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濫觴の四月[April of Beginning]
Mission21 ブリーフィング②
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「準備は整ったな?」
「ああ。全員問題ないよ」
神崎さんの問いに部隊の代表として俺は頷いた。
ミッション前に準備を整えた俺たちはヘリに乗り込んでいた。
「よし、ならばミッション開始だ。出撃しよう」
「他の部隊の人たちは?」
「現地で合流することになってる。行くぞ」
操縦席で直巳がそう言った。
彼は“支援科”に所属しているらしい。
支援科では対テロ作戦内での車輌・航空機・船舶の操縦が年齢を問わずに可能だ。
事業用操縦士は18歳以上から取得できるらしいが彼は年齢を無視して操縦資格を獲得している。
彼の操縦は彼の性格からは想像もできないくらいに安心できる。操縦し慣れているのだろう。
「さて……湖城先生は大まかな内容しか話していなかったな。私が詳しく説明しよう」
神崎さんはそう言いながら懐から取り出した眼鏡を掛ける。
灰色のスクエア型のフレームをした眼鏡だ。
それは知的な印象を彼女に更に与えていた。
「神崎さん、その眼鏡は?」
「HMD方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ……簡単に言うとスマートグラスだ。……まぁ、これはどうでもいい。説明する」
彼女は太腿の上にあるノートパソコンのキーボードを叩く。
そしてくるりとパソコンの画面の向きを自身から俺たちに変えて、見せた。
画面には鉄の巨人……スサノオが映っていた。
「今回破壊する兵器はただの兵器じゃない……“神機”だ」
「神機……って」
俺はその言葉を聞いてこの町に帰ってきた日のことを思い出す。
スサノオ……あれのことを神崎さんは“神機”と呼んでいた。
「ああ。前も言ったが神機はアームズメイカーの開発した次世代の兵器だ」
「じゃあ今回破壊するのはスサノオ?」
「いや、今回破壊するのはまだ起動していない神機だ。詳細は不明だが……起動してしまえば人間が戦って勝てる様なものではない」
確かにスサノオも人間が戦って勝てそうな相手ではなかった。
スサノオの剣を斬れたのも運が良かったからだろう。
「それは元紙越商店街にある。湖城先生は『敵との交戦は極力避けて兵器を破壊することだけを考える』様に言っていたがまず敵との交戦そのものを避けることは不可能だろうな」
「そりゃあ商店街は占領地の一部になってるから敵陣だもんね、敵もいるよね」
「それもあるが……神機は一国の軍事力を変えると言われている。そんな兵器、テロ組織からしてみれば壊させたくはないはずだ。となると商店街に戦闘員を集中させるだろう」
それもそうか。
人間が戦って勝てる相手ではない……一国の軍事力を変える……。
そんなものを手放したくはないだろう。
「となるとただ戦闘員を配置するだけではない……」
「というと?」
「GRは“隊長クラス”の戦闘員を配置するかもしれない」
神崎さんはそう言って再びキーボードを叩く。
すると画面に3枚の写真が表示される。
「……これは?」
「GRの隊長クラスの戦闘員だ。GRは2つの部隊に分かれていてな、それぞれ“黒の部隊”と“白の部隊”と呼ばれている」
「白黒……判りやすくてありがたいわね」
「ああ。この3人の隊長クラスの戦闘員は3人とも全員黒の部隊に所属している。それぞれ、黒の部隊が包括する更に小さな部隊の隊長を務めている。残念ながら顔は詳しく判らないが」
神崎さんはそう残念そうに言った。
確かに画面に表示された3人の隊長の顔は目深に被っているフードのせいで全ては見えない。
「3人の詳細は?」
「それも判らないんだ。詳細の判らない敵と交戦するのは危険だ。交戦したら逃げて兵器を破壊することだけを考えるんだ」
「判った……それにしても」
俺はヘリの窓から外を覗く。
外に広がるのは変わり果てた町並みだ。
イージス管轄地区とは異なり、GRによって徹底的に破壊された町並み……
「……変わり果てたね、この町も」
「……悪い意味で、な」
元々この町に住んでいる直巳がヘリを操りながらそう言った。
その表情は怒っている様にも悲しんでいる様にも見えた。
「ニッポンって全部真新しい町並みだと思ってたのに、あたしの故郷と似てるね」
レイは変わり果てた町を見て、そう言った。
彼女の瞳はこの町並みを見ているが捉えているものは違った。
「……レイの故郷?」
「ああ。あたし、“ヴォルクシェード”っていう市の出身なんだ」
「……ヴォルクシェードって確か、財政破綻した……」
ヴォルクシェード市といえば有名な都市だ。……悪い意味で。
レイは紙越町を見ながら自身の生まれ故郷を連想しているのだ。
「……うん。アメリカ最悪の犯罪都市。失業率も貧困率も高くて……まずその町に住みたい人なんていないだろうね」
「──元々自動車産業が盛んだった。かつてはアメリカシェア1の自動車メーカーの本社も置かれていた。町もその恩恵を受けていた」
神崎さんはレイの説明に付け足す様にそう言った。
「しかし1970年代……良質で安い日本車が市場に現れたことによりそのメーカー製の車は出番を奪われ、町にある自動車産業関連の企業は全て倒産した。そのせいで市街地に人口は流出し、浮浪者も溢れたことで治安も悪化した」
「今じゃGRの支部まで置かれて、市全体がGRの支配下にある……そんなヴォルクシェードと紙越って似てるなって」
手で窓に触れながら彼女はそう言った。
彼女は紙越町を見ているが脳内ではヴォルクシェードのことを考えているのだろう。
「でもまぁ、GRが支配してからは目立った犯罪もなくなってるんだけどね」
「……ああ。テロを認めるわけではないが……確かに犯罪は減っている。町の新たな支配者が現れたからだろうな……」
「──って、暗い話題になっちゃったね。あたしが対テロ戦闘員になったのはそれが理由なんだ。だから紙越町を取り戻したらヴォルクシェードも取り戻すつもり」
レイは鉛の様に重くなってしまった空気を変えるためにそう言った。
故郷が壊滅させられ、テロ組織に支配された……そんな彼女と俺たちは似ているのかもしれない。
「ああ。そうだな。そのために私も持っている限りの力を尽くして君たちをサポートする」
「……そろそろ商店街の近くね」
渚は窓外の景色を見て、そう言った。
彼女は負い紐をつけた狙撃銃を左肩に背負っている。
落ち着き払った様子の彼女だが準備は万端らしい。
先日俺たちに見せた実力……それを見せれば直巳と神崎さんの彼女を部隊に入れることへの抵抗も薄れるだろう。
「そうだな、そろそろヘリを降着させる。みんな今のうちに準備しとけよ」
直巳の言葉と共にヘリが徐々に高度を下げていく。
俺は初めてのミッションだ。町を取り戻せるために戦えるだろうか。
まだ戦うことに抵抗はあるがそれは足を引っ張っていい理由にはならない。
俺は隊長として部隊をまとめる義務がある。
──その義務を果たさなくてはならない。
俺は脇差に手を置いて、緊張する心を安定させた。
ヘリが地上スレスレまで下りるとその場で空中浮揚する。
「さぁ、行くんだ」
「了解!」
俺たちはヘリから滑る様に降りる。
戦いとは無縁の機内から放たれた俺たちは早速戦場を駆けた。
「ああ。全員問題ないよ」
神崎さんの問いに部隊の代表として俺は頷いた。
ミッション前に準備を整えた俺たちはヘリに乗り込んでいた。
「よし、ならばミッション開始だ。出撃しよう」
「他の部隊の人たちは?」
「現地で合流することになってる。行くぞ」
操縦席で直巳がそう言った。
彼は“支援科”に所属しているらしい。
支援科では対テロ作戦内での車輌・航空機・船舶の操縦が年齢を問わずに可能だ。
事業用操縦士は18歳以上から取得できるらしいが彼は年齢を無視して操縦資格を獲得している。
彼の操縦は彼の性格からは想像もできないくらいに安心できる。操縦し慣れているのだろう。
「さて……湖城先生は大まかな内容しか話していなかったな。私が詳しく説明しよう」
神崎さんはそう言いながら懐から取り出した眼鏡を掛ける。
灰色のスクエア型のフレームをした眼鏡だ。
それは知的な印象を彼女に更に与えていた。
「神崎さん、その眼鏡は?」
「HMD方式の拡張現実ウェアラブルコンピュータ……簡単に言うとスマートグラスだ。……まぁ、これはどうでもいい。説明する」
彼女は太腿の上にあるノートパソコンのキーボードを叩く。
そしてくるりとパソコンの画面の向きを自身から俺たちに変えて、見せた。
画面には鉄の巨人……スサノオが映っていた。
「今回破壊する兵器はただの兵器じゃない……“神機”だ」
「神機……って」
俺はその言葉を聞いてこの町に帰ってきた日のことを思い出す。
スサノオ……あれのことを神崎さんは“神機”と呼んでいた。
「ああ。前も言ったが神機はアームズメイカーの開発した次世代の兵器だ」
「じゃあ今回破壊するのはスサノオ?」
「いや、今回破壊するのはまだ起動していない神機だ。詳細は不明だが……起動してしまえば人間が戦って勝てる様なものではない」
確かにスサノオも人間が戦って勝てそうな相手ではなかった。
スサノオの剣を斬れたのも運が良かったからだろう。
「それは元紙越商店街にある。湖城先生は『敵との交戦は極力避けて兵器を破壊することだけを考える』様に言っていたがまず敵との交戦そのものを避けることは不可能だろうな」
「そりゃあ商店街は占領地の一部になってるから敵陣だもんね、敵もいるよね」
「それもあるが……神機は一国の軍事力を変えると言われている。そんな兵器、テロ組織からしてみれば壊させたくはないはずだ。となると商店街に戦闘員を集中させるだろう」
それもそうか。
人間が戦って勝てる相手ではない……一国の軍事力を変える……。
そんなものを手放したくはないだろう。
「となるとただ戦闘員を配置するだけではない……」
「というと?」
「GRは“隊長クラス”の戦闘員を配置するかもしれない」
神崎さんはそう言って再びキーボードを叩く。
すると画面に3枚の写真が表示される。
「……これは?」
「GRの隊長クラスの戦闘員だ。GRは2つの部隊に分かれていてな、それぞれ“黒の部隊”と“白の部隊”と呼ばれている」
「白黒……判りやすくてありがたいわね」
「ああ。この3人の隊長クラスの戦闘員は3人とも全員黒の部隊に所属している。それぞれ、黒の部隊が包括する更に小さな部隊の隊長を務めている。残念ながら顔は詳しく判らないが」
神崎さんはそう残念そうに言った。
確かに画面に表示された3人の隊長の顔は目深に被っているフードのせいで全ては見えない。
「3人の詳細は?」
「それも判らないんだ。詳細の判らない敵と交戦するのは危険だ。交戦したら逃げて兵器を破壊することだけを考えるんだ」
「判った……それにしても」
俺はヘリの窓から外を覗く。
外に広がるのは変わり果てた町並みだ。
イージス管轄地区とは異なり、GRによって徹底的に破壊された町並み……
「……変わり果てたね、この町も」
「……悪い意味で、な」
元々この町に住んでいる直巳がヘリを操りながらそう言った。
その表情は怒っている様にも悲しんでいる様にも見えた。
「ニッポンって全部真新しい町並みだと思ってたのに、あたしの故郷と似てるね」
レイは変わり果てた町を見て、そう言った。
彼女の瞳はこの町並みを見ているが捉えているものは違った。
「……レイの故郷?」
「ああ。あたし、“ヴォルクシェード”っていう市の出身なんだ」
「……ヴォルクシェードって確か、財政破綻した……」
ヴォルクシェード市といえば有名な都市だ。……悪い意味で。
レイは紙越町を見ながら自身の生まれ故郷を連想しているのだ。
「……うん。アメリカ最悪の犯罪都市。失業率も貧困率も高くて……まずその町に住みたい人なんていないだろうね」
「──元々自動車産業が盛んだった。かつてはアメリカシェア1の自動車メーカーの本社も置かれていた。町もその恩恵を受けていた」
神崎さんはレイの説明に付け足す様にそう言った。
「しかし1970年代……良質で安い日本車が市場に現れたことによりそのメーカー製の車は出番を奪われ、町にある自動車産業関連の企業は全て倒産した。そのせいで市街地に人口は流出し、浮浪者も溢れたことで治安も悪化した」
「今じゃGRの支部まで置かれて、市全体がGRの支配下にある……そんなヴォルクシェードと紙越って似てるなって」
手で窓に触れながら彼女はそう言った。
彼女は紙越町を見ているが脳内ではヴォルクシェードのことを考えているのだろう。
「でもまぁ、GRが支配してからは目立った犯罪もなくなってるんだけどね」
「……ああ。テロを認めるわけではないが……確かに犯罪は減っている。町の新たな支配者が現れたからだろうな……」
「──って、暗い話題になっちゃったね。あたしが対テロ戦闘員になったのはそれが理由なんだ。だから紙越町を取り戻したらヴォルクシェードも取り戻すつもり」
レイは鉛の様に重くなってしまった空気を変えるためにそう言った。
故郷が壊滅させられ、テロ組織に支配された……そんな彼女と俺たちは似ているのかもしれない。
「ああ。そうだな。そのために私も持っている限りの力を尽くして君たちをサポートする」
「……そろそろ商店街の近くね」
渚は窓外の景色を見て、そう言った。
彼女は負い紐をつけた狙撃銃を左肩に背負っている。
落ち着き払った様子の彼女だが準備は万端らしい。
先日俺たちに見せた実力……それを見せれば直巳と神崎さんの彼女を部隊に入れることへの抵抗も薄れるだろう。
「そうだな、そろそろヘリを降着させる。みんな今のうちに準備しとけよ」
直巳の言葉と共にヘリが徐々に高度を下げていく。
俺は初めてのミッションだ。町を取り戻せるために戦えるだろうか。
まだ戦うことに抵抗はあるがそれは足を引っ張っていい理由にはならない。
俺は隊長として部隊をまとめる義務がある。
──その義務を果たさなくてはならない。
俺は脇差に手を置いて、緊張する心を安定させた。
ヘリが地上スレスレまで下りるとその場で空中浮揚する。
「さぁ、行くんだ」
「了解!」
俺たちはヘリから滑る様に降りる。
戦いとは無縁の機内から放たれた俺たちは早速戦場を駆けた。
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