82 / 90
第四章 帝都動乱
#78 研究所からの脱出
しおりを挟む
エルフの少女を助け出した後、僕達は地下から出て、すぐそこにあった部屋に入った。 どうやらここは所長室のようだ。
ちなみに男は縄でグルグル巻きにした上でアイテムボックスにしまってあった車輪が付いている台座に乗せてノアルが引きずってきた。
「僕がやるよ」と言ったのだが、「……いい、ノアルがやる」と強く言われたのでその通りにしている。
……かなりご立腹のようである。
「さて、とりあえずその枷を外そうか」
「あ、でもこれは……」
「フ、ハハハッ……!」
エルフの少女に着けられた手錠と足枷を外そうとすると、先程まで気絶していた男が顔を上げ急に笑い出した。
「……なに笑ってる」
「ハッハッハ、その魔力封じの手枷と足枷は魔導国家が開発した特注品だ。 この世界でも有数の硬度を誇る鉱石が使われていてなぁ? 鍵がなければ……」
「んー、別に問題ないんじゃないかな?」
「……な、なんだと?」
ガチャンガチャン
「ほら、外れた」
「なっ、なにぃっ!?」
どんだけ硬い物だろうが鉱物が使われていれば僕のスキルで形を変えることはできる。
まだ職業スキルのレベルが足りてなくて、スキルが通じないものもあるみたいだが、この鉱物はいけるみたいだ。
うん、使えるかもしれないし、一応貰っておこうかな。
「そ、そんな…… 合わせて金貨1000枚近くした特注品が……」
「あ、ありがとう! これで魔法が使えるわ!」
「どういたしまして。 あ、違和感とかはない? 腕とか足に関わらず、なにかあるなら教えてくれれば治せるよ?」
「大丈夫よ。 魔力が少し減ってるくらいで体はなんともないから」
「それは良かった。 ……さて、とりあえず、あなたに話を聞こうかな。 知ってる事を話してもらうよ」
「ふ、ふん! 話すことなどなにもないわ! このままでいれると思うなよ! 今にも私が作った魔物共がお前達を……」
「『ヒュプノシス』」
「ふぁ?」
時間が惜しいので男に催眠魔法をかけ、聞きたい事を手早く聞いていく。
そこで聞いたところによると、この男は先程見つけた報告書を書いた開発責任者だった。
エルフの少女を襲っていた理由は、その美貌を見て以前から自分のものにしたいと思っていたらしい。
……その理由を聞いて、横にいる少女2人の周辺の気温が下がったような気がするが、なるべくそちらは見ないようにした。
「……女の敵。 ……生かしてはおけない」
「同感よ。 どうしてやろうかしら……」
そう言うとノアルは双剣の柄に手をかけ、エルフの少女は手の平に風の魔力を練り上げ始めた。
それを僕は慌てて止める。
「待って待って2人とも。 一応、この人は今回の件の証人になるから。 腹は立つのは分かるけど抑えて」
「……むぅ」
「……分かったわ」
そう言ったところ、渋々だが2人とも怒りを収めてくれた。
「ところで、君の名前は? 今更だけど教えてもらえると嬉しいな」
「アリシャ=ヴァルトレクスよ。 アリシャでいいわ。 あなた達の名前も教えて?」
「僕はショーマ=ケンモチ。 ショーマが名前だよ」
「……ノアル。 ……ノアル=ソルム」
「ショーマにノアルね。 改めて礼を言うわ。 本当にありがとう! あなた達がいなかったら私はどうなっていたか……」
「……気にしないで大丈夫」
「そうだね、無事でいてくれて良かったよ。 ただ、外はまだ魔物がいるだろうから油断はできない。 それで、聞きたいんだけど…… アリシャは戦える? 魔法は使えるみたいだけど……」
「任せて、それなりに戦えるわ。 弓があればもっといいのだけど…… 魔法だけでも十分戦力にはなれると思う」
「弓が得意なんだね。 作っておけば良かったなぁ…… じゃあ一応、この杖を渡しておくよ。 軽いから扱いやすいと思うし、魔法の発動を助けてくれるから、無いよりはいいんじゃないかな」
間に合わせとして、アイテムボックスから一本の杖を取り出してアリシャに渡した。
軽量化、魔法威力上昇、魔力消費量軽減が付与された扱いやすい杖だ。
だが、アリシャは杖よりも別の事が気になったらしい。
「それは…… 収納魔法! ショーマはいい魔法を使えるのね」
「あ、エルフからしても収納魔法って珍しいの?」
「ええ、もちろんよ! ヒト種よりは使える人の割合は多いかもしれないけど、それでもあんまりいないわ。 私も使えないし」
「そうなんだ」
「それに、この杖も軽くて扱いやすいわね……! 魔力の通りも凄く良いし、使っちゃっていいの?」
「うん、遠慮せず使っていいよ。 それと似たような杖もいくつか持ってるし、多少無茶な扱いしてくれても大丈夫だよ」
「そう! ならありがたく使わせてもらうわ。 ありがとう!」
「どういたしまして。 よし、それじゃあ研究所から出ようか。 ユレーナさん達…… っと、アリシャは知らないか。 僕達の知り合いに合流しに行くから付いてきて」
「分かったわ」
「ノアルは……」
「……こいつはノアルが運ぶから気にしないで」
「そ、そっか。 一応、重要人物だからあんまり手荒に扱っちゃダメだよ?」
「……善処する」
ノアルに対しての不安が少々残るがまぁ、そこまで雑に扱う事はしないだろう。
……多分。
*
僕達はそれから、アリシャを連れて研究所の外へ出た。
その道中、入り口に転がっていたキマイラの死体を見てアリシャが驚き、一応証拠としてキマイラもアイテムボックスにしまっていくことにしたりといったことがあったが、魔物などには遭遇せずに無事に研究所から出ることができた。
「ユレーナさん達は…… まだ王宮かな?」
「……多分」
「ここに来るまでに話してた冒険者ギルドのマスター達ね? どうするの?」
「とりあえず、この男を冒険者ギルドまで運ぼうかな。 正直に言ってこの先に行くには邪魔だし……」
「私はそれでいいわよ」
「……ん、賛成。 ……けど、ショーマとアリシャはこの辺で待ってて」
「え、ノアルは?」
「……ノアル1人で運んでくる。 ……飛んでいけばすぐだし、もしユレーナ達が戻ってきた時に誰もいなかったらそれはそれで困る」
「それもそっか…… それなら僕が行ってもいいんだけど、ノアルが行きたいの?」
「え? 飛んでいくって……?」
「……ん、任せて。 ……その間、ショーマはアリシャに色々と話しておくといい」
「分かったよ。 くれぐれも気をつけてね」
「……行って帰ってくるだけだから大丈夫。 ……それじゃ、行ってきます」
ショーマからスカイボードを受け取ったノアルは、スカイボードに男を括り付けて飛んで行った。
空に放り出す形になっているが、幸いにも男は催眠状態で意識は無いも同然なので騒ぐ事はないだろう。
「うわぁ…… あれもあなたが作ったの?」
「そうだね。 あれでも意外と乗るの簡単なんだよ」
「なんか、あなたといると退屈しなさそうね。 驚くことばかりだわ」
「それは褒め言葉として受け取っていいのかな?」
「ふふっ、もちろん褒めてるわよ」
「そっか、ありがとう。 それじゃあ、ただ待ってるのもなんだからこの辺りに魔物がいないか探してみようか? それでいたらなるべく倒すようにしよう」
「了解よ。 援護は任せて」
「よし、それじゃあ行こうか」
それから僕とアリシャは、2人で付近の魔物の殲滅をしながらお互いの出来ることなどを確認し合った。
そして、20分もしない内にノアルが帰ってきたため、3人はそのまま王宮に向かう事となった。
ちなみに男は縄でグルグル巻きにした上でアイテムボックスにしまってあった車輪が付いている台座に乗せてノアルが引きずってきた。
「僕がやるよ」と言ったのだが、「……いい、ノアルがやる」と強く言われたのでその通りにしている。
……かなりご立腹のようである。
「さて、とりあえずその枷を外そうか」
「あ、でもこれは……」
「フ、ハハハッ……!」
エルフの少女に着けられた手錠と足枷を外そうとすると、先程まで気絶していた男が顔を上げ急に笑い出した。
「……なに笑ってる」
「ハッハッハ、その魔力封じの手枷と足枷は魔導国家が開発した特注品だ。 この世界でも有数の硬度を誇る鉱石が使われていてなぁ? 鍵がなければ……」
「んー、別に問題ないんじゃないかな?」
「……な、なんだと?」
ガチャンガチャン
「ほら、外れた」
「なっ、なにぃっ!?」
どんだけ硬い物だろうが鉱物が使われていれば僕のスキルで形を変えることはできる。
まだ職業スキルのレベルが足りてなくて、スキルが通じないものもあるみたいだが、この鉱物はいけるみたいだ。
うん、使えるかもしれないし、一応貰っておこうかな。
「そ、そんな…… 合わせて金貨1000枚近くした特注品が……」
「あ、ありがとう! これで魔法が使えるわ!」
「どういたしまして。 あ、違和感とかはない? 腕とか足に関わらず、なにかあるなら教えてくれれば治せるよ?」
「大丈夫よ。 魔力が少し減ってるくらいで体はなんともないから」
「それは良かった。 ……さて、とりあえず、あなたに話を聞こうかな。 知ってる事を話してもらうよ」
「ふ、ふん! 話すことなどなにもないわ! このままでいれると思うなよ! 今にも私が作った魔物共がお前達を……」
「『ヒュプノシス』」
「ふぁ?」
時間が惜しいので男に催眠魔法をかけ、聞きたい事を手早く聞いていく。
そこで聞いたところによると、この男は先程見つけた報告書を書いた開発責任者だった。
エルフの少女を襲っていた理由は、その美貌を見て以前から自分のものにしたいと思っていたらしい。
……その理由を聞いて、横にいる少女2人の周辺の気温が下がったような気がするが、なるべくそちらは見ないようにした。
「……女の敵。 ……生かしてはおけない」
「同感よ。 どうしてやろうかしら……」
そう言うとノアルは双剣の柄に手をかけ、エルフの少女は手の平に風の魔力を練り上げ始めた。
それを僕は慌てて止める。
「待って待って2人とも。 一応、この人は今回の件の証人になるから。 腹は立つのは分かるけど抑えて」
「……むぅ」
「……分かったわ」
そう言ったところ、渋々だが2人とも怒りを収めてくれた。
「ところで、君の名前は? 今更だけど教えてもらえると嬉しいな」
「アリシャ=ヴァルトレクスよ。 アリシャでいいわ。 あなた達の名前も教えて?」
「僕はショーマ=ケンモチ。 ショーマが名前だよ」
「……ノアル。 ……ノアル=ソルム」
「ショーマにノアルね。 改めて礼を言うわ。 本当にありがとう! あなた達がいなかったら私はどうなっていたか……」
「……気にしないで大丈夫」
「そうだね、無事でいてくれて良かったよ。 ただ、外はまだ魔物がいるだろうから油断はできない。 それで、聞きたいんだけど…… アリシャは戦える? 魔法は使えるみたいだけど……」
「任せて、それなりに戦えるわ。 弓があればもっといいのだけど…… 魔法だけでも十分戦力にはなれると思う」
「弓が得意なんだね。 作っておけば良かったなぁ…… じゃあ一応、この杖を渡しておくよ。 軽いから扱いやすいと思うし、魔法の発動を助けてくれるから、無いよりはいいんじゃないかな」
間に合わせとして、アイテムボックスから一本の杖を取り出してアリシャに渡した。
軽量化、魔法威力上昇、魔力消費量軽減が付与された扱いやすい杖だ。
だが、アリシャは杖よりも別の事が気になったらしい。
「それは…… 収納魔法! ショーマはいい魔法を使えるのね」
「あ、エルフからしても収納魔法って珍しいの?」
「ええ、もちろんよ! ヒト種よりは使える人の割合は多いかもしれないけど、それでもあんまりいないわ。 私も使えないし」
「そうなんだ」
「それに、この杖も軽くて扱いやすいわね……! 魔力の通りも凄く良いし、使っちゃっていいの?」
「うん、遠慮せず使っていいよ。 それと似たような杖もいくつか持ってるし、多少無茶な扱いしてくれても大丈夫だよ」
「そう! ならありがたく使わせてもらうわ。 ありがとう!」
「どういたしまして。 よし、それじゃあ研究所から出ようか。 ユレーナさん達…… っと、アリシャは知らないか。 僕達の知り合いに合流しに行くから付いてきて」
「分かったわ」
「ノアルは……」
「……こいつはノアルが運ぶから気にしないで」
「そ、そっか。 一応、重要人物だからあんまり手荒に扱っちゃダメだよ?」
「……善処する」
ノアルに対しての不安が少々残るがまぁ、そこまで雑に扱う事はしないだろう。
……多分。
*
僕達はそれから、アリシャを連れて研究所の外へ出た。
その道中、入り口に転がっていたキマイラの死体を見てアリシャが驚き、一応証拠としてキマイラもアイテムボックスにしまっていくことにしたりといったことがあったが、魔物などには遭遇せずに無事に研究所から出ることができた。
「ユレーナさん達は…… まだ王宮かな?」
「……多分」
「ここに来るまでに話してた冒険者ギルドのマスター達ね? どうするの?」
「とりあえず、この男を冒険者ギルドまで運ぼうかな。 正直に言ってこの先に行くには邪魔だし……」
「私はそれでいいわよ」
「……ん、賛成。 ……けど、ショーマとアリシャはこの辺で待ってて」
「え、ノアルは?」
「……ノアル1人で運んでくる。 ……飛んでいけばすぐだし、もしユレーナ達が戻ってきた時に誰もいなかったらそれはそれで困る」
「それもそっか…… それなら僕が行ってもいいんだけど、ノアルが行きたいの?」
「え? 飛んでいくって……?」
「……ん、任せて。 ……その間、ショーマはアリシャに色々と話しておくといい」
「分かったよ。 くれぐれも気をつけてね」
「……行って帰ってくるだけだから大丈夫。 ……それじゃ、行ってきます」
ショーマからスカイボードを受け取ったノアルは、スカイボードに男を括り付けて飛んで行った。
空に放り出す形になっているが、幸いにも男は催眠状態で意識は無いも同然なので騒ぐ事はないだろう。
「うわぁ…… あれもあなたが作ったの?」
「そうだね。 あれでも意外と乗るの簡単なんだよ」
「なんか、あなたといると退屈しなさそうね。 驚くことばかりだわ」
「それは褒め言葉として受け取っていいのかな?」
「ふふっ、もちろん褒めてるわよ」
「そっか、ありがとう。 それじゃあ、ただ待ってるのもなんだからこの辺りに魔物がいないか探してみようか? それでいたらなるべく倒すようにしよう」
「了解よ。 援護は任せて」
「よし、それじゃあ行こうか」
それから僕とアリシャは、2人で付近の魔物の殲滅をしながらお互いの出来ることなどを確認し合った。
そして、20分もしない内にノアルが帰ってきたため、3人はそのまま王宮に向かう事となった。
554
お気に入りに追加
2,254
あなたにおすすめの小説
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
異世界に射出された俺、『大地の力』で快適森暮らし始めます!
らもえ
ファンタジー
旧題:異世界に射出された俺、見知らぬ森の真中へ放り出される。周りには木しか生えていないけどお地蔵さんに貰ったレアスキルを使って何とか生き延びます。
俺こと杉浦耕平は、学校帰りのコンビニから家に帰る途中で自称神なるものに拉致される。いきなり攫って異世界へ行けとおっしゃる。しかも語り口が軽くどうにも怪しい。
向こうに行っても特に使命は無く、自由にしていいと言う。しかし、もらえたスキルは【異言語理解】と【簡易鑑定】のみ。いや、これだけでどうせいっちゅーに。そんな俺を見かねた地元の地蔵尊がレアスキルをくれると言うらしい。やっぱり持つべきものは地元の繋がりだよね!
それで早速異世界転移!と思いきや、異世界の高高度の上空に自称神の手違いで射出されちまう。紐なしバンジーもしくはパラシュート無しのスカイダイビングか?これ。
自称神様が何かしてくれたお陰で何とか着地に成功するも、辺りは一面木ばっかりの森のど真ん中。いやこれ遭難ですやん。
そこでお地蔵さんから貰ったスキルを思い出した。これが意外とチートスキルで何とか生活していくことに成功するのだった。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる