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ハデス様異世界に立つ
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冥界のとある洞窟
ハデス「これが旅の扉か」
ハデスは自身の体の何倍もある古びた石の扉に目を向け関心の声をあげる
ハデス「俺もこれを触るのは初めてだが中々に威厳のある扉だなウチの扉よりでかいんじゃないか?なぁ?ケルベロス」
ハデスはそういうと後ろに付いてきていた三つ首の巨大な黒い犬の方へ振り返った
ケルベロス「バウ!ギャウ!Zzz」
3つの頭はそれぞれ異なる表情と鳴き声を出し返事をする
ちなみに1頭は常に寝ているので正確には返事をしたのは2頭である
ハデス「おーヨシヨシ冥界の入口から急に連れてきて悪かったなお前と一緒に行きたくてな!」
ハデスはケルベロスを撫で回しケルベロスもそれを嬉しく思ったのかハデスにじゃれついている
ハデス「さて、異界にいきますか」
撫で回し終わるとハデスは扉に向き直り
扉に触れ力を込めて押し開く
ゴゴゴと音を立て扉は少しずつ開いていき
扉の先には冥界に似つかわしくない眩い光で満ちていた
ハデス「なんと…これが異界への道か、ケルベロスよ行くぞ!」
ケルベロス「バウッ!ギャウッ!Zzz」
ハデスとケルベロスは扉の中に歩みを進め
奥まで進むと扉はゆっくりと閉まり
洞窟は静寂を取り戻す
だが
コツーン…コツーン…
静寂の中に足音が響く
?「ハデス…」
ハデスとケルベロスは眩さから目を閉じていたが、ゆっくりと目を開ける
ハデス「ここは…」
ケルベロス「バフォ?ガウォ?Zzz?」
ハデスとケルベロスが目を開けると
そこはもう眩しくもない、暗い洞窟でもない
見渡す限り白銀の世界だった
ハデス「雪原か…こちらの世界は今冬なのか?確かにペルセポネは今冥界にいるから現世は冬だろうが、異界でもそれは共通なのだろうか?」
ケルベロス「バウォン?ガウォン?Zzz?」
ケルベロスは異世界に降り立ってもハデスが動かず何やら考え事をしている事に心配の気持ちも込めて鳴いた
ハデス「あぁ!ケルベロスすまない!気にするな!おーヨシヨシッ!旅立つぞー」
ハデスはケルベロスが自分を気にかけてる事に気付き熱く包容した上でさらに撫で回し
旅立つという意気込みを伝えた
ケルベロス「バウォーーン!ガウォーーン!Zzzzzzzz!」
ケルベロスもハデスに触発され気分が高揚し雄叫びをあげる
ハデス「よし、まずは村探しだ!…村?街の方がいいか?でかい街を探そう!!ケルベロス背に乗せてくれるか?」
ハデスは最初の目的地を決めケルベロスに背に乗ることの許可をとる
ケルベロス「バウ!ガウ!Zzz」
ケルベロスはもちろん!とでも言いたげに
吠える
そしてハデスはケルベロスにまたがり
雪原を真っ直ぐに駆け抜けていく
そして1人と1匹(3頭)の旅が始まるのだった
ー2日後ー
ハデス「いやーまさか街を見つけるのに丸2日かかるとは思わなかったなケルベロス!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスとケルベロスは異世界に降り立ったその日から2日間ずっと走り続けていた
人里離れた平野に旅の扉が繋がっていたらしく
ケルベロスの速さを持ってしても街を見つけるのに丸2日を要してしまった
ハデス「さて、道すがら珍妙な生物を見つけて狩っていたが荷が重くなってしまったな、物を売れるところがあればいいのだが」
そういうハデスの肩、腰、さらにケルベロスの両脇にくくりつけた、獣の牙や爪、毛皮や頭など
常人では到底2日で獲れない量の物資を身に着けていた
ハデス「俺も神の御業で収納とか出来るがあまり神の御業使いたくないなぁ楽しめないし」
うーんと頭を抱えながら
ケルベロス「ガウ?バウ?Zzz?」
ハデス「よし!やっぱり売らないとな!行こうケルベロス!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
考えても始まらないと思いハデスはケルベロスを率いて
街の正面入口まで歩いて行った
守衛「止まれ!キサマ何者だ!」
正面入口らしき門の前でハデスは門番らしき守衛に強めに止められた
ハデス「?」
ケルベロス「ガウ?バウ?Zzz?」
ハデスとケルベロスはなぜ呼び止められたのかすぐにはわからず
顔を見合わせた
守衛「何者だと聞いている!そんな不気味な鎧を纏い、あまつさえ巨大なモンスターまで連れているとは魔王軍のものか!?皆!!人を集めてくれ!!」
守衛は街を護ろうと野次馬達に応援を呼ぶよう呼びかける
ハデスはそれを見て得心いったかのように
手を叩き
ハデス「なるほど名乗れば良いということか?よかろう」
ハデス(とりあえず一応王だし神だし威厳ある感じでいっとくか!)
ハデス「我が名はハデス!冥界の王にして三神の長兄!冥王ハデスである!そしてコヤツは我の忠実な下僕であり、友!ケルベロスだ!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスは怒号にも聞こえるほどの声量で高らかに自己紹介しそれに答えるようにケルベロスも吠える
守衛「うぉっ!!」
ハデスとケルベロスの声量と咆哮で空気が振動し風圧も発生し、近くにいた守衛と野次馬達がよろけ尻もちをつく
ハデス「ふむ、少々声がデカすぎたか、なぁにそんなに身構えるな我は、」
と話を続けようと守衛に手を伸ばし起こしてやろうとすると
?「近寄るな!バケモノ!!」
と急な罵声と共に1本の槍がハデスの腕をかすめる
ハデス「ふむ…手荒い歓迎だな」
かすめた槍を横目に少し後ずさるハデス
?「守衛さんから離れろ!バケモノ!」
さらに追撃してくる謎の男
連続で長い槍から放たれる突きはハデスには止まって見えるほどのものではあるが
熟練者のものであることは容易に理解できた
ハデス「ふむ」
ハデス(赤い鎧…いや、鎧と言うには軽装な感じだな…自身で調整したように見える…防御力を最低限にしてスピードを重視…人であるならば相当なスピードであろう、さらにスピードだけではなく随所に散りばめる横薙ぎやフェイント、かなりの手練だな亡者の中なら切込隊長ぐらいの力量はある)
赤い鎧の男「くっ!全然当たらない!かすりもしない!っ!?」
ガシッ
赤い鎧の男が愚痴をこぼしながら連撃を繰り出していると
ハデスはその槍を何でも無いかのように掴んだ
ハデス「いやーいい腕だ!君!名はなんと言うんだい?」
赤い鎧の男「は!なせ!」
ハデスの問に男は答えず掴まれた槍を引き抜こうとする
赤い鎧の男「!?」
健闘虚しく全くと言っていいほど槍は微動だにせず男は困惑する
だがすぐに切り替え、槍を諦め手を放し次の行動に移ろうとする
しかし
ガシッ
槍から手を放した瞬間にハデスも槍から手を放し
今度は男の腕を掴んだ
そうするとハデスは顔を男に近付けて
囁くようにつぶやいた
ハデス「?聞こえなかったか?名は何という?」
その声を間近で聞いた男は
一瞬で白目を向き泡を吹いて膝から崩れ落ちた
ハデス「あれ?」
野次馬1「おい!赤の騎士がやられたぞ!」
野次馬2「もっと応援を呼べ!冒険者をありったけだ!」
思わぬ事態にハデスは動揺を隠せない
ハデス「ケルベロス!どうしよ!」
ケルベロス「ガゥー…バゥー…Zzz…ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス「なるほど!」
ケルベロスは一瞬考えた素振りを見せたがすぐに閃いたようで、その思考はハデスにも伝わった
ハデス「三十六計逃げるに如かず!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスはものすごい速さで跳躍し
皆には視認出来ないほど遠くへ飛び立った
ハデスはどこからともなく兜を取り出し
頭に被り透明になった
ハデス(赤の騎士とやら!すまぬ!)
ハデスも透明の状態でケルベロスを追うように跳躍しその場を立ち去った
?「皆無事か!?」
ハデス達が立ち去ったあと人混みをかき分けて出てきたのは
蒼い重鎧をまとった金髪の騎士風の男だった
野次馬Ω「蒼の騎士様!」
蒼の騎士と呼ばれた男は野次馬の中心に倒れた男を見つけ慌てて近寄る
蒼の騎士「ルイ!!」
ハデスに意識を持っていかれた男ルイを蒼の騎士が抱き起こし
頬を数度叩く
ペチペチ
ルイ「…ぅくっ……はっ!?」
苦しそうにしていたルイは頬を叩かれて気がついた
蒼の騎士「良かった!何があったんだ!悍ましい魔力を感じてこちらに来てみれば、この有様だ誰にやられたんだ?」
蒼の騎士は意識が戻ったルイを起こし
矢継ぎ早に質問を投げかける
ルイ「ブラウか…あいつは…化物だった…俺の槍をいとも簡単に見切り、躱し、掴んだんだ。声と共に魔力を押し当てる魔法…声魔法を使っていた、至近距離でやられて脳が何回も揺れたよ…」
ハデスは特に気にせずに声をかけただけだったが…
この世界の住人には破壊力抜群の攻撃になっていた
そんなことも露知らず
ハデスは両手で丸をつくり目に当て神の御業を使い街をかなりの遠くから見ていた
ハデス「何話してるのかなー赤い鎧の子の所に蒼い鎧の子近づいてるけど…気になるなぁまぁ、でも赤の騎士君?は生きてて良かったぁぁ」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス達は街の状況を見てルイが生きていることに安堵し、とりあえずの方針を決めることにした
ハデス「まぁ普通にそのまま入ったらあぁなるって事だな…ケルベロスもモンスター呼ばわりされちゃったし…お前の兄弟みたいに退治されちゃうとやだしなぁ」
ケルベロス「クゥーン…ハゥーン…Zzz」
ハデスは今まで外見や能力で初対面の人間に敵対視されたことが無かったので
どうすればいいか悩んだ
ハデス「こんなに悩んだのは父さんに飲み込まれた時以来だ…うーんとりあえず外見かな…」
ハデスは今着込んでいる自身の鎧を見る
漆黒をベースとした色に赤い腰布で刺々しい鎧…
ハデス「確かに普通の人が見たら怖いかな…あの街の人の服を参考にしよう!」
ハデスはすぐにまた神の御業で街を覗き
参考になる服をチョイスした
ハデス「ちょっと貧乏臭いけど、目立たないようにするにはこんな感じかな、設定としては冒険者として名を上げたい田舎の青年!って感じか、まぁ大丈夫だろ」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
街の人の服を丸パクリして大丈夫だと判断したハデスは、我は?我は?と言わんばかりに戯れてくるケルベロスに向き合った
ハデス「ケルベロス…すまない1頭になってくれ!」
ケルベロス「!!?」
ハデスの発言にケルベロスすべての頭が同じ顔をした
常に1頭は眠っているはずなのにだ
ハデス「あ!ごめん言い方が悪かった!」
ハデスの言葉があまりにもショックで
ケルベロスは前脚で到底包み込めない3頭を包み込もうと頑張って地面に這いつくばっている
ハデス「いや、言い直すというか説明するぞ?
ケルベロスお前は元々50の頭があったんだ生まれてすぐの頃だったから覚えてないかもしれないが、メデューサの血もあるから覚醒遺伝でもしたんだろう…
意識が50に別れてて大変だったんだ、だからお前の母さんが苦渋の決断をしてな
他の頭を封印したんだ、その封印を今回もやる!だが安心しろ!お前はもう立派な大人だ!自分で元に戻れる一次封印にしておく!良いか?」
ハデスは懇切丁寧にケルベロスへ説明し、許可をとる
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスは話を理解したのかいつも通りの返事をした
ハデス「あと、今常にどれかの頭が眠りについているが…それが通常の睡眠になる…だから1日の3分の1、つまり8時間はどこかで寝なきゃいけなくなる大丈夫か?」
ケルベロス「ガー?ガウ!バー?バウ!Zzz?Z!」
ケルベロスの睡眠についてもしっかりと説明したハデスはケルベロスの返答にうなずき
ゆっくりと詠唱を始める
ハデス「我が名はハデス…冥界の盟約に従いここに宣言する…仮の姿を求め…彼の者へ与え…我が力を持って征服せん、我が呼び声に応え、彼の者に真なる姿を降臨せしめよ!冥界の改革!!」
詠唱が終わると
ケルベロスの立つ地面に魔法陣が出現し眩い紫色の光に包まれる
その光が少しずつ晴れていくと、
そこには普通の犬と同じぐらいの大きさで頭も1つになったケルベロス色の毛並みの犬が居た
ハデス「おぉ!ケルベロス!お前か?お前なのか?可愛いなぁぁ!あぁ!可愛い!」
ケルベロス「キュィン?…キュー!」
小さくなったケルベロスに頬ずりをしながら撫で回すハデスは
ケルベロスが疑問を持ってることに気づきもせず
それに怒ったケルベロスは甲高い声で鳴きながら前脚でハデスを蹴った
ハデス「あぁ、鳴き声も高くなって体も小さくなって!肉球が顔に!!」
ケルベロス「ギャウ!!」
あまりにもウザったかったので
ケルベロスはハデスの首を思い切り噛んだ
ハデス「痛い!痛い痛いイタイ!!ごめん!わかった!もうしない!はい!しません!」
ケルベロス「ギュゥ…」
ハデスの謝罪にとりあえずその場を許したケルベロスだったが
ハデスの首は散々だった
噛まれた患部から焼け爛れ、溶けて骨が見え、露になった血管からは血が吹き出している
ハデス「いやーやられた、スマンスマン」
そんな状態の体をものともせず、ハデスは落ち着いている
すると自然に首が元に戻り始め1分も立たずに元通りに回復した
ハデス「さて、一応説明しておこうケルベロスの体も小さくしたし、1頭にしたその体はお前の意思でもとに戻れる、ただしもう一度その体になるには俺が必要だわかった?」
ボっ!
説明が終わった瞬間にケルベロスは元に戻った
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス「なんでだよ!え?試しに?ワザとかよ!」
ハデスは怒鳴りながらもう一度ケルベロスの体を小さくした
さっきのくだりももう一度やった
シューっと首が音をたてて治る間に
ハデスはまた街を覗いていた
ハデス「あれ、俺達の荷物だなぁケルベロスに乗せてたものはこっちにあるけど俺が担いでたやつとか腰に巻いてたやつは落としちゃったなぁどうしよう…」
ケルベロス「キャゥー…」
一方街の中では
ブラウとルイがハデスたちの荷物を物色していた
ブラウ「これは…スノーベアの頭部?…毛皮に爪…ホワイトサーペントの革?危険な雪原地帯のモンスターの素材だ…」
ルイ「あぁ…あの化物が名乗る時と俺の攻撃避ける時に落としていったぜ」
そうやって荷物を物色していると
野次馬から声が上がる
野次馬Ω「その荷は赤の騎士様と守衛さんのもんだろな!あの化物を追っ払ったのはその2人みたいなもんだからな!」
野次馬の声に賛同したのか
他の観衆からもそーだそーだと声が上がる
ルイ「ありがたい事ではあるが俺は受け取れない…何も出来なかったからな俺の分はギルドに寄付してくれ」
守衛「では俺も…」
ルイ「アンタは駄目だ」
守衛「え?」
ルイは自分の無力ゆえに何も出来なかったことを恥とし、報酬として受け取るのを拒んだ、守衛も自分が何も出来なかったとルイと同じように報酬を受け取るまいと辞退しようとしたが、ルイに止められた
ルイ「アンタの装備…ちょっと触らせてみろ」
そういうとルイは守衛に近付きコツンと守衛の胸当てを軽く叩いた
すると…
バラバラと胸当てが音をたてて崩れていったのだ
守衛「なっ!?」
当然守衛は驚き腰をぬかし尻もちをついた
ブラウ「ルイ…これは?」
疑問に思ったブラウはルイに問いかける
ルイ「あぁ、あんな近くで死ぬほどでけえ声魔法の自己紹介食らったんだ装備なんて粉々になって当然だ、だがアンタ気を失わずに尻もちついただけって凄いな、音に対してかなりの耐性があるんじゃないか?」
守衛「はぁ…」
ルイに説明された守衛は言われた事がよくわからないといった顔で生返事を返すだけだった
ルイ「とにかくアンタはこの物資を受け取って、金に変えて新しい装備を買わなきゃいけないって事だ!わかったか?」
守衛「あ!確かに!」
そこで守衛とルイの話は終わり、守衛の分の素材はギルドが買い取り、それで得た金で守衛は新調した装備を買った
ブラウ「ルイ…ほんとに良かったのか?貰わなくて」
ルイ「…あぁいらねぇ…次は倒す!!ぜってぇお前より強くなるからな!ハデス!」
報酬を貰わずに酒場まで来た2人は
打倒ハデスを掲げ酒を酌み交わしていた
一方その頃
ハデスは
ハデス「あぁ、荷物もっていかれちゃったなぁ…まぁいいかぁ…それよりも門番さんの鎧砕けてたな…なんで?怖っ!赤の騎士が触った瞬間に砕けたよね、赤の騎士の固有の力か?怖っ!え、触れられてたら俺もアウトだったの!?」
盛大に勘違いしていた
ハデス「まぁいいや今日は寝よう…明日また色々考えて街に入ろう…今日はベッドで寝れると思ったんだけどなぁゴメンなぁケルベロスー」
ケルベロス「キャゥゥン…」
明日は絶対に街に入り
ベッドで寝るんだと堅く誓いハデスとケルベロスは眠りについた
そして冥界では
ペルセポネ「ハデス様…ハデス様…ハデス様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
王の間で書類の山に埋もれ発狂するペルセポネが居た
その悲痛な叫びは
冥界中に轟く
ハデス「これが旅の扉か」
ハデスは自身の体の何倍もある古びた石の扉に目を向け関心の声をあげる
ハデス「俺もこれを触るのは初めてだが中々に威厳のある扉だなウチの扉よりでかいんじゃないか?なぁ?ケルベロス」
ハデスはそういうと後ろに付いてきていた三つ首の巨大な黒い犬の方へ振り返った
ケルベロス「バウ!ギャウ!Zzz」
3つの頭はそれぞれ異なる表情と鳴き声を出し返事をする
ちなみに1頭は常に寝ているので正確には返事をしたのは2頭である
ハデス「おーヨシヨシ冥界の入口から急に連れてきて悪かったなお前と一緒に行きたくてな!」
ハデスはケルベロスを撫で回しケルベロスもそれを嬉しく思ったのかハデスにじゃれついている
ハデス「さて、異界にいきますか」
撫で回し終わるとハデスは扉に向き直り
扉に触れ力を込めて押し開く
ゴゴゴと音を立て扉は少しずつ開いていき
扉の先には冥界に似つかわしくない眩い光で満ちていた
ハデス「なんと…これが異界への道か、ケルベロスよ行くぞ!」
ケルベロス「バウッ!ギャウッ!Zzz」
ハデスとケルベロスは扉の中に歩みを進め
奥まで進むと扉はゆっくりと閉まり
洞窟は静寂を取り戻す
だが
コツーン…コツーン…
静寂の中に足音が響く
?「ハデス…」
ハデスとケルベロスは眩さから目を閉じていたが、ゆっくりと目を開ける
ハデス「ここは…」
ケルベロス「バフォ?ガウォ?Zzz?」
ハデスとケルベロスが目を開けると
そこはもう眩しくもない、暗い洞窟でもない
見渡す限り白銀の世界だった
ハデス「雪原か…こちらの世界は今冬なのか?確かにペルセポネは今冥界にいるから現世は冬だろうが、異界でもそれは共通なのだろうか?」
ケルベロス「バウォン?ガウォン?Zzz?」
ケルベロスは異世界に降り立ってもハデスが動かず何やら考え事をしている事に心配の気持ちも込めて鳴いた
ハデス「あぁ!ケルベロスすまない!気にするな!おーヨシヨシッ!旅立つぞー」
ハデスはケルベロスが自分を気にかけてる事に気付き熱く包容した上でさらに撫で回し
旅立つという意気込みを伝えた
ケルベロス「バウォーーン!ガウォーーン!Zzzzzzzz!」
ケルベロスもハデスに触発され気分が高揚し雄叫びをあげる
ハデス「よし、まずは村探しだ!…村?街の方がいいか?でかい街を探そう!!ケルベロス背に乗せてくれるか?」
ハデスは最初の目的地を決めケルベロスに背に乗ることの許可をとる
ケルベロス「バウ!ガウ!Zzz」
ケルベロスはもちろん!とでも言いたげに
吠える
そしてハデスはケルベロスにまたがり
雪原を真っ直ぐに駆け抜けていく
そして1人と1匹(3頭)の旅が始まるのだった
ー2日後ー
ハデス「いやーまさか街を見つけるのに丸2日かかるとは思わなかったなケルベロス!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスとケルベロスは異世界に降り立ったその日から2日間ずっと走り続けていた
人里離れた平野に旅の扉が繋がっていたらしく
ケルベロスの速さを持ってしても街を見つけるのに丸2日を要してしまった
ハデス「さて、道すがら珍妙な生物を見つけて狩っていたが荷が重くなってしまったな、物を売れるところがあればいいのだが」
そういうハデスの肩、腰、さらにケルベロスの両脇にくくりつけた、獣の牙や爪、毛皮や頭など
常人では到底2日で獲れない量の物資を身に着けていた
ハデス「俺も神の御業で収納とか出来るがあまり神の御業使いたくないなぁ楽しめないし」
うーんと頭を抱えながら
ケルベロス「ガウ?バウ?Zzz?」
ハデス「よし!やっぱり売らないとな!行こうケルベロス!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
考えても始まらないと思いハデスはケルベロスを率いて
街の正面入口まで歩いて行った
守衛「止まれ!キサマ何者だ!」
正面入口らしき門の前でハデスは門番らしき守衛に強めに止められた
ハデス「?」
ケルベロス「ガウ?バウ?Zzz?」
ハデスとケルベロスはなぜ呼び止められたのかすぐにはわからず
顔を見合わせた
守衛「何者だと聞いている!そんな不気味な鎧を纏い、あまつさえ巨大なモンスターまで連れているとは魔王軍のものか!?皆!!人を集めてくれ!!」
守衛は街を護ろうと野次馬達に応援を呼ぶよう呼びかける
ハデスはそれを見て得心いったかのように
手を叩き
ハデス「なるほど名乗れば良いということか?よかろう」
ハデス(とりあえず一応王だし神だし威厳ある感じでいっとくか!)
ハデス「我が名はハデス!冥界の王にして三神の長兄!冥王ハデスである!そしてコヤツは我の忠実な下僕であり、友!ケルベロスだ!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデスは怒号にも聞こえるほどの声量で高らかに自己紹介しそれに答えるようにケルベロスも吠える
守衛「うぉっ!!」
ハデスとケルベロスの声量と咆哮で空気が振動し風圧も発生し、近くにいた守衛と野次馬達がよろけ尻もちをつく
ハデス「ふむ、少々声がデカすぎたか、なぁにそんなに身構えるな我は、」
と話を続けようと守衛に手を伸ばし起こしてやろうとすると
?「近寄るな!バケモノ!!」
と急な罵声と共に1本の槍がハデスの腕をかすめる
ハデス「ふむ…手荒い歓迎だな」
かすめた槍を横目に少し後ずさるハデス
?「守衛さんから離れろ!バケモノ!」
さらに追撃してくる謎の男
連続で長い槍から放たれる突きはハデスには止まって見えるほどのものではあるが
熟練者のものであることは容易に理解できた
ハデス「ふむ」
ハデス(赤い鎧…いや、鎧と言うには軽装な感じだな…自身で調整したように見える…防御力を最低限にしてスピードを重視…人であるならば相当なスピードであろう、さらにスピードだけではなく随所に散りばめる横薙ぎやフェイント、かなりの手練だな亡者の中なら切込隊長ぐらいの力量はある)
赤い鎧の男「くっ!全然当たらない!かすりもしない!っ!?」
ガシッ
赤い鎧の男が愚痴をこぼしながら連撃を繰り出していると
ハデスはその槍を何でも無いかのように掴んだ
ハデス「いやーいい腕だ!君!名はなんと言うんだい?」
赤い鎧の男「は!なせ!」
ハデスの問に男は答えず掴まれた槍を引き抜こうとする
赤い鎧の男「!?」
健闘虚しく全くと言っていいほど槍は微動だにせず男は困惑する
だがすぐに切り替え、槍を諦め手を放し次の行動に移ろうとする
しかし
ガシッ
槍から手を放した瞬間にハデスも槍から手を放し
今度は男の腕を掴んだ
そうするとハデスは顔を男に近付けて
囁くようにつぶやいた
ハデス「?聞こえなかったか?名は何という?」
その声を間近で聞いた男は
一瞬で白目を向き泡を吹いて膝から崩れ落ちた
ハデス「あれ?」
野次馬1「おい!赤の騎士がやられたぞ!」
野次馬2「もっと応援を呼べ!冒険者をありったけだ!」
思わぬ事態にハデスは動揺を隠せない
ハデス「ケルベロス!どうしよ!」
ケルベロス「ガゥー…バゥー…Zzz…ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス「なるほど!」
ケルベロスは一瞬考えた素振りを見せたがすぐに閃いたようで、その思考はハデスにも伝わった
ハデス「三十六計逃げるに如かず!」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスはものすごい速さで跳躍し
皆には視認出来ないほど遠くへ飛び立った
ハデスはどこからともなく兜を取り出し
頭に被り透明になった
ハデス(赤の騎士とやら!すまぬ!)
ハデスも透明の状態でケルベロスを追うように跳躍しその場を立ち去った
?「皆無事か!?」
ハデス達が立ち去ったあと人混みをかき分けて出てきたのは
蒼い重鎧をまとった金髪の騎士風の男だった
野次馬Ω「蒼の騎士様!」
蒼の騎士と呼ばれた男は野次馬の中心に倒れた男を見つけ慌てて近寄る
蒼の騎士「ルイ!!」
ハデスに意識を持っていかれた男ルイを蒼の騎士が抱き起こし
頬を数度叩く
ペチペチ
ルイ「…ぅくっ……はっ!?」
苦しそうにしていたルイは頬を叩かれて気がついた
蒼の騎士「良かった!何があったんだ!悍ましい魔力を感じてこちらに来てみれば、この有様だ誰にやられたんだ?」
蒼の騎士は意識が戻ったルイを起こし
矢継ぎ早に質問を投げかける
ルイ「ブラウか…あいつは…化物だった…俺の槍をいとも簡単に見切り、躱し、掴んだんだ。声と共に魔力を押し当てる魔法…声魔法を使っていた、至近距離でやられて脳が何回も揺れたよ…」
ハデスは特に気にせずに声をかけただけだったが…
この世界の住人には破壊力抜群の攻撃になっていた
そんなことも露知らず
ハデスは両手で丸をつくり目に当て神の御業を使い街をかなりの遠くから見ていた
ハデス「何話してるのかなー赤い鎧の子の所に蒼い鎧の子近づいてるけど…気になるなぁまぁ、でも赤の騎士君?は生きてて良かったぁぁ」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス達は街の状況を見てルイが生きていることに安堵し、とりあえずの方針を決めることにした
ハデス「まぁ普通にそのまま入ったらあぁなるって事だな…ケルベロスもモンスター呼ばわりされちゃったし…お前の兄弟みたいに退治されちゃうとやだしなぁ」
ケルベロス「クゥーン…ハゥーン…Zzz」
ハデスは今まで外見や能力で初対面の人間に敵対視されたことが無かったので
どうすればいいか悩んだ
ハデス「こんなに悩んだのは父さんに飲み込まれた時以来だ…うーんとりあえず外見かな…」
ハデスは今着込んでいる自身の鎧を見る
漆黒をベースとした色に赤い腰布で刺々しい鎧…
ハデス「確かに普通の人が見たら怖いかな…あの街の人の服を参考にしよう!」
ハデスはすぐにまた神の御業で街を覗き
参考になる服をチョイスした
ハデス「ちょっと貧乏臭いけど、目立たないようにするにはこんな感じかな、設定としては冒険者として名を上げたい田舎の青年!って感じか、まぁ大丈夫だろ」
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
街の人の服を丸パクリして大丈夫だと判断したハデスは、我は?我は?と言わんばかりに戯れてくるケルベロスに向き合った
ハデス「ケルベロス…すまない1頭になってくれ!」
ケルベロス「!!?」
ハデスの発言にケルベロスすべての頭が同じ顔をした
常に1頭は眠っているはずなのにだ
ハデス「あ!ごめん言い方が悪かった!」
ハデスの言葉があまりにもショックで
ケルベロスは前脚で到底包み込めない3頭を包み込もうと頑張って地面に這いつくばっている
ハデス「いや、言い直すというか説明するぞ?
ケルベロスお前は元々50の頭があったんだ生まれてすぐの頃だったから覚えてないかもしれないが、メデューサの血もあるから覚醒遺伝でもしたんだろう…
意識が50に別れてて大変だったんだ、だからお前の母さんが苦渋の決断をしてな
他の頭を封印したんだ、その封印を今回もやる!だが安心しろ!お前はもう立派な大人だ!自分で元に戻れる一次封印にしておく!良いか?」
ハデスは懇切丁寧にケルベロスへ説明し、許可をとる
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ケルベロスは話を理解したのかいつも通りの返事をした
ハデス「あと、今常にどれかの頭が眠りについているが…それが通常の睡眠になる…だから1日の3分の1、つまり8時間はどこかで寝なきゃいけなくなる大丈夫か?」
ケルベロス「ガー?ガウ!バー?バウ!Zzz?Z!」
ケルベロスの睡眠についてもしっかりと説明したハデスはケルベロスの返答にうなずき
ゆっくりと詠唱を始める
ハデス「我が名はハデス…冥界の盟約に従いここに宣言する…仮の姿を求め…彼の者へ与え…我が力を持って征服せん、我が呼び声に応え、彼の者に真なる姿を降臨せしめよ!冥界の改革!!」
詠唱が終わると
ケルベロスの立つ地面に魔法陣が出現し眩い紫色の光に包まれる
その光が少しずつ晴れていくと、
そこには普通の犬と同じぐらいの大きさで頭も1つになったケルベロス色の毛並みの犬が居た
ハデス「おぉ!ケルベロス!お前か?お前なのか?可愛いなぁぁ!あぁ!可愛い!」
ケルベロス「キュィン?…キュー!」
小さくなったケルベロスに頬ずりをしながら撫で回すハデスは
ケルベロスが疑問を持ってることに気づきもせず
それに怒ったケルベロスは甲高い声で鳴きながら前脚でハデスを蹴った
ハデス「あぁ、鳴き声も高くなって体も小さくなって!肉球が顔に!!」
ケルベロス「ギャウ!!」
あまりにもウザったかったので
ケルベロスはハデスの首を思い切り噛んだ
ハデス「痛い!痛い痛いイタイ!!ごめん!わかった!もうしない!はい!しません!」
ケルベロス「ギュゥ…」
ハデスの謝罪にとりあえずその場を許したケルベロスだったが
ハデスの首は散々だった
噛まれた患部から焼け爛れ、溶けて骨が見え、露になった血管からは血が吹き出している
ハデス「いやーやられた、スマンスマン」
そんな状態の体をものともせず、ハデスは落ち着いている
すると自然に首が元に戻り始め1分も立たずに元通りに回復した
ハデス「さて、一応説明しておこうケルベロスの体も小さくしたし、1頭にしたその体はお前の意思でもとに戻れる、ただしもう一度その体になるには俺が必要だわかった?」
ボっ!
説明が終わった瞬間にケルベロスは元に戻った
ケルベロス「ガウ!バウ!Zzz!」
ハデス「なんでだよ!え?試しに?ワザとかよ!」
ハデスは怒鳴りながらもう一度ケルベロスの体を小さくした
さっきのくだりももう一度やった
シューっと首が音をたてて治る間に
ハデスはまた街を覗いていた
ハデス「あれ、俺達の荷物だなぁケルベロスに乗せてたものはこっちにあるけど俺が担いでたやつとか腰に巻いてたやつは落としちゃったなぁどうしよう…」
ケルベロス「キャゥー…」
一方街の中では
ブラウとルイがハデスたちの荷物を物色していた
ブラウ「これは…スノーベアの頭部?…毛皮に爪…ホワイトサーペントの革?危険な雪原地帯のモンスターの素材だ…」
ルイ「あぁ…あの化物が名乗る時と俺の攻撃避ける時に落としていったぜ」
そうやって荷物を物色していると
野次馬から声が上がる
野次馬Ω「その荷は赤の騎士様と守衛さんのもんだろな!あの化物を追っ払ったのはその2人みたいなもんだからな!」
野次馬の声に賛同したのか
他の観衆からもそーだそーだと声が上がる
ルイ「ありがたい事ではあるが俺は受け取れない…何も出来なかったからな俺の分はギルドに寄付してくれ」
守衛「では俺も…」
ルイ「アンタは駄目だ」
守衛「え?」
ルイは自分の無力ゆえに何も出来なかったことを恥とし、報酬として受け取るのを拒んだ、守衛も自分が何も出来なかったとルイと同じように報酬を受け取るまいと辞退しようとしたが、ルイに止められた
ルイ「アンタの装備…ちょっと触らせてみろ」
そういうとルイは守衛に近付きコツンと守衛の胸当てを軽く叩いた
すると…
バラバラと胸当てが音をたてて崩れていったのだ
守衛「なっ!?」
当然守衛は驚き腰をぬかし尻もちをついた
ブラウ「ルイ…これは?」
疑問に思ったブラウはルイに問いかける
ルイ「あぁ、あんな近くで死ぬほどでけえ声魔法の自己紹介食らったんだ装備なんて粉々になって当然だ、だがアンタ気を失わずに尻もちついただけって凄いな、音に対してかなりの耐性があるんじゃないか?」
守衛「はぁ…」
ルイに説明された守衛は言われた事がよくわからないといった顔で生返事を返すだけだった
ルイ「とにかくアンタはこの物資を受け取って、金に変えて新しい装備を買わなきゃいけないって事だ!わかったか?」
守衛「あ!確かに!」
そこで守衛とルイの話は終わり、守衛の分の素材はギルドが買い取り、それで得た金で守衛は新調した装備を買った
ブラウ「ルイ…ほんとに良かったのか?貰わなくて」
ルイ「…あぁいらねぇ…次は倒す!!ぜってぇお前より強くなるからな!ハデス!」
報酬を貰わずに酒場まで来た2人は
打倒ハデスを掲げ酒を酌み交わしていた
一方その頃
ハデスは
ハデス「あぁ、荷物もっていかれちゃったなぁ…まぁいいかぁ…それよりも門番さんの鎧砕けてたな…なんで?怖っ!赤の騎士が触った瞬間に砕けたよね、赤の騎士の固有の力か?怖っ!え、触れられてたら俺もアウトだったの!?」
盛大に勘違いしていた
ハデス「まぁいいや今日は寝よう…明日また色々考えて街に入ろう…今日はベッドで寝れると思ったんだけどなぁゴメンなぁケルベロスー」
ケルベロス「キャゥゥン…」
明日は絶対に街に入り
ベッドで寝るんだと堅く誓いハデスとケルベロスは眠りについた
そして冥界では
ペルセポネ「ハデス様…ハデス様…ハデス様ぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
王の間で書類の山に埋もれ発狂するペルセポネが居た
その悲痛な叫びは
冥界中に轟く
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