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#82 優しい味わいの和食を
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王都に滞在してから日数も経ち、王城の料理人達は見違えたと言っていいぐらい料理のレベルが上がっていた。
元々食材を扱う腕はあった彼らなので、味付けについてのイロハを教えたら、それはもう美味しそうな料理を作ることがもうできていた。
そんな彼らと一緒に、今日はいつものコース料理とは違ったものを作ろうとしている。
「今日作るのは、僕の故郷のコース料理で懐石料理というものがあるのですが、それに似たものを作っていこうと思います」
「普通のコース料理とは何が違うんですか?」
そう尋ねてきたのは、王城の料理人のうちの1人であるハンスだ。
彼は熱意のある王城の料理人達の中でも、更に頭一つ抜けていると言っていいぐらい料理に関する熱意が高く、シュージと会う度に毎度沢山の質問をしてきてくれる青年だ。
「僕の故郷には洋食、和食という料理のジャンルがあって、これまで皆さんが作ってきたものは洋食に分類されるんです。 なので、今日は和食の方のコース料理も勉強してもらおうかと。 いつも作っているものとはまるで違うものになりますから、分からないことがあったらなんでも質問してください」
「分かりました!」
ちなみに懐石料理と言い切らなかったのは、シュージ自身も懐石料理を知り尽くしているというわけでは無いからだ。
というのも、懐石料理というのは出す店や地域、季節などによって何が出てくるかは千差万別で、出てくる順番なども大筋は同じだがこれも店毎に微妙に違ったりするので、あくまでも今回作るのは懐石風の料理だ。
という事でまずは先付と呼ばれる、コース料理でいう前菜に当たるものから取り掛かる。
今回はシンプルにほうれん草のお浸しを用意することにした。
懐石料理は結構、奇を衒った盛り付けや食材が使われるものもあるのだが、まともな和食を食べるのが初めてな王族の人達に最初からそういうのを出しても好まれないかもしれないので、割とシンプル目の料理を多めにする。
特に、第二、第三王女のサフィナやルビィはまだ10代前半なので、味付けも万人受けするものにするつもりだ。
「ほうれん草を茹でる際は、あまり茹ですぎずに切る前と味を付ける前にしっかりと水気を絞ってください」
簡単に作れるほうれん草のお浸しだが、水気を切るのをサボるとかなり水っぽくなってしまうので、水気はしっかり絞って綺麗な形に整形して小鉢に盛り付けていく。
次に汁物だが、これはあらかじめ下処理をしておいたはまぐりを使ってお吸い物を作っていく。
やはりシュージとしては味噌汁も捨てがたいが、初めて和食を食べる人に汁物を提供するとなったら、これを勧めたい。
それほどまでに、はまぐりのお吸い物は至高なのだ。
「はまぐりに火を通しすぎないよう、冷たい水の状態からゆっくりと火にかけていってください。 その内はまぐりの口が開きますから、それぐらいになったら火を止めちゃって大丈夫です」
はまぐりに限らず貝類は火を通し過ぎると身が固くなってしまうので、あまり煮立たせたりしないことがポイントだ。
そして、その次のメインに当たる料理だが、まずは刺身の盛り合わせを用意する。
今回はマグロ、鯛、サーモンの3種類だ。
やはり懐石料理と言えば刺盛りなところもあるのでこれは外せない。
それに加えて、揚げ物でエビとイカの天ぷらを用意した。
天ぷらは見栄えも良く、今回使ったエビもイカも沿海州で買ってきた一級品のものなので、美味しさは保証されている。
刺身も天ぷらも盛り付け次第で見栄えも良くなるので、その方法についてもしっかり教えることを忘れない。
王城の料理人達からすると、見栄えの良さというのがかなり重要なことだと思うので。
さらに飯物には、たけのことちりめんじゃこを混ぜ込んだ炊き込みご飯を、今回は土鍋で炊き上げて用意した。
炊飯器も色々な利点があるが、やはりお米を美味しく食べるなら土鍋だとシュージは思っているので、少し難易度は上がるが土鍋で作らせてもらった。
そして最後に、手頃なサイズのミニどら焼きを締めの甘味として作った。
本当は白玉粉があれば良かったのだが、今回はホットケーキミックスで代用して生地は作った。
まぁ、これはこれで別の美味しさがあるのでシュージは結構好きだ。
「おお…… これが和食! 見栄えも素晴らしいですね!」
「洋食に比べると優しい味わいですから、王族の方達に気に入ってもらえると嬉しいですね」
それから皆んなで盛り付けの微調整などを行い、時間になったので王族の夕食としてこれらを配膳していった。
「今回は僕の故郷の料理である和食というものを用意させてもらいました。 見慣れないものが多いと思いますが、ぜひご賞味ください」
「うむ、ではいただこう」
そんなグラハムの音頭で食事が始まった。
「この野菜、とっても美味しいですね」
まず前菜であるほうれん草のお浸し食べたアマルスは、ほぼ生の野菜に見えるその料理から、色んな味と風味がしてとても驚いていた。
「それはほうれん草という野菜です。 今回は味付けに昆布や椎茸から取った出汁をかけています」
「この何とも言えない風味はその出汁によるものですか。 優しい味わいでとても好みです」
「はぁっ…… このスープ、とっても美味しいですわ……」
更に、汁物として出したはまぐりのお吸い物を飲んで、ユフィエラが感嘆の声を漏らしていた。
「そちらは貝の旨味が溶け出したものになっていて、味付けはほんの少し塩を入れただけでほとんど行っていないんですよ」
「それでこんな深みのある味を出せるのですね。 何だか、飲むのが勿体無いと思ってしまうくらいです」
「ほう! 生の魚とはこんなにも美味しいのか!」
そして、メインの一つである刺盛りを食べたジュスメルは、その芳醇な旨味に驚いていた。
「こちらは数日凍らせて熟成させたものなので、ただ生で食べるものよりも更に美味しくなっています」
「これはまた食べたいな! 凍らせて数日置けるなら、輸送もなんとかなるかもしれない!」
「これ美味しいです! サクサクしてて、中はふわふわで!」
そのジュスメルの横では、ルビィが天ぷらを食べてその美味しさに目を輝かせていた。
「天ぷらは衣の付け方とか、揚げ方とか、何より素材の良さでかなり味が変わりますから、作るの結構難しいんですよね」
「そうなんですね。 いつかまた出てくるといいなぁ」
「このライス、最初から味があるのね?」
その天ぷらの隣に並べられた炊き込みご飯に、フローリアは感心していた。
ライスが食べれるということは今食べているフローリアも知っていたが、まともに食べるのは今回が初めてで、既に味が付いているライスに舌鼓を打っていた。
「炊き上げる際に醤油などを混ぜると、ライスに味が染み込むんですよ」
「なるほど。 混ざっているものも相まってすごく美味しいわ」
「んんっ♡ このデザート、美味しい……!」
「何だか優しい甘さね?」
それからしっかりとメインの料理達を食べ終え、デザートであるミニどら焼きを口にした甘いものが大好きなエヴェリーナとサフィナはとても満足そうな表情を浮かべていた。
「皆さんが普段食べているスイーツはどちらかと言うと洋食のものですが、今回は和菓子と呼ばれるような和のスイーツを作ってみました」
「そういう種類のものもあるのね」
「他にも作ってくれたっていいですわよっ」
「気に入ってもらえて良かったです。 材料を見つけたらまた作ってみますね」
「これが和食か…… 素晴らしいな。 普段我々が食べているものよりも、食材本来の味や旨味を強く感じられた」
「それが和食のテーマであり特徴ですね」
「これはぜひまた口にしたいな」
「今まで関わって来なかった料理のジャンルだと思いますから、習得には少し時間がかかるかもしれませんが、ここの料理人の方々もかなり気合が入ってましたので、そう遠く無いうちにまた食べれると思いますよ」
「それは楽しみだ」
そうして、王家の者達にも和食の良さを伝えることができ、非常に満足なシュージなのであった。
元々食材を扱う腕はあった彼らなので、味付けについてのイロハを教えたら、それはもう美味しそうな料理を作ることがもうできていた。
そんな彼らと一緒に、今日はいつものコース料理とは違ったものを作ろうとしている。
「今日作るのは、僕の故郷のコース料理で懐石料理というものがあるのですが、それに似たものを作っていこうと思います」
「普通のコース料理とは何が違うんですか?」
そう尋ねてきたのは、王城の料理人のうちの1人であるハンスだ。
彼は熱意のある王城の料理人達の中でも、更に頭一つ抜けていると言っていいぐらい料理に関する熱意が高く、シュージと会う度に毎度沢山の質問をしてきてくれる青年だ。
「僕の故郷には洋食、和食という料理のジャンルがあって、これまで皆さんが作ってきたものは洋食に分類されるんです。 なので、今日は和食の方のコース料理も勉強してもらおうかと。 いつも作っているものとはまるで違うものになりますから、分からないことがあったらなんでも質問してください」
「分かりました!」
ちなみに懐石料理と言い切らなかったのは、シュージ自身も懐石料理を知り尽くしているというわけでは無いからだ。
というのも、懐石料理というのは出す店や地域、季節などによって何が出てくるかは千差万別で、出てくる順番なども大筋は同じだがこれも店毎に微妙に違ったりするので、あくまでも今回作るのは懐石風の料理だ。
という事でまずは先付と呼ばれる、コース料理でいう前菜に当たるものから取り掛かる。
今回はシンプルにほうれん草のお浸しを用意することにした。
懐石料理は結構、奇を衒った盛り付けや食材が使われるものもあるのだが、まともな和食を食べるのが初めてな王族の人達に最初からそういうのを出しても好まれないかもしれないので、割とシンプル目の料理を多めにする。
特に、第二、第三王女のサフィナやルビィはまだ10代前半なので、味付けも万人受けするものにするつもりだ。
「ほうれん草を茹でる際は、あまり茹ですぎずに切る前と味を付ける前にしっかりと水気を絞ってください」
簡単に作れるほうれん草のお浸しだが、水気を切るのをサボるとかなり水っぽくなってしまうので、水気はしっかり絞って綺麗な形に整形して小鉢に盛り付けていく。
次に汁物だが、これはあらかじめ下処理をしておいたはまぐりを使ってお吸い物を作っていく。
やはりシュージとしては味噌汁も捨てがたいが、初めて和食を食べる人に汁物を提供するとなったら、これを勧めたい。
それほどまでに、はまぐりのお吸い物は至高なのだ。
「はまぐりに火を通しすぎないよう、冷たい水の状態からゆっくりと火にかけていってください。 その内はまぐりの口が開きますから、それぐらいになったら火を止めちゃって大丈夫です」
はまぐりに限らず貝類は火を通し過ぎると身が固くなってしまうので、あまり煮立たせたりしないことがポイントだ。
そして、その次のメインに当たる料理だが、まずは刺身の盛り合わせを用意する。
今回はマグロ、鯛、サーモンの3種類だ。
やはり懐石料理と言えば刺盛りなところもあるのでこれは外せない。
それに加えて、揚げ物でエビとイカの天ぷらを用意した。
天ぷらは見栄えも良く、今回使ったエビもイカも沿海州で買ってきた一級品のものなので、美味しさは保証されている。
刺身も天ぷらも盛り付け次第で見栄えも良くなるので、その方法についてもしっかり教えることを忘れない。
王城の料理人達からすると、見栄えの良さというのがかなり重要なことだと思うので。
さらに飯物には、たけのことちりめんじゃこを混ぜ込んだ炊き込みご飯を、今回は土鍋で炊き上げて用意した。
炊飯器も色々な利点があるが、やはりお米を美味しく食べるなら土鍋だとシュージは思っているので、少し難易度は上がるが土鍋で作らせてもらった。
そして最後に、手頃なサイズのミニどら焼きを締めの甘味として作った。
本当は白玉粉があれば良かったのだが、今回はホットケーキミックスで代用して生地は作った。
まぁ、これはこれで別の美味しさがあるのでシュージは結構好きだ。
「おお…… これが和食! 見栄えも素晴らしいですね!」
「洋食に比べると優しい味わいですから、王族の方達に気に入ってもらえると嬉しいですね」
それから皆んなで盛り付けの微調整などを行い、時間になったので王族の夕食としてこれらを配膳していった。
「今回は僕の故郷の料理である和食というものを用意させてもらいました。 見慣れないものが多いと思いますが、ぜひご賞味ください」
「うむ、ではいただこう」
そんなグラハムの音頭で食事が始まった。
「この野菜、とっても美味しいですね」
まず前菜であるほうれん草のお浸し食べたアマルスは、ほぼ生の野菜に見えるその料理から、色んな味と風味がしてとても驚いていた。
「それはほうれん草という野菜です。 今回は味付けに昆布や椎茸から取った出汁をかけています」
「この何とも言えない風味はその出汁によるものですか。 優しい味わいでとても好みです」
「はぁっ…… このスープ、とっても美味しいですわ……」
更に、汁物として出したはまぐりのお吸い物を飲んで、ユフィエラが感嘆の声を漏らしていた。
「そちらは貝の旨味が溶け出したものになっていて、味付けはほんの少し塩を入れただけでほとんど行っていないんですよ」
「それでこんな深みのある味を出せるのですね。 何だか、飲むのが勿体無いと思ってしまうくらいです」
「ほう! 生の魚とはこんなにも美味しいのか!」
そして、メインの一つである刺盛りを食べたジュスメルは、その芳醇な旨味に驚いていた。
「こちらは数日凍らせて熟成させたものなので、ただ生で食べるものよりも更に美味しくなっています」
「これはまた食べたいな! 凍らせて数日置けるなら、輸送もなんとかなるかもしれない!」
「これ美味しいです! サクサクしてて、中はふわふわで!」
そのジュスメルの横では、ルビィが天ぷらを食べてその美味しさに目を輝かせていた。
「天ぷらは衣の付け方とか、揚げ方とか、何より素材の良さでかなり味が変わりますから、作るの結構難しいんですよね」
「そうなんですね。 いつかまた出てくるといいなぁ」
「このライス、最初から味があるのね?」
その天ぷらの隣に並べられた炊き込みご飯に、フローリアは感心していた。
ライスが食べれるということは今食べているフローリアも知っていたが、まともに食べるのは今回が初めてで、既に味が付いているライスに舌鼓を打っていた。
「炊き上げる際に醤油などを混ぜると、ライスに味が染み込むんですよ」
「なるほど。 混ざっているものも相まってすごく美味しいわ」
「んんっ♡ このデザート、美味しい……!」
「何だか優しい甘さね?」
それからしっかりとメインの料理達を食べ終え、デザートであるミニどら焼きを口にした甘いものが大好きなエヴェリーナとサフィナはとても満足そうな表情を浮かべていた。
「皆さんが普段食べているスイーツはどちらかと言うと洋食のものですが、今回は和菓子と呼ばれるような和のスイーツを作ってみました」
「そういう種類のものもあるのね」
「他にも作ってくれたっていいですわよっ」
「気に入ってもらえて良かったです。 材料を見つけたらまた作ってみますね」
「これが和食か…… 素晴らしいな。 普段我々が食べているものよりも、食材本来の味や旨味を強く感じられた」
「それが和食のテーマであり特徴ですね」
「これはぜひまた口にしたいな」
「今まで関わって来なかった料理のジャンルだと思いますから、習得には少し時間がかかるかもしれませんが、ここの料理人の方々もかなり気合が入ってましたので、そう遠く無いうちにまた食べれると思いますよ」
「それは楽しみだ」
そうして、王家の者達にも和食の良さを伝えることができ、非常に満足なシュージなのであった。
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