それぞれの事情

紫陽花

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第七章 雪乃

それから?

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大丈夫ですか?やっぱり驚きますよね アハハハ」
笑えるのか?此って笑って良いのか?

比嘉はじっと見てはいけないと思いながら雪乃から目が離せない
だって綺麗で可愛くて好みなんだよ
聞いて尚今も……女性にしか見えない

俺の目がおかしいのか?
目の前で大口を開けて笑っている
この女?いや男は一体!ドッキリか?

「はいはい~落ち着きました?
では改めて自己紹介します
佐々木雪也二十四才

僕は自分の性と体は男だって認めています 
ただ見て判るとおり華奢で 顔も昔から女の子顔って言われていて……
抗った時期もあったけど……気づいたら好きになるのは男子だけだった

この生き方を選んだきっかけは……

高校の文化祭でメイドカフェのメイドの衣裳を着たとき大絶賛だった 

僕自身の高揚感も半端なくて
それから徐々に……そして大学生の頃には完全に女性の格好していた
嫌な思いは数知れずだけど

これが自然体で気持ち良いから仕方ないんだ」

比嘉は何を言えば良いの判らず
頷くだけだが 
一つだけ言える事は

ただ雪乃が男だと判ってから 
とても自分と近い感じがして不思議でならなかった

「気持ち悪いかな?そうならそうと言っくれても大丈夫だよ~慣れてるから」
「バカな!んな訳無いだろ!……
かっ か 可愛いよ……本…当に」

恥ずかしい~俺
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