マッチョな料理人が送る、異世界のんびり生活。 強面、筋骨隆々、非常に強い。でもとっても優しい男が異世界でほのぼの暮らすお話

かむら

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#278 テイマーの里へ

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「あ、いたいた。シュージ、ちょっといいかな?」

「どうしました、ゾラさん?」


 今日も今日とてシュージがギルドの掃除に勤しんでいると、ゾラが声をかけてきた。


「ちょっと急な話なんだけど、私、来週里帰りするんだ」

「おや、そうなのですね」

「それで、良ければシュージも来ないかなって。めちゃくちゃ面白いかと言われると分かんないけど、色々な従魔が見れると思うよ」

「もちろん、行ってもいいならぜひ行ってみたいです」

「分かった。 他のメンバー達も折角だし誘ってみるよ」

「わふ?」


 そんな風にシュージとゾラが話していると、掃除を手伝ってくれていたコロが「何の話?」と首を傾げてきた。


「今度、ゾラさんの故郷のテイマーの里に行こうって話をしてたんだ」

「わふわふ!」

「お、コロも行きたそうだね」

「わふー!」

「確かに、色んな従魔さんと交流できるのは、コロにとっては良い機会になりそうですね」


 コロは悪人以外なら誰に対しても人懐っこいが、同じ動物であるナイルやミニャといる時がより自然体でいるような気がする。

 なので、他にも沢山の動物がいるであろうテイマーの里は、コロにとってもかなり良い経験をもたらしてくれるだろう。


「じゃあ、そういう事で。 寝泊まりする場所は里にあるから、そんなに大荷物じゃなくていいからね」

「分かりました」



 *



 そんなやり取りから、あっという間に1週間が経過した。


「おお、ここがテイマーの里ですか」

「わふー!」


 シルムーン王国の国境付近にある大きな山の下層あたり。

 樹海と呼んでいいくらい多くの木々が生えた森を馬車で抜けた先に、その里はあった。


「ようこそ。ここがテイマーの里だよ」


 場所から降り、周りを見渡すと、まるで牧場のような柵で囲われた場所がいくつもあり、そこにはパッと見るだけでも多くの従魔達がいた。


「わー!見て見てお母さん!いっぱい魔物がいる!」

「そうね。それにしても、とっても空気が美味しいわ」


 そんな今回の旅には、リリスとクリスの母娘、見習い組の3人、ネル、ピュイ、イザベラ、シドというメンバーでやって来ていた。

 全員、山の美味しい空気を吸ったり、従魔が暮らしている姿を見て、早くもこの里に来て良かったと思い始めていた。


「おっ、おかえりゾラ。 早かったわね」


 すると、到着したシュージ達のところへ、一人の女性が近付いてきた。

 
「ああ、ただいま。 皆んな、この人は私のお母さんだ」

「ゾラの母親のマリノだ。いつもゾラが世話になってるね」


 マリノはゾラがそのまま歳を重ねたような、かっこいい系の見た目をしているカラッとした女性で、シュージ達を笑顔で歓迎してくれた。


「ガァ」

「にゃ~」

「おっ、ナイルとミニャも元気そうだね」

「わふわふ!」


 そんなマリノに、ゾラの従魔であるナイルとミニャも懐いており、それを見たコロもマリノの足下にお座りして元気に挨拶していった。
 

「んっ? ゾラ、あんたもう一匹テイムしたのかい?」

「いや、その子は違うよ」

「この子はコロと言います。 テイムなどはしてないですが、立派な僕達の仲間なんです」

「わふー!」

「へぇ、とっても賢いね? それに、普通の魔物とも少し違う気がするが……」

「あー、お母さん?とりあえず皆んな荷物置きたいだろうし、長屋に案内してよ」

「ああ、そうだね。じゃ、付いてきとくれ」


 一応、ギルドのメンバー達はコロが神獣だということは知っているが、あまり広めたりするつもりは無いので、コロが魔物じゃないことに気づきかけていたマリノを、ゾラが話を逸らす事でなんとか誤魔化していった。

 そんなマリノに案内されたのは、小さめの公民館のような建物で、男女別に大部屋が用意されていたので、ありがたくメンバー達はそこへ荷物を置いていった。


「わふわふ!」

「はは、そんなに急がなくても、従魔さん達は逃げないぞ」


 そうこうしていると、コロが早く早くとシュージ達の事を急かして来たので、荷物を置いた者から従魔達が暮らしているスペースへと見学へ赴くのであった。
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