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第20話 はるねーちゃんと対面

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かなみちさんは検査があるとかで看護師さんに連れて行かれた


「二三日中に鍵用意させるから待っとってーな!」

「はーい、いってらっしゃーい」


病院ってのも大変だなぁ

とりあえずここに看板を立てかけておいて伯父さんを探した

うん、さっき病室見たらいなかったけどいた


「伯父さんこんにちはー、これ途中でもらったお菓子、女神様と食べよー」

「おー洋介!よくきた!!」


昔と変わらず四角い眼鏡に筋肉質な伯父さんだ、なんかツヤツヤしてる

髪の色も黒っぽく戻ってるし昨日の死にかけっぽさは全く感じない

なんか撫でてきた手が痛い、いたた、頭掴まれてる!?


「いたた?伯父さん?」

「アイアンクローって言ってな、このバカモンが!そこに座れ!!!」


滅茶苦茶怒られた

はるねーちゃんは治ってから大暴れするし、他の患者も窓から飛び降りて木を伝って脱走して海に飛び込んで帰ってきたとか柱の天井付近にセミみたいに捕まって離れない患者とか駐車場の自分の車をベンチプレスしてた人がいたらしい


「洋介、お前の、仕業だよ、な?」

「いたたたたたたた!!!!???ごめんなさい!!!!」


散々怒られた


「で、昨日はどうした?」

「隣の家の和室で寝てまた来た」

「その間にやらかしてないだろうな?」

「うん」


ジトーっとした目で見られるもやましいことは何一つ無い


「まぁわかった、それより遥ちゃんだ、大暴れして拘束されて眠らされてるからなんとかしてこい」


ねーちゃん何やったのさ!?


「返事は?!」

「はい」


伯父さんについていくとねーちゃんは変な服を着てロープで文字通りぐるぐる巻きにされてた

目のくぼみも肌艶も良くなってるし、髪も肩までの長さはないけど生えてる

一応健康そう?でちょっと安心

一度確認したし部屋を出る、部屋の前のベンチで寝てたのは隣の家の亮二おじさんだよね?


「やぁ洋介くん」


隣のおじさんがげっそりした顔でいた

おばさんはベンチで寝てる


「こんにちは」

「うん、こんにちは、まずは遥を治してくれてありがとうね」

「いえ、僕もはるねーちゃん治って良かったです」

「で、なんであんなに遥は暴れてたの?」


なんでって僕も聞きたいんだけどなぁ

あぁでも前線で意識のない戦士を治してたら稀にそのまま襲いかかってきてたし


「・・・戦闘中だったんじゃ?」

「洋介くん、相変わらず突拍子もないけどもうちょっと詳しく」

「寝てる状態だったんで寝る前が戦闘してたとか夢の中で戦闘してたとかで襲いかかってくる人はたまにいました」

「そういえば君は大丈夫なの?マウントとられて殴られてたよね?すごい力で」

「あのときは痛かったけど大丈夫です」

「そ、そうか、とにかく遥は暴れまわってね、なんとか眠らせられたんだが、とにかく落ち着かせられないかい?僕らの力じゃどうにもできなくてね」

「わかりました」


病室に戻る


「昨日みたいにわしが止めようか?」

「いや、僕がやるから大丈夫、あ、でもベッドはどうなるかわかんないし物飛んでったら怖いからドアの前から人下がらせといて」

「わかった、気をつけてな」


戦闘用の神官服に着替えてはるねーちゃんを対魔物用の鎖でベッドごとぐるぐる巻にする

こんなもんかな?

杖を出して自分に能力向上系の魔法をかけていく、最後に【魔力障壁】をかける

部屋の内側、壁や天井、床も含めて障壁を作っておく

やるか


「はるねーちゃんおきて、あさ、じゃない昼だよー」


揺らしても起きない、一歩離れて杖を胸の上に起き【覚醒】を施す


「・・・ん?なにこれ?」

「おはよ、はるねーちゃん」


ガチャンとベッドが揺れた、また殴られるかと一歩後ずさった
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