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一先ずの朝
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眠れなくて郵便バイクの音を聞いた。
悔しさを覚えた。
今私の同一性を鑑賞しつつ、朝、埃を媒介に光線がすっかりと、ああ、結局あれらの高揚は今朝に持ち込めず、夜は夢として、今私を苛むものはただひたすらにそこにあるべき空気と、なるほど、同一性も夢であったか。
さてもウンザリする程の現実感は、それ自体明らかな修行として、しかし誰も何も告げてはくれぬのでいつ踏ん切りを付けようか。今は妥協点としてこの身を起こさん。
戸を開けよ。部屋の明るさは褒めるほどではないし、それを言うのは一体誰の努力だ。テレビ、一家心中。尋常ならぬ哀れみを私の内に想定すべからず。あな悲し。あの一々の一言を、これで良かろう。見逃せよ、我が良心。
この家の最も質量を封じ込めた戸は今に開いて、今日一日の不健康を諦めたところで、いよいよ私は落ち着いて、実際意味のあるかも分からぬ意見箱に何を入れようかと、この頭をもたげる。
この間では私という広さにおけども、さして文字によっては満たされず、聞いた音なども一々留めてはおけぬので、ああ、読み上げてみれば一瞬であった。前の繰り返しに並べられて、特筆すべきことの何も無いのは、後ろを見れば明白であった。
しかし紛れもなく今歩く暇に動かされて語る私に、一体この身が分かりやすく報いてくれたとしても、文脈を無視したとして咎められはしないだろう。もっとも、文脈などは逐次消しかかっていたのだから、
この頃の季節を思ってみても、やはり寒いとは言えなかった。どうしてしまったか。実際身を震わしているのは何処までも本当で、嫌だ嫌だと嘆いていたあの頃が懐かしい。ああ、いつであったか。すっかり分かってしまったのだな。
と、新たな風情を発見したというよりは寧ろ、ただマンネリズムにこの身を揺られて、いまいち納得の行かぬまま、意思ある歩行を求められているのである。もっとも、誰も直接そのようには告げぬのであるが、
悔しさを覚えた。
今私の同一性を鑑賞しつつ、朝、埃を媒介に光線がすっかりと、ああ、結局あれらの高揚は今朝に持ち込めず、夜は夢として、今私を苛むものはただひたすらにそこにあるべき空気と、なるほど、同一性も夢であったか。
さてもウンザリする程の現実感は、それ自体明らかな修行として、しかし誰も何も告げてはくれぬのでいつ踏ん切りを付けようか。今は妥協点としてこの身を起こさん。
戸を開けよ。部屋の明るさは褒めるほどではないし、それを言うのは一体誰の努力だ。テレビ、一家心中。尋常ならぬ哀れみを私の内に想定すべからず。あな悲し。あの一々の一言を、これで良かろう。見逃せよ、我が良心。
この家の最も質量を封じ込めた戸は今に開いて、今日一日の不健康を諦めたところで、いよいよ私は落ち着いて、実際意味のあるかも分からぬ意見箱に何を入れようかと、この頭をもたげる。
この間では私という広さにおけども、さして文字によっては満たされず、聞いた音なども一々留めてはおけぬので、ああ、読み上げてみれば一瞬であった。前の繰り返しに並べられて、特筆すべきことの何も無いのは、後ろを見れば明白であった。
しかし紛れもなく今歩く暇に動かされて語る私に、一体この身が分かりやすく報いてくれたとしても、文脈を無視したとして咎められはしないだろう。もっとも、文脈などは逐次消しかかっていたのだから、
この頃の季節を思ってみても、やはり寒いとは言えなかった。どうしてしまったか。実際身を震わしているのは何処までも本当で、嫌だ嫌だと嘆いていたあの頃が懐かしい。ああ、いつであったか。すっかり分かってしまったのだな。
と、新たな風情を発見したというよりは寧ろ、ただマンネリズムにこの身を揺られて、いまいち納得の行かぬまま、意思ある歩行を求められているのである。もっとも、誰も直接そのようには告げぬのであるが、
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