転生鍛冶師は異世界で幸せを掴みます! 〜物作りチートで楽々異世界生活〜

かむら

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第二章 新たな出会い

#23 初依頼(1)

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 たくさん感想が送られてきていて、とても励みになってます。
 その中でも、こうした方がいいんじゃ無いかという内容のものもいくつかもらっていて、承認はしていませんがちゃんと目は通してますので、引き続き感想は気軽に送ってくださると嬉しいです。



===========================



 ノアルの武器を作り終わった後に、僕の残りの2つの職業のことについても話した。
 

「……鑑定も収納も使えるの?」
 
「うん、珍しいかな?」
 
「……ノアルは会ったことない。 ユニーク職業2つ持ちも」
 
「そっかぁ……」

 
 獣人族にはそういう人もいるかもしれないと思ったけど、いないみたいだ。
 

「……ノアルの事も鑑定した?」
 

 こちらを見ながらノアルがそう聞いてくる。 

 ……なぜか期待のこもった眼差しで。
 

「いや、してないよ?」
 
「……なんで?」
 

 してないと聞いた途端、ノアルの尻尾が少し下がった。 

 あ、あれ? なんでだろ?
 

「鑑定って結構色々なものが見えちゃうから、相手の同意なしでは基本しないよ。 人には隠したい事もあるだろうし」
 
「……色々って?」
 
「年齢とかパラメーターとか職業とか、あと多分、見ようと思えば体重とかも見えると思うよ」
 

 普通に鑑定しただけじゃそこまでは見えないだろうが、見たいものに集中して、いつもより魔力を多く使えば恐らく体重とか、血液型とかも見えると思う。 

 そうそう使わないだろうけどね。
 

「……体重?」
 
「そう、体重。 女の人とかはそういうの知られたくなかったりするから、鑑定しないと命が危ないとかじゃない限りは見ないよ。 ノアルも嫌でしょ?」
 
「……ショーマなら見てもいい」
 
「職業とかパラメーター見てもいいの?」
 
「……ん。 なんなら身長とか体重とか、スリーサイズとか……」
 
「絶対見ません。 職業とかパラメーターはともかく」
 
「……むぅ」
 

 なぜそこで拗ねる。 

 そんなに鑑定してもらいたいものなの?
 

「……鑑定、しないの?」
 
「うーん…… じゃあ職業とかパラメーター見てもいい? 戦闘に役立つかもしれないし」
 
「……ん。 他にも見ていいよ」
 
「見ないから」
 

 僕に対して警戒心なさすぎないか? 

 この子、こんなんで大丈夫なのだろうか……?
 

「『鑑定』」
 

 別に唱える必要はないのだが、無言でじーっと見つめるのもダメだと思うのでちゃんと発動するタイミングで口に出した。


  ノアル=ソルム Lv27   女 17歳

  種族:獣人種(猫)

  職業:獣戦士 Lv4 冒険者(白)

  スキル:短剣術 Lv3 舞踊 Lv3 獣化Lv4
      

  HP:3328
       MP:384
       力:991
       速:1571
       技:803
       守:739
       魔:350
       運:500


 ……めっちゃ強いなノアル。 

 レベル高いし、パラメーターも軒並み高いし、現状だと僕より近接戦闘では全然強いと思う。
 
 ついでに職業の獣戦士を鑑定してみると、


【獣戦士 Lv4】 :
 獣人族が持つ戦士の職業。 
 保持者が何の獣人かによって補正は変わる。 
 猫の獣人のため力と速さに補正大。
 職業スキル:双剣術 格闘術 身体強化


「……どう?」
 
「思ったより、レベルもパラメーターも高くてびっくりした。 僕と戦ったとして、魔法無しでやったら間違いなく負けるんじゃないかな」
 
「……ふふ、ショーマはノアルが守る」
 
「ありがとう、僕もノアルを守れるよう頑張るね」
 
「……もう、一回守ってる」
 
「あはは、そうだね。 じゃあ、今度は守り合おうよ」
 
「……ん!」
 

 ノアルは嬉しそうな顔で返事をし、鑑定してもらって満足したのか歩き出した。

 僕はそれに続く形で森の中を進む。 
 
 その道中で、僕のパラメーターやノアルの身体強化スキルの事について話した。 

 身体強化のスキルは発動するとMPがどんどん減る代わりに、HP、MP、運以外のパラメーターがかなり上がるそうだ。
 
 今のノアルが全力で発動した場合、続けて使えるのは10分くらいで、MPが少なくなると強制的に解除され、動けなくなるらしい。

 まぁ、「……ゴブリンくらいなら使わなくても平気」と言っているので今回は使わないんじゃ無いかと思う。

 それと、戦闘時の連携の話も軽くした。 

 結局、僕もノアルも基本は前衛で隣で戦って、状況に応じて僕が魔法を使うということで落ち着いた。

 魔法に関しては連携で使えるかは分からないため、基本的には小規模の魔法しか使わない予定だ。 

 大規模魔法も僕は使えるみたいだが、こんな森の中で使ったら大変な事になるので使わない。 
 
 火魔法を例に挙げると、『インフェルノ』とかいう大規模魔法があるが、恐らく使ったら森中が火の海になるレベルの規模なので。

 
 
     *

 

 しばらく森を進んだところで、ノアルが突然足を止めた。
 

「どうしたの?」
 
「……この先にいる」
 
「ほんと? まだ、気配察知にはまだ引っかかってないんだけど……って、1匹引っかかったね」
 

 丁度、恐らくゴブリンであろう1匹が、気配察知の範囲に出たり入ったりを繰り返す姿が確認できた。
 

「……たぶん、見張り。 ……という事は、この先にゴブリンの集落があると思う」
 
「集落?」
 
「……ゴブリンは基本、1匹では行動しない。…… するとしたら近くに集落があって、それの見張りで動いてる時くらい。 ……それに、沢山の匂いがするから集落に間違いない」
 

 匂いで分かるのは流石獣人だな。 

 確か猫の嗅覚は人間の10万倍とか聞いたことがある。

 ノアルがそこまであるかは分からないが、僕よりは確実に気配探知が上手いだろう。

 
「そっか、ありがとうノアル。 それじゃあ、バレないようにもう少し近づこうか」
 
「……ん、了解」
 

 僕とノアルはバレないように、静かに移動する。 

 近づくと、僕の気配察知にも沢山の気配が引っかかってきた。 

 11…… 12…… もう少しいるかな?
 
 それに、集落の一部も見えてきた。 

 そこまで広くはないが、いくつか木を組み立てて建てたような建造物があった。
 

「結構数が多いね、どうしようか?」
 
「……突っ込む?」
 
「それしかないかな…… いや、突っ込む前に、一発魔法を撃とう。 それで減らせるところまで敵を減らしたい」
 
「……集落の真ん中がオススメ」
 
「そうだね。 あの建物目掛けて魔法を撃つから着弾と同時に僕らも出よう」
 
「……ん!」
 

 少し集落に近付いて、僕は他よりも気配が集まっている真ん中の建物に狙いをつける。 

 そこには7匹くらいのゴブリンが固まっていた。

 その他は四方に1匹ずつ見張りが立っており、あとは集落内に数匹ばらけてるみたいで、気配察知によると計15匹いるようだった。
 

「それじゃあ、行くよノアル。 準備はいい?」
 
「……ん、ショーマとの初戦闘。 がんばる!」
 
「よし、行くよ! 『ロックフォール』」
 

 MPを使い、魔法を発動させる。 

 目標は真ん中の反応が集まっている建物のすぐ上だ。
 
 空中に魔法陣が浮かび、そこからかなり大きな岩が出現し、真っ逆さまに落っこちていく。

 その岩はそのまま、自由落下の勢いでスピードを上げ、建物に直撃した。
 

 ドォォォォォン!!
 

 衝撃が地面を通じて伝わって来る。 

 それがこの魔法の威力を物語っていた。

 気配察知で確認してみると、真ん中の建物にいた7匹のうち5匹の反応が消え、2匹はまだ魔法を避けたのか何なのか分からないがまだ気配が残っている。 

 さらに、魔法に気付いた周りのゴブリン達が少しずつ真ん中に集まってきていた。
 

「ノアル、行くよ! 集まりきる前に各個撃破でいこう! あんまり離れすぎないようにね!」
 
「……ん!」

 
 僕とノアルはそれぞれの武器を持ち、息を潜めていた茂みから飛び出し、集落への強襲を始めた。
 

「ゲギャ!?」
 

 早速近くにいたゴブリン2匹がこちらに気づいたみたいだ。 

 1匹は恐らく見張りで棍棒のような物を持っておりこちらに突っ込んできた。

 もう1匹は何も持っておらず、逃げようとしている。
 

「ノアルは逃げようとしてる方をお願い!」
 
「……分かった」
 

 ノアルは僕の言葉を聞くと一気に走るスピードを上げ…… 

 って速っ! 

 もうあんな先にいる。

 さっきまでは僕に合わせてくれてたのか。 

 あれには追いつけないや。
 

「ギャギャギャ!」
 
「おっと、僕はこっちに集中しなきゃね」
 

 ゴブリンがどのくらいの強さか分からないし、油断は禁物だ。

 ただ、突っ込んで棍棒を振り回しているゴブリンの攻撃を迎え撃とうとしたところ、かなり遅いし、単調な事に気付いた。
 

「狼の方が速かったね」
 

 僕は突っ込んできたゴブリンの棍棒をひらりとかわし、その隙を逃さず首を跳ねた。

 うん、問題なく倒せたな。
 

「ノアルは……」
 
「……ここにいる」
 
「わぁ!! び、びっくりした」
 

 いつの間にかすぐ横にノアルが立っていた。
 

「は、速いねノアル」
 
「……頑張った。 それより、早く他のも倒さないと」
 
「そうだね。 まずは周りで孤立してるのからいこうか。 真ん中に行くのは最後にしよう」
 

 残りは8匹、まだ半数以上残っている。 

 油断せずに行こう。
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