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第95話 婚姻式と既婚者
しおりを挟む洋介に連れられてレアナー様の神殿に来たのだが想像と違っていた
レアナー様の神殿だし怪我人や病人を見続けるのかと思ったのだが全く違っていた
洋介の言っていたように床が血で濡れているわけではない
それどころか石造りでとても立派な建物だ
美術はよくわからないがこの神殿が美しいことはわかる
神殿らしい神殿、ギリシャとかにありそうだ
少なくとも近代的なビルよりかは荘厳といった言葉が当てはまるだろう
聞いていた神官とはすぐに変なことをしたり女装や男装なんかをすると言っていたが多分洋介が可愛かったから遊ばれたのだろう
先ほどの顔色の悪い威圧感の凄い筋肉おじいちゃんとは違って今度の神官はまともそうだ
縁側でせんべいと緑茶をすすっていそうな印象を持つ、猫と一緒にいるような
お煎餅出してあげてみようかな、きっと喜ぶだろう
「なるほどなるほど、では今日は婚姻の儀としましょう!であえー!聖下が婚姻なされたぞー!!であえであえーー!!!!」
訂正、もちを詰まらせてしまえ
洋介も私も奈美も多くの神官がなだれ込んできて運ばれた
「ちょっやめっ!?」
「スマホ、おちっ」
あれよあれよと人の雪崩に運ばれて風呂に入れられた
見てると実に様々な人種がいる、耳が長かったり、ピンクにグリーンの髪!
毛深かったり鼻が犬や猫の形の子もいる、一応、多分全員女性で良かった
「あひゃひゃひゃ、やめ、くすぐったいって」
「ひーやー」
もはや人で視界は塞がれ、全身が磨かれる
くすぐったいし恥ずかしい
「どっちが婚約者?」
「どっちも磨けばよくない?うまく行けば部下の子も一緒に婚姻してもらえるよ!」
「それもそっか」
ちょ、おーい!?
目を回してる奈美だが隣のベッドで油みたいなの塗り込まれてる
ボディソープみたいなのは臭かったけどまだこの匂いはいいな
全身恐ろしいほど磨かれた、洗濯機に入れられた気分である
ここの人たちは抵抗出来ないほど力強い
全裸でそのまま別の部屋に入れられた
「どちらを着られますか?」
「貴女が第一夫人となるのですか?」
「ばか、洋介様には第一夫人はいらっしゃるから第二第三よ」
「こちらのドレスはどうでしょうか?流行りの」
「ちょっとまってそれ詳しく」
着飾ったはるねーちゃんが出てきた、胸の上側を大きく出してい大人びたドレスを着ている
生地が少しキラキラして太陽の光で輝いてとても綺麗だ
ちょっとドキッとしてしまう
「はるねーちゃ「よーすけ、正座」
「はい」
なんかすごく怒ってた、ねーちゃんはたまにおこる
こういうとき、さからってはいけない
レアナー教独特のもてなしは僕にもついていけない時あるし怒ったのかな?
「あんた、結婚してるってほんと?」
「なにそれ?」
僕に結婚した相手?いたのかなそんな相手?神官を捕まえて聞いてみる
聞いてみて思い出した
以前魔王討伐の旅で小人族の領土を抜ける必要があって、安全に通してもらうのに結婚したことにしたんだった
魔族の領地に近い小人族はどちらかというと人間を殺すアサシンやスリをするという印象がある
小人自体は善にも悪にもどちらにでも傾く、いわゆる中立の種族だ
人間も善にも悪にも染まるが基本は善の種族であるし、逆に魔族は悪の種族とされる
小人族は魔族の領地に近く、魔族の庇護下にあった
庇護下と言っても奴隷の扱いを受けていて苦しんでいた
僕も僕でその領地を通って魔王を打ち取りたかった
彼等は魔族からも人間からも虐げられることなく生存の道を歩みたいという目的があり、僕らも小人族をできることなら助けたいしこの地を安全に通り抜けたい
そんな思惑があり、現地の第一王女から提案があった
「結婚したことにしないか」と
もしも結婚したとして第一王女からすればレアナー教の重要人物であり勇者である僕が小人族の王族を嫁にする言えば国の風向き変わるし国民もそれに従う
レアナー教の「聖下」との結婚は人間にとって小人族を信頼する条件を満たせる
僕らも、いや、僕はさっさと魔王を倒しに行きたかった
無視してただ通り抜ければいいというものではない
小人族を使役する魔族どもを倒したとしても権力者を味方につけておかないと後ろから狙われないかとたまったものじゃなかった
あの後は一緒にいたりして・・・うん
「結婚したことにしてたんだった、忘れてた」
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