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ハデス様奇跡を見る
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タナトス「これは…なんですか!?」
ハデス一行に1日遅れで街を出ていたタナトスが
廃墟とかした町をみて驚愕した
建物はすべて吹き飛び無数の屍のが地面を埋め尽くしている様だった
タナトス「…この装備…こいつらは…神兵?」
崩壊した町のいたるところに神兵の屍が無数にあり
タナトスはさらに疑問でいっぱいになった
そうやってあたりを見渡していると
見覚えのある人の姿が見えた
タナトス「あれは…ハデス様と一緒に居た…」
タナトスが見つけたのは
クリーシスに覆いかぶさるように倒れている
ブラウの姿だった
タナトス「おい!大丈夫ですか!?何があったんですか!?ちっ!この男意識が戻らない…しょうがない、またハデス様に怒られそうですけど…」
そう言うとタナトスは空に向かって飛び出した
タナトス「えーっと名前なんだっけ…えーっと…ク…クリ…あ!クリーシス!クリーシスの霊体はどこですかぁぁ!!!!」
そうやって空に叫ぶとふよふよと緑色の炎がタナトスへ近づいて来た
タナトス「やっぱりまだこの辺りに彷徨ってましたね!クリーシス、よく聞いてください、あなたが身体に戻ればみんな助けることができますアナタの回復魔法と僕の神の御業があれば!」
緑色の炎はふよふよとその場で漂っているだけだが
タナトスには声が聞こえているようだ
タナトス「まず僕が君の身体に魂を戻す!死因が心臓を射抜かれたショックで気を失いそのまま失血死みたいだから、魂が戻った瞬間自分に回復魔法をかけるんだ!そうすれば全快だ!よし!後のことは生き返ってからだ!やるぞ!」
タナトスはそう言うと緑色の炎を握りしめ
倒れたクリーシスの胸に押し当てた
タナトス「我が願う生命の輝きをこの者に再び灯せ!生命帰還!!」
タナトスの詠唱が終わるとクリーシスの身体が眩い光を放った
クリーシス「グァハ!くっ!ひ…ヒ…」
光が消えた途端クリーシスは息を吹き返し
苦しそうに魔法を使おうとしている
タナトス「そうだ!頑張れ!僕がいる限り何度でも挑戦できるんだ落ち着いてやれ!」
クリーシス「はぁはぁ…!!!回復魔法!!」
クリーシスは力を振り絞り自身に回復魔法をかけ無事傷を治療できた
タナトス「よし!よくやった!あとは…」
クリーシスが回復したのを確認しタナトスは何かを探しだした
クリーシス「はぁ、はぁ、た、タナトス様、私が生き返れば皆を救えるというのは…どういう…」
タナトス「そのままの意味だよ!今多分ハデス様は暴走してるんだろうし、すぐにでもこの世界消されてもおかしくないからね、少しでもハデス様を大人しくさせる為に君たちを生き返らせとかないと…僕は魂を操れるけど傷は直せないからね…あ!あった!」
そう言ったタナトスの方をクリーシスが見ると、内蔵が飛び出て顔も半分潰れてしまったルイの上半身をタナトスが担いでいた
それを見た瞬間クリーシスは倒れそうになったがタナトスに声をかけられた
タナトス「お、おい!君が居ないとコイツは生き返らないぞ!」
その声に答えるようにクリーシスは必死に意識を保った
クリーシス「は、はい!……ルイ……」
タナトス「よし!…まずはこの上半身と下半身を密着させて……さぁこの切断部分に回復魔法をかけろ!」
クリーシス「はい!回復魔法!」
そう魔法を放つとすぐに体は繋がれ傷が消えていった
そしてタナトスの指示は続く
タナトス「よし、今度は頭の修復だ!頭に回復魔法をかけろ!」
クリーシス「はい!!回復魔法!!」
クリーシスは続けてタナトスの指示通り頭に回復魔法をかけた
するとたちまちルイの頭も顔も元通りに治った
タナトス「よし、これでコイツ無傷だな…さて…えっと…ルイ!ルイの霊体はどこだー!!」
タナトスはクリーシスの時のように空に向かって叫ぶと
ふよふよと近寄ってきた赤白い炎に話しかける
タナトス「今からお前を生き返らせるチクっとするから気を付けろ?」
そうタナトスが言葉をかけると
心なしか赤白い炎は後ずさったように見えた
それを問答無用でタナトスは握りしめ
ルイの胸に押し当てる
タナトス「我が願う生命の輝きをこの者に再び灯せ!生命帰還!!」
そうタナトスが唱えるとクリーシスの時と同様に眩い光があたりを照らす
ルイ「ぶはぁ!!はぁはぁはぁはぁ…死ぬかと思った!!」
タナトス「いや、死んでたんだよ」
ルイが起き上がるとクリーシスは膝から座り込み涙を流した
クリーシス「うっうっうっ良かったぁぁぁ!!」
そのままクリーシスは10分ほど泣き
落ち着いたところでタナトスに話しかけた
クリーシス「ひっく…タナトス様…これからどうすればいいのでしょう…町の人とかも生き返らせるんですか?」
ルイ「そうだなタナトス様とクリーシスがいれば生き返らせる事もできるよな!」
タナトス「そんなことやってらんないよ、名前も知らない人間達をこの魂の大群から一人一人呼び出して生き返らせるなんてできるわけないじゃないか、そんなことより体力が回復したならそこのブラウだっけ?起こしてハデス様を追わないといつこの世界が消えるかわかんないよ?」
そう言うとタナトスはルイに向かってブラウを起こすように指示を出した
ルイ「ブラウ!おい!ブラウ起きろ!お前は吹っ飛んだだけだろ!死んでねぇんだから起きろ!おぉい!!!起きろ!起きろっつってんだろ!!!!」
初めは頬をペチペチとはたくだけだったが次第に往復ビンタになり終いには身体を蹴り上げた
ブラウ「ぶふぇ!!」
蹴り上げられたブラウは顔面から地面に落ちて変な声を出した
ブラウ「うぅ俺は、俺はいったいどうなって…は!クリーシス!!ルイ!!ってアレ?」
気がついたブラウは自身の状況とまわりの状況を理解するのにかなり時間がかかった
ブラウ「クリーシス…ルイ!お前ら生きてたのか!?」
ルイ「いや死んでたよ」
ブラウ「え?」
タナトス「とにかく起きたならハデス様の所に急ぐよこんな所で油売って世界が消えちゃったら僕も流石に存在してられない!」
ブラウの理解が追いつく前にタナトスはハデスを追うように一行に指示を出した
クリーシス「ブラウ…生きててくれてありがとう…詳しい話は進みながらするね、タナトス様ハデス様はケルちゃんに乗って行ってしまったので私達では追いつけないと思うんですがどうしましょう」
クリーシスはブラウに優しい笑顔を見せたあとタナトスに質問を投げかけた
タナトス「うんそうだね、僕の兄弟の力を借りるしかないと思う、あ、僕はハデス様自身でありハデス様の分身だけど兄弟は三神とは別にいるんだよね」
ルイ、ブラウ、クリーシスはタナトスの言ってる意味が全然わからなかったが
そんなことを気にせずタナトスは続けて口を開く
タナトス「オネイロス!力を貸して!」
そうタナトスが叫ぶとあたりが薄桃色になり
一行にふわふわとした感覚が襲う
クリーシス「こ、これは…頭がふわふわ…」
ブラウ「なんだこれ…現実か?」
ルイ「こりゃどうなってんだ?」
タナトス「とりあえずうまくいったね、久々にオネイロスの力使ったけどまぁ大丈夫そうだね、今僕達は夢の中にいる!でも眠ってるわけではないよ!現実世界の身体ごと夢の中に入ってるのさ」
そう言い終わるとタナトスは歩き始めた
クリーシス「夢の中…でもこれでどうやったらハデス様に追いつけるのでしょう…」
ルイ「そうだ!どうやって追いつくんだ!タナトス様!」
ブラウ「……」
クリーシス達は疑問をタナトスにぶつけるがタナトスは聞いてない素振りを見せ
歩き続ける
ブラウ「…なるほど、クリーシス…君は夢を見たとき何年もそこにいたような感覚になったことはないかい?でも目覚めたらたったの数時間だったと」
クリーシス「あ、たしかにある!」
タナトス「気付くの早いね!もっとかかるかと思ったけど、正解!この夢の中では1日たっても現実では5分ぐらいかな?これでハデス様には追いつける王都まではここから歩いて3日現実世界なら15分しかたたないかな?ケルベロスなら3日の所を半日で移動出来るだろうしもう王都についてる頃だね!よし行くよ!」
そう言うとタナトスは再び歩を進め始めた
ルイ「…?意味が…わかんねぇ!」
その頃ハデスは
ハデス「ゼウス!!どこだ!!出てこい!!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスは王都に着きケルベロスに乗ったまま街を走り回っていた
街人A「うわぁバケモノだ!」
街人B「誰か衛兵を呼んでくれ!」
ケルベロスを見て街の人達は怯え逃げ惑いながら悲鳴を上げていた
それを気にも止めずハデスは駆け巡り
時に街の外壁を破壊し、時に家屋を壊し
ゼウスを探し続けた
ハデス「やはり王城にいるのか?絶対に見つけて帰ってやる、そしてオリュンポスの馬鹿共に俺の仲間を殺した報いを受けさせてやる!!」
そう言っている間に
ハデスは城の正門へ辿り着いた
そこにはハデスの見知った顔があった
?「おやおや、夫の監視の為にこんな世界にまで来たけれどアナタも来てたのね?何しに来たの?ハデス」
ハデス「ヘラ…やはりアナタもこの世界に来てたのか、そこをどいてくださいゼウスに会って元の世界に帰るんです」
ヘラ「へぇ…別に通してもいいけれどアナタ本当に帰っていいの?元の世界が退屈だったからこの世界に来たんじゃないの?」
ハデスの呼びかけに対してヘラは質問を返す
ハデス「もう退屈にはなりませんよ俺はオリュンポスに戦争をしかけます絶対に許さない」
ヘラ「…それは…そんなことを聞いたら通すわけには行かなくなったわ私はオリュンポスの女王よ」
そう言うとヘラは杖を構えた
ハデス「そうですか……俺は今かなり気が立ってます、力ずくで行きますよ!」
ヘラとハデスの戦いが始まろうとしている
その2日前
イシュガルの街
実況「さぁ!間もなく始まります!
第一回イシュガル闘技大会!
実況は私スパーク!
丸一日かけて行われるこの大会の実況をすべて担当いたします!
のどが潰れるのなんて怖くない!!
さぁ!ルールの説明をしますよ!
まず予選はサバイバル!
闘技場内で戦って立っていた選手最後の4人が本選に出場できます!
尚!1時間以内に4人にならない場合はその時点で全員失格です!
このイシュガルでは冒険者が多いので30人の予選を5回繰り返します!
本選は残った選手20人でトーナメント戦です!
それでは予選第一試合!選手入場です!」
実況のスパークと呼ばれる男が高らかに選手入場の宣言をすると闘技場の入り口から
ぞろぞろと冒険者達が入場してきた
アレス「どうなるかな」
ミント「私には全然わかりません…ただ、ルイさん達のレベルに匹敵する人達が居ればいいのですが…」
闘技場の貴賓席のようなところで仮面をしているアレスとその横に座るミントは
神妙な面持ちで闘技場内を見る
スパーク「予選第一試合を始める前に観客の皆さんにも説明しておきます!
これはあくまで闘技大会!
殺しとは無縁の大会です!
よって武器は木剣など殺傷能力の低いものを皆さんには装備してもらっています!
また魔法で致命傷を負う事もありません!
選手全員には腕利きの魔法使いに作ってもらったネックレス型の魔導具を渡しております!
魔法で致命傷を受けた場合代わりにそのネックレスが破壊され当人は気絶するだけとなっております!
では!第一回!イシュガル闘技大会予選第一試合!
はじめ!!!
」
全員「ワァァァァァァ!!!!!!」
観客と選手の歓声と怒声が入り混じり
闘技場全体が揺れている
そしてこの予選第一試合では
とんでもないことが起こる
アレス「これは…」
ミント「そんな馬鹿な…こんな人が…Cランク以下に居たなんて…」
スパーク「ななな!なんと!
まだ1分もたってない内に闘技場内に立っている冒険者が6人になってしまった!
何が起こったのか!私には早くて全然見えませんでした!!
誰かに説明してほしい!!」
?「へぇ全員ぶっ飛ばすつもりだったのに5人も討ち漏らしたのか…なかなか出来るなあんたら」
超低姿勢で片手を地面に付けた男が他5人に声をかける
スパーク「状況から察するに今!超低姿勢で構えているCランク冒険者!コーラル・スモーク選手が他の選手を薙ぎ払ったのかぁ!?」
コーラル以外の5人は
攻撃を防いだ構えの者
着地の構えの者
頭を抱え震えて蹲ってる者
歯を食いしばり肩で息をしているもの
何も無かったかのように佇んでいる者
それぞれコーラルに目線を向ける
スパーク「これは早くも決着してしまうのか!?選手も少なくなったので先程のコーラル選手以外紹介していきましょう!
防御の構えを取っている大男!Cランク冒険者!ロック・バッカス選手!
飛んで攻撃を避けたのか!?
着地体勢の美女!Cランク冒険者キャリー・ローグ選手!
大丈夫なのか!?残っているのは偶然か!?
震えて蹲っている青年!Dランク冒険者ケーリン・ウィンストン選手!
コーラル選手の攻撃をまともに食らったのか!?必死に堪える重騎士!Cランク冒険者ドリー・クロッグ選手!
そして何も無かったかの様にすました顔をした美少年!Dランク冒険者オーリン・ウィンストン選手!
おっとオーリン選手はケーリン選手の兄との情報が入っています!
兄弟で同じ予選とはなんと運の悪い!いや!運がいいのか!?
何にせよあと二人!脱落させなければなりません!
おぉっと?コーラル選手に異変が!
」
構えていたコーラルの様子がおかしいことに気付いたスパークの実況につられ観客もコーラルを見る
するとコーラルは震え出し膝から崩れ落ちた
アレス「早々と終わったな第一試合」
ミント「えぇ、別格ですあのオーリンという人」
スパーク「なんと貴賓席にいるミントさんからオーリン選手が強すぎるというコメントが出てきた!ミントさんにはあの攻撃、攻防が見えていたのかぁ!?そしてミントさんの隣にいる仮面の男も予選第一試合が早々と終わったと言っている!まだあと1人脱落しないと終わらないはずだぞーー!!?」
オーリン「ふん…実況が何も見えてなきゃ試合が終わらないだろうが…」
スパーク「おおっと?オーリン選手ロック選手に向かってゆっくり歩いていく!攻防が始まるのかぁ!?」
オーリン「始まり?終わりの間違いだろ」
そう言うとオーリンはロックの背中をトンっと押すとロックは前のめりに倒れていった
スパーク「あああ!!決着!すでに決着はついていた!!ロック選手は立ったまま気絶していたーーーー!!!予選第一試合終了ーー!!!5分も立たずに終わってしまいました!!さて選手にお話を聞いてみましょう!オーリン選手!ミントさんから強すぎると言われていましたね!何があったか詳しく教えてもらえますか!?」
スパークの質問対してオーリンは冷やかな目で睨み返した
オーリン「黙れ、鬱陶しい…話すことなど無い!行くぞケーリン!」
ケーリン「うん!兄さん!」
そう言うと二人は闘技場から出ていってしまった
それに続くようにキャリーとドリーも闘技場を後にしようとしていた
スパーク「いやー流石に説明がほしいところです!キャリー選手どうでしょう!」
ダメ元でスパークはキャリーに試合の全貌を聞く
キャリー「はぁ…しょうがないね…コーラルが30人に対して無差別攻撃を仕掛けたのさ超スピードでね、速さは重さと言われる事もある
凄まじい速さの打撃は尋常じゃない力を発揮する…
コーラルはそれで全員の腹部を狙って殴りまわった…
最初の方でロックってやつとドリーってやつを殴ってたけどドリーは耐えてロックはそのまま気絶した、
私は飛んで避けた、ケーリンは特に何もしてないけどオーリンが間に入ってた、
その時コーラルが気付かないさらに速いスピードでオーリンが20発以上腹にパンチを打ち込んでたよ…
私でも正確な数はわからなかったが…ミントちゃんならわかるんじゃないか?」
キャリーが語る言葉は会場中のミントとアレスを除く全員が驚愕した
スパーク「なんと!そんな攻防が繰り広げられていたのか!全然見えなかった!ミントさんならわかるという話も興味深い!ミントさん!真相はいかに!」
スパークはミントに向けて質問をする
ミント「はぁ…その通りですよ、コーラルさんも早くて強かったですが、やっぱりオーリンさんが強すぎでした…あの一瞬で25発もお腹にパンチするなんて…」
スパーク「おーっとホントにミントさんは見えていたようだ!これは実況者交代かぁ!?」
そう言うとスパークはミントに近づき実況者をやってくれと懇願してきた
もちろんミントは断ったが
今後わからないことがあると観客も困ると土下座までされ、解説を担当することになった
そして、波乱の幕開けとなった闘技大会はあれよあれよと進んでいき
本選トーナメントが開始される
スパーク「さぁお待たせしました!予選を勝ち抜いた20人でトーナメントを争ってもらいます!ではここで改めて選手の紹介をしていきましょう!!ついでにここで対戦カードも発表だぁ!!」
スパークがそう言い終わると
闘技場の客席付近にトーナメント表が書かれた巨大な板が出現した
スパーク「まず本選トーナメント第一試合は!
キャリー・ローグ選手対スローン・サウス選手!
続いて!第二試合は!
カロック・ナイン選手対タイスタン・メントル選手!
第三試合は!
ドリー・クロッグ選手対スイール・コルセア選手!
第四試合は!
トング・サイラス選手対カスミ・トヨナカ選手!
第五試合は!
ケーリン・ウィンストン選手対ナヤトゥル・ガイル選手!
第六試合は!
オーリン・ウィンストン選手対カーヤ・バレッタ選手!
第七試合は!
ギャリン・スワット選手対バルバ・スコット選手!
第八試合は!
メリダ・デルバン選手対マリル・ワカルジャ選手!
第九試合は!
レイン・アイマール選手対オルルド・チューバッカ選手!
そして
第十試合は!
ワンダ・ラブール選手対ゴルソン・ヤンバイル選手です!
さぁ!選手の紹介も終わった所で!
第一試合がまもなく開始します!
闘技場に入場してくるのは!
予選では華麗に飛んでいたというキャリー・ローグ選手!
そして!
赤の騎士に次いで槍の使い手!スローン・サウス選手!
」
スパークの実況と共に闘技場に二人が入場してくる
キャリー「さて、どんなもんかね…」
スローン「次いでとか言うなよあの実況」
二人は闘技場の所定の位置まで歩いていき
互いを睨み合い、構えた
スパーク「始め!!」
そして、闘技大会が始まった
時は現在に戻り
王都
正門前
ハデスとヘラの戦いが始まる直前
薄桃色の靄がハデスのまわりに
広がっていく
ハデス「これは…この靄はまさか…」
?「その戦いちょっと待ったぁぁぁぁ!!!!」
ヘラ「あら…この声は」
薄桃色の靄の中から二人が聞いたことのある声が聞こえてくる
タナトス「はい!タナトスちゃんですよ!」
シュタッ!
薄桃色の靄の中からタナトスが新体操の着地ばりにポーズを決めて降り立った
ハデス「お前、無事だったのか…」
ハデスは目を丸くしてタナトスに話しかける
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスもそれに続くようにタナトスへ吠える
タナトス「もちろんです!僕があんな英雄邪神馬鹿に負けるわけありません!そんなことより!ハデス様落ち着いてください!何をするつもりですか!?ヘラ様と戦ってこの世界が無事で済むと思ってるんですか?」
ハデス「うるさい…俺はゼウスに会ってこの世界から冥界に帰りオリュンポスを滅ぼす!オリュンポスの神兵達はクリーシスとルイを!!」
ハデスは歯を食いしばり、拳を握りしめ涙を浮かべていた
タナトス「ホントに人間になっちゃったんですかねハデス様は…冥界の王ともあろうお方が、たかが人間二人死んだぐらいで情けない…前にも同じこと言った気がしますよ?」
ハデス「貴様に何がわかる!死の概念でしかないお前に!」
タナトス「死の概念でしかない?そんなわけないでしょう、僕はもう一人のアナタでもあるんです!ハデス様こそ僕の事何もわかってないです!ハデス様の感情はすべて僕にも伝わってるんです…そして影響もされます…」
タナトスは大粒の涙を流し始めた
タナトス「ハデス様がこっちの世界に来て人間と関わる内にハデス様の感情はものすごい勢いで人間に傾いて行きました…葬儀屋夫妻が死んだときも、盗賊団を壊滅させた時もヘラクレスと戦った時も、人間のように怒り、悲しんでいました、そんな状態ではハデス様は冥界に帰れません!帰せないのです!」
ハデス「何を言っている…タナトス」
タナトス「こんな状態で冥界に戻っても誰一人ハデス様に付いていきません…人間のようになってしまった冥府の王など存在自体が排除の対象になるでしょう…僕は…そんなの嫌です!だから!ハデス様が感情を剥き出しにしてしまう度に僕は反対に感情を押し殺しました…僕の感情もハデス様に伝わりますし影響もでます…僕からハデス様では影響度は低いですが…なんとか保っていました…でもハデス様はクリーシスとルイの死によって感情を振り切ってしまった…」
その言葉にハデスは申し訳なさそうにうつむいた
タナトス「そして…僕もその影響を受けて感情的になり…こうやって人助けをしてしまった……」
タナトスのその言葉の後薄桃色の靄の中から
クリーシス、ルイ、ブラウが飛び出して来た
クリーシス「ハデス様!」
ルイ「プルートゥ!」
ブラウ「プルートゥさん!」
ハデス「あ、あぁ……馬鹿な…夢を見てるのか?俺は…」
タナトス「たしかに夢の中には居ましたが、今は夢ではありませんよ」
ハデス「そうか…これは奇跡か…」
そう言いながらハデスはケルベロスからおり
3人と抱擁をかわした
タナトス「そぅですね奇跡とも呼べます…この世界に来てハデス様が人間と関わり、人間に怒り、人間を愛し、人間を助けたいと思う感情が芽生えていなければ、僕は彼らを助けることはなかったでしょう…それは奇跡に等しい」
ハデス「…うっうっ…ありがとう…タナトス…」
タナトス「いえいえ、どういたしまして!」
泣きじゃくる4人とそれを暖かく見守るタナトス
そして
ヘラ「えっと、もういいかしら?」
ずっと空気と化していたヘラがそこに居た
ハデス「あ、えっと…すまないヘラ」
ハデスは3人から離れ
ヘラに向き直り頭を下げる
ヘラ「別に構わないけれど…それで?オリュンポスに攻め入るって話はどうなったのかしら?タナトスちゃんの話を聞く限りもうオリュンポスを攻める理由も無くなったみたいだけれど…お友達は生きてるんでしょう?」
ヘラは呆れた顔でハデスに質問を投げかける
ハデス「いや、確かに殺された2人は生き返ったが…やられたらやり返すというか…」
タナトス「まぁたそんな人間みたいなこと言って…じゃーこの3人に聞きましょう、ハデス様がアナタ達の敵討ちで神の国を滅ぼそうとしていますどう思いますか?」
タナトスはクリーシス、ブラウ、ルイの方を向いて質問する
クリーシス「えっと…わ…私は…ハデス様にそんな事はしてほしくないです…」
ルイ「俺も!別にいいじゃねぇか生きてんだから!」
ブラウ「そもそも僕は気を失ってただけだし…そんな事する理由は無いんじゃないかと…クリーシスを矢で貫いた兵士はもう吹き飛んで居ないし…」
タナトス「はい!そういうことです!今すぐ元の世界に帰ってどうこうする理由ありますか!?」
タナトスはハデスの顔ににじり寄って
顔を睨みつけた
ハデス「いえ、無いです…」
ハデスはショボーンとしながら返事をした
ヘラ「じゃーもうここには用は無いのね?」
ヘラはさらに質問したがまたハデスの空気が変わった
タナトスもその異変に気付き
ヘラに対して口を開く
タナトス「ヘラ様、今までの事は人間が関わっていたから僕がおさめましたけど…ここに来てる理由はそれだけじゃないんですよ、神の問題は僕にとっても捨て置けない事ですから」
ヘラ「どういうことかしら…」
タナトスの言葉に対して理解ができないといった感じでヘラは疑問を口にする
そしてハデスが今まで見たことない様な顔で激昂し口を開く
ハデス「……ペルセポネはどこだ…」
ヘラ「あ、…ぁ…」
ヘラはハデスの気迫に押しつぶされそうで
言葉を発する事が出来なかった
そこへ遠くに見えていた城の窓から誰かがゆっくり浮遊して近付いてくる
?「おやおや…何やら騒がしいと思ったら…ようこそ!我が王国へ兄さん!」
ハデス「ゼウス!」
空中から降りてくるゼウスは肩に女性らしき人を担いでいた
タナトス「あれは!」
ハデス「!!?」
その場に居た神達は全員驚愕した
クリーシス「タナトス様あの女性はまさか…」
タナトス「うん…間違いない…」
ハデス「…ペルセポネ!!!!!!」
ハデスの叫びを無視し、ゼウスは担ぎ上げていたペルセポネをハデスの前に投げ捨てた
ゼウス「あーーー楽しかった!やっぱり自分の血筋って良いよね!…身体の相性が!」
下卑た笑みを浮かべハデスに話しかけるゼウスだったがそれに対してハデスは怒りを抑えられなかった
ハデス「ゼウスーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
ハデス一行に1日遅れで街を出ていたタナトスが
廃墟とかした町をみて驚愕した
建物はすべて吹き飛び無数の屍のが地面を埋め尽くしている様だった
タナトス「…この装備…こいつらは…神兵?」
崩壊した町のいたるところに神兵の屍が無数にあり
タナトスはさらに疑問でいっぱいになった
そうやってあたりを見渡していると
見覚えのある人の姿が見えた
タナトス「あれは…ハデス様と一緒に居た…」
タナトスが見つけたのは
クリーシスに覆いかぶさるように倒れている
ブラウの姿だった
タナトス「おい!大丈夫ですか!?何があったんですか!?ちっ!この男意識が戻らない…しょうがない、またハデス様に怒られそうですけど…」
そう言うとタナトスは空に向かって飛び出した
タナトス「えーっと名前なんだっけ…えーっと…ク…クリ…あ!クリーシス!クリーシスの霊体はどこですかぁぁ!!!!」
そうやって空に叫ぶとふよふよと緑色の炎がタナトスへ近づいて来た
タナトス「やっぱりまだこの辺りに彷徨ってましたね!クリーシス、よく聞いてください、あなたが身体に戻ればみんな助けることができますアナタの回復魔法と僕の神の御業があれば!」
緑色の炎はふよふよとその場で漂っているだけだが
タナトスには声が聞こえているようだ
タナトス「まず僕が君の身体に魂を戻す!死因が心臓を射抜かれたショックで気を失いそのまま失血死みたいだから、魂が戻った瞬間自分に回復魔法をかけるんだ!そうすれば全快だ!よし!後のことは生き返ってからだ!やるぞ!」
タナトスはそう言うと緑色の炎を握りしめ
倒れたクリーシスの胸に押し当てた
タナトス「我が願う生命の輝きをこの者に再び灯せ!生命帰還!!」
タナトスの詠唱が終わるとクリーシスの身体が眩い光を放った
クリーシス「グァハ!くっ!ひ…ヒ…」
光が消えた途端クリーシスは息を吹き返し
苦しそうに魔法を使おうとしている
タナトス「そうだ!頑張れ!僕がいる限り何度でも挑戦できるんだ落ち着いてやれ!」
クリーシス「はぁはぁ…!!!回復魔法!!」
クリーシスは力を振り絞り自身に回復魔法をかけ無事傷を治療できた
タナトス「よし!よくやった!あとは…」
クリーシスが回復したのを確認しタナトスは何かを探しだした
クリーシス「はぁ、はぁ、た、タナトス様、私が生き返れば皆を救えるというのは…どういう…」
タナトス「そのままの意味だよ!今多分ハデス様は暴走してるんだろうし、すぐにでもこの世界消されてもおかしくないからね、少しでもハデス様を大人しくさせる為に君たちを生き返らせとかないと…僕は魂を操れるけど傷は直せないからね…あ!あった!」
そう言ったタナトスの方をクリーシスが見ると、内蔵が飛び出て顔も半分潰れてしまったルイの上半身をタナトスが担いでいた
それを見た瞬間クリーシスは倒れそうになったがタナトスに声をかけられた
タナトス「お、おい!君が居ないとコイツは生き返らないぞ!」
その声に答えるようにクリーシスは必死に意識を保った
クリーシス「は、はい!……ルイ……」
タナトス「よし!…まずはこの上半身と下半身を密着させて……さぁこの切断部分に回復魔法をかけろ!」
クリーシス「はい!回復魔法!」
そう魔法を放つとすぐに体は繋がれ傷が消えていった
そしてタナトスの指示は続く
タナトス「よし、今度は頭の修復だ!頭に回復魔法をかけろ!」
クリーシス「はい!!回復魔法!!」
クリーシスは続けてタナトスの指示通り頭に回復魔法をかけた
するとたちまちルイの頭も顔も元通りに治った
タナトス「よし、これでコイツ無傷だな…さて…えっと…ルイ!ルイの霊体はどこだー!!」
タナトスはクリーシスの時のように空に向かって叫ぶと
ふよふよと近寄ってきた赤白い炎に話しかける
タナトス「今からお前を生き返らせるチクっとするから気を付けろ?」
そうタナトスが言葉をかけると
心なしか赤白い炎は後ずさったように見えた
それを問答無用でタナトスは握りしめ
ルイの胸に押し当てる
タナトス「我が願う生命の輝きをこの者に再び灯せ!生命帰還!!」
そうタナトスが唱えるとクリーシスの時と同様に眩い光があたりを照らす
ルイ「ぶはぁ!!はぁはぁはぁはぁ…死ぬかと思った!!」
タナトス「いや、死んでたんだよ」
ルイが起き上がるとクリーシスは膝から座り込み涙を流した
クリーシス「うっうっうっ良かったぁぁぁ!!」
そのままクリーシスは10分ほど泣き
落ち着いたところでタナトスに話しかけた
クリーシス「ひっく…タナトス様…これからどうすればいいのでしょう…町の人とかも生き返らせるんですか?」
ルイ「そうだなタナトス様とクリーシスがいれば生き返らせる事もできるよな!」
タナトス「そんなことやってらんないよ、名前も知らない人間達をこの魂の大群から一人一人呼び出して生き返らせるなんてできるわけないじゃないか、そんなことより体力が回復したならそこのブラウだっけ?起こしてハデス様を追わないといつこの世界が消えるかわかんないよ?」
そう言うとタナトスはルイに向かってブラウを起こすように指示を出した
ルイ「ブラウ!おい!ブラウ起きろ!お前は吹っ飛んだだけだろ!死んでねぇんだから起きろ!おぉい!!!起きろ!起きろっつってんだろ!!!!」
初めは頬をペチペチとはたくだけだったが次第に往復ビンタになり終いには身体を蹴り上げた
ブラウ「ぶふぇ!!」
蹴り上げられたブラウは顔面から地面に落ちて変な声を出した
ブラウ「うぅ俺は、俺はいったいどうなって…は!クリーシス!!ルイ!!ってアレ?」
気がついたブラウは自身の状況とまわりの状況を理解するのにかなり時間がかかった
ブラウ「クリーシス…ルイ!お前ら生きてたのか!?」
ルイ「いや死んでたよ」
ブラウ「え?」
タナトス「とにかく起きたならハデス様の所に急ぐよこんな所で油売って世界が消えちゃったら僕も流石に存在してられない!」
ブラウの理解が追いつく前にタナトスはハデスを追うように一行に指示を出した
クリーシス「ブラウ…生きててくれてありがとう…詳しい話は進みながらするね、タナトス様ハデス様はケルちゃんに乗って行ってしまったので私達では追いつけないと思うんですがどうしましょう」
クリーシスはブラウに優しい笑顔を見せたあとタナトスに質問を投げかけた
タナトス「うんそうだね、僕の兄弟の力を借りるしかないと思う、あ、僕はハデス様自身でありハデス様の分身だけど兄弟は三神とは別にいるんだよね」
ルイ、ブラウ、クリーシスはタナトスの言ってる意味が全然わからなかったが
そんなことを気にせずタナトスは続けて口を開く
タナトス「オネイロス!力を貸して!」
そうタナトスが叫ぶとあたりが薄桃色になり
一行にふわふわとした感覚が襲う
クリーシス「こ、これは…頭がふわふわ…」
ブラウ「なんだこれ…現実か?」
ルイ「こりゃどうなってんだ?」
タナトス「とりあえずうまくいったね、久々にオネイロスの力使ったけどまぁ大丈夫そうだね、今僕達は夢の中にいる!でも眠ってるわけではないよ!現実世界の身体ごと夢の中に入ってるのさ」
そう言い終わるとタナトスは歩き始めた
クリーシス「夢の中…でもこれでどうやったらハデス様に追いつけるのでしょう…」
ルイ「そうだ!どうやって追いつくんだ!タナトス様!」
ブラウ「……」
クリーシス達は疑問をタナトスにぶつけるがタナトスは聞いてない素振りを見せ
歩き続ける
ブラウ「…なるほど、クリーシス…君は夢を見たとき何年もそこにいたような感覚になったことはないかい?でも目覚めたらたったの数時間だったと」
クリーシス「あ、たしかにある!」
タナトス「気付くの早いね!もっとかかるかと思ったけど、正解!この夢の中では1日たっても現実では5分ぐらいかな?これでハデス様には追いつける王都まではここから歩いて3日現実世界なら15分しかたたないかな?ケルベロスなら3日の所を半日で移動出来るだろうしもう王都についてる頃だね!よし行くよ!」
そう言うとタナトスは再び歩を進め始めた
ルイ「…?意味が…わかんねぇ!」
その頃ハデスは
ハデス「ゼウス!!どこだ!!出てこい!!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスは王都に着きケルベロスに乗ったまま街を走り回っていた
街人A「うわぁバケモノだ!」
街人B「誰か衛兵を呼んでくれ!」
ケルベロスを見て街の人達は怯え逃げ惑いながら悲鳴を上げていた
それを気にも止めずハデスは駆け巡り
時に街の外壁を破壊し、時に家屋を壊し
ゼウスを探し続けた
ハデス「やはり王城にいるのか?絶対に見つけて帰ってやる、そしてオリュンポスの馬鹿共に俺の仲間を殺した報いを受けさせてやる!!」
そう言っている間に
ハデスは城の正門へ辿り着いた
そこにはハデスの見知った顔があった
?「おやおや、夫の監視の為にこんな世界にまで来たけれどアナタも来てたのね?何しに来たの?ハデス」
ハデス「ヘラ…やはりアナタもこの世界に来てたのか、そこをどいてくださいゼウスに会って元の世界に帰るんです」
ヘラ「へぇ…別に通してもいいけれどアナタ本当に帰っていいの?元の世界が退屈だったからこの世界に来たんじゃないの?」
ハデスの呼びかけに対してヘラは質問を返す
ハデス「もう退屈にはなりませんよ俺はオリュンポスに戦争をしかけます絶対に許さない」
ヘラ「…それは…そんなことを聞いたら通すわけには行かなくなったわ私はオリュンポスの女王よ」
そう言うとヘラは杖を構えた
ハデス「そうですか……俺は今かなり気が立ってます、力ずくで行きますよ!」
ヘラとハデスの戦いが始まろうとしている
その2日前
イシュガルの街
実況「さぁ!間もなく始まります!
第一回イシュガル闘技大会!
実況は私スパーク!
丸一日かけて行われるこの大会の実況をすべて担当いたします!
のどが潰れるのなんて怖くない!!
さぁ!ルールの説明をしますよ!
まず予選はサバイバル!
闘技場内で戦って立っていた選手最後の4人が本選に出場できます!
尚!1時間以内に4人にならない場合はその時点で全員失格です!
このイシュガルでは冒険者が多いので30人の予選を5回繰り返します!
本選は残った選手20人でトーナメント戦です!
それでは予選第一試合!選手入場です!」
実況のスパークと呼ばれる男が高らかに選手入場の宣言をすると闘技場の入り口から
ぞろぞろと冒険者達が入場してきた
アレス「どうなるかな」
ミント「私には全然わかりません…ただ、ルイさん達のレベルに匹敵する人達が居ればいいのですが…」
闘技場の貴賓席のようなところで仮面をしているアレスとその横に座るミントは
神妙な面持ちで闘技場内を見る
スパーク「予選第一試合を始める前に観客の皆さんにも説明しておきます!
これはあくまで闘技大会!
殺しとは無縁の大会です!
よって武器は木剣など殺傷能力の低いものを皆さんには装備してもらっています!
また魔法で致命傷を負う事もありません!
選手全員には腕利きの魔法使いに作ってもらったネックレス型の魔導具を渡しております!
魔法で致命傷を受けた場合代わりにそのネックレスが破壊され当人は気絶するだけとなっております!
では!第一回!イシュガル闘技大会予選第一試合!
はじめ!!!
」
全員「ワァァァァァァ!!!!!!」
観客と選手の歓声と怒声が入り混じり
闘技場全体が揺れている
そしてこの予選第一試合では
とんでもないことが起こる
アレス「これは…」
ミント「そんな馬鹿な…こんな人が…Cランク以下に居たなんて…」
スパーク「ななな!なんと!
まだ1分もたってない内に闘技場内に立っている冒険者が6人になってしまった!
何が起こったのか!私には早くて全然見えませんでした!!
誰かに説明してほしい!!」
?「へぇ全員ぶっ飛ばすつもりだったのに5人も討ち漏らしたのか…なかなか出来るなあんたら」
超低姿勢で片手を地面に付けた男が他5人に声をかける
スパーク「状況から察するに今!超低姿勢で構えているCランク冒険者!コーラル・スモーク選手が他の選手を薙ぎ払ったのかぁ!?」
コーラル以外の5人は
攻撃を防いだ構えの者
着地の構えの者
頭を抱え震えて蹲ってる者
歯を食いしばり肩で息をしているもの
何も無かったかのように佇んでいる者
それぞれコーラルに目線を向ける
スパーク「これは早くも決着してしまうのか!?選手も少なくなったので先程のコーラル選手以外紹介していきましょう!
防御の構えを取っている大男!Cランク冒険者!ロック・バッカス選手!
飛んで攻撃を避けたのか!?
着地体勢の美女!Cランク冒険者キャリー・ローグ選手!
大丈夫なのか!?残っているのは偶然か!?
震えて蹲っている青年!Dランク冒険者ケーリン・ウィンストン選手!
コーラル選手の攻撃をまともに食らったのか!?必死に堪える重騎士!Cランク冒険者ドリー・クロッグ選手!
そして何も無かったかの様にすました顔をした美少年!Dランク冒険者オーリン・ウィンストン選手!
おっとオーリン選手はケーリン選手の兄との情報が入っています!
兄弟で同じ予選とはなんと運の悪い!いや!運がいいのか!?
何にせよあと二人!脱落させなければなりません!
おぉっと?コーラル選手に異変が!
」
構えていたコーラルの様子がおかしいことに気付いたスパークの実況につられ観客もコーラルを見る
するとコーラルは震え出し膝から崩れ落ちた
アレス「早々と終わったな第一試合」
ミント「えぇ、別格ですあのオーリンという人」
スパーク「なんと貴賓席にいるミントさんからオーリン選手が強すぎるというコメントが出てきた!ミントさんにはあの攻撃、攻防が見えていたのかぁ!?そしてミントさんの隣にいる仮面の男も予選第一試合が早々と終わったと言っている!まだあと1人脱落しないと終わらないはずだぞーー!!?」
オーリン「ふん…実況が何も見えてなきゃ試合が終わらないだろうが…」
スパーク「おおっと?オーリン選手ロック選手に向かってゆっくり歩いていく!攻防が始まるのかぁ!?」
オーリン「始まり?終わりの間違いだろ」
そう言うとオーリンはロックの背中をトンっと押すとロックは前のめりに倒れていった
スパーク「あああ!!決着!すでに決着はついていた!!ロック選手は立ったまま気絶していたーーーー!!!予選第一試合終了ーー!!!5分も立たずに終わってしまいました!!さて選手にお話を聞いてみましょう!オーリン選手!ミントさんから強すぎると言われていましたね!何があったか詳しく教えてもらえますか!?」
スパークの質問対してオーリンは冷やかな目で睨み返した
オーリン「黙れ、鬱陶しい…話すことなど無い!行くぞケーリン!」
ケーリン「うん!兄さん!」
そう言うと二人は闘技場から出ていってしまった
それに続くようにキャリーとドリーも闘技場を後にしようとしていた
スパーク「いやー流石に説明がほしいところです!キャリー選手どうでしょう!」
ダメ元でスパークはキャリーに試合の全貌を聞く
キャリー「はぁ…しょうがないね…コーラルが30人に対して無差別攻撃を仕掛けたのさ超スピードでね、速さは重さと言われる事もある
凄まじい速さの打撃は尋常じゃない力を発揮する…
コーラルはそれで全員の腹部を狙って殴りまわった…
最初の方でロックってやつとドリーってやつを殴ってたけどドリーは耐えてロックはそのまま気絶した、
私は飛んで避けた、ケーリンは特に何もしてないけどオーリンが間に入ってた、
その時コーラルが気付かないさらに速いスピードでオーリンが20発以上腹にパンチを打ち込んでたよ…
私でも正確な数はわからなかったが…ミントちゃんならわかるんじゃないか?」
キャリーが語る言葉は会場中のミントとアレスを除く全員が驚愕した
スパーク「なんと!そんな攻防が繰り広げられていたのか!全然見えなかった!ミントさんならわかるという話も興味深い!ミントさん!真相はいかに!」
スパークはミントに向けて質問をする
ミント「はぁ…その通りですよ、コーラルさんも早くて強かったですが、やっぱりオーリンさんが強すぎでした…あの一瞬で25発もお腹にパンチするなんて…」
スパーク「おーっとホントにミントさんは見えていたようだ!これは実況者交代かぁ!?」
そう言うとスパークはミントに近づき実況者をやってくれと懇願してきた
もちろんミントは断ったが
今後わからないことがあると観客も困ると土下座までされ、解説を担当することになった
そして、波乱の幕開けとなった闘技大会はあれよあれよと進んでいき
本選トーナメントが開始される
スパーク「さぁお待たせしました!予選を勝ち抜いた20人でトーナメントを争ってもらいます!ではここで改めて選手の紹介をしていきましょう!!ついでにここで対戦カードも発表だぁ!!」
スパークがそう言い終わると
闘技場の客席付近にトーナメント表が書かれた巨大な板が出現した
スパーク「まず本選トーナメント第一試合は!
キャリー・ローグ選手対スローン・サウス選手!
続いて!第二試合は!
カロック・ナイン選手対タイスタン・メントル選手!
第三試合は!
ドリー・クロッグ選手対スイール・コルセア選手!
第四試合は!
トング・サイラス選手対カスミ・トヨナカ選手!
第五試合は!
ケーリン・ウィンストン選手対ナヤトゥル・ガイル選手!
第六試合は!
オーリン・ウィンストン選手対カーヤ・バレッタ選手!
第七試合は!
ギャリン・スワット選手対バルバ・スコット選手!
第八試合は!
メリダ・デルバン選手対マリル・ワカルジャ選手!
第九試合は!
レイン・アイマール選手対オルルド・チューバッカ選手!
そして
第十試合は!
ワンダ・ラブール選手対ゴルソン・ヤンバイル選手です!
さぁ!選手の紹介も終わった所で!
第一試合がまもなく開始します!
闘技場に入場してくるのは!
予選では華麗に飛んでいたというキャリー・ローグ選手!
そして!
赤の騎士に次いで槍の使い手!スローン・サウス選手!
」
スパークの実況と共に闘技場に二人が入場してくる
キャリー「さて、どんなもんかね…」
スローン「次いでとか言うなよあの実況」
二人は闘技場の所定の位置まで歩いていき
互いを睨み合い、構えた
スパーク「始め!!」
そして、闘技大会が始まった
時は現在に戻り
王都
正門前
ハデスとヘラの戦いが始まる直前
薄桃色の靄がハデスのまわりに
広がっていく
ハデス「これは…この靄はまさか…」
?「その戦いちょっと待ったぁぁぁぁ!!!!」
ヘラ「あら…この声は」
薄桃色の靄の中から二人が聞いたことのある声が聞こえてくる
タナトス「はい!タナトスちゃんですよ!」
シュタッ!
薄桃色の靄の中からタナトスが新体操の着地ばりにポーズを決めて降り立った
ハデス「お前、無事だったのか…」
ハデスは目を丸くしてタナトスに話しかける
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスもそれに続くようにタナトスへ吠える
タナトス「もちろんです!僕があんな英雄邪神馬鹿に負けるわけありません!そんなことより!ハデス様落ち着いてください!何をするつもりですか!?ヘラ様と戦ってこの世界が無事で済むと思ってるんですか?」
ハデス「うるさい…俺はゼウスに会ってこの世界から冥界に帰りオリュンポスを滅ぼす!オリュンポスの神兵達はクリーシスとルイを!!」
ハデスは歯を食いしばり、拳を握りしめ涙を浮かべていた
タナトス「ホントに人間になっちゃったんですかねハデス様は…冥界の王ともあろうお方が、たかが人間二人死んだぐらいで情けない…前にも同じこと言った気がしますよ?」
ハデス「貴様に何がわかる!死の概念でしかないお前に!」
タナトス「死の概念でしかない?そんなわけないでしょう、僕はもう一人のアナタでもあるんです!ハデス様こそ僕の事何もわかってないです!ハデス様の感情はすべて僕にも伝わってるんです…そして影響もされます…」
タナトスは大粒の涙を流し始めた
タナトス「ハデス様がこっちの世界に来て人間と関わる内にハデス様の感情はものすごい勢いで人間に傾いて行きました…葬儀屋夫妻が死んだときも、盗賊団を壊滅させた時もヘラクレスと戦った時も、人間のように怒り、悲しんでいました、そんな状態ではハデス様は冥界に帰れません!帰せないのです!」
ハデス「何を言っている…タナトス」
タナトス「こんな状態で冥界に戻っても誰一人ハデス様に付いていきません…人間のようになってしまった冥府の王など存在自体が排除の対象になるでしょう…僕は…そんなの嫌です!だから!ハデス様が感情を剥き出しにしてしまう度に僕は反対に感情を押し殺しました…僕の感情もハデス様に伝わりますし影響もでます…僕からハデス様では影響度は低いですが…なんとか保っていました…でもハデス様はクリーシスとルイの死によって感情を振り切ってしまった…」
その言葉にハデスは申し訳なさそうにうつむいた
タナトス「そして…僕もその影響を受けて感情的になり…こうやって人助けをしてしまった……」
タナトスのその言葉の後薄桃色の靄の中から
クリーシス、ルイ、ブラウが飛び出して来た
クリーシス「ハデス様!」
ルイ「プルートゥ!」
ブラウ「プルートゥさん!」
ハデス「あ、あぁ……馬鹿な…夢を見てるのか?俺は…」
タナトス「たしかに夢の中には居ましたが、今は夢ではありませんよ」
ハデス「そうか…これは奇跡か…」
そう言いながらハデスはケルベロスからおり
3人と抱擁をかわした
タナトス「そぅですね奇跡とも呼べます…この世界に来てハデス様が人間と関わり、人間に怒り、人間を愛し、人間を助けたいと思う感情が芽生えていなければ、僕は彼らを助けることはなかったでしょう…それは奇跡に等しい」
ハデス「…うっうっ…ありがとう…タナトス…」
タナトス「いえいえ、どういたしまして!」
泣きじゃくる4人とそれを暖かく見守るタナトス
そして
ヘラ「えっと、もういいかしら?」
ずっと空気と化していたヘラがそこに居た
ハデス「あ、えっと…すまないヘラ」
ハデスは3人から離れ
ヘラに向き直り頭を下げる
ヘラ「別に構わないけれど…それで?オリュンポスに攻め入るって話はどうなったのかしら?タナトスちゃんの話を聞く限りもうオリュンポスを攻める理由も無くなったみたいだけれど…お友達は生きてるんでしょう?」
ヘラは呆れた顔でハデスに質問を投げかける
ハデス「いや、確かに殺された2人は生き返ったが…やられたらやり返すというか…」
タナトス「まぁたそんな人間みたいなこと言って…じゃーこの3人に聞きましょう、ハデス様がアナタ達の敵討ちで神の国を滅ぼそうとしていますどう思いますか?」
タナトスはクリーシス、ブラウ、ルイの方を向いて質問する
クリーシス「えっと…わ…私は…ハデス様にそんな事はしてほしくないです…」
ルイ「俺も!別にいいじゃねぇか生きてんだから!」
ブラウ「そもそも僕は気を失ってただけだし…そんな事する理由は無いんじゃないかと…クリーシスを矢で貫いた兵士はもう吹き飛んで居ないし…」
タナトス「はい!そういうことです!今すぐ元の世界に帰ってどうこうする理由ありますか!?」
タナトスはハデスの顔ににじり寄って
顔を睨みつけた
ハデス「いえ、無いです…」
ハデスはショボーンとしながら返事をした
ヘラ「じゃーもうここには用は無いのね?」
ヘラはさらに質問したがまたハデスの空気が変わった
タナトスもその異変に気付き
ヘラに対して口を開く
タナトス「ヘラ様、今までの事は人間が関わっていたから僕がおさめましたけど…ここに来てる理由はそれだけじゃないんですよ、神の問題は僕にとっても捨て置けない事ですから」
ヘラ「どういうことかしら…」
タナトスの言葉に対して理解ができないといった感じでヘラは疑問を口にする
そしてハデスが今まで見たことない様な顔で激昂し口を開く
ハデス「……ペルセポネはどこだ…」
ヘラ「あ、…ぁ…」
ヘラはハデスの気迫に押しつぶされそうで
言葉を発する事が出来なかった
そこへ遠くに見えていた城の窓から誰かがゆっくり浮遊して近付いてくる
?「おやおや…何やら騒がしいと思ったら…ようこそ!我が王国へ兄さん!」
ハデス「ゼウス!」
空中から降りてくるゼウスは肩に女性らしき人を担いでいた
タナトス「あれは!」
ハデス「!!?」
その場に居た神達は全員驚愕した
クリーシス「タナトス様あの女性はまさか…」
タナトス「うん…間違いない…」
ハデス「…ペルセポネ!!!!!!」
ハデスの叫びを無視し、ゼウスは担ぎ上げていたペルセポネをハデスの前に投げ捨てた
ゼウス「あーーー楽しかった!やっぱり自分の血筋って良いよね!…身体の相性が!」
下卑た笑みを浮かべハデスに話しかけるゼウスだったがそれに対してハデスは怒りを抑えられなかった
ハデス「ゼウスーーーーーーーーーー!!!!!!!!!」
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