上 下
49 / 618

第49話 黒葉奈美の最高と

しおりを挟む

何でもします

気軽に言っていい言葉ではない

だけど親友のためなら何だってしようと思ったんだ


思っただけで口にすること無いじゃない・・・!?

遥はひとつ上で別の学部の先輩だ

大学で見かけたときは派手な女の子や優しそうな男の子と一緒にいたりと派手なグループにいた


自分には関係ない


確かなにかの講義のレクリエーションで同じだったのが初めてだった

口下手な私の意見なんか聞かない人も多い、だけど遥は私の言いたいことを不思議なほどに読み取ってくれて、私の考えどおりにレクリエーションは進んで最優秀賞をとれた


私の手を取って喜ぶ遥に私は惹かれた


うん、私ちょろいって思う

レクリエーションで一緒だっただけで、学部も学年も違う私と仲良くなれるなんて高望みもしなかったけど、とにかくその時は嬉しかった


「1人?よかったら一緒に食べない?」

「は、はい」


1人でお弁当を食べていると遥が来て私の卵焼きを褒めてくれて・・・いつの間にか一緒に行動するようになった

馬鹿な考えだけど彼女のためなら借金の保証人になってもいい、ふとそう思えるぐらいには彼女を大切に思ってる

そんな彼女が階段から落ちて、治せない病にかかって、彼氏が浮気して、私がやらかして、学内で遥がボロカスに言われて、春樹ってクズに殴りかかったのは最近の話だ
あっさりいなされたけど


ご飯も喉を通らずにどうにかできないかと調べた


なじられてもいいからと遥に会いに行こうとも思ったが遥が嫌だったらと思うと玄関も開けられない

そんな時に見つけた怪しい情報で世間を騒がす光るビルに行き、どう見ても怪しいビルに現れた怪しい神官と出会い、何故かヤクザのところに行った

怪しいビルに行って並んだだけでも私はいっぱいいっぱいだったのに私の心臓が破裂しなかったのは凄いだろう


遥の命運以前に私の命が風前の灯火であったかもしれない


しかし眼の前で凶悪そうなヤクザを何人もあっさり倒して、今にも死にそうな怪我人や病人を目の前で治してしまったんだ、希望を持たないやつは頭がおかしい

しかも普通ではありえないような剣だって何もないところから出していたし魔法も使っていた

もっと魔法っぽく呪文とかを唱えたりするかと思ったけどそれはしていなかった

首元に入墨の見える病気のおじいちゃんが入墨もなくなって病気も治った

老人が何人も振り回してたのには全く実感が沸かなかったが


ヤクザの家で失禁しなかったのだけは褒めてほしい


遥のところまで行こうとしてて、うん、余計なこと口走って、それから覚えてない、限界だったもんな私、うん

なにかの高笑いで目がさめたら全身ガチガチに固定されてて、お空の上

神官様越しに今まで見た遥の中でも一番綺麗になってる遥がいた

ちょっと顔も赤くて、大学で一緒にいたときよりも健康そうで、婚姻届を持っていったときとはまるで違っていた

あ、これ夢だわ、なんて思ったけど遥に大福を食べさせてもらって完全に夢じゃないと確信した、いや半分ぐらいかな?妖精みたいな女神様とかいたし


「間接キスですぅ」


キス?誰が?誰と?WHY?・・・・・私ぃ!!!??

こんな性格だし人と恋沙汰になるなんて考えたこともなかった、いや神官様はカッコ可愛いし、ヤクザのおじさんたちをボコボコにしたときなんか胸がドッキドキした

飛んでる神官様の負担になってるらしいと聞いてゾッとした、落ちれば死ぬ

落ちないようにしてくれてるようだけど神官様に思い切り抱きつく


・・・・あ、何だろこれ?


あまり嗅いだことのない、少し男の人の汗の匂いが漂ってきて、それでいて、自分の胸の鼓動に気がついた

しっかり体を寄せると、小柄な体ながらにしっかりと男の子ということがわかる


そのまま遥の家について泊めてもらった

女友達とは言え一緒の布団で寝るなんて小学生以来か

私は背が高いしベットを大きく占領してしまい、身を小さくしてしまう


私にとって唯一無二の親友がこうして治って、私のことを許してくれて目の前にいる


「婚約者なんだって?」


そう言うと吹き出して、赤くなって照れてる彼女がかわいくて


少し胸が痛む


「わ、私を治すために仕方なくよ!」

「え?」

「私を治すのに神様の条件ってのがあって、それで私を治すために結婚しなきゃいけなかったんだって」


私は胸の鼓動で恋を確信した


ダメなのに・・・・・!


今夜は寝られないな、なんて思ってたが自分で思った以上に疲れてたみたいで

今日何があったかを遥と話してたはずがいつの間にかまどろみに落ちていた
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

S級冒険者の子どもが進む道

干支猫
ファンタジー
【12/26完結】 とある小さな村、元冒険者の両親の下に生まれた子、ヨハン。 父親譲りの剣の才能に母親譲りの魔法の才能は両親の想定の遥か上をいく。 そうして王都の冒険者学校に入学を決め、出会った仲間と様々な学生生活を送っていった。 その中で魔族の存在にエルフの歴史を知る。そして魔王の復活を聞いた。 魔王とはいったい? ※感想に盛大なネタバレがあるので閲覧の際はご注意ください。

推しと行く魔法士学園入学旅行~日本で手に入れた辞典は、異世界の最強アイテムでした~

ことのはおり
ファンタジー
渡会 霧(わたらい きり)。36歳。オタク。親ガチャハズレの悲惨な生い立ち。 幸薄き彼女が手にした、一冊の辞典。 それは異世界への、特別招待状。 それは推しと一緒にいられる、ミラクルな魔法アイテム。 それは世界を救済する力を秘めた、最強の武器。 本棚を抜けた先は、物語の中の世界――そこからすべてが、始まる。

欲張ってチートスキル貰いすぎたらステータスを全部0にされてしまったので最弱から最強&ハーレム目指します

ゆさま
ファンタジー
チートスキルを授けてくれる女神様が出てくるまで最短最速です。(多分) HP1 全ステータス0から這い上がる! 可愛い女の子の挿絵多めです!! カクヨムにて公開したものを手直しして投稿しています。

俺だけ毎日チュートリアルで報酬無双だけどもしかしたら世界の敵になったかもしれない

亮亮
ファンタジー
朝起きたら『チュートリアル 起床』という謎の画面が出現。怪訝に思いながらもチュートリアルをクリアしていき、報酬を貰う。そして近い未来、世界が一新する出来事が起こり、主人公・花房 萌(はなぶさ はじめ)の人生の歯車が狂いだす。 不意に開かれるダンジョンへのゲート。その奥には常人では決して踏破できない存在が待ち受け、萌の体は凶刃によって裂かれた。 そしてチュートリアルが発動し、復活。殺される。復活。殺される。気が狂いそうになる輪廻の果て、萌は光明を見出し、存在を継承する事になった。 帰還した後、急速に馴染んでいく新世界。新しい学園への編入。試験。新たなダンジョン。 そして邂逅する謎の組織。 萌の物語が始まる。

スライムすら倒せない底辺冒険者の俺、レベルアップしてハーレムを築く(予定)〜ユニークスキル[レベルアップ]を手に入れた俺は最弱魔法で無双する

カツラノエース
ファンタジー
ろくでもない人生を送っていた俺、海乃 哲也は、 23歳にして交通事故で死に、異世界転生をする。 急に異世界に飛ばされた俺、もちろん金は無い。何とか超初級クエストで金を集め武器を買ったが、俺に戦いの才能は無かったらしく、スライムすら倒せずに返り討ちにあってしまう。 完全に戦うということを諦めた俺は危険の無い薬草集めで、何とか金を稼ぎ、ひもじい思いをしながらも生き繋いでいた。 そんな日々を過ごしていると、突然ユニークスキル[レベルアップ]とやらを獲得する。 最初はこの胡散臭過ぎるユニークスキルを疑ったが、薬草集めでレベルが2に上がった俺は、好奇心に負け、ダメ元で再びスライムと戦う。 すると、前までは歯が立たなかったスライムをすんなり倒せてしまう。 どうやら本当にレベルアップしている模様。 「ちょっと待てよ?これなら最強になれるんじゃね?」 最弱魔法しか使う事の出来ない底辺冒険者である俺が、レベルアップで高みを目指す物語。 他サイトにも掲載しています。

アメイジング・ナイト ―王女と騎士の35日―

碧井夢夏
ファンタジー
たったひとりの王位継承者として毎日見合いの日々を送る第一王女のレナは、人気小説で読んだ主人公に憧れ、モデルになった外国人騎士を護衛に雇うことを決める。 騎士は、黒い髪にグレーがかった瞳を持つ東洋人の血を引く能力者で、小説とは違い金の亡者だった。 主従関係、身分の差、特殊能力など、ファンタジー要素有。舞台は中世~近代ヨーロッパがモデルのオリジナル。話が進むにつれて恋愛濃度が上がります。

十年間片思いしていた幼馴染に告白したら、完膚なきまでに振られた俺が、昔イジメから助けた美少女にアプローチを受けてる。

味のないお茶
恋愛
中学三年の終わり、俺。桜井霧都(さくらいきりと)は十年間片思いしていた幼馴染。南野凛音(みなみのりんね)に告白した。 十分以上に勝算がある。と思っていたが、 「アンタを男として見たことなんか一度も無いから無理!!」 と完膚なきまでに振られた俺。 失意のまま、十年目にして初めて一人で登校すると、小学生の頃にいじめから助けた女の子。北島永久(きたじまとわ)が目の前に居た。 彼女は俺を見て涙を流しながら、今までずっと俺のことを想い続けていたと言ってきた。 そして、 「北島永久は桜井霧都くんを心から愛しています。私をあなたの彼女にしてください」 と、告白をされ、抱きしめられる。 突然の出来事に困惑する俺。 そんな俺を追撃するように、 「な、な、な、な……何してんのよアンタ……」 「………………凛音、なんでここに」 その現場を見ていたのは、朝が苦手なはずの、置いてきた幼なじみだった。

【書籍化決定】俗世から離れてのんびり暮らしていたおっさんなのに、俺が書の守護者って何かの間違いじゃないですか?

歩く魚
ファンタジー
幼い頃に迫害され、一人孤独に山で暮らすようになったジオ・プライム。 それから数十年が経ち、気づけば38歳。 のんびりとした生活はこの上ない幸せで満たされていた。 しかしーー 「も、もう一度聞いて良いですか? ジオ・プライムさん、あなたはこの死の山に二十五年間も住んでいるんですか?」 突然の来訪者によると、この山は人間が住める山ではなく、彼は世間では「書の守護者」と呼ばれ都市伝説のような存在になっていた。 これは、自分のことを弱いと勘違いしているダジャレ好きのおっさんが、人々を導き、温かさを思い出す物語。 ※書籍化のため更新をストップします。

処理中です...