさるなんて、うちの子はどうです?なんて言うからほっといて進む
こちらを見て敬礼している兵士たちを無視して獣舎に入る
このあたりでよく騎乗に使われるサーベルタイガーのような見た目の騎獣のミャーゴル
ミャーゴルは仲間と認定したものを護る傾向があって扱いやすい
とても賢いし獣の神の末裔ともされている、山の崖なんかにたまにいるが騎獣として飼いならされたものの方が見れる機会は多い
毛並みがサラサラモフモフと気持ち良く、毛柄も様々で日本の猫よりも色んな柄がある
カラフルに緑や赤もいるしまだら模様や四角に星型など面白いものもいる
どの子がどの子か、馬よりもわかりやすい
グルルルルル
ココココ
グォアー
その大きな爪に大きな牙で敵を倒し、その俊敏さで垂直な壁を駆け上がれる
ミャーゴルの上位種なら空を駆けてたりすることもある
「くすぐった、そこ、だっひゃははははは」
すぐにもみくちゃにされた
みんな僕よりも大きいしのしかかられて重い、なめられてべっちょべちょだ
僕は騎獣になるような賢い獣たちであれば大抵は加護で仲良くなれたし、モフモフは正義だと思う
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