36 / 90
第二章 新たな出会い
#34 準備(2)
しおりを挟む
食材を買い終えた僕達は同じ市場にある、以前鉱石屋があった場所に来ていた。
あったらいいなという程度の願いだったが、そこには以前と同じ店主に佇まいの屋台があった。
「おはようございます」
「おう、いらっしゃい……って、この前の兄ちゃんじゃねぇか!」
「ご無沙汰してます。 今は営業中ですか?」
「ああ、もちろんだ。 なんか買ってくかい? うちの商品は量も質もしっかりしてるぜ!」
少し世間話もしつつ、鉱石を一通り見ていく。
ちなみにこの人はジストンさんと言うそうだ。
今後もお世話になるかもしれないので、名前を聞いておく事にした。
取り敢えず、鉄鉱石を金貨2枚分買う事にする。
量で言うと、僕が使っているロングソードを合成、分離を使って5本作れるくらいだ。
そういえば、地球では鉄鉱石ってどのくらいの値段なんだろうか?
20000円分と考えると、結構今買った量はお得な気がするのだが、聞いてみるか。
「そういえば、鉱石とかってどこから仕入れてるんですか? あ、もちろん言いたくなかったら結構ですよ」
「いや、別に言っても問題はないぞ。 鉄鉱石とか銀とか金、珍しいところだとミスリルはそれぞれの鉱山から採掘出来るから、その辺りから仕入れてるぞ。 ただ、鉱山だけじゃなくてダンジョンからも鉱石は入手できて、そこでは鉄鉱石とかも取れるが、魔石関連も採掘出来るから、そういうのが取れるダンジョンは重宝されてるぜ」
「そうなんですね。 このお店だけでもかなりの量と種類ありますけど、枯渇したりしないんですか?」
「鉱山は枯渇する事もないことはないが、ダンジョンの鉱石が枯渇したって話は聞いたことないな。 それに、そういうダンジョンには、魔物の鉄やらミスリルとかで出来たゴーレムもいるらしいから、この世界から鉱石が無くなるなんて事はないんじゃないか?」
鉄で出来たゴーレムなんているのか、ひょっとしたらダイヤモンドで出来たゴーレムとかもいるのだろうか?
地球で出たら争いが起きそうだな。
「なるほど、いい事を聞かせてもらいました。 ところで、この鉱石はなんですか?」
「それは浮空石だな。 魔力を込めると宙に浮くんだよ」
ジストンさんはそう言うと、浮空石を手に取り魔力を流して宙に浮かせた。
おぉー、本当に浮いてる。
「こんな感じで魔力を操作すれば上下左右に割と自在に動かせるぞ。 魔力を込めた量で飛ばせる時間が増えるが、俺みたいな一般人の魔力量だと、全力で魔力を込めても10分くらいが限界だな」
「面白いですね。 用途としてはどんなものがあるんですか?」
「それがなー、この鉱石が発見されたのはつい最近で、まだこれといった使い道は発見されてないんだよ。 武器にするにしても鉄より脆いし、仮に武器にしたとしても、動かすのにはそれなりの魔力がいるから、魔法使いじゃないととてもじゃないが使えない。 魔法使いも使うなら杖で十分って感じでなぁ」
「あー、そうなんですね?」
「魔道国家の研究者や鉱山国家のドワーフが試行錯誤するために大量に買うが、最近見つけられたダンジョンでそれ以上の量が採れるもんで、需要が追いついてなくて売れ残っているのが現状だな」
武器として使えない、か……
本当にそうなんだろうか?
この鉱石を見て僕の中では色々とアイデアが浮かんできたんだけどな。
浮空石だけに。
「ジストンさん、その浮空石買いたいんですけど、おいくらですか?」
「お、なんだ興味が出たのか? 兄ちゃんは相変わらず用途が無いようなもんばっかり欲しがるなぁ。 値段は鉄鉱石の半分でいいぜ。 ここには、さっき兄ちゃんが買った鉄鉱石の半分くらいあるが、全部買うのか?」
「はい、買わせてもらいます。 あ、こっちの鉱石はなんですか?」
「それは色石つって、主にアクセサリーとかに使われるもんだな。 これも買うかい?」
「んー、それでは、1つずつください」
「それなら、浮空石と合わせて銀貨7枚でいいぞ!」
僕はお金を払い、かなりの量の浮空石と色石を手に入れた。
ちなみに色石は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色だ。
武器の色付けとか出来ないかなーと思い、買ってみた。
分離スキルで色素が強い部分だけ分離させて、武器に合成すればいい感じになりそうな気がする。
今の綺麗な銀色の武器も悪くは無いが、やっぱりサブカル的なカラフルな武器にはちょっと憧れがあったりするのだ。
「まいど! 何に使うかは知らないが、なんか面白そうなもんが出来たら見せてくれよ! そんでもって、またうちの店で色々と買ってくれ!」
「分かりました。 また来ますね」
そう最後に言って、僕はジストンさんと別れた。
ノアルは僕が鉱石屋を見ている間、反対の通りにある店を見ていると言っていたので、そこにいるだろう……
お、いたいた。
ノアルに近づくと、彼女は何やら熱心に商品を見ていた。
僕の接近に気付かないくらいに。
「何か、気に入ったものあった?」
「!? ……びっくりした」
「あはは、ごめんごめん。 何かすごい熱心に見てたね? 気に入ったの?」
「……綺麗だから見てた。 ……けど、ちょっと高い」
僕も見てみると、確かに綺麗な色や形状をしている指輪やネックレスやブローチなどなどが沢山並べられていた。
その中でも、ノアルは指輪を見ていたみたいだ。
やっぱり女の子だから、綺麗なものとかには惹かれるんだろうなー。
でも、確かに少し値が張るものばかりだ。
とても質が良さそうではあるから、妥当な値段だとは思うが。
「……ショーマは終わった?」
「うん、待たせてごめんね? ノアルは何か買う?」
「……大丈夫。 ……次は道具屋?」
「そうだね。 それじゃあ、行こうか」
「……ん」
*
僕達は通りを抜け、少し歩いたところにある道具屋に来ていた。
かなり大きい店舗で、2階にも商品が売られているみたいだ。
「いらっしゃいませ。 冒険者の方ですか?」
店に入るとすぐに若い女性の店員さんが声をかけて来た。
「はい、そうです。 明日から遠出しようと思っているので、色々と揃えたいと思って来ました」
「そうですか。 こちらに店内の見取り図があるので、お目当ての品を探す参考になさってください。 なにかご不明な点がございましたら、私どもに声を掛けてくだされば、いつでも対応いたします」
「ご丁寧にありがとうございます。 色々と見させてもらいますね」
「はい。 どうぞごゆっくり」
うん、いい店だな。
店員さんの対応然り、店内の雰囲気もいい感じだ。
「それじゃあ、色々と見て回ろうか。 ノアルも何か気になる事とか欲しいものとかあったら教えてね?」
「……ん、了解」
僕達は店内を歩き回り、必要なものを揃えていく。
毛布やタオル、鍋やフライパンにスプーンやフォーク、大小様々なお皿などから、寝袋や雨を凌ぐための組み立て式の屋根みたいなものまで売っていたので、それらをまとめて購入する事にした。
屋根に関しては、僕も作れるかもしれないが、作るのに沢山の材料がいるだろうし、大きい物を作るとなると、それなりの魔力を必要とするだろうからという事で、値段も手軽だったため購入した。
あと、衣服の修繕用に無地の布を何色かと、地球で見たような裁縫道具を一式買っておいた。
裁縫も家事スキルの補正が入るみたいだけど、どうなるんだろう?
手際がめちゃくちゃ良くなったりするのかな?
1階で選んだ物としてはそれくらいで、1度、店員さんにお会計してもらった。
値段は占めて金貨4枚程だった。
大分お買い得なんじゃないかな?
地球とはやっぱり相場が変わってくるんだろうか。
寝袋とか屋根とか、地球で買ったらもう少ししそうなものだけど。
買った物をアイテムボックスにしまうと、店員さんが少し驚いていたが、使える人も多くはないがいる事にはいるので、すぐに表情は元に戻っていた。
「2階は魔道具が売ってるのか。 行ってみる?」
「……ん」
階段を上がると、1階よりスペースは大分狭いが、所狭しと商品である魔道具が置かれていた。
イメージで言うと雑貨屋さんみたいな感じだ。
商品の前には値札と、どんな効力があるのかなどがざっくり書いてある。
色々と見て回っていると、朝、ゲイルさんが言っていた結界石が売られているのを見つけた。
台座に丸い石を置いて、それを結界を張りたい範囲の四方に置き、魔力を流す事で起動するらしい。
広さによって消費魔力が変わってくるみたいだ。
鑑定してみると、認識妨害の付与がされていて、結界の範囲内の人間は認識されず、外からは普通の風景に見えるそうだ。
確かに夜寝る時とかは便利だけど、値段が金貨3枚という事でかなり高めだ。
ステータス欄を開いて、認識妨害の付与が出来るか確認したところ、僕にも付与できるみたいなので、これは買わずに自分で作る事にしよう。
「……ショーマ、これどう?」
「ん? なにそれ?」
ノアルが指差しているのは、そこそこ大きめの、壁にかかった絨毯だった。
えーっと、なになに? 防汚の付与がされているのか……
「うん、いいかもね。 地面に広げても大丈夫みたいだし、値段もそこまでだし、買おうか」
「……ん!」
こちらの値段は金貨3枚だった。
この大きさで、魔法付与もしてあるなら妥当なところだと思う。
もし汚れても、僕の生活魔法で綺麗にできるから、使いまわせるだろう。
店員さんに会計してもらって、これもまたアイテムボックスにしまっておく。
そういえば、ホイホイ色んな物入れてるけど、容量とかは大丈夫だろうか?
いっぱいになった気配は今のところないのだけれど……
まぁ、いっぱいになった時に考えればいいかな。
道具屋から出たところで時刻は昼を過ぎ、夕方の一歩手前くらいの時間になっていた。
「それじゃあ、宿に戻ろうか。 まだなにか買った方がいいものとかあるかな?」
「……十分だと思う」
「そっか。 それじゃあ戻って、明日からのご飯を作っておこうか」
「……ん、楽しみ」
久しぶりの料理だなー。
楽しみでもあるけど、ちゃんと作れるかちょっと不安だ。
頑張るぞー。
あったらいいなという程度の願いだったが、そこには以前と同じ店主に佇まいの屋台があった。
「おはようございます」
「おう、いらっしゃい……って、この前の兄ちゃんじゃねぇか!」
「ご無沙汰してます。 今は営業中ですか?」
「ああ、もちろんだ。 なんか買ってくかい? うちの商品は量も質もしっかりしてるぜ!」
少し世間話もしつつ、鉱石を一通り見ていく。
ちなみにこの人はジストンさんと言うそうだ。
今後もお世話になるかもしれないので、名前を聞いておく事にした。
取り敢えず、鉄鉱石を金貨2枚分買う事にする。
量で言うと、僕が使っているロングソードを合成、分離を使って5本作れるくらいだ。
そういえば、地球では鉄鉱石ってどのくらいの値段なんだろうか?
20000円分と考えると、結構今買った量はお得な気がするのだが、聞いてみるか。
「そういえば、鉱石とかってどこから仕入れてるんですか? あ、もちろん言いたくなかったら結構ですよ」
「いや、別に言っても問題はないぞ。 鉄鉱石とか銀とか金、珍しいところだとミスリルはそれぞれの鉱山から採掘出来るから、その辺りから仕入れてるぞ。 ただ、鉱山だけじゃなくてダンジョンからも鉱石は入手できて、そこでは鉄鉱石とかも取れるが、魔石関連も採掘出来るから、そういうのが取れるダンジョンは重宝されてるぜ」
「そうなんですね。 このお店だけでもかなりの量と種類ありますけど、枯渇したりしないんですか?」
「鉱山は枯渇する事もないことはないが、ダンジョンの鉱石が枯渇したって話は聞いたことないな。 それに、そういうダンジョンには、魔物の鉄やらミスリルとかで出来たゴーレムもいるらしいから、この世界から鉱石が無くなるなんて事はないんじゃないか?」
鉄で出来たゴーレムなんているのか、ひょっとしたらダイヤモンドで出来たゴーレムとかもいるのだろうか?
地球で出たら争いが起きそうだな。
「なるほど、いい事を聞かせてもらいました。 ところで、この鉱石はなんですか?」
「それは浮空石だな。 魔力を込めると宙に浮くんだよ」
ジストンさんはそう言うと、浮空石を手に取り魔力を流して宙に浮かせた。
おぉー、本当に浮いてる。
「こんな感じで魔力を操作すれば上下左右に割と自在に動かせるぞ。 魔力を込めた量で飛ばせる時間が増えるが、俺みたいな一般人の魔力量だと、全力で魔力を込めても10分くらいが限界だな」
「面白いですね。 用途としてはどんなものがあるんですか?」
「それがなー、この鉱石が発見されたのはつい最近で、まだこれといった使い道は発見されてないんだよ。 武器にするにしても鉄より脆いし、仮に武器にしたとしても、動かすのにはそれなりの魔力がいるから、魔法使いじゃないととてもじゃないが使えない。 魔法使いも使うなら杖で十分って感じでなぁ」
「あー、そうなんですね?」
「魔道国家の研究者や鉱山国家のドワーフが試行錯誤するために大量に買うが、最近見つけられたダンジョンでそれ以上の量が採れるもんで、需要が追いついてなくて売れ残っているのが現状だな」
武器として使えない、か……
本当にそうなんだろうか?
この鉱石を見て僕の中では色々とアイデアが浮かんできたんだけどな。
浮空石だけに。
「ジストンさん、その浮空石買いたいんですけど、おいくらですか?」
「お、なんだ興味が出たのか? 兄ちゃんは相変わらず用途が無いようなもんばっかり欲しがるなぁ。 値段は鉄鉱石の半分でいいぜ。 ここには、さっき兄ちゃんが買った鉄鉱石の半分くらいあるが、全部買うのか?」
「はい、買わせてもらいます。 あ、こっちの鉱石はなんですか?」
「それは色石つって、主にアクセサリーとかに使われるもんだな。 これも買うかい?」
「んー、それでは、1つずつください」
「それなら、浮空石と合わせて銀貨7枚でいいぞ!」
僕はお金を払い、かなりの量の浮空石と色石を手に入れた。
ちなみに色石は、赤、橙、黄、緑、青、藍、紫の7色だ。
武器の色付けとか出来ないかなーと思い、買ってみた。
分離スキルで色素が強い部分だけ分離させて、武器に合成すればいい感じになりそうな気がする。
今の綺麗な銀色の武器も悪くは無いが、やっぱりサブカル的なカラフルな武器にはちょっと憧れがあったりするのだ。
「まいど! 何に使うかは知らないが、なんか面白そうなもんが出来たら見せてくれよ! そんでもって、またうちの店で色々と買ってくれ!」
「分かりました。 また来ますね」
そう最後に言って、僕はジストンさんと別れた。
ノアルは僕が鉱石屋を見ている間、反対の通りにある店を見ていると言っていたので、そこにいるだろう……
お、いたいた。
ノアルに近づくと、彼女は何やら熱心に商品を見ていた。
僕の接近に気付かないくらいに。
「何か、気に入ったものあった?」
「!? ……びっくりした」
「あはは、ごめんごめん。 何かすごい熱心に見てたね? 気に入ったの?」
「……綺麗だから見てた。 ……けど、ちょっと高い」
僕も見てみると、確かに綺麗な色や形状をしている指輪やネックレスやブローチなどなどが沢山並べられていた。
その中でも、ノアルは指輪を見ていたみたいだ。
やっぱり女の子だから、綺麗なものとかには惹かれるんだろうなー。
でも、確かに少し値が張るものばかりだ。
とても質が良さそうではあるから、妥当な値段だとは思うが。
「……ショーマは終わった?」
「うん、待たせてごめんね? ノアルは何か買う?」
「……大丈夫。 ……次は道具屋?」
「そうだね。 それじゃあ、行こうか」
「……ん」
*
僕達は通りを抜け、少し歩いたところにある道具屋に来ていた。
かなり大きい店舗で、2階にも商品が売られているみたいだ。
「いらっしゃいませ。 冒険者の方ですか?」
店に入るとすぐに若い女性の店員さんが声をかけて来た。
「はい、そうです。 明日から遠出しようと思っているので、色々と揃えたいと思って来ました」
「そうですか。 こちらに店内の見取り図があるので、お目当ての品を探す参考になさってください。 なにかご不明な点がございましたら、私どもに声を掛けてくだされば、いつでも対応いたします」
「ご丁寧にありがとうございます。 色々と見させてもらいますね」
「はい。 どうぞごゆっくり」
うん、いい店だな。
店員さんの対応然り、店内の雰囲気もいい感じだ。
「それじゃあ、色々と見て回ろうか。 ノアルも何か気になる事とか欲しいものとかあったら教えてね?」
「……ん、了解」
僕達は店内を歩き回り、必要なものを揃えていく。
毛布やタオル、鍋やフライパンにスプーンやフォーク、大小様々なお皿などから、寝袋や雨を凌ぐための組み立て式の屋根みたいなものまで売っていたので、それらをまとめて購入する事にした。
屋根に関しては、僕も作れるかもしれないが、作るのに沢山の材料がいるだろうし、大きい物を作るとなると、それなりの魔力を必要とするだろうからという事で、値段も手軽だったため購入した。
あと、衣服の修繕用に無地の布を何色かと、地球で見たような裁縫道具を一式買っておいた。
裁縫も家事スキルの補正が入るみたいだけど、どうなるんだろう?
手際がめちゃくちゃ良くなったりするのかな?
1階で選んだ物としてはそれくらいで、1度、店員さんにお会計してもらった。
値段は占めて金貨4枚程だった。
大分お買い得なんじゃないかな?
地球とはやっぱり相場が変わってくるんだろうか。
寝袋とか屋根とか、地球で買ったらもう少ししそうなものだけど。
買った物をアイテムボックスにしまうと、店員さんが少し驚いていたが、使える人も多くはないがいる事にはいるので、すぐに表情は元に戻っていた。
「2階は魔道具が売ってるのか。 行ってみる?」
「……ん」
階段を上がると、1階よりスペースは大分狭いが、所狭しと商品である魔道具が置かれていた。
イメージで言うと雑貨屋さんみたいな感じだ。
商品の前には値札と、どんな効力があるのかなどがざっくり書いてある。
色々と見て回っていると、朝、ゲイルさんが言っていた結界石が売られているのを見つけた。
台座に丸い石を置いて、それを結界を張りたい範囲の四方に置き、魔力を流す事で起動するらしい。
広さによって消費魔力が変わってくるみたいだ。
鑑定してみると、認識妨害の付与がされていて、結界の範囲内の人間は認識されず、外からは普通の風景に見えるそうだ。
確かに夜寝る時とかは便利だけど、値段が金貨3枚という事でかなり高めだ。
ステータス欄を開いて、認識妨害の付与が出来るか確認したところ、僕にも付与できるみたいなので、これは買わずに自分で作る事にしよう。
「……ショーマ、これどう?」
「ん? なにそれ?」
ノアルが指差しているのは、そこそこ大きめの、壁にかかった絨毯だった。
えーっと、なになに? 防汚の付与がされているのか……
「うん、いいかもね。 地面に広げても大丈夫みたいだし、値段もそこまでだし、買おうか」
「……ん!」
こちらの値段は金貨3枚だった。
この大きさで、魔法付与もしてあるなら妥当なところだと思う。
もし汚れても、僕の生活魔法で綺麗にできるから、使いまわせるだろう。
店員さんに会計してもらって、これもまたアイテムボックスにしまっておく。
そういえば、ホイホイ色んな物入れてるけど、容量とかは大丈夫だろうか?
いっぱいになった気配は今のところないのだけれど……
まぁ、いっぱいになった時に考えればいいかな。
道具屋から出たところで時刻は昼を過ぎ、夕方の一歩手前くらいの時間になっていた。
「それじゃあ、宿に戻ろうか。 まだなにか買った方がいいものとかあるかな?」
「……十分だと思う」
「そっか。 それじゃあ戻って、明日からのご飯を作っておこうか」
「……ん、楽しみ」
久しぶりの料理だなー。
楽しみでもあるけど、ちゃんと作れるかちょっと不安だ。
頑張るぞー。
782
お気に入りに追加
2,255
あなたにおすすめの小説
死んだら男女比1:99の異世界に来ていた。SSスキル持ちの僕を冒険者や王女、騎士が奪い合おうとして困っているんですけど!?
わんた
ファンタジー
DVの父から母を守って死ぬと、異世界の住民であるイオディプスの体に乗り移って目覚めた。
ここは、男女比率が1対99に偏っている世界だ。
しかもスキルという特殊能力も存在し、イオディプスは最高ランクSSのスキルブースターをもっている。
他人が持っているスキルの効果を上昇させる効果があり、ブースト対象との仲が良ければ上昇率は高まるうえに、スキルが別物に進化することもある。
本来であれば上位貴族の夫(種馬)として過ごせるほどの能力を持っているのだが、当の本人は自らの価値に気づいていない。
贅沢な暮らしなんてどうでもよく、近くにいる女性を幸せにしたいと願っているのだ。
そんな隙だらけの男を、知り合った女性は見逃さない。
家で監禁しようとする危険な女性や子作りにしか興味のない女性などと、表面上は穏やかな生活をしつつ、一緒に冒険者として活躍する日々が始まった。
異世界に射出された俺、『大地の力』で快適森暮らし始めます!
らもえ
ファンタジー
旧題:異世界に射出された俺、見知らぬ森の真中へ放り出される。周りには木しか生えていないけどお地蔵さんに貰ったレアスキルを使って何とか生き延びます。
俺こと杉浦耕平は、学校帰りのコンビニから家に帰る途中で自称神なるものに拉致される。いきなり攫って異世界へ行けとおっしゃる。しかも語り口が軽くどうにも怪しい。
向こうに行っても特に使命は無く、自由にしていいと言う。しかし、もらえたスキルは【異言語理解】と【簡易鑑定】のみ。いや、これだけでどうせいっちゅーに。そんな俺を見かねた地元の地蔵尊がレアスキルをくれると言うらしい。やっぱり持つべきものは地元の繋がりだよね!
それで早速異世界転移!と思いきや、異世界の高高度の上空に自称神の手違いで射出されちまう。紐なしバンジーもしくはパラシュート無しのスカイダイビングか?これ。
自称神様が何かしてくれたお陰で何とか着地に成功するも、辺りは一面木ばっかりの森のど真ん中。いやこれ遭難ですやん。
そこでお地蔵さんから貰ったスキルを思い出した。これが意外とチートスキルで何とか生活していくことに成功するのだった。
平凡すぎる、と追放された俺。実は大量スキル獲得可のチート能力『無限変化』の使い手でした。俺が抜けてパーティが瓦解したから今更戻れ?お断りです
たかたちひろ【令嬢節約ごはん23日発売】
ファンタジー
★ファンタジーカップ参加作品です。
応援していただけたら執筆の励みになります。
《俺、貸します!》
これはパーティーを追放された男が、その実力で上り詰め、唯一無二の『レンタル冒険者』として無双を極める話である。(新形式のざまぁもあるよ)
ここから、直接ざまぁに入ります。スカッとしたい方は是非!
「君みたいな平均的な冒険者は不要だ」
この一言で、パーティーリーダーに追放を言い渡されたヨシュア。
しかしその実、彼は平均を装っていただけだった。
レベル35と見せかけているが、本当は350。
水属性魔法しか使えないと見せかけ、全属性魔法使い。
あまりに圧倒的な実力があったため、パーティーの中での力量バランスを考え、あえて影からのサポートに徹していたのだ。
それどころか攻撃力・防御力、メンバー関係の調整まで全て、彼が一手に担っていた。
リーダーのあまりに不足している実力を、ヨシュアのサポートにより埋めてきたのである。
その事実を伝えるも、リーダーには取り合ってもらえず。
あえなく、追放されてしまう。
しかし、それにより制限の消えたヨシュア。
一人で無双をしていたところ、その実力を美少女魔導士に見抜かれ、『レンタル冒険者』としてスカウトされる。
その内容は、パーティーや個人などに借りられていき、場面に応じた役割を果たすというものだった。
まさに、ヨシュアにとっての天職であった。
自分を正当に認めてくれ、力を発揮できる環境だ。
生まれつき与えられていたギフト【無限変化】による全武器、全スキルへの適性を活かして、様々な場所や状況に完璧な適応を見せるヨシュア。
目立ちたくないという思いとは裏腹に、引っ張りだこ。
元パーティーメンバーも彼のもとに帰ってきたいと言うなど、美少女たちに溺愛される。
そうしつつ、かつて前例のない、『レンタル』無双を開始するのであった。
一方、ヨシュアを追放したパーティーリーダーはと言えば、クエストの失敗、メンバーの離脱など、どんどん破滅へと追い込まれていく。
ヨシュアのスーパーサポートに頼りきっていたこと、その真の強さに気づき、戻ってこいと声をかけるが……。
そのときには、もう遅いのであった。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
女神に同情されて異世界へと飛ばされたアラフォーおっさん、特S級モンスター相手に無双した結果、実力がバレて世界に見つかってしまう
サイダーボウイ
ファンタジー
「ちょっと冬馬君。このプレゼン資料ぜんぜんダメ。一から作り直してくれない?」
万年ヒラ社員の冬馬弦人(39歳)は、今日も上司にこき使われていた。
地方の中堅大学を卒業後、都内の中小家電メーカーに就職。
これまで文句も言わず、コツコツと地道に勤め上げてきた。
彼女なしの独身に平凡な年収。
これといって自慢できるものはなにひとつないが、当の本人はあまり気にしていない。
2匹の猫と穏やかに暮らし、仕事終わりに缶ビールが1本飲めれば、それだけで幸せだったのだが・・・。
「おめでとう♪ たった今、あなたには異世界へ旅立つ権利が生まれたわ」
誕生日を迎えた夜。
突如、目の前に現れた女神によって、弦人の人生は大きく変わることになる。
「40歳まで童貞だったなんて・・・これまで惨めで辛かったでしょ? でももう大丈夫! これからは異世界で楽しく遊んで暮らせるんだから♪」
女神に同情される形で異世界へと旅立つことになった弦人。
しかし、降り立って彼はすぐに気づく。
女神のとんでもないしくじりによって、ハードモードから異世界生活をスタートさせなければならないという現実に。
これは、これまで日の目を見なかったアラフォーおっさんが、異世界で無双しながら成り上がり、その実力がバレて世界に見つかってしまうという人生逆転の物語である。
神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。
猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。
そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。
あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは?
そこで彼は思った――もっと欲しい!
欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。
神様とゲームをすることになった悠斗はその結果――
※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
序盤でボコられるクズ悪役貴族に転生した俺、死にたくなくて強くなったら主人公にキレられました。 え? お前も転生者だったの? そんなの知らんし
水間ノボル🐳
ファンタジー
↑「お気に入りに追加」を押してくださいっ!↑
★2024/2/25〜3/3 男性向けホットランキング1位!
★2024/2/25 ファンタジージャンル1位!(24hポイント)
「主人公が俺を殺そうとしてくるがもう遅い。なぜか最強キャラにされていた~」
『醜い豚』
『最低のゴミクズ』
『無能の恥晒し』
18禁ゲーム「ドミナント・タクティクス」のクズ悪役貴族、アルフォンス・フォン・ヴァリエに転生した俺。
優れた魔術師の血統でありながら、アルフォンスは豚のようにデブっており、性格は傲慢かつ怠惰。しかも女の子を痛ぶるのが性癖のゴミクズ。
魔術の鍛錬はまったくしてないから、戦闘でもクソ雑魚であった。
ゲーム序盤で主人公にボコられて、悪事を暴かれて断罪される、ざまぁ対象であった。
プレイヤーをスカッとさせるためだけの存在。
そんな破滅の運命を回避するため、俺はレベルを上げまくって強くなる。
ついでに痩せて、女の子にも優しくなったら……なぜか主人公がキレ始めて。
「主人公は俺なのに……」
「うん。キミが主人公だ」
「お前のせいで原作が壊れた。絶対に許さない。お前を殺す」
「理不尽すぎません?」
原作原理主義の主人公が、俺を殺そうとしてきたのだが。
※ カクヨム様にて、異世界ファンタジージャンル表紙入り。5000スター、10000フォロワーを達成!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる