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第86話 異世界の神官様
しおりを挟む「早く街に行こっか」
頭を絞め上げて説明させるとマスコミ共が嫌だから一度休みを取ることにしたらしく、異世界に興味津々な私と奈美をつれてきたらしい
宗教的な威厳とかを洋介に教えている間にたまにワープしていたが異世界にまでこれるようになっていたのか
このゴワゴワした服もたまに私の服着せて遊んでいた腹いせにコスプレさせたかったわけじゃなかったのね
お母さんには既に許可をもらってるそうだ、一ヶ月ぐらいまでならオーケーらしい、いや、そんなにいる気はないけどね
どうするんだこれなんて思ったが奈美は奈美でキラキラした目でスマホを片手に色々撮りまわってる
「神殿は?レアナービルにきた人はどうするのよ?」
「毎日魔力をレアナー様神像に入れてたし、レアナー様が見てるから大丈夫だって」
突撃インタビュアーやテレビの取材スタッフは無視してもいいとおもう
担ぎ込まれてくる重病人や何日も並んでる治療目的の信徒希望者には適切な対処をしてもらえればと切に願う
私も瀕死で助けられた身だしね
晴れた空を洋介の杖で飛ぶ
「ひーはー!!!」
「慣れると気持ちいいですね」
「魔物に気づかれるかもだからあんまり大きな声で騒がないでね」
あまり風は感じないが景色もきれいだしとても気持ちがいい
今日は自由に操れる布を杖とお尻の間に挟んで飛んでいる
この布は元はグレー色でところどころ茶色く染みていた
何より臭かったのだが漂白するととても綺麗になった
金属も使われていると聞いていたので刃物用の流動パラフィンを使って錆止めもした
今は白くキラキラ輝いていて、何より臭くない
街は城壁に囲まれていて壁はところどころ破損しているが頑丈そう
槍や弓を持った人たちがいる、よく見てみるとケモミミっぽいのつけてる人もいた
城門の前には馬じゃない生き物が引いている・・馬車でいいのかな?それに人が並んで列ができている
こちらを指さしていたと思ったのだが一番うしろからスイスイ抜かしていくとこちらに向かってなにか叫んでいたり泣いて拝んできてるのがわかった
言語はちょっとわかんない
色んな人がいる、人だけではなくケモミミや小人、大きな人、様々だ
奈美は喜々として撮影してる
空飛ぶ杖の上なのに洋介の腰を掴むことなく布任せで両手でスマホを持っているのはどうかと思う
「洋介、なんて?」
「あー、えっと、言葉がわかるようにしてもらうからちょっとまっててね、ついたよ、ここからは歩き」
杖を降りると武装した門兵さんみたいな人がどうぞどうぞと喜んでくれていて洋介に向かって何かを祈ってることが見てとれた
「**** **** ********* ********」
「************ ***?」
「****** ** ************* ****** ****」
私にもなにかいってるが洋介はこちらの言葉でなにか説明してくれているようでよくはわからない
抜かれた槍を見ると少し怖い
「洋介?」
「大丈夫、ついてきて」
門をくぐるとその先はまさしく異世界だった
土の道路、ガラスのない5-6階建てほどの建物、屋台、何語かは分からないが雑多な喧騒、上から見た街の印象とはまるでちがう
あ、猫みたいな尻尾の人いる!水着かっておもうぐらいに薄着!!
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