44 / 207
#44 貴族との邂逅
しおりを挟む
「シュージ、ちょっといいか?」
「はい、何でしょうか?」
ある日、ジルバートがシュージに声をかけてきて、そのまま2人でギルドマスターの執務室に向かった。
「お前宛てに手紙だ」
「手紙ですか?」
「ああ。 差出人はセネルブルグ辺境伯と、そのご令嬢の連名になっている。 中身は見ていないが、一体いつの間に知り合ったんだ?」
「セネルブルグ…… ああ、シュミット様ですね。 この前のお祭りで知り合ったんですよ」
「祭りで? そうか、奇妙な縁もあったものだな」
「中を見ても?」
「ああ、もちろん」
恐らくはセネルブルグ家の家紋であろう紋章が刻まれた封蝋を外し、中の手紙を手に取った。
そこにはシュミットの親である辺境伯本人が書いたと思われる文字が綴られていて、簡単に内容を言うと、シュミットが世話になったからお礼がしたく、ぜひ我が家に来てくれないかという手紙だった。
「どうやらお呼ばれしていただいてるようですね」
「行くのか?」
「そうですね。 断る理由も無いですし、折角なら」
「そうか。 では、マルゥとメルゥと共に行くといい。 あいつらは貿易を生業にしている辺境伯とも付き合いがあるからな」
「確かに、1人だと少し不安ですし、ありがたいですね」
「俺も何度か依頼関係で会った事はあるが、貴族にしてはとても大らかで懐の深いお方だから、心配しなくて大丈夫だ」
「分かりました」
*
ジルバートとのそんなやり取りから2週間程経ち、シュージはヤタサの街から馬車で6時間程かかる辺境伯が治める街へとやってきた。
厳密に言えばヤタサの街もセネルブルグ領ではあるが、実際に辺境伯が暮らしている事もあってか、人の数も賑わいもかなりのものだぅた。
「シュージ君、あそこに見えるのが辺境伯のお城ですよー!」
「もう少しで着きますからねー!」
「あれが…… とても立派な建物ですね」
今回の馬車はマルゥとメルゥの商会の馬車を出してもらったので、非常に快適だった。
初の馬車という事もあって、どんなものかと少し身構えていたのだが、馬車が優秀だったのか特に揺れなんかも無かった。
「ではでは、このまま辺境伯のお城に行きましょうかー!」
「分かりました」
馬車は街に入ってからもゆっくりと進んでいき、大通りを抜けると、辺境伯の城が先ほどよりもはっきりと見えてきた。
城とはいっても、地球にあった某有名テーマパークにあるような華美な城ではなく、辺境の守りも兼ねた城塞のような造りになっている建物だ。
ただ、だからと言って無骨過ぎるわけでも無く、建物を見るだけでもそこで暮らす者の威厳が伝わってくるような気がした。
そこを目指して馬車に揺られること15分ほど。
馬車は辺境伯の城の前まで辿り着き、話が通っていたのか、そのまま門を潜って中庭のような場所まで通された。
そこで馬車から降りると、出迎えがやってきた。
「シュージよ、良く来てくれたな」
「シュミット様、ご無沙汰してます」
出迎えてくれたのは以前知り合ったシュミットで、今日は以前の町娘風の服装では無く、綺麗なドレスを身に付けていた。
その隣にはシルビアもおり、ぺこりとシュージに向かって頭を下げてくれていた。
「マルゥにメルゥも息災じゃったか?」
「はいー! シュミット様もお変わりないようでー!」
「ちょっと背伸びましたー?」
どうやらマルゥとメルゥとも顔馴染みなようで、仲睦まじげに言葉を交わしていた。
「では、ついて来てくれ。 父上の下へ案内しよう」
そう言うシュミットにシュージ達は素直に付いていき、来賓用の部屋まで案内された。
「父上、到着したぞ」
「ああ、入りなさい」
シュミットが扉をノックし声をかけると、中から男性の声が返ってきた。
その後すぐに、傍付きのシルビアによって扉が開かれ、中に入ると貴族らしい服装に身を包んだ、見た目は30代前半くらいの男性と、同じくらいの歳のドレスを着た女性が立っていた。
「初めまして、シュージ君。 私はこのセネルブルグ領を治めるゼレスト・セネルブルグだ。 こちらは妻のミリアだよ」
「ミリア・セネルブルグでございます。 会えて嬉しいわ、シュージさん」
「ご丁寧にありがとうございます。 僕は蒼天の風で用務員を務めるシュージと申します」
「マルゥ君にメルゥ君もよく来たね」
「「ご無沙汰ですー!」」
「それじゃあ、立ち話も何だから座ろうか」
簡単な挨拶を済ませたところで、一同はそれぞれソファに腰掛けた。
それと同時に、城勤めのメイドさん達がテキパキと紅茶をそれぞれの前に用意してくれた。
ちゃんとしたメイドさんを見るのは初めてだったもので、内心ちょっと感動するシュージだった。
「さて、話はシュミットから聞いているよ。 先日の祭りではシュミットが世話になったようだね」
「いえいえそんな。 偶然でしたし、大したことはしていませんよ」
「シュージ、あの時妾は内心結構不安だったんじゃ。 恥ずかしながらあまり1人でどこかに出かけるなんて事も無いからの。 だが、お主が気さくに声をかけてくれ、話し相手になってくれた事で落ち着けた。 だから、感謝しておるぞ」
「そうでしたか。 それならよかったです」
「今日呼んだのはその礼をしたくてね。 それに、君はとても優れた料理人だと聞いているから、単純に話もしてみたかったんだ」
「光栄です」
「まず、礼についてだが、君がどういうものを望む人か分からなくてね。 何か欲しい物とかはあるかい? 金品でも、珍しい魔道具とかでも何でもいいよ」
「そうですね…… 金品などは正直持て余してしまいそうなので、一つ要望をさせてもらってもいいですか?」
「もちろんだよ」
「ここにいるマルゥさん、メルゥさんとも以前に話していたことなのですが、もし良かったらセネルブルグ辺境伯家に僕の後ろ盾になっていただけないかと」
「ほう? それはどういうことだい?」
「僕からも説明しますよー! ずばり、シュージ君が作る商品やレシピなどはとても画期的で美味しくて魅力的なので、今後どこかの貴族やお国がシュージ君に干渉してくるかもしれませんー!」
「現状、僕達ケットシー商会と商業ギルドの一部の人間しかシュージ君の事は知りませんが、いずれ存在が明るみになってしまうかも知れませんー!」
「僕としてはあまり目立ち過ぎたくなくて、今の一用務員としての暮らしが気に入ってますから、今後他の貴族などの過度な干渉が起こらないように、サポートをしていただきたいなと思ってるんです」
「ふむ、なるほど。 マルゥ君とメルゥ君がそこまで太鼓判を押すなら相当なのだろうね」
「ただ、言葉だけじゃ決めかねるかと思いまして、ちょっとした差し入れというかお土産を用意してきました」
シュージはそう言うと、マルゥとメルゥに借りた、時の流れがとても緩やかになる収納袋からある物を取り出すのであった。
「はい、何でしょうか?」
ある日、ジルバートがシュージに声をかけてきて、そのまま2人でギルドマスターの執務室に向かった。
「お前宛てに手紙だ」
「手紙ですか?」
「ああ。 差出人はセネルブルグ辺境伯と、そのご令嬢の連名になっている。 中身は見ていないが、一体いつの間に知り合ったんだ?」
「セネルブルグ…… ああ、シュミット様ですね。 この前のお祭りで知り合ったんですよ」
「祭りで? そうか、奇妙な縁もあったものだな」
「中を見ても?」
「ああ、もちろん」
恐らくはセネルブルグ家の家紋であろう紋章が刻まれた封蝋を外し、中の手紙を手に取った。
そこにはシュミットの親である辺境伯本人が書いたと思われる文字が綴られていて、簡単に内容を言うと、シュミットが世話になったからお礼がしたく、ぜひ我が家に来てくれないかという手紙だった。
「どうやらお呼ばれしていただいてるようですね」
「行くのか?」
「そうですね。 断る理由も無いですし、折角なら」
「そうか。 では、マルゥとメルゥと共に行くといい。 あいつらは貿易を生業にしている辺境伯とも付き合いがあるからな」
「確かに、1人だと少し不安ですし、ありがたいですね」
「俺も何度か依頼関係で会った事はあるが、貴族にしてはとても大らかで懐の深いお方だから、心配しなくて大丈夫だ」
「分かりました」
*
ジルバートとのそんなやり取りから2週間程経ち、シュージはヤタサの街から馬車で6時間程かかる辺境伯が治める街へとやってきた。
厳密に言えばヤタサの街もセネルブルグ領ではあるが、実際に辺境伯が暮らしている事もあってか、人の数も賑わいもかなりのものだぅた。
「シュージ君、あそこに見えるのが辺境伯のお城ですよー!」
「もう少しで着きますからねー!」
「あれが…… とても立派な建物ですね」
今回の馬車はマルゥとメルゥの商会の馬車を出してもらったので、非常に快適だった。
初の馬車という事もあって、どんなものかと少し身構えていたのだが、馬車が優秀だったのか特に揺れなんかも無かった。
「ではでは、このまま辺境伯のお城に行きましょうかー!」
「分かりました」
馬車は街に入ってからもゆっくりと進んでいき、大通りを抜けると、辺境伯の城が先ほどよりもはっきりと見えてきた。
城とはいっても、地球にあった某有名テーマパークにあるような華美な城ではなく、辺境の守りも兼ねた城塞のような造りになっている建物だ。
ただ、だからと言って無骨過ぎるわけでも無く、建物を見るだけでもそこで暮らす者の威厳が伝わってくるような気がした。
そこを目指して馬車に揺られること15分ほど。
馬車は辺境伯の城の前まで辿り着き、話が通っていたのか、そのまま門を潜って中庭のような場所まで通された。
そこで馬車から降りると、出迎えがやってきた。
「シュージよ、良く来てくれたな」
「シュミット様、ご無沙汰してます」
出迎えてくれたのは以前知り合ったシュミットで、今日は以前の町娘風の服装では無く、綺麗なドレスを身に付けていた。
その隣にはシルビアもおり、ぺこりとシュージに向かって頭を下げてくれていた。
「マルゥにメルゥも息災じゃったか?」
「はいー! シュミット様もお変わりないようでー!」
「ちょっと背伸びましたー?」
どうやらマルゥとメルゥとも顔馴染みなようで、仲睦まじげに言葉を交わしていた。
「では、ついて来てくれ。 父上の下へ案内しよう」
そう言うシュミットにシュージ達は素直に付いていき、来賓用の部屋まで案内された。
「父上、到着したぞ」
「ああ、入りなさい」
シュミットが扉をノックし声をかけると、中から男性の声が返ってきた。
その後すぐに、傍付きのシルビアによって扉が開かれ、中に入ると貴族らしい服装に身を包んだ、見た目は30代前半くらいの男性と、同じくらいの歳のドレスを着た女性が立っていた。
「初めまして、シュージ君。 私はこのセネルブルグ領を治めるゼレスト・セネルブルグだ。 こちらは妻のミリアだよ」
「ミリア・セネルブルグでございます。 会えて嬉しいわ、シュージさん」
「ご丁寧にありがとうございます。 僕は蒼天の風で用務員を務めるシュージと申します」
「マルゥ君にメルゥ君もよく来たね」
「「ご無沙汰ですー!」」
「それじゃあ、立ち話も何だから座ろうか」
簡単な挨拶を済ませたところで、一同はそれぞれソファに腰掛けた。
それと同時に、城勤めのメイドさん達がテキパキと紅茶をそれぞれの前に用意してくれた。
ちゃんとしたメイドさんを見るのは初めてだったもので、内心ちょっと感動するシュージだった。
「さて、話はシュミットから聞いているよ。 先日の祭りではシュミットが世話になったようだね」
「いえいえそんな。 偶然でしたし、大したことはしていませんよ」
「シュージ、あの時妾は内心結構不安だったんじゃ。 恥ずかしながらあまり1人でどこかに出かけるなんて事も無いからの。 だが、お主が気さくに声をかけてくれ、話し相手になってくれた事で落ち着けた。 だから、感謝しておるぞ」
「そうでしたか。 それならよかったです」
「今日呼んだのはその礼をしたくてね。 それに、君はとても優れた料理人だと聞いているから、単純に話もしてみたかったんだ」
「光栄です」
「まず、礼についてだが、君がどういうものを望む人か分からなくてね。 何か欲しい物とかはあるかい? 金品でも、珍しい魔道具とかでも何でもいいよ」
「そうですね…… 金品などは正直持て余してしまいそうなので、一つ要望をさせてもらってもいいですか?」
「もちろんだよ」
「ここにいるマルゥさん、メルゥさんとも以前に話していたことなのですが、もし良かったらセネルブルグ辺境伯家に僕の後ろ盾になっていただけないかと」
「ほう? それはどういうことだい?」
「僕からも説明しますよー! ずばり、シュージ君が作る商品やレシピなどはとても画期的で美味しくて魅力的なので、今後どこかの貴族やお国がシュージ君に干渉してくるかもしれませんー!」
「現状、僕達ケットシー商会と商業ギルドの一部の人間しかシュージ君の事は知りませんが、いずれ存在が明るみになってしまうかも知れませんー!」
「僕としてはあまり目立ち過ぎたくなくて、今の一用務員としての暮らしが気に入ってますから、今後他の貴族などの過度な干渉が起こらないように、サポートをしていただきたいなと思ってるんです」
「ふむ、なるほど。 マルゥ君とメルゥ君がそこまで太鼓判を押すなら相当なのだろうね」
「ただ、言葉だけじゃ決めかねるかと思いまして、ちょっとした差し入れというかお土産を用意してきました」
シュージはそう言うと、マルゥとメルゥに借りた、時の流れがとても緩やかになる収納袋からある物を取り出すのであった。
2,093
お気に入りに追加
4,119
あなたにおすすめの小説
惣菜パン無双 〜固いパンしかない異世界で美味しいパンを作りたい〜
甲殻類パエリア
ファンタジー
どこにでもいる普通のサラリーマンだった深海玲司は仕事帰りに雷に打たれて命を落とし、異世界に転生してしまう。
秀でた能力もなく前世と同じ平凡な男、「レイ」としてのんびり生きるつもりが、彼には一つだけ我慢ならないことがあった。
——パンである。
異世界のパンは固くて味気のない、スープに浸さなければ食べられないものばかりで、それを主食として食べなければならない生活にうんざりしていた。
というのも、レイの前世は平凡ながら無類のパン好きだったのである。パン好きと言っても高級なパンを買って食べるわけではなく、さまざまな「菓子パン」や「惣菜パン」を自ら作り上げ、一人ひっそりとそれを食べることが至上の喜びだったのである。
そんな前世を持つレイが固くて味気ないパンしかない世界に耐えられるはずもなく、美味しいパンを求めて生まれ育った村から旅立つことに——。
家ごと異世界ライフ
ねむたん
ファンタジー
突然、自宅ごと異世界の森へと転移してしまった高校生・紬。電気や水道が使える不思議な家を拠点に、自給自足の生活を始める彼女は、個性豊かな住人たちや妖精たちと出会い、少しずつ村を発展させていく。温泉の発見や宿屋の建築、そして寡黙なドワーフとのほのかな絆――未知の世界で織りなす、笑いと癒しのスローライフファンタジー!
悪妃の愛娘
りーさん
恋愛
私の名前はリリー。五歳のかわいい盛りの王女である。私は、前世の記憶を持っていて、父子家庭で育ったからか、母親には特別な思いがあった。
その心残りからか、転生を果たした私は、母親の王妃にそれはもう可愛がられている。
そんなある日、そんな母が父である国王に怒鳴られていて、泣いているのを見たときに、私は誓った。私がお母さまを幸せにして見せると!
いろいろ調べてみると、母親が悪妃と呼ばれていたり、腹違いの弟妹がひどい扱いを受けていたりと、お城は問題だらけ!
こうなったら、私が全部解決してみせるといろいろやっていたら、なんでか父親に構われだした。
あんたなんてどうでもいいからほっといてくれ!
転生調理令嬢は諦めることを知らない
eggy
ファンタジー
リュシドール子爵の長女オリアーヌは七歳のとき事故で両親を失い、自分は片足が不自由になった。
それでも残された生まれたばかりの弟ランベールを、一人で立派に育てよう、と決心する。
子爵家跡継ぎのランベールが成人するまで、親戚から暫定爵位継承の夫婦を領地領主邸に迎えることになった。
最初愛想のよかった夫婦は、次第に家乗っ取りに向けた行動を始める。
八歳でオリアーヌは、『調理』の加護を得る。食材に限り刃物なしで切断ができる。細かい調味料などを離れたところに瞬間移動させられる。その他、調理の腕が向上する能力だ。
それを「貴族に相応しくない」と断じて、子爵はオリアーヌを厨房で働かせることにした。
また夫婦は、自分の息子をランベールと入れ替える画策を始めた。
オリアーヌが十三歳になったとき、子爵は隣領の伯爵に加護の実験台としてランベールを売り渡してしまう。
同時にオリアーヌを子爵家から追放する、と宣言した。
それを機に、オリアーヌは弟を取り戻す旅に出る。まず最初に、隣町まで少なくとも二日以上かかる危険な魔獣の出る街道を、杖つきの徒歩で、武器も護衛もなしに、不眠で、歩ききらなければならない。
弟を取り戻すまで絶対諦めない、ド根性令嬢の冒険が始まる。
主人公が酷く虐げられる描写が苦手な方は、回避をお薦めします。そういう意味もあって、R15指定をしています。
追放令嬢ものに分類されるのでしょうが、追放後の展開はあまり類を見ないものになっていると思います。
2章立てになりますが、1章終盤から2章にかけては、「令嬢」のイメージがぶち壊されるかもしれません。不快に思われる方にはご容赦いただければと存じます。
善人ぶった姉に奪われ続けてきましたが、逃げた先で溺愛されて私のスキルで領地は豊作です
しろこねこ
ファンタジー
「あなたのためを思って」という一見優しい伯爵家の姉ジュリナに虐げられている妹セリナ。醜いセリナの言うことを家族は誰も聞いてくれない。そんな中、唯一差別しない家庭教師に貴族子女にははしたないとされる魔法を教わるが、親切ぶってセリナを孤立させる姉。植物魔法に目覚めたセリナはペット?のヴィリオをともに家を出て南の辺境を目指す。
転生チートは家族のために~ユニークスキルで、快適な異世界生活を送りたい!~
りーさん
ファンタジー
ある日、異世界に転生したルイ。
前世では、両親が共働きの鍵っ子だったため、寂しい思いをしていたが、今世は優しい家族に囲まれた。
そんな家族と異世界でも楽しく過ごすために、ユニークスキルをいろいろと便利に使っていたら、様々なトラブルに巻き込まれていく。
「家族といたいからほっといてよ!」
※スキルを本格的に使い出すのは二章からです。
お姉さまに挑むなんて、あなた正気でいらっしゃるの?
中崎実
ファンタジー
若き伯爵家当主リオネーラには、異母妹が二人いる。
殊にかわいがっている末妹で気鋭の若手画家・リファと、市中で生きるしっかり者のサーラだ。
入り婿だったのに母を裏切って庶子を作った父や、母の死後に父の正妻に収まった継母とは仲良くする気もないが、妹たちとはうまくやっている。
そんな日々の中、暗愚な父が連れてきた自称「婚約者」が突然、『婚約破棄』を申し出てきたが……
※第2章の投稿開始後にタイトル変更の予定です
※カクヨムにも同タイトル作品を掲載しています(アルファポリスでの公開は数時間~半日ほど早めです)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる