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第60話 宴といえば酒!いやジュース!
しおりを挟む六太でも入れそうな鍋を出して僕よりも大きな脚を茹でてもらう
肉もどんどん焼いていく、徳田はバーベキュー好きなのかな?肉を串に挿してたりして手慣れてる
正直、僕、野菜いらないんだけど
「焼けたー、みんな食べよー!」
「ウメェ!食ったことねぇ味だな!」「なんの肉だこりゃ?」「癖は結構あるな、野菜は・・・マジィ!!!」
<よーすけ!よーすけ!私も!>
だよね、野菜はろくなのがない
そもそもこっちでは見たことがない形で苦かったり渋かったりする
せがむ女神様に魔力で好きにしてもらう、他の神様はこんなに主張してくることはなかったんだけどなぁ
「買ってきました!」
「よくやった陸斗」
「おつぎしやす」
買いに行ったのは徳田の家でボコボコにした一人で金髪で装飾品たっぷりつけてたスマートフォーンの連絡先の男、4人目の馬鹿だ、陸斗と言うらしい
僕の持っていた木の深皿にタレを入れてくれる、ごくり
「~~~~~~っ!!!」
「おいっしいですぅ!!」
これだよ!一口目なら美味しいと思える肉の癖でも二口目からはイマイチだった
でも焼肉のタレ!これと食べれば癖が逆に良くなってもっと食べたくなる!
甘辛くタレが癖のある脂に絡んで美味しい!!ご飯が欲しくなる
向こうだと塩をガンガン削って食べるってのが当たり前だった、みんなそれを美味しそうに食べるし、香辛料のような超高級品もあるにはあったけど・・僕のわがままで死人が出るのはちょっと・・・
「酒が欲しくなるな!」
「酒はないけどジュースならあるよ?」
金属のゴブレットを渡していく
これが異世界の飲み物、とか、言ってるがちょうどいい
ジュースの中でもちょっと酒になってるやつを匂いをかいで渡していく
「薄いがうまい!」「姐さんもどうぞ!」「中々いけるな」
傷んだジュースだ、空気も水も毒された土地なんかこの飲み物しかない場所もある
たまに酒になってるものもあるがそもそも酒の香りとか嫌い
お酒は二十歳になってからだよ、いや二十歳になっても独特な匂いが嫌だとは思うけどね
大人ってなんでこんなのを喜ぶのかわかんない
「カニはこんなもんでいいんじゃないですかね?あちち」
脚だけならこんなもんかな?胴体は鍋に入らないし、収納に戻す
六太たちがテーブルに自分の胴体ほどあるカニの脚を持ってきた
関節は簡単に切り落とせるのだがこいつの殻は凄く硬い、包丁や、前に僕に使おうとしたドスとかいうナイフでは刃が入らないみたい
「ちょっとどいて」
収納から聖剣を出して少し助走もつけて飛び上がって空中で一回転し半分に切る
ちょっと机も切っちゃった
真まで火が通ってるようにみえるのでさらに3回切って8つに分けた
「「「おおぉ~~」」」
そんなに珍しかったかな?
んー、風の精霊と旅してた剣士が空中で全部料理してたのを見たときは僕も驚いたっけ?
陸斗が小皿に取り分けてくれたのでかぶりつく、これ1つで豆腐ぐらいある
口元が汚れるのも気にせずにがぶりと行った
身がプチプチと解けカニのような美味しさが口に広がる
最後に何とも言えないほろ苦さが出てきて少し苦手、大人はこれも美味しいっていう
でもさすが最高級食材、食材の味だけで美味しいと思える
「こちらでもどうぞッス」
両手で差し出された深皿には、薬味が入っていた
なんだろこれ?
「醤油とマヨネーズ、こっちはポン酢ともみじおろしっす」
「もみじおろし?」
「よく分かんねぇけどうまいっす」
食べきれなかった分をつけて食べる
醤油とマヨネーズはこってりしたマヨネーズと強い味の醤油が身の濃い味に負けずにほろ苦さとも相まってめちゃくちゃ美味しい!
ポン酢ともみじおろしも食べてみる・・酸っぱさとほんのり爽やかな風味のアクセントがたまらない!!!
ちょっと大きいかなと思ったけど食べ切った
「ごちそーさま」
「口周り汚しすぎ、じっとして」
黒葉さんに濡れたタオルで拭かれてそのまま寝た
なんでこんなことしたんだっけかな?
苛立ってたような気がする、でも気持ちいい風でどうでも良くなった
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