それぞれの事情

紫陽花

文字の大きさ
上 下
35 / 52
第八章 爽

どうして?私

しおりを挟む
私達は散々悩み結局キツネうどんと梅オニギリにした。

「ねぇ、聞いてる?爽!」
「あっえっ? 聞いてるよ」
「でさ、爽さぁ矢島くんに相談されてるって聞いたよ?私のこと 
本当?だっらだら矢島くんに
夏川にはどうやら好きなひとがいるみたいって匂わして欲しいんだよねぇ」

うどんを啜っている私に畳かみかけてくる絵美。

「え~相談って まぁ愚痴?
一方的恋バナ?を聞いただけ 
それも一回だけだよ」
 
携帯を見ながら
「ねえ早く食べないと時間無くなっちゃう」
「だからね!この際回数は関係ないから~ ねっ頼む!私死活問題なんですよ、柴が怒るんだよ。」

啜っていたうどんが~苦しい~
思わず器に戻してしまった。
もう~この短い昼休みに何回衝撃破を絵美から喰らえば良いのか?

ゲホッゲホッ
「大丈夫?はい!水」
ゲホッ
「有難う~じゃないわ! 馬鹿!」
「いや!ごめんねって 今の無しねっ 聞かなかった事にして~
お願い~」
「聞かなかったよ。 柴だなんて
聞こえてない~柴が~~柴が~
絵美のねぇ旦那とは!」
「煩い!黙れ~爽!」
クククと不敵な笑みを浮かべ
「今度美味しものを奢れよ~」

絵美の弱みを握った!
自爆したお前が悪いんだと
揶揄うとシュンとする絵美。
なかなか刺激的な昼休みは
社食終了のチャイムと共に
終わりを告げた。
おにぎり残った!
何のかんの言って
絵美は完食していたのは何故だ?


しおりを挟む

処理中です...