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三章 陰火
三
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虎符を用いて徴集された兵が、続々と咸陽の南三十里に造らせた、王翦の軍営へと入ってくる。兵数は二十万を超えている。
楚への南下に合わせて、残り四十万が合流する予定で、総数六十万にものぼる大軍勢で楚を攻める。軍営内では秦の黒色の旒。王翦の鳶色の旒が、所狭しと翻っている。
「将軍」
腕を組み練兵の様子を見守る、王翦に背後から声を掛けてきたのは、平服姿の青年であった。右腕を怪我しているのか、肩口から添え木のあてた手を繃帯で吊っている。
「李信です」
「おう。李信殿か」
王翦は李信の変貌にいささか驚いた。血気と活力に漲っていた眼は、金壺眼となり、頬はこけている。
「何故、そなたが此処に?」
李信は敗戦の責を問われ、庶民に落とされている。
「将軍に御願いの儀があり参りました」
秦王政の御前で、この若者が己に見せた、侮りの視線を忘れた訳ではない。含むものはあるが、彼の変わり様を見ていると、話くらいは聞いてやってもいいという思いになる。
「訊こうか」
「一兵卒としてでも良いのです。俺をー。いや、私を従軍させて頂けませんか」
金壺眼から瞋怒の鮮烈な光輝が宿る。
「復讐か?」
李信は真一文字に唇を結び、強く頷いた。
「気持ちは理解してやれる。しかしなー」
李信の右腕も見遣る。噂では項燕の棍に砕かれたという。
「それは利き腕であろう。その様子では、戦場で遣いものになるとは思えんが」
元々、自尊心が強く気が短いことで有名な若者である。
王翦が放った屈辱的な発言に堪えることはできないと思った。しかし、彼は怒りを嚥下するように喉を鳴らし、平静をつとめている。
(ほう。項燕との一戦が、李信を大人にさせたか)
「項燕を討てるなら、死んでも良いという眼をしているな」
「それは王翦将軍も同じなのでは。平淡に構えておられるが、将軍の胸中に渦巻いているものは、私が抱いているものと同様でしょう」
「わしと項燕の因縁を知っているのか?」
李信は王翦が纏う、具足の風穴を見遣った。
「胸に傷のついた具足を、あえて纏っておられる。それこそが執念の証なのでは」
「衒う癖が無くなったと思ったが、それは相変わらずのようだな」
王翦はまだ戦場の一端しか知らない、青い若者に凄味を放った。
「将軍。私は項燕の利き腕を奪いました。代償に私も腕を砕かれましたが。誰一人として、傷を付けたことのなかった無敵の項燕の腕を私は斬り落としてみせました。きっとお役に立てると思います」
「暗にわしを貶めているのか。李信殿」
「王翦将軍のお力になれる。私は率直に申し上げているだけです」
暫しの間、二人は向かい合った。李信からは、不退転の覚悟が横溢している。
何を言おうと、彼は頑として、この場を動かないだろう。
「いいだろう、李信殿。機会を与えてやる」
告げると、李信は愛嬌のある笑顔を向けた。
「ついてこい」
王翦は彼に背を向けると、練兵場に入り、大声を張り上げて、訓練を中止させた。
「誰か!剣を!」
末端の兵士が李信に剣を手渡す。
王翦の従者が駆け寄り、鍛えあげたばかりの剣を王翦に渡した。
剣を抜き放つ。刃が鳴る。悪くない。
刃の躍動が伝わる。この剣は、項燕に砕かれた矛を溶かし、極限にまで鍛えあげた鋼―。百煉鋼で鍛えた剣である。選りすぐられ鋼と責念の想いが、剣に力を齎している。
「剣を抜け、李信殿。どの程度戦えるか、見極めてやろう。話はそれからだ」
「左でも剣を振るえるよう死すれすれの訓練を己に課してきました。兵士達の前で、恥をかくことになりますよ。将軍」
鞘を口に咥え、刃を抜いた。
何事かと兵士達が、練兵場の周囲に続々と集まり、瞬く間に幾つもの黒山ができた。
「では、遠慮なく」
李信が腰を落とした。
なるほど。ほざくばかりではない。剣尖に至るまで、気魄が満ちている。
立ち昇る気魄を眼で追いながら、王翦も剣を構えた。
李信の顔つきが変わった。己は項燕の如く、武勇で名を馳せた軍人ではない。深慮遠謀で功績を重ねてきた、智謀の将である。
だが、決して武技を不得手としている訳ではない。常に十万を超える大軍を率いる、戦の中で知略による戦を求め続けられただけに過ぎない。若い頃は軍神白起の麾下として、数千騎からなる遊撃隊の隊長を務め、戦場を駆け回り、何度も武で死線を潜り抜けてきた。
「参る」
王翦は老いた躰に闘志を漲らせた。体力では若い李信には到底及ばない。けれども、経験値と積み重ねてきた武技では、この若造に遅れはとらない。
吠声を上げ、李信が地を蹴った。臆することなく、間合いに入り込む。
刃を薙ぐ。剣筋が定まった一撃。
(悪くない。利き腕が遣えない今でも、並の兵士十人分はある)
王翦は剣尖を軽く回した。軽く刃が触れた。
刹那。
乾いた音を立てて、李信の剣が跳ね上がった。
李信に動揺が走る。隙が生じた。
踏み込み、剣尖を李信の喉元へ。
「ははは。わしの勝ちだな」
王翦は闘志をおさめ、鷹揚に笑った。
乾坤一擲の一撃をいなされた挙句、雷光の速さで喉笛に剣尖を突き立てられた、李信は驚愕のあまり瞬いている。
「将軍―。何を」
枯れた声で李信は訊いた。
「膂力に恃み過ぎだ、李信殿」
鍛えあげたばかりの剣の刃をつらつらと眺める。
李信の初撃を見事弾いてみせた、剣の出来に満足を覚えながら、鞘に剣をおさめる。
(並の剣ならば、砕けていたかもしれぬな)
李信の膂力は、項燕の壮年期を髣髴とさせるものがある。それだけではなく、二人の気風は良く似ている。激情家かつ、本能で戦をする型の軍人である。
悪く言えば浅薄。良く言えば天才肌。一長一短の気風と言えるが、こういう型の軍人は必ず戦場では必要となる。予期せぬ所で戦況を大きく覆すのも、項燕や李信といった、直情径行型の軍人である。
「利き腕を遣えた頃ならば、膂力で押し切ることが可能であっただろう。しかし、これからは技を磨くことに専念することだ。技を磨けば力に恃まずも、敵の攻撃を防ぎ、加えて迅速に攻勢に転じることができる」
李信の剣が地に落ちる。彼は項垂れ「くそ!」と地面に拳を打った。
「言っておくが、わしも利き腕を遣っていない。でなければ、公平ではないからな」
「えっ?」
李信は開口し、見る見る内に眼を涙で潤ませた。
黒山から天を衝くほどの歓声が上がる。
「王翦将軍万歳!」
李信は涙と洟水をこもごもと流し、踵を返し、ふらふらと立ち去って行こうとする。
「李信殿、何処へ行く。ささっと支度をしないか」
李信が真っ赤になった眼で、王翦を見遣った。
「どういう意味ですか?」
王翦が破顔する。
「わしの従者としてならば、従軍させてやってもいい」
頬を伝う涙を、全力で李信は袖で拭い、先ほどのまでの悄然とした様子は一転して、爛々と顔を輝かせた。
「将軍。良いのですか!?」
かつて王翦に侮りの視線を向けた、青年は王翦に羨望の眼差しを向けていた。
「しかし、軍の指揮はさせぬ。あくまで従者として、総大将であるわしの身を守禦せよ」
李信は勢いよく駆け付けると、王翦の眼の前で力強く拱手した。
「御意に!」
「では支度をせよ」
「はっ」
駆け去っていく李信の背を視線で追う。
(わしが項燕に似た若者を傍に置くか。まぁ、それも一興だな)
楚への南下に合わせて、残り四十万が合流する予定で、総数六十万にものぼる大軍勢で楚を攻める。軍営内では秦の黒色の旒。王翦の鳶色の旒が、所狭しと翻っている。
「将軍」
腕を組み練兵の様子を見守る、王翦に背後から声を掛けてきたのは、平服姿の青年であった。右腕を怪我しているのか、肩口から添え木のあてた手を繃帯で吊っている。
「李信です」
「おう。李信殿か」
王翦は李信の変貌にいささか驚いた。血気と活力に漲っていた眼は、金壺眼となり、頬はこけている。
「何故、そなたが此処に?」
李信は敗戦の責を問われ、庶民に落とされている。
「将軍に御願いの儀があり参りました」
秦王政の御前で、この若者が己に見せた、侮りの視線を忘れた訳ではない。含むものはあるが、彼の変わり様を見ていると、話くらいは聞いてやってもいいという思いになる。
「訊こうか」
「一兵卒としてでも良いのです。俺をー。いや、私を従軍させて頂けませんか」
金壺眼から瞋怒の鮮烈な光輝が宿る。
「復讐か?」
李信は真一文字に唇を結び、強く頷いた。
「気持ちは理解してやれる。しかしなー」
李信の右腕も見遣る。噂では項燕の棍に砕かれたという。
「それは利き腕であろう。その様子では、戦場で遣いものになるとは思えんが」
元々、自尊心が強く気が短いことで有名な若者である。
王翦が放った屈辱的な発言に堪えることはできないと思った。しかし、彼は怒りを嚥下するように喉を鳴らし、平静をつとめている。
(ほう。項燕との一戦が、李信を大人にさせたか)
「項燕を討てるなら、死んでも良いという眼をしているな」
「それは王翦将軍も同じなのでは。平淡に構えておられるが、将軍の胸中に渦巻いているものは、私が抱いているものと同様でしょう」
「わしと項燕の因縁を知っているのか?」
李信は王翦が纏う、具足の風穴を見遣った。
「胸に傷のついた具足を、あえて纏っておられる。それこそが執念の証なのでは」
「衒う癖が無くなったと思ったが、それは相変わらずのようだな」
王翦はまだ戦場の一端しか知らない、青い若者に凄味を放った。
「将軍。私は項燕の利き腕を奪いました。代償に私も腕を砕かれましたが。誰一人として、傷を付けたことのなかった無敵の項燕の腕を私は斬り落としてみせました。きっとお役に立てると思います」
「暗にわしを貶めているのか。李信殿」
「王翦将軍のお力になれる。私は率直に申し上げているだけです」
暫しの間、二人は向かい合った。李信からは、不退転の覚悟が横溢している。
何を言おうと、彼は頑として、この場を動かないだろう。
「いいだろう、李信殿。機会を与えてやる」
告げると、李信は愛嬌のある笑顔を向けた。
「ついてこい」
王翦は彼に背を向けると、練兵場に入り、大声を張り上げて、訓練を中止させた。
「誰か!剣を!」
末端の兵士が李信に剣を手渡す。
王翦の従者が駆け寄り、鍛えあげたばかりの剣を王翦に渡した。
剣を抜き放つ。刃が鳴る。悪くない。
刃の躍動が伝わる。この剣は、項燕に砕かれた矛を溶かし、極限にまで鍛えあげた鋼―。百煉鋼で鍛えた剣である。選りすぐられ鋼と責念の想いが、剣に力を齎している。
「剣を抜け、李信殿。どの程度戦えるか、見極めてやろう。話はそれからだ」
「左でも剣を振るえるよう死すれすれの訓練を己に課してきました。兵士達の前で、恥をかくことになりますよ。将軍」
鞘を口に咥え、刃を抜いた。
何事かと兵士達が、練兵場の周囲に続々と集まり、瞬く間に幾つもの黒山ができた。
「では、遠慮なく」
李信が腰を落とした。
なるほど。ほざくばかりではない。剣尖に至るまで、気魄が満ちている。
立ち昇る気魄を眼で追いながら、王翦も剣を構えた。
李信の顔つきが変わった。己は項燕の如く、武勇で名を馳せた軍人ではない。深慮遠謀で功績を重ねてきた、智謀の将である。
だが、決して武技を不得手としている訳ではない。常に十万を超える大軍を率いる、戦の中で知略による戦を求め続けられただけに過ぎない。若い頃は軍神白起の麾下として、数千騎からなる遊撃隊の隊長を務め、戦場を駆け回り、何度も武で死線を潜り抜けてきた。
「参る」
王翦は老いた躰に闘志を漲らせた。体力では若い李信には到底及ばない。けれども、経験値と積み重ねてきた武技では、この若造に遅れはとらない。
吠声を上げ、李信が地を蹴った。臆することなく、間合いに入り込む。
刃を薙ぐ。剣筋が定まった一撃。
(悪くない。利き腕が遣えない今でも、並の兵士十人分はある)
王翦は剣尖を軽く回した。軽く刃が触れた。
刹那。
乾いた音を立てて、李信の剣が跳ね上がった。
李信に動揺が走る。隙が生じた。
踏み込み、剣尖を李信の喉元へ。
「ははは。わしの勝ちだな」
王翦は闘志をおさめ、鷹揚に笑った。
乾坤一擲の一撃をいなされた挙句、雷光の速さで喉笛に剣尖を突き立てられた、李信は驚愕のあまり瞬いている。
「将軍―。何を」
枯れた声で李信は訊いた。
「膂力に恃み過ぎだ、李信殿」
鍛えあげたばかりの剣の刃をつらつらと眺める。
李信の初撃を見事弾いてみせた、剣の出来に満足を覚えながら、鞘に剣をおさめる。
(並の剣ならば、砕けていたかもしれぬな)
李信の膂力は、項燕の壮年期を髣髴とさせるものがある。それだけではなく、二人の気風は良く似ている。激情家かつ、本能で戦をする型の軍人である。
悪く言えば浅薄。良く言えば天才肌。一長一短の気風と言えるが、こういう型の軍人は必ず戦場では必要となる。予期せぬ所で戦況を大きく覆すのも、項燕や李信といった、直情径行型の軍人である。
「利き腕を遣えた頃ならば、膂力で押し切ることが可能であっただろう。しかし、これからは技を磨くことに専念することだ。技を磨けば力に恃まずも、敵の攻撃を防ぎ、加えて迅速に攻勢に転じることができる」
李信の剣が地に落ちる。彼は項垂れ「くそ!」と地面に拳を打った。
「言っておくが、わしも利き腕を遣っていない。でなければ、公平ではないからな」
「えっ?」
李信は開口し、見る見る内に眼を涙で潤ませた。
黒山から天を衝くほどの歓声が上がる。
「王翦将軍万歳!」
李信は涙と洟水をこもごもと流し、踵を返し、ふらふらと立ち去って行こうとする。
「李信殿、何処へ行く。ささっと支度をしないか」
李信が真っ赤になった眼で、王翦を見遣った。
「どういう意味ですか?」
王翦が破顔する。
「わしの従者としてならば、従軍させてやってもいい」
頬を伝う涙を、全力で李信は袖で拭い、先ほどのまでの悄然とした様子は一転して、爛々と顔を輝かせた。
「将軍。良いのですか!?」
かつて王翦に侮りの視線を向けた、青年は王翦に羨望の眼差しを向けていた。
「しかし、軍の指揮はさせぬ。あくまで従者として、総大将であるわしの身を守禦せよ」
李信は勢いよく駆け付けると、王翦の眼の前で力強く拱手した。
「御意に!」
「では支度をせよ」
「はっ」
駆け去っていく李信の背を視線で追う。
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