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合従軍戦
十二
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白起は瞬いた。まさか、己と同じような精度と破壊力を持った矢を放つことが出来る猛者がいるとは。強い気配を放つ二人の内一人は、想像の遥か上を行っているのかもしれない。
「隊長‼」
王齕が叫声と共に、空を翔ける流星を指差した。白起は何も答えず、迫る光を睨んでいた。其れは空を裂いていた。明確な殺意を以って、白起の元へ。
「逃げろ‼白起‼」
必死のあまり、王齕はかつての口調に戻っていた。
「必要ない」
極めて冷静だった。矢は白起を貫くことなく、彼の足元の城壁に突き立った。抉れた壁が、矢の威力を物語っている。
「俺もお前も仕留めそこなったな」
まだ見ぬ敵へ吐き捨てると、女墻から軽やかに飛び降りる。王齕はまだ自失が解けていないのか、白起から押し渡される強弓を呆然と腕に抱いた。
「隊長‼」
王齕が叫声と共に、空を翔ける流星を指差した。白起は何も答えず、迫る光を睨んでいた。其れは空を裂いていた。明確な殺意を以って、白起の元へ。
「逃げろ‼白起‼」
必死のあまり、王齕はかつての口調に戻っていた。
「必要ない」
極めて冷静だった。矢は白起を貫くことなく、彼の足元の城壁に突き立った。抉れた壁が、矢の威力を物語っている。
「俺もお前も仕留めそこなったな」
まだ見ぬ敵へ吐き捨てると、女墻から軽やかに飛び降りる。王齕はまだ自失が解けていないのか、白起から押し渡される強弓を呆然と腕に抱いた。
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