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プロローグ
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仄暗く広い部屋
その正面にある玉座に座る黒き王
彼の者の隣に立つは見目麗しい絶世の美女
その女は進言する
女「ハデス様、本日も亡者共からの苦情が相次いでおります」
ハデス「ふむ」
ハデスと呼ばれた男は微動だにせず相槌で話を続けさせる
女「「労働を減らせ」「仕事内容を変えろ」「現世へ還せ」「天界に移せ」など
愚かしいものばかりではございますが
そろそろ上下関係というものを亡者共に見せてはいかがでしょう」
女はハデスに提案をしそれに答えるようハデスも口を開く
ハデス「ふん、亡者共の戯言もそろそろ鬱陶しいということか」
女「はい
このあたりで見せしめに亡者共を半数ほど消滅させてはいかがですか?
さすれば残りの亡者も静かになりましょう」
ハデス「なるほど…ペルセポネよ」
ペルセポネ「はい」
ハデス「飽きた」
ペルセポネ「はい?」
驚きを隠せないペルセポネと呼ばれた美女は、敬語も忘れ聞き返してしまった
ハデス「もー飽きた、毎日毎日玉座に座って王っぽくして暗ーい家で1日中亡者の問題に頭悩ますとかやってられんわ!」
ハデスは玉座に座りながら地団駄を踏み
子供のように騒ぎ出した
ペルセポネ「ハデスさま?」
ペルセポネは心配になりハデスの膝に手を触れ目の前で傅く
ハデス「俺もゼウスみたいに好き勝手やりたいしポセイドンみたいに海で遊びたい!」
さらに激しく駄々をこねるハデスに対しペルセポネは優しくなだめるように言葉を紡ぐ
ペルセポネ「ハデス様申し訳ございません、心中お察し致しますが、ハデス様がこの冥界にいていただかないと亡者共が暴動を起こし現世や天界などとの戦争になりかねませんので、どうか」
ペルセポネはハデスの前で片膝をつき
深々と頭を下げた
それに対しハデスは
ハデス「…俺の代わりなどミノスかラダマンティスにやらせれば事足りる」
そういうとハデスはがばっと玉座を立ち
正面扉へ歩き出した
ペルセポネ「お待ちくださいハデス様!」
咄嗟にハデスを追おうとしたペルセポネだったがハデスはすでに鎧を着ており
手には兜が握られていた
ハデス「すまんな愛しき妻よ後は頼んだ」
そう言い放ったハデスは手に持った兜を頭に被り
すぅっと姿を消した
ペルセポネ「…隠れ兜…そんな…ハデス様」
膝から崩れ落ちるペルセポネの周囲には静寂だけが残った
ハデス「さぁ、異界への転移が可能な旅の扉に行くか、いや、その前にケルベロスも連れて行こう」
ハデスは隠れ兜で透明化した状態で冥界の空を飛び回り今後の旅について胸を踊らせ
まるで子供のようにはしゃいでいた
後にくる自身の不幸がすべての世界を巻き込む大事件になるとも知らずに
その正面にある玉座に座る黒き王
彼の者の隣に立つは見目麗しい絶世の美女
その女は進言する
女「ハデス様、本日も亡者共からの苦情が相次いでおります」
ハデス「ふむ」
ハデスと呼ばれた男は微動だにせず相槌で話を続けさせる
女「「労働を減らせ」「仕事内容を変えろ」「現世へ還せ」「天界に移せ」など
愚かしいものばかりではございますが
そろそろ上下関係というものを亡者共に見せてはいかがでしょう」
女はハデスに提案をしそれに答えるようハデスも口を開く
ハデス「ふん、亡者共の戯言もそろそろ鬱陶しいということか」
女「はい
このあたりで見せしめに亡者共を半数ほど消滅させてはいかがですか?
さすれば残りの亡者も静かになりましょう」
ハデス「なるほど…ペルセポネよ」
ペルセポネ「はい」
ハデス「飽きた」
ペルセポネ「はい?」
驚きを隠せないペルセポネと呼ばれた美女は、敬語も忘れ聞き返してしまった
ハデス「もー飽きた、毎日毎日玉座に座って王っぽくして暗ーい家で1日中亡者の問題に頭悩ますとかやってられんわ!」
ハデスは玉座に座りながら地団駄を踏み
子供のように騒ぎ出した
ペルセポネ「ハデスさま?」
ペルセポネは心配になりハデスの膝に手を触れ目の前で傅く
ハデス「俺もゼウスみたいに好き勝手やりたいしポセイドンみたいに海で遊びたい!」
さらに激しく駄々をこねるハデスに対しペルセポネは優しくなだめるように言葉を紡ぐ
ペルセポネ「ハデス様申し訳ございません、心中お察し致しますが、ハデス様がこの冥界にいていただかないと亡者共が暴動を起こし現世や天界などとの戦争になりかねませんので、どうか」
ペルセポネはハデスの前で片膝をつき
深々と頭を下げた
それに対しハデスは
ハデス「…俺の代わりなどミノスかラダマンティスにやらせれば事足りる」
そういうとハデスはがばっと玉座を立ち
正面扉へ歩き出した
ペルセポネ「お待ちくださいハデス様!」
咄嗟にハデスを追おうとしたペルセポネだったがハデスはすでに鎧を着ており
手には兜が握られていた
ハデス「すまんな愛しき妻よ後は頼んだ」
そう言い放ったハデスは手に持った兜を頭に被り
すぅっと姿を消した
ペルセポネ「…隠れ兜…そんな…ハデス様」
膝から崩れ落ちるペルセポネの周囲には静寂だけが残った
ハデス「さぁ、異界への転移が可能な旅の扉に行くか、いや、その前にケルベロスも連れて行こう」
ハデスは隠れ兜で透明化した状態で冥界の空を飛び回り今後の旅について胸を踊らせ
まるで子供のようにはしゃいでいた
後にくる自身の不幸がすべての世界を巻き込む大事件になるとも知らずに
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