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初めての友達
涙
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「そういえばなんで優也は、私を助けてくれたの?」
「なんで…か。人を助けるのに理由って必要なのか?」
「え、いや…確かにないのかも…。で、でも!ここまで助けてくれた人は優也が、初めて…だよ。」
「ここまで?」
帰り道。初めて誰かと帰るこの道に、なんだか胸が高鳴る。いつもこんなにキラキラしてたかしら。夕日をみて帰るのいつぶりかな…。いつも下を向いてばかりだったから。
そんなことを考えながら私は、優也に1年の頃のことから今に至るまでを順々に話した。
その間、優也は何も言わず頷いて聞いてくれた。
「そっか…。桜はずっと1人で戦ってきたんだな。」
そう言うと、優也は帰り道の途中にある公園のベンチに腰掛ける。
「桜。こっち。」
と言って優也の隣の空いたスペースを指さして座れと。
んー…男の子の隣に…。
「ほら、早く来いって。」
「失礼します。」
「ははっ。面接かよ。」
そんなに広くないベンチで、彼の肩と私の肩は自然に触れ合う。そんな些細な接触にドキドキしていると、
「桜はさ、施設が嫌か?」
「嫌…ではないかも。と言うより、それ以外に選択肢がないからね。しょうがなく居るって感じけど。でも、先生達もみんな優しいし。」
「…それが、桜の本音か?」
「え?」
「桜、施設の話する時楽しそうじゃない。それに、いじめだって。本当は今俺に話したこと以外も色々あるだろ。」
「ははっ…。優也は凄いね。なんで分かっちゃうかな…。」
帰ってからも施設の先生達に怒られるだけ。学校にも施設にも私の居場所なんてない。親に捨てられて、施設に入れられて。友達も、家族も私には何にもなかったんだもん。優也に出会うまで。
ポロッ
「あ、あれー?おかしいな…。なんで。」
今日友達になったばかりの人の前で泣いちゃうなんて、私相当追い詰められてたのかな。
「…。泣くなよ。」
「…?」
考えてる時には、私は彼の腕の中にいた。筋肉質だけど優しく、暖かい彼の腕の中は止まりかけてた私の涙を流す。
「ごめっ…泣くつもり…無かったのに…。」
「ごめん。泣くななんて言って。今は泣いていい。誰にも見られないように俺が隠すから。」
「うっ…ふぅっ…。」
私は彼の腕の中で、日が暮れるまで泣き続けた。今まで貯めてた涙のダムが、突然流れ出した。ダムの底には隠していた私の本音が…。優也なら。
優也なら私と、本当の友達になれるのかもしれない。
見た目は怖いけど、優しい彼に少しだけ『好き』という感情が芽生え始めていたのかもしれない。
「なんで…か。人を助けるのに理由って必要なのか?」
「え、いや…確かにないのかも…。で、でも!ここまで助けてくれた人は優也が、初めて…だよ。」
「ここまで?」
帰り道。初めて誰かと帰るこの道に、なんだか胸が高鳴る。いつもこんなにキラキラしてたかしら。夕日をみて帰るのいつぶりかな…。いつも下を向いてばかりだったから。
そんなことを考えながら私は、優也に1年の頃のことから今に至るまでを順々に話した。
その間、優也は何も言わず頷いて聞いてくれた。
「そっか…。桜はずっと1人で戦ってきたんだな。」
そう言うと、優也は帰り道の途中にある公園のベンチに腰掛ける。
「桜。こっち。」
と言って優也の隣の空いたスペースを指さして座れと。
んー…男の子の隣に…。
「ほら、早く来いって。」
「失礼します。」
「ははっ。面接かよ。」
そんなに広くないベンチで、彼の肩と私の肩は自然に触れ合う。そんな些細な接触にドキドキしていると、
「桜はさ、施設が嫌か?」
「嫌…ではないかも。と言うより、それ以外に選択肢がないからね。しょうがなく居るって感じけど。でも、先生達もみんな優しいし。」
「…それが、桜の本音か?」
「え?」
「桜、施設の話する時楽しそうじゃない。それに、いじめだって。本当は今俺に話したこと以外も色々あるだろ。」
「ははっ…。優也は凄いね。なんで分かっちゃうかな…。」
帰ってからも施設の先生達に怒られるだけ。学校にも施設にも私の居場所なんてない。親に捨てられて、施設に入れられて。友達も、家族も私には何にもなかったんだもん。優也に出会うまで。
ポロッ
「あ、あれー?おかしいな…。なんで。」
今日友達になったばかりの人の前で泣いちゃうなんて、私相当追い詰められてたのかな。
「…。泣くなよ。」
「…?」
考えてる時には、私は彼の腕の中にいた。筋肉質だけど優しく、暖かい彼の腕の中は止まりかけてた私の涙を流す。
「ごめっ…泣くつもり…無かったのに…。」
「ごめん。泣くななんて言って。今は泣いていい。誰にも見られないように俺が隠すから。」
「うっ…ふぅっ…。」
私は彼の腕の中で、日が暮れるまで泣き続けた。今まで貯めてた涙のダムが、突然流れ出した。ダムの底には隠していた私の本音が…。優也なら。
優也なら私と、本当の友達になれるのかもしれない。
見た目は怖いけど、優しい彼に少しだけ『好き』という感情が芽生え始めていたのかもしれない。
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