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第58話 交渉

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「それもいいわね!」

<でしょー?>

「こっちは?」


家につくときせかえ人形にされた

女神様の制限はメイド服じゃなくても可愛ければいいようだ


動画を映していたことをすごい怒られてた

だけど怒りつつもチラチラとこっちを見ているはるねーちゃん

女神様の言い分につられてか僕にいろんな服を着せ始めた

女神様も魔力切れてるはずなのに僕のお嫁さんってことで姿が見えてるみたいだ


5年前にねーちゃんが来てたワンピースとか色々とダメだと思う

女神様も収納から謎の服いっぱい出して対抗してる、女性用神官服に貴族のドレス、町娘の服とか


「やるなぁ」

<へっへーん>

「じゃあこれを・・・!」


ねーちゃんが出したのは水着だ

無心できせかえ人形をやってた僕だが流石に逃げた

今は着せ替えるよりも収納からごっそり出した服をおばさんとねーちゃんと見せあって楽しんでる


交渉の余地がなかったら逃げてもいいじゃないか・・・!


ねーちゃんのデニムの短パンと緑色のフードを着てリビングでテレビ見てる亮二おじさんのところに行った



「お?遥のお下がりかい?」

「きせかえ人形にされたー、どうにかしてよー」

「ふぅ、洋介くん、男には諦めなきゃいけないときってのがあるんだ・・・・」


ダメだ、この大人、役に立たない


ピンポーン


「はーい」


だれだろ?

亮二おじさんが行ったので野球からチャンネルを変える

写ってたのは僕がやった【清浄化】だ、結構離れても光ってるのを見るとどうです?すごいでしょう?と言いたくもなる、あ、すぐに場面切り替わった

近くで見られた未確認生物について・・・・?


「帰ってください!」


なんだろ?はるねーちゃんが大きな声出してる?

玄関に向かうとスーツの男性と女性がいた


「魔法で治ったかなんてわからないじゃない?ね?今なら病院も検査の費用を全額負担って言ってることですし」

「いやです、治ってるのに何度も何度も検査されるし検査で正常な場所に穴を開けて組織を採取させてくれとか異常ですよ」

「そこをなんとか、だいたい魔法なんてあるわけ無いですし薬で治ったとしてもそれは許可されてるはずがありません、どんな副作用が」

「はるねーちゃんだいじょうぶ?」


魔法なんてあるわけないって言われて少しムッと来た

伯父さんは【治癒】をかけなくても今でも生きていたと思う

でもはるねーちゃんは間違いなく死んでいたはずだ


「洋介、大丈夫だから」

「洋介?元杉洋介くん?魔法少女の?」

「僕は男です」

「ちょうどいいわ、来てもらえない?」


おばさんの顔色が変わった

嬉しそうだ、なんだろ?信徒になりたい?女神様に興味がある?


「なんです?レアナー教に入りたいのですか?」

「そんなわけないでしょう?ありもしない宗教に入るなんて冗談じゃない、いい?あなたが本当に治したかどうかはわかんないけどここまで大事になったら国も調査しないといけないのよ」

「・・・・・は?」

「それに本当に治せるのならもっと治してもらわないと、世の中病人は多いのよ?まぁありえないでしょうけどね」

「なんでそんな事言うんですか?」

「だってありえないでしょ?女神とか宗教とか普通に考えて詐欺じゃない」

「まずいですよ安藤さん」

「いいのよ、この子のせいで私達がこんな仕事しないといけないの?わかる?」

「・・・・・・・・」


この人が何を言っているのかわからない、呆けていると後ろのスーツの人がおばさんに一言かけたがおばさんはこちらに一歩近づいた


「あの動画も見たわ、あんな子供だましで世間の注目を集めて楽しかった?貴女小さいけど16歳なんでしょう?よく出来た映像技術だとは思うけど心霊商法で人を騙す暇があったら」


「【だまれ】」

「ひっ!?」


声に魔力を載せ、収納から杖を取り出し、おばさんに突きつける

後ずさるおばさんとおじさんだがそのまま玄関を出る


「あ、貴女の騒動を調べるのにどれだけの労力がかかったと思ってるのよ!」

「やめましょう!本物ですって!!」


道路まで下がって座り込んだ二人に警告する


「【レアナー様のいるこの家で、レアナー教神官の僕に向かってレアナー教を馬鹿にしたな?】」

「そんなのいるわけが」


まだ言うか!?


向こうではこんな事を言うのは邪教徒、敵対宗教に悪魔共しかいない

言葉で言うだけにはとどまらない

こちらの教徒が1人でいるところを捕まりでもすれば命の保証なんてない、何度も見てきて【許せるはずがない】と心の底から湧き出てくる

邪教徒じゃないにしてもレアナー様を侮辱するなんてありえない


<よーすけ?どうしたのですぅ?>

「【女神様、この者たちがレアナー教を侮辱しました】」

<後ろで見てましたが仕方ないですぅ、こっちではまだ始まったばっかりですぅ、許してあげましょう>

「わかりました・・今回は女神様に許しを得たようだが二度目は許されん、覚えておけ」

「「・・・・・・・」」


威圧が過ぎたのか道路で転がってる二人を放っておく

騎獣にでも轢かれてしまえ、いやこっちでは車しか見ないな


魔力も高ぶってるしこんなに怒ってるのをはるねーちゃんに見られたくはなかった

杖を使って【飛翔】して、女神様とそこを離れた



ドロドロと嫌な気分が拭えない
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