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第92話 円満退職後の宴

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私物を職場から強奪するように車に詰め込む

あ、このエアーコンプレッサー私のだったわ、結構重いのねこれ


「先輩!辞めるんですか!?先輩がいなかったら私達・・・!」

「うん、私はあの馬鹿の下はもう終わり!あなた達も頑張りなよ!!」


まともな社員は残念がってるが私が注意しても直らない不良社員共はニヤニヤと嬉しそうだ、あの馬鹿はまたサボっていないんだろう

ちょうどいい

いつもなら笑顔を作って隠してたがもうそんな必要もない

いや、今は開放感からか少し笑えてしまう

社長、いや元社長と話したからかスッキリ楽しい気持ちで片付けができる


後輩たちに手伝ってもらって見送られて式場を出る

スーツは私のものになるし、クリーニングして返ってくるものは後輩が届けてくれることになった

スーパーに寄ってビールや肉を買う、こんな時間に帰ることなんてなかったし残り物から選ばなくても良い

国産鶏もも肉、牛もも肉の赤身の油の筋少なめ、米も行っとくか!

思いつくものをカートに詰め込んでいく

帰ってすぐにご飯を炊く、エアーコンプレッサーとか重いし車から降ろすのは明日で良い!

いつもなら半額しか残ってないスーパーの弁当、それと野菜を食べて終わりだが今日は豪勢に行こう

ご飯にスイッチを入れたらビール缶を空け、一気に飲む


ゴッキュ・・ゴッキュ・・ゴッキュ・・


「ぷはー!!さいっこう!!!」


もう1缶開けてもう一口だけ飲んで国産鶏もも肉を開ける

もも肉を広げてフォークでダダダと穴を開け、一口大にカット!

ビールや醤油、生姜に・・・いや、ここは別パターンも作ろう!

ニンニクたっぷりめのベーシックな唐揚げ、ニンニクたっぷりの濃い味の唐揚げ、そしてニンニクたっぷりの塩ダレも少し入れて三種の味を漬け込む、生姜もたっぷり入れよう

米が炊けるまで後40分しかないし、パックに入れたら3つともよく揉み込む

今のうちに部屋に掃除機をサッとかけてベッドのシーツを変えてゴミ箱のゴミをまとめる

次だ次、タイツを脱いで風呂掃除

ガッシュガッシュといつもより磨いて、鏡もちゃんと洗う

シャンプーもコンディショナーもリンスもクレンジングオイルも泥パックも洗顔剤も化粧水も美容液も乳液も全て確認する

美容液は新しいものを補充する

磨いたお風呂にお湯を熱めに設定して予約しておく、おっと今日は炭酸風呂だ

洗濯物を洗濯機に入れる、うん、まだ3枚だし今日はいい

もうご飯が炊けるまで後少ししか無い!

冷蔵庫からつけた肉を軽く揉んで衣をつけて揚げる!


ジュワーッ


うん、いい音!

今のうちにキャベツとトマトを出して軽く洗う

トマトはヘタと角を取ってスライスし、オリーブオイルと粉チーズ、そして岩塩とわずかに乾燥パセリをふりかけておく、クルトンを入れるのもいいらしいが私はこれがベストだと思う

このトマト当たりだといいな


ビールを手に取り・・全部使ったんだった


どうせ短時間だと冷凍庫に入れていたビールを取り出して大きめのボウルに氷水と一緒に入れる

リビングでの宴は冷蔵庫までビールを取りに行くの面倒だしキンキンに冷えたビールが手元にあるのは最高だからね

キャベツは千切りにして唐揚げ用においておく


ピピッピピ!ピピッピピ!


おっと、ご飯が炊けたな、急ごう!

スープはサッと実家から送られてきた「プロもご愛用、レストラン仕様の三ツ星シェフスープ」をお湯で作る

ご飯をよそってテーブルに並べていく


小走りでキッチンに戻りカラッと揚がったからあげを千切りの上に載せていく

しっかり味をつけたが味変用にマヨネーズ、七味、柚子胡椒、塩コショウ、レモンも持っていく


パンッ


「 い た だ き ま す ! 」


ガリッと音を立ててサックサクの唐揚げを頬張る

普段はニンニクNGだったからさいっこう!!

ビールもキンっキンに冷えて


「うまいっっ!!」


このスープうちの式場に・・・いや、やめたんだったわ、ちょっとかなしー

お腹いっぱいになって、お風呂でごきげんにからだを磨いて炭酸風呂でリフレッシュする


「あ”っーー・・・・」


辞めた日が人生最高に気持ちいいとか初めて知ったわ、

自分で気づかなかったけどストレス溜まってたんだなー

今日は肌の手入れもささっと終わらせて布団に入って寝た

さいっこ・・・ぅ・・・・・

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