64 / 93
第三章 獣人国へ
#60 約束
しおりを挟む
「ところで、ミラルちゃんは僕らに会いたいがためにここに来たのかな?」
「はっ! そうです! ほんとは、ご飯が出来たので呼びに来たのです!」
僕らの部屋に突撃して来たミラルちゃんに、この部屋に来た目的を聞いてみると、忘れていました! といった表情で質問に答えてくれた。
「そっか、ありがとう。 呼びに来てくれて」
「……ん、ミラル偉い」
「ほわゎ…… い、いいんです、これがミラルの仕事なのですから……」
僕達が2人がかりでミラルちゃんの頭を撫でると、ミラルちゃんは、嬉しさと恥ずかしさが混ざったような表情で、されるがままになった。
「じゃ、じゃあ、他の人達にも知らせて来る! ご飯が終わったら、お出かけの話聞かせてね!」
「うん、分かったよー。 気をつけてね」
「……頑張れ」
「はーい!」
元気に返事をして、ミラルちゃんは僕達の泊まる部屋から出て行った。
そういえば、昼ご飯は一応食べたけど、そこまで食べた訳じゃないからお腹空いたな。
「僕らも行こうか」
「……ん、お腹空いた」
ノアルも同じだったようで、ご機嫌そうに尻尾を動かしながら僕の前を歩いて行く。
食堂に入ると、既に何人かの宿泊客が食事を取っていた。
僕達が席に着いて少しすると、トーイさん、ソーイさん、それにミラルちゃんがご飯を持って来てくれた。
早速、運ばれてきた食事を口に運ぶと、思わず笑みが溢れてしまった。
相変わらずこの宿の食事は美味しいな。
そのまま食事を続けていると、途中からゲイルさんが僕らのテーブルに来て、色々と話しながらの食事に変わった。
「はぁー、オークジェネラルと戦って楽勝か! ショーマだけじゃなく、ノアルも十分な実力はあるみたいだな! オークジェネラルを一撃で倒せる火力があるのは羨ましいぜー」
「とは言っても、ゲイルさんも1人で倒せますよね?」
「まぁ、倒せるが、一撃って訳にはいかねぇな。 端から削っていっていく感じになるだろうから時間がかかると思うぜ」
やっぱり、ゲイルさんもオークジェネラルは普通に倒せるのか。
あのレベルをタイマンで倒せるのは流石銀ランクの冒険者といったところだろう。
「なんの話してるんですか? ミラルも混ぜて欲しいのです!」
「ショーマさん、ノアルさんお久しぶりです。 本当に戻ってきてくれたんですね」
「お、なんだ? みんな集まってるな」
食事を食べ終え、一息ついた頃にはミラルちゃんとララさんが厨房の方から出てきて、ミルドさんは受付の方から食堂にきて、僕らの会話に参加し始め、一気に大人数の集まりになった。
話す内容としては、やはり僕達の旅の話が中心である。
「……それで、怪我した人達をショーマが全員治しちゃった」
「ショーマお兄ちゃんすごい!」
「……そのあと、魔力切れで倒れた」
「あら、大丈夫だったんですか?」
「……2日ほど、寝たきりになった」
「それは随分、無茶したみたいだな。 俺はまともな戦闘した経験ないが、魔力切れは辛いもんだと聞くぞ?」
「あはは…… 確かに苦しかったですね。 でも、それで皆を救う事が出来たので、後悔は無いです」
「ショーマはもっと自分を大切にしないとダメだな」
ゲイルさんのその言葉に、ここにいた僕以外の全員がうんうんと頷く。
「ノアルにも言われました。 今思うと確かに無茶をした自覚はあるので、そこは反省しています」
「お兄ちゃん、もう大丈夫なの……?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「お兄ちゃんがいなくなったらミラルは悲しいです! だから、無理はしないで!」
「ミラルちゃんにも言われたら、下手に無理する事は出来ないね……」
「ふふ、そうですよ。 もちろん私も同じ気持ちです」
「ああ、俺もだ」
「皆さん…… ありがとうございます。 なるべく、心配させないように頑張りますね」
……本当に、この街の人達は暖かい人ばかりだな。
僕のためを思って言ってくれているという事がしっかりと伝わってくる。
その後もかなりの時間話し込んでいたのだが、夜更かしも良くないという事で、今日のところは解散になった。
そのまま僕とノアルは部屋に戻り、寝るための準備を始めていたのだが、少し問題が起こった。
「……ショーマ、ノアルの荷物出して欲しい」
「うん、分かったよ。 確かに出しておいた方がいいよね」
ソルムの村を出るに当たって、ノアルは自分の荷物(主に服)をまとめて持ってきていた。
流石に手で持って行くとなると邪魔になってしまうので、僕がアイテムボックスで預かっておいたのである。
アイテムボックスからノアルの荷物であるボストンバックのような形状をした鞄を取り出し、ノアルに手渡す。
「……ありがと」
「お安い御用だよ……って! なにやってんの!?」
「? ……着替える」
「いきなり僕の前で着替えないで!?」
「……ショーマなら、見ててもいい」
「終わったら背中叩いて!!『サイレンス』!」
僕は生活魔法の一つであるサイレンスを使い、ノアルに背を向ける。
この魔法は、音を通さない空間を作り出す事で、その空間の中の音は聞こえるが、外の音は完全に遮断するという便利な魔法だ。
この魔法を使っておけば、衣擦れの音も聞こえないので、変に意識する事も無くて済むだろう。
「……むぅ」
背を向けてしまったショーマに少し不服そうな声を上げつつ、ノアルは白色のワンピースタイプの寝間着に着替えた。
見られていないなら、そこまで時間をかける意味は無いので、さっさと着替えてしまう。
そして、このままショーマの背中を叩けば良くはあるが、せめてものアタックとして背中にしなだれかかるようにして彼に存在をアピールする。
それに気づいたショーマは、サイレンスの魔法で作った空間を消し、少し困った表情でこちらを振り返った。
「着替え終わった?」
「……ん」
「なんか、随分と薄手な寝間着だね。 似合ってはいるけど」
「……暑がりだから、しょうがない」
僕もそれ用の寝間着買った方がいいかなー?
生活魔法で綺麗にできるから、洗濯には困らないし。
「そっか、それじゃあそろそろ寝ようか。 話し込んでたら結構遅くなっちゃったし」
「……一緒のベッド、久しぶり」
確かに、ソルムの村では僕は1人で寝ていたから、一緒に寝るのは久しぶりだな。
ノアルがベットに飛び込み、僕は部屋のランプを消した後、その隣にゆっくりと仰向けで寝そべった。
僕がベットに入ると、ノアルがもぞもぞとこちらに近づいてきて、僕の体にピッタリと寄り添ってきた。
「……ノアルさん? あなた、自分で暑がりって言ってませんでしたか?」
「……それとこれとは別」
「はぁ…… 分かったから、足を絡ませてくるのはやめて……」
「……嫌?」
「嫌ではない、けど、僕の安眠のためにお願いしたい」
「……ん、分かった。 ……寝てる時に無意識で何かしちゃったらごめんね」
「出来ればやめてほしいけど、無意識だったら怒ったりはしないよ」
「……ん」
「それじゃあ、おやすみ」
「……おやすみ」
僕らはそんなやり取りをして眠りについた。
翌朝、起きた時にノアルに抱き枕のように横から抱きつかれていたのはご愛嬌である。
*
ハゾットに戻ってきて数日が経ち、その間は依頼をこなしたり、街で買い物をしたり、ユレーナさんに捕まって模擬戦をしたりと平和(?)な日々を過ごした。
ちなみに、模擬戦は今回も負けました。
プルニーマを使ったので、前回よりは断然善戦はしたものの、最終的には押し切られてしまった。
そしてその間、特には帝国関係の異変も聞かず、ギルドとしても調査を続けているそうだ。
そんなある日、依頼をこなそうとギルドに来た僕達の所に、クラウスさんがやって来た。
「あ、おはようございますクラウスさん」
「……おはよ」
「ああ、おはよう。 いきなりで済まないんだが、少し話す時間はあるか?」
「あ、はい。 まだ依頼を受けた訳ではないので、大丈夫ですよ」
「そうか、では邪魔にならない所に行こう」
クラウスさんの案内で、僕らはギルドの端の方に移動する。
そこで話を聞くことになったのだが、一体何なんだろうか?
「まず、聞きたいのだが、明日は何か予定があるか?」
「いえ、特にはありませんね。 依頼をこなすか、街で買い物でもしようかと思っていました。 明日、何かあるんですか?」
「ああ、単刀直入に言わせてもらうのだが、明日、この街の領主に会ってもらいたいのだ」
「領主様、というと……」
「ああ、私の兄だな」
領主様か……
度々噂などは聞くが、実際会ったらどんな人なんだろう?
「もちろん、お呼ばれとあれば会わせていただきます」
「そこまでかしこまらなくとも大丈夫だと思うぞ。 兄はその辺りの事は気にしないからな」
「そう言ってもらえると助かります」
「兄はお前にぜひ会いたいと言っていてな。 昨日、王都から帰ってきたのだが、開口一番がその発言だったのは驚いた」
「そこまで僕の事を気にしてくださってるんですか?」
「魔導具で報告した際にも色々と聞かれたからな……」
「そうなんですね……」
クラウスさんは多少、ゲッソリした表情でそんな事を言ってきた。
根掘り葉掘り聞かれたんだろうな……
「まぁ、それはさておき、明日の昼前頃に領主邸の前まで来てくれ。 門番には来客があると伝えておく」
「会うに当たって、何か気をつける事とかは無いですかね?」
「特には無いな。 服装もそのままで大丈夫だろうし、言葉遣いに関しては、お前は元々丁寧だから気にしなくても大丈夫だ」
「分かりました。 明日の昼前に伺わせてもらいますね」
「ああ、よろしく頼む」
領主様かー、一体どんな人なんだろう?
明日が少し楽しみだな。
「はっ! そうです! ほんとは、ご飯が出来たので呼びに来たのです!」
僕らの部屋に突撃して来たミラルちゃんに、この部屋に来た目的を聞いてみると、忘れていました! といった表情で質問に答えてくれた。
「そっか、ありがとう。 呼びに来てくれて」
「……ん、ミラル偉い」
「ほわゎ…… い、いいんです、これがミラルの仕事なのですから……」
僕達が2人がかりでミラルちゃんの頭を撫でると、ミラルちゃんは、嬉しさと恥ずかしさが混ざったような表情で、されるがままになった。
「じゃ、じゃあ、他の人達にも知らせて来る! ご飯が終わったら、お出かけの話聞かせてね!」
「うん、分かったよー。 気をつけてね」
「……頑張れ」
「はーい!」
元気に返事をして、ミラルちゃんは僕達の泊まる部屋から出て行った。
そういえば、昼ご飯は一応食べたけど、そこまで食べた訳じゃないからお腹空いたな。
「僕らも行こうか」
「……ん、お腹空いた」
ノアルも同じだったようで、ご機嫌そうに尻尾を動かしながら僕の前を歩いて行く。
食堂に入ると、既に何人かの宿泊客が食事を取っていた。
僕達が席に着いて少しすると、トーイさん、ソーイさん、それにミラルちゃんがご飯を持って来てくれた。
早速、運ばれてきた食事を口に運ぶと、思わず笑みが溢れてしまった。
相変わらずこの宿の食事は美味しいな。
そのまま食事を続けていると、途中からゲイルさんが僕らのテーブルに来て、色々と話しながらの食事に変わった。
「はぁー、オークジェネラルと戦って楽勝か! ショーマだけじゃなく、ノアルも十分な実力はあるみたいだな! オークジェネラルを一撃で倒せる火力があるのは羨ましいぜー」
「とは言っても、ゲイルさんも1人で倒せますよね?」
「まぁ、倒せるが、一撃って訳にはいかねぇな。 端から削っていっていく感じになるだろうから時間がかかると思うぜ」
やっぱり、ゲイルさんもオークジェネラルは普通に倒せるのか。
あのレベルをタイマンで倒せるのは流石銀ランクの冒険者といったところだろう。
「なんの話してるんですか? ミラルも混ぜて欲しいのです!」
「ショーマさん、ノアルさんお久しぶりです。 本当に戻ってきてくれたんですね」
「お、なんだ? みんな集まってるな」
食事を食べ終え、一息ついた頃にはミラルちゃんとララさんが厨房の方から出てきて、ミルドさんは受付の方から食堂にきて、僕らの会話に参加し始め、一気に大人数の集まりになった。
話す内容としては、やはり僕達の旅の話が中心である。
「……それで、怪我した人達をショーマが全員治しちゃった」
「ショーマお兄ちゃんすごい!」
「……そのあと、魔力切れで倒れた」
「あら、大丈夫だったんですか?」
「……2日ほど、寝たきりになった」
「それは随分、無茶したみたいだな。 俺はまともな戦闘した経験ないが、魔力切れは辛いもんだと聞くぞ?」
「あはは…… 確かに苦しかったですね。 でも、それで皆を救う事が出来たので、後悔は無いです」
「ショーマはもっと自分を大切にしないとダメだな」
ゲイルさんのその言葉に、ここにいた僕以外の全員がうんうんと頷く。
「ノアルにも言われました。 今思うと確かに無茶をした自覚はあるので、そこは反省しています」
「お兄ちゃん、もう大丈夫なの……?」
「うん、もう大丈夫だよ」
「お兄ちゃんがいなくなったらミラルは悲しいです! だから、無理はしないで!」
「ミラルちゃんにも言われたら、下手に無理する事は出来ないね……」
「ふふ、そうですよ。 もちろん私も同じ気持ちです」
「ああ、俺もだ」
「皆さん…… ありがとうございます。 なるべく、心配させないように頑張りますね」
……本当に、この街の人達は暖かい人ばかりだな。
僕のためを思って言ってくれているという事がしっかりと伝わってくる。
その後もかなりの時間話し込んでいたのだが、夜更かしも良くないという事で、今日のところは解散になった。
そのまま僕とノアルは部屋に戻り、寝るための準備を始めていたのだが、少し問題が起こった。
「……ショーマ、ノアルの荷物出して欲しい」
「うん、分かったよ。 確かに出しておいた方がいいよね」
ソルムの村を出るに当たって、ノアルは自分の荷物(主に服)をまとめて持ってきていた。
流石に手で持って行くとなると邪魔になってしまうので、僕がアイテムボックスで預かっておいたのである。
アイテムボックスからノアルの荷物であるボストンバックのような形状をした鞄を取り出し、ノアルに手渡す。
「……ありがと」
「お安い御用だよ……って! なにやってんの!?」
「? ……着替える」
「いきなり僕の前で着替えないで!?」
「……ショーマなら、見ててもいい」
「終わったら背中叩いて!!『サイレンス』!」
僕は生活魔法の一つであるサイレンスを使い、ノアルに背を向ける。
この魔法は、音を通さない空間を作り出す事で、その空間の中の音は聞こえるが、外の音は完全に遮断するという便利な魔法だ。
この魔法を使っておけば、衣擦れの音も聞こえないので、変に意識する事も無くて済むだろう。
「……むぅ」
背を向けてしまったショーマに少し不服そうな声を上げつつ、ノアルは白色のワンピースタイプの寝間着に着替えた。
見られていないなら、そこまで時間をかける意味は無いので、さっさと着替えてしまう。
そして、このままショーマの背中を叩けば良くはあるが、せめてものアタックとして背中にしなだれかかるようにして彼に存在をアピールする。
それに気づいたショーマは、サイレンスの魔法で作った空間を消し、少し困った表情でこちらを振り返った。
「着替え終わった?」
「……ん」
「なんか、随分と薄手な寝間着だね。 似合ってはいるけど」
「……暑がりだから、しょうがない」
僕もそれ用の寝間着買った方がいいかなー?
生活魔法で綺麗にできるから、洗濯には困らないし。
「そっか、それじゃあそろそろ寝ようか。 話し込んでたら結構遅くなっちゃったし」
「……一緒のベッド、久しぶり」
確かに、ソルムの村では僕は1人で寝ていたから、一緒に寝るのは久しぶりだな。
ノアルがベットに飛び込み、僕は部屋のランプを消した後、その隣にゆっくりと仰向けで寝そべった。
僕がベットに入ると、ノアルがもぞもぞとこちらに近づいてきて、僕の体にピッタリと寄り添ってきた。
「……ノアルさん? あなた、自分で暑がりって言ってませんでしたか?」
「……それとこれとは別」
「はぁ…… 分かったから、足を絡ませてくるのはやめて……」
「……嫌?」
「嫌ではない、けど、僕の安眠のためにお願いしたい」
「……ん、分かった。 ……寝てる時に無意識で何かしちゃったらごめんね」
「出来ればやめてほしいけど、無意識だったら怒ったりはしないよ」
「……ん」
「それじゃあ、おやすみ」
「……おやすみ」
僕らはそんなやり取りをして眠りについた。
翌朝、起きた時にノアルに抱き枕のように横から抱きつかれていたのはご愛嬌である。
*
ハゾットに戻ってきて数日が経ち、その間は依頼をこなしたり、街で買い物をしたり、ユレーナさんに捕まって模擬戦をしたりと平和(?)な日々を過ごした。
ちなみに、模擬戦は今回も負けました。
プルニーマを使ったので、前回よりは断然善戦はしたものの、最終的には押し切られてしまった。
そしてその間、特には帝国関係の異変も聞かず、ギルドとしても調査を続けているそうだ。
そんなある日、依頼をこなそうとギルドに来た僕達の所に、クラウスさんがやって来た。
「あ、おはようございますクラウスさん」
「……おはよ」
「ああ、おはよう。 いきなりで済まないんだが、少し話す時間はあるか?」
「あ、はい。 まだ依頼を受けた訳ではないので、大丈夫ですよ」
「そうか、では邪魔にならない所に行こう」
クラウスさんの案内で、僕らはギルドの端の方に移動する。
そこで話を聞くことになったのだが、一体何なんだろうか?
「まず、聞きたいのだが、明日は何か予定があるか?」
「いえ、特にはありませんね。 依頼をこなすか、街で買い物でもしようかと思っていました。 明日、何かあるんですか?」
「ああ、単刀直入に言わせてもらうのだが、明日、この街の領主に会ってもらいたいのだ」
「領主様、というと……」
「ああ、私の兄だな」
領主様か……
度々噂などは聞くが、実際会ったらどんな人なんだろう?
「もちろん、お呼ばれとあれば会わせていただきます」
「そこまでかしこまらなくとも大丈夫だと思うぞ。 兄はその辺りの事は気にしないからな」
「そう言ってもらえると助かります」
「兄はお前にぜひ会いたいと言っていてな。 昨日、王都から帰ってきたのだが、開口一番がその発言だったのは驚いた」
「そこまで僕の事を気にしてくださってるんですか?」
「魔導具で報告した際にも色々と聞かれたからな……」
「そうなんですね……」
クラウスさんは多少、ゲッソリした表情でそんな事を言ってきた。
根掘り葉掘り聞かれたんだろうな……
「まぁ、それはさておき、明日の昼前頃に領主邸の前まで来てくれ。 門番には来客があると伝えておく」
「会うに当たって、何か気をつける事とかは無いですかね?」
「特には無いな。 服装もそのままで大丈夫だろうし、言葉遣いに関しては、お前は元々丁寧だから気にしなくても大丈夫だ」
「分かりました。 明日の昼前に伺わせてもらいますね」
「ああ、よろしく頼む」
領主様かー、一体どんな人なんだろう?
明日が少し楽しみだな。
648
お気に入りに追加
2,313
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

(完結)魔王討伐後にパーティー追放されたFランク魔法剣士は、超レア能力【全スキル】を覚えてゲスすぎる勇者達をザマアしつつ世界を救います
しまうま弁当
ファンタジー
魔王討伐直後にクリードは勇者ライオスからパーティーから出て行けといわれるのだった。クリードはパーティー内ではつねにFランクと呼ばれ戦闘にも参加させてもらえず場美雑言は当たり前でクリードはもう勇者パーティーから出て行きたいと常々考えていたので、いい機会だと思って出て行く事にした。だがラストダンジョンから脱出に必要なリアーの羽はライオス達は分けてくれなかったので、仕方なく一階層づつ上っていく事を決めたのだった。だがなぜか後ろから勇者パーティー内で唯一のヒロインであるミリーが追いかけてきて一緒に脱出しようと言ってくれたのだった。切羽詰まっていると感じたクリードはミリーと一緒に脱出を図ろうとするが、後ろから追いかけてきたメンバーに石にされてしまったのだった。

【完結】初級魔法しか使えない低ランク冒険者の少年は、今日も依頼を達成して家に帰る。
アノマロカリス
ファンタジー
少年テッドには、両親がいない。
両親は低ランク冒険者で、依頼の途中で魔物に殺されたのだ。
両親の少ない保険でやり繰りしていたが、もう金が尽きかけようとしていた。
テッドには、妹が3人いる。
両親から「妹達を頼む!」…と出掛ける前からいつも約束していた。
このままでは家族が離れ離れになると思ったテッドは、冒険者になって金を稼ぐ道を選んだ。
そんな少年テッドだが、パーティーには加入せずにソロ活動していた。
その理由は、パーティーに参加するとその日に家に帰れなくなるからだ。
両親は、小さいながらも持ち家を持っていてそこに住んでいる。
両親が生きている頃は、父親の部屋と母親の部屋、子供部屋には兄妹4人で暮らしていたが…
両親が死んでからは、父親の部屋はテッドが…
母親の部屋は、長女のリットが、子供部屋には、次女のルットと三女のロットになっている。
今日も依頼をこなして、家に帰るんだ!
この少年テッドは…いや、この先は本編で語ろう。
お楽しみくださいね!
HOTランキング20位になりました。
皆さん、有り難う御座います。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

俺だけ成長限界を突破して強くなる~『成長率鈍化』は外れスキルだと馬鹿にされてきたけど、実は成長限界を突破できるチートスキルでした~
つくも
ファンタジー
Fランク冒険者エルクは外れスキルと言われる固有スキル『成長率鈍化』を持っていた。
このスキルはレベルもスキルレベルも成長効率が鈍化してしまう、ただの外れスキルだと馬鹿にされてきた。
しかし、このスキルには可能性があったのだ。成長効率が悪い代わりに、上限とされてきたレベル『99』スキルレベル『50』の上限を超える事ができた。
地道に剣技のスキルを鍛え続けてきたエルクが、上限である『50』を突破した時。
今まで馬鹿にされてきたエルクの快進撃が始まるのであった。

異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!

S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )

実力を隠し「例え長男でも無能に家は継がせん。他家に養子に出す」と親父殿に言われたところまでは計算通りだったが、まさかハーレム生活になるとは
竹井ゴールド
ライト文芸
日本国内トップ5に入る異能力者の名家、東条院。
その宗家本流の嫡子に生まれた東条院青夜は子供の頃に実母に「16歳までに東条院の家を出ないと命を落とす事になる」と予言され、無能を演じ続け、父親や後妻、異母弟や異母妹、親族や許嫁に馬鹿にされながらも、念願適って中学卒業の春休みに東条院家から田中家に養子に出された。
青夜は4月が誕生日なのでギリギリ16歳までに家を出た訳だが。
その後がよろしくない。
青夜を引き取った田中家の義父、一狼は53歳ながら若い妻を持ち、4人の娘の父親でもあったからだ。
妻、21歳、一狼の8人目の妻、愛。
長女、25歳、皇宮警察の異能力部隊所属、弥生。
次女、22歳、田中流空手道場の師範代、葉月。
三女、19歳、離婚したフランス系アメリカ人の3人目の妻が産んだハーフ、アンジェリカ。
四女、17歳、死別した4人目の妻が産んだ中国系ハーフ、シャンリー。
この5人とも青夜は家族となり、
・・・何これ? 少し想定外なんだけど。
【2023/3/23、24hポイント26万4600pt突破】
【2023/7/11、累計ポイント550万pt突破】
【2023/6/5、お気に入り数2130突破】
【アルファポリスのみの投稿です】
【第6回ライト文芸大賞、22万7046pt、2位】
【2023/6/30、メールが来て出版申請、8/1、慰めメール】
【未完】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる