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二人は急いで服に着替え、部屋を飛び出した。
「はぁ…はっ…ごめんゼア!私っ、なんかもう我を忘れちゃってて!!」
「はっ…はふっ……謝らないでっ!!確かにアカリのしたことは不誠実なことだけど、強く拒否しなかったのは私だし、叫んでエメを呼ぶことだって出来た!それにっ、何よりっ――――」
しかし、ゼアはそれ以上言葉を紡ぐことはなく、ただ二人の息遣いと、廊下を走る二つの音が響くだけ。
屋敷はかなり広く、玄関まで走り切る頃には二人ともすっかり疲れ、肩で息を吐いていた。
扉を開いて外に出るが既にエメの姿は見えず、膝に手を付いてお互いに顔を見合わせる。
「はっ、はっ…ふっ…。エメさんが、行く場所に心当たりは!?」
「はぁ、はぁ…分からないわ!エメが外に出る時は大体私も一緒だけれど、エメのおすすめしたお店に行くだけで規則性はないしっ、エメが一人で行く場所なんて聞いたことないものっ!!」
「でもっ、とにかくっ、じゃあ!とりあえず、ゼアが一緒に行ってた店に―――」
「ウフフ♡待っていたわよ。エメユイがいなくなるのを」
突然背後から聞こえた声に勢いよく振り返る二人。
そこにいたのは黒髪ハーフの長身の女性。目元が髪の毛で隠れているが、唇は赤い口紅でスタイルも良く妖艶な雰囲気を醸し出している。
「「だっ、誰!?」」
「私はラチュラ。悪いけど、大人しく捕まってもらえる?」
ラチュラと名乗る女性は徐に人差し指を前に翳し、白い糸を放出した。
糸は一直線にアカリとゼアの方へと向かい、二人は咄嗟のことで動けずに服の裾にくっつけられる。
「な、何これ!?糸!?」
ゼアはくっつけられた糸を手で払いのけようとするが、触れば触るほど寧ろ粘着性のある糸が手に絡まってしまう。
「ゼア!暴れちゃ駄目!多分これ、粘着力の高い横糸だからっ!!」
アカリがゼアに呼び掛けるが、パニックになってしまっているのか聞こえてる様子はなく、糸はどんどん巻き付いていく。
「ぐっ…『ウィンド』!!」
アカリは風魔法を繰り出し、自分に付着してた糸を切った。
「あら、こっちの子は少し戦闘経験があるみたいね。だったら、これならどうかしら?♡」
ラチュラは人差し指に続き、中指を突き出し、さっきよりもいくらか太い糸を射出した。
糸は高速でアカリの腕に突き刺さり、物凄い勢いで身体に巻き付いていく。
「痛っ!?うぃ、『ウィンド』!!」
再び風の刃を繰り出すも、糸は切れることなくアカリの身動きを縛っていく。
「さっきより硬い!?だったら、『ファイアボール』!!」
ギリギリ取り出せた右手から炎の球を生成し、ラチュラ目掛けて撃ち込むが、
「あら」
ラチュラは片手でそれを簡単に受け止め切ってしまう。
「な、なんで!?私の炎魔法、相当強いはずなのに!」
「確かに強力な魔法だったけど、残念♡私の体に魔法は効かないわ。やるならもっとデカいのじゃないとね♡さて、もう十分糸も巻き付いて動けないでしょ。そろそろ余興も終わり。お前たち!」
「「はっ!!」」
突然茂みから飛び出して来た白のローブの女たちがアカリとゼアに後ろから抱き着いた。
「はっ、離して!!私はこんなことしてる場合じゃないの!エメを追いかけな…ぃ…と…」
ゼアは少しの間じたばたと抵抗していたが、段々と抵抗が弱まり、やがて白目を剥いて気を失ってしまう。ゼアの首にはローブの女の爪が深々と突き刺さっており、爪から流された毒によるものである。
「ゼア!?ぐっ…なら、『身体強化』!!」
アカリは首元に近付けられた手を掴み、爪が刺さる前に止めた。
しかし、身体強化を使っても糸を解くことは出来ず、僅かに緩ませることしか叶わない。
「あら♡そっちの子は随分たくさん魔法を使えるようね。うふふ♡カバキ、離れなさい」
「はいっ」
カバキと呼ばれたフードの女は命令通りアカリから離れ、代わりにラチュラがアカリのすぐ目の前まで歩み寄る。
「うふっ♡あなた、人間にしては可愛らしい顔をしているわね♡こういう状況じゃなければ別の方で相手をしたかったわ♡」
「えっ、それってどういう意味でんぶっ!?」
唐突に塞がれるアカリの唇。
いきなりのことで容易くラチュラの舌の侵入を許してしまい、ぬるりと絡められる舌。
「じゅるっ♡じゅるる♡じゅぷっ♡コクッ、んぐっ♡」
巧みな舌技によりアカリの緊張を解され、麻痺作用のある唾液を飲まされる。
物理耐性には定評のあるアカリだが、状態異常に対する抵抗力は低いため唾液を流し込まれる度に頭の中が真っ白に、全身の感覚がなくなっていく。
アカリが完全に脱力したのを確認してから、ラチュラは銀の糸を引きながら唇を解放した。
「ぷはっ♡ふふ、ごちそうさま♡さて、そろそろ目的のお姫様を運んで―――って、アシナ!?」
見れば、アシナと呼ばれたローブの女は地面に転がされ、アシナを足で押さえつけ、いつの間にか体に巻き付いていた糸の消えているゼアを抱えたメイドの姿がそこにあった。
その顔は怒りで歪んでおり、鋭い殺意は終始余裕気だったラチュラさえも怯ませた。
「私としたことが…一時の激情でゼア様から目を離し、こんな危険に晒してしまい一生の不覚でございます」
エメは愛おしそうな表情で胸に抱き寄せたゼアの頭を撫でてから、すぐ近くの木の下に座らせた。
そして再び鋭い目つきに変わり、
「償いとして、お前を殺します」
ラチュラを睨みつけた。
「ふふ、初めまして、エメユイ。私の名前はラチュラ。人間ごときが私を怯ませるなんて、話には聞いていたけど人間にしては骨のある子みたいね。元々ゼアの誘拐が目的だったけど、遅かれ早かれあなたも攫う予定だったし、丁度いいわ。主人とまとめて仲良く縛ってあげる♡」
「随分舐めた口を。と言うよりその口ぶりだと、お前は魔物ですね…?」
「そうね、私は人蜘蛛。人間みたいな下等で無能な生き物とは違って、力を持つ最強の種族よ。例えばこんな風に」
ラチュラは再び人差し指をエメユイに向けて、糸を放出する。
「『ダークホール』」
エメユイは手を糸の方に翳して唱えれば、手の前に闇色の塊が生成される。
糸は闇の中に入っていき、飲み込んで消えた。
「ちんけな糸ですね」
「うふ。闇魔法ね。見た感じそこまで強力じゃなさそうだけど、私の糸とは少し相性が悪そうね」
「お前の能力は見た所、硬く丈夫な縦糸と、柔らかく粘着性の高い横糸、そして恐らく、即効性の毒液の三つだけ。毒にさえ気を付ければ闇魔法でどうにでもなりそうですね」
「ふふ♡どうかしら」
ラチュラは首をゴキゴキと鳴らし、大きく息を吐いて俯いた。
「…?急になにを…?」
エメユイが警戒して踏み込めないでいると、突然ラチュラは震え出し、次第に髪色が黒から白へと変色していく。同時に足がゴキゴキと物凄い音を鳴らしながら、黒紫の八本足と大きな塊に形を変えていく。
その姿は正しくアラクネ。
髪色は白と桃色を肩まで伸ばしたミディアムで、前髪は分かれて八つ目が露わになる。
八本足で上半身より大きな蜘蛛の胴体を下半身から伸ばし、さっきまでとは一変、魔物と呼ぶにふさわしい見た目に変貌を遂げた。
エメユイは涼しい顔で、
「なるほど。それがお前の真の姿と言うわけですね。無駄に大きくなっただけで、何が変わったと言うのでしょうか」
「そうね、見せてあげる」
ラチュラは股の辺りから生えた蜘蛛の口をぴくぴくと動かし、勢いよく太い糸を吐き出した。
それは一直線にエメユイの方へと伸びていく。
「無駄なことを…『ダークホー…何!?」
糸はエメユイに当たる直前で何十本もの細い糸に分裂し、エメユイの手を避けて体に絡みつく。
「ぐっ…小癪な真似を!『ダークア――――」
「うふふ♡残念、少し遅かったわね。チェックメイトよ♡」
「―――ぁ」
エメユイは魔法を全て唱えきる前にぐらりとバランスを崩し、地面に膝を着く。
「ぃ、一体…なに…が……」
途切れそうな意識の中で見えたのは、自分の首筋に爪を立てるフードの女の姿だった。
「なる…ほ……ど……ゼア…さま…もうし…わけ……ぁ……」
エメユイはそう最後に呟き、地面に倒れ込んでしまった。
意識がなくなったのを確認し、ラチュラは元の人型の姿に戻り、
「思ったより呆気なかったわね。アシナ、もう意識は戻ってるんでしょ。早く立って、エメユイを担ぎなさい。カバキもゼアを担いで。さっさと王都に帰るわよ」
「ラチュラ様、この赤髪の女はどうされますか?」
ラチュラは横目でアカリを一瞥し、
「いいわ、放っときなさい。人間にしては可愛らしいとは思うけど、私より弱い生き物に興味ないわ。依頼対象のゼアとエメユイだけ袋に入れなさい」
「「はいっ、分かりました!」」
独り取り残されたアカリが目を覚ましたのは、ラチュラたちが去ってしばらく経ってからのことだった。
「はぁ…はっ…ごめんゼア!私っ、なんかもう我を忘れちゃってて!!」
「はっ…はふっ……謝らないでっ!!確かにアカリのしたことは不誠実なことだけど、強く拒否しなかったのは私だし、叫んでエメを呼ぶことだって出来た!それにっ、何よりっ――――」
しかし、ゼアはそれ以上言葉を紡ぐことはなく、ただ二人の息遣いと、廊下を走る二つの音が響くだけ。
屋敷はかなり広く、玄関まで走り切る頃には二人ともすっかり疲れ、肩で息を吐いていた。
扉を開いて外に出るが既にエメの姿は見えず、膝に手を付いてお互いに顔を見合わせる。
「はっ、はっ…ふっ…。エメさんが、行く場所に心当たりは!?」
「はぁ、はぁ…分からないわ!エメが外に出る時は大体私も一緒だけれど、エメのおすすめしたお店に行くだけで規則性はないしっ、エメが一人で行く場所なんて聞いたことないものっ!!」
「でもっ、とにかくっ、じゃあ!とりあえず、ゼアが一緒に行ってた店に―――」
「ウフフ♡待っていたわよ。エメユイがいなくなるのを」
突然背後から聞こえた声に勢いよく振り返る二人。
そこにいたのは黒髪ハーフの長身の女性。目元が髪の毛で隠れているが、唇は赤い口紅でスタイルも良く妖艶な雰囲気を醸し出している。
「「だっ、誰!?」」
「私はラチュラ。悪いけど、大人しく捕まってもらえる?」
ラチュラと名乗る女性は徐に人差し指を前に翳し、白い糸を放出した。
糸は一直線にアカリとゼアの方へと向かい、二人は咄嗟のことで動けずに服の裾にくっつけられる。
「な、何これ!?糸!?」
ゼアはくっつけられた糸を手で払いのけようとするが、触れば触るほど寧ろ粘着性のある糸が手に絡まってしまう。
「ゼア!暴れちゃ駄目!多分これ、粘着力の高い横糸だからっ!!」
アカリがゼアに呼び掛けるが、パニックになってしまっているのか聞こえてる様子はなく、糸はどんどん巻き付いていく。
「ぐっ…『ウィンド』!!」
アカリは風魔法を繰り出し、自分に付着してた糸を切った。
「あら、こっちの子は少し戦闘経験があるみたいね。だったら、これならどうかしら?♡」
ラチュラは人差し指に続き、中指を突き出し、さっきよりもいくらか太い糸を射出した。
糸は高速でアカリの腕に突き刺さり、物凄い勢いで身体に巻き付いていく。
「痛っ!?うぃ、『ウィンド』!!」
再び風の刃を繰り出すも、糸は切れることなくアカリの身動きを縛っていく。
「さっきより硬い!?だったら、『ファイアボール』!!」
ギリギリ取り出せた右手から炎の球を生成し、ラチュラ目掛けて撃ち込むが、
「あら」
ラチュラは片手でそれを簡単に受け止め切ってしまう。
「な、なんで!?私の炎魔法、相当強いはずなのに!」
「確かに強力な魔法だったけど、残念♡私の体に魔法は効かないわ。やるならもっとデカいのじゃないとね♡さて、もう十分糸も巻き付いて動けないでしょ。そろそろ余興も終わり。お前たち!」
「「はっ!!」」
突然茂みから飛び出して来た白のローブの女たちがアカリとゼアに後ろから抱き着いた。
「はっ、離して!!私はこんなことしてる場合じゃないの!エメを追いかけな…ぃ…と…」
ゼアは少しの間じたばたと抵抗していたが、段々と抵抗が弱まり、やがて白目を剥いて気を失ってしまう。ゼアの首にはローブの女の爪が深々と突き刺さっており、爪から流された毒によるものである。
「ゼア!?ぐっ…なら、『身体強化』!!」
アカリは首元に近付けられた手を掴み、爪が刺さる前に止めた。
しかし、身体強化を使っても糸を解くことは出来ず、僅かに緩ませることしか叶わない。
「あら♡そっちの子は随分たくさん魔法を使えるようね。うふふ♡カバキ、離れなさい」
「はいっ」
カバキと呼ばれたフードの女は命令通りアカリから離れ、代わりにラチュラがアカリのすぐ目の前まで歩み寄る。
「うふっ♡あなた、人間にしては可愛らしい顔をしているわね♡こういう状況じゃなければ別の方で相手をしたかったわ♡」
「えっ、それってどういう意味でんぶっ!?」
唐突に塞がれるアカリの唇。
いきなりのことで容易くラチュラの舌の侵入を許してしまい、ぬるりと絡められる舌。
「じゅるっ♡じゅるる♡じゅぷっ♡コクッ、んぐっ♡」
巧みな舌技によりアカリの緊張を解され、麻痺作用のある唾液を飲まされる。
物理耐性には定評のあるアカリだが、状態異常に対する抵抗力は低いため唾液を流し込まれる度に頭の中が真っ白に、全身の感覚がなくなっていく。
アカリが完全に脱力したのを確認してから、ラチュラは銀の糸を引きながら唇を解放した。
「ぷはっ♡ふふ、ごちそうさま♡さて、そろそろ目的のお姫様を運んで―――って、アシナ!?」
見れば、アシナと呼ばれたローブの女は地面に転がされ、アシナを足で押さえつけ、いつの間にか体に巻き付いていた糸の消えているゼアを抱えたメイドの姿がそこにあった。
その顔は怒りで歪んでおり、鋭い殺意は終始余裕気だったラチュラさえも怯ませた。
「私としたことが…一時の激情でゼア様から目を離し、こんな危険に晒してしまい一生の不覚でございます」
エメは愛おしそうな表情で胸に抱き寄せたゼアの頭を撫でてから、すぐ近くの木の下に座らせた。
そして再び鋭い目つきに変わり、
「償いとして、お前を殺します」
ラチュラを睨みつけた。
「ふふ、初めまして、エメユイ。私の名前はラチュラ。人間ごときが私を怯ませるなんて、話には聞いていたけど人間にしては骨のある子みたいね。元々ゼアの誘拐が目的だったけど、遅かれ早かれあなたも攫う予定だったし、丁度いいわ。主人とまとめて仲良く縛ってあげる♡」
「随分舐めた口を。と言うよりその口ぶりだと、お前は魔物ですね…?」
「そうね、私は人蜘蛛。人間みたいな下等で無能な生き物とは違って、力を持つ最強の種族よ。例えばこんな風に」
ラチュラは再び人差し指をエメユイに向けて、糸を放出する。
「『ダークホール』」
エメユイは手を糸の方に翳して唱えれば、手の前に闇色の塊が生成される。
糸は闇の中に入っていき、飲み込んで消えた。
「ちんけな糸ですね」
「うふ。闇魔法ね。見た感じそこまで強力じゃなさそうだけど、私の糸とは少し相性が悪そうね」
「お前の能力は見た所、硬く丈夫な縦糸と、柔らかく粘着性の高い横糸、そして恐らく、即効性の毒液の三つだけ。毒にさえ気を付ければ闇魔法でどうにでもなりそうですね」
「ふふ♡どうかしら」
ラチュラは首をゴキゴキと鳴らし、大きく息を吐いて俯いた。
「…?急になにを…?」
エメユイが警戒して踏み込めないでいると、突然ラチュラは震え出し、次第に髪色が黒から白へと変色していく。同時に足がゴキゴキと物凄い音を鳴らしながら、黒紫の八本足と大きな塊に形を変えていく。
その姿は正しくアラクネ。
髪色は白と桃色を肩まで伸ばしたミディアムで、前髪は分かれて八つ目が露わになる。
八本足で上半身より大きな蜘蛛の胴体を下半身から伸ばし、さっきまでとは一変、魔物と呼ぶにふさわしい見た目に変貌を遂げた。
エメユイは涼しい顔で、
「なるほど。それがお前の真の姿と言うわけですね。無駄に大きくなっただけで、何が変わったと言うのでしょうか」
「そうね、見せてあげる」
ラチュラは股の辺りから生えた蜘蛛の口をぴくぴくと動かし、勢いよく太い糸を吐き出した。
それは一直線にエメユイの方へと伸びていく。
「無駄なことを…『ダークホー…何!?」
糸はエメユイに当たる直前で何十本もの細い糸に分裂し、エメユイの手を避けて体に絡みつく。
「ぐっ…小癪な真似を!『ダークア――――」
「うふふ♡残念、少し遅かったわね。チェックメイトよ♡」
「―――ぁ」
エメユイは魔法を全て唱えきる前にぐらりとバランスを崩し、地面に膝を着く。
「ぃ、一体…なに…が……」
途切れそうな意識の中で見えたのは、自分の首筋に爪を立てるフードの女の姿だった。
「なる…ほ……ど……ゼア…さま…もうし…わけ……ぁ……」
エメユイはそう最後に呟き、地面に倒れ込んでしまった。
意識がなくなったのを確認し、ラチュラは元の人型の姿に戻り、
「思ったより呆気なかったわね。アシナ、もう意識は戻ってるんでしょ。早く立って、エメユイを担ぎなさい。カバキもゼアを担いで。さっさと王都に帰るわよ」
「ラチュラ様、この赤髪の女はどうされますか?」
ラチュラは横目でアカリを一瞥し、
「いいわ、放っときなさい。人間にしては可愛らしいとは思うけど、私より弱い生き物に興味ないわ。依頼対象のゼアとエメユイだけ袋に入れなさい」
「「はいっ、分かりました!」」
独り取り残されたアカリが目を覚ましたのは、ラチュラたちが去ってしばらく経ってからのことだった。
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