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濫觴の四月[April of Beginning]
Mission14 リーダーの器
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翌日、学園に向かうと廊下中が騒がしかった。
この騒がしさは……。嫌な予感がした。
意識を集中させて近くにいる女子生徒たちの会話を聞いてみた。
「また誰か襲われたって?」
「そうみたいね。嫌な話だわ」
「イージスも警戒態勢を強化して見回ったらしいのに……自分も襲われるんじゃないかって不安になってくるね……」
あの時の襲撃者だ。
イージス学園側もそれなりの警戒態勢で町の巡回していたはずだ。
それでも襲撃を防げなかったなんて……。
俺は素性を知らない襲撃者のことを考えながら教室へと入った。
中では4人が1つの机に集まって紙に向かい合っていた。
「あ、おはよう」「おはよー」「おう、おはよう」「お早う」
「おはよう……って、なにしてるの?」
「ほら、東条センセーが『科と部隊についての希望を出す様に』って言ってたじゃん。みんな科は決まったみたいだから部隊について書こうとしてたの」
「へぇ?」
俺は4人の視線が収束しているその用紙を覗き込む。
用紙の上部には『部隊編成届』と大きく印刷されており、その下に『部隊名』『隊員氏名』といくつか記入欄が設けられている。
けれどどこも白紙だ。
「あれ、白紙じゃん。どうしたの?」
「いや、東条くんが来るまで待ってたの」
「待ってた?」
森さんは「そう」と答える。
「さっきまでここにはわたしを含めて4人、でもそれじゃあ『隊員数は最低でも5人』っていう条件を満たせない」
「だから君の名前も書こうとしたんだ。だが、森さんは『本人の意思を聞いてからの方がいい』と書かないで待っていたんだ」
「ああ……そういうことか。うん、俺は大丈夫だよ」
別に俺の名を書いていても構わなかったのだが本人の意思を聞いてからという森さんの気遣いから彼女の優しさが感じられた。
彼女は触れれば脆く崩れてしまいそうな、まるで蝶の様な雰囲気通りの性格らしい。
「そっか、それじゃあ隊長は誰にする?」
「ここはじゃんけんで……」
「いや、じゃんけんで選ぶべきものではないだろう。隊長という人間は。支援を行う私と赤城君を除く3人の中で誰か自分がリーダーをやろうという人間はいないか?」
そう神崎さんは言うが誰も自ら隊長などという役割を率先して務めたがる人間はいないだろう。
物静かな俺たちの中で情熱的そうなレイも手を挙げない。
「……いないか。無理もない。隊長という立場は皆をまとめ、部隊全体を守る存在だ。その責任の重さは相当だろう。だが、君たちは3人とも部隊をまとめ上げるに相応しい存在だと私は思っている」
「誰か……みんなを引っ張ってやるってヤツはいないか?」
神崎さんと直巳はそう俺たち3人に視線を固定したまま動かさない。
俺はそんな視線によって蜘蛛の網にかかった獲物の様に動けずにいた。
けれど俺の隣にいた森さんが手を挙げた。
「森さんか。君が隊長を務めるのか?」
「いや、わたしは“推薦”しようと思って」
「推薦……?」
彼女は身体の向きを俺へと変えた。
まさか……
「わたしは東条くんを隊長に推薦したいと思います」
「え、えええっ!?」
「えっ、ヤマト。なんでそんなに驚いてるの?」
レイは俺が驚いていることに対して驚いている様だった。
神崎さんも、直巳も特に俺が選ばれたことに対して驚いている様子はなかった。
「いや、だって、俺が隊長?2人の方がもっと強いと思うよ?」
「リーダーは“強さ”だけじゃ意味がないと思うんだ」
「え?」
「“人望”とか“勇気”とか“優しさ”とか……ただ強いだけのリーダーじゃ意味がないよ」
そうレイは言った。
確かに歴史上の暗愚な為政者はごまんといる。
だからこれまでに何千何万という人間が血を流し、死んでいったのだ。
それに為政者の辿った末路はどれも悲惨だ。
やはりただ強力な権力を持つだけでは意味がない。
「でも俺にそんなものがあるとは……」
「あるよ。君は自己評価が低いだけだ。過度な卑下は時に毒となるぞ」
「それに謙遜も過ぎれば不快になるしね。東条くんはもう少し自信を持っていいと思う」
森さんはそう言う。卑下、し過ぎだろうか。
どうも俺は自分を高く評価することが苦手な様だ。
高く評価しようとしても見えない何者かに睨まれている様な気がしてならない。
「……判った。俺がリーダーを、隊長をやるよ」
「判った、それじゃあ隊長は東条くんで決定……と」
彼女は胸ポケットから万年筆を取り出すと俺の名を書いた。
天冠には青いダイヤ──恐らく偽物だろう──が嵌めてあり、胴軸にはM.M.のイニシャルが刻印されている瀟洒なデザインの万年筆だ。
M.M.……森美波か。
(万年筆を使ってるなんて……珍しいな)
学生で使っている人は滅多にいないだろう。
高価で、メンテナンスが必要で、乾燥や気温差に弱くデリケートな代物だ。
彼女の書いた整った文字からそれに使い慣れていることが判る。
「さて、副隊長はどうしようか?」
「それはやっぱり……」
レイは森さんの肩に手を置いた。
「隊長に推薦した本人がやるべきでしょ!」
「……わたし?」
森さんは声色は普段と変わらないが驚いている様だった。
「ああ。美波チャンがやるべきだな」
「でも、レイちゃんの方がわたしよりも向いてると思うよ」
「あたし?あたしよりもミナミは仕事が丁寧だと思うんだ。リーダーをサポートするにはぴったりだと思ってる」
「……判った。それじゃあ副隊長はわたし……っと」
美波は再び万年筆を紙面に滑らせ、自身の氏名を書く。
彼女の白く細い指から生み出される文字は見る者を魅了する。
「それで……最後に部隊名はどうする?」
「部隊名か……ふむ……」
「うーん……なんかこういうのって拘りたいよね」
レイはそう言った。判る気がする。
ゲームなどでも進行上問題のない名前を付ける際に俺も拘る派の人間だ。
たまに動画共有サービスなどで動画を見ているとタイムアタックなどで主人公たちの名前に『ああああ』とかいうふざけた名前をつけている人間がいるが……ゲームはじっくりと楽しむ派である俺にはどうしても理解できない……と下らない話は置いておいて。
俺も名前をひたすら考えてみる。
「名前か……日本だとゲームとかで『ああああ』っていう名前が流行ってるって聞いたけど、一体どんな意味の言葉なの?」
早速レイがそう口にした。
「……『名前を決めるのが億劫』って意味、でいいんじゃねえか?」
「変なことを吹き込むな!……というかよくそんなことを知っているな、レイ。私には君が変な日本の文化ばかりを覚えている様な気がするよ」
「あはは……っていうか文化なのかな……?」
いつの間にか日本も変な文化が確立してしまったものだ。
「けどちっとも思いつかねえな……」
「とりあえず保留にしておかないか?別にそれの提出は今日じゃない。提出日までに考えておけばいいだろう」
「そうしようか。というかそろそろ戻った方がいいんじゃない?朝のSHRももうすぐだし」
「そうだな。また後でな」
そう言って神崎さんは自身の教室である1-Aへと戻って行った。
「それじゃあこの紙はわたしが預かっておくね」
「ああ。判った」
「おはよー、SHR始めるわよー」
姉さんがそう言って入ってくる。
俺たちもそれぞれの席に着くこととする。
この騒がしさは……。嫌な予感がした。
意識を集中させて近くにいる女子生徒たちの会話を聞いてみた。
「また誰か襲われたって?」
「そうみたいね。嫌な話だわ」
「イージスも警戒態勢を強化して見回ったらしいのに……自分も襲われるんじゃないかって不安になってくるね……」
あの時の襲撃者だ。
イージス学園側もそれなりの警戒態勢で町の巡回していたはずだ。
それでも襲撃を防げなかったなんて……。
俺は素性を知らない襲撃者のことを考えながら教室へと入った。
中では4人が1つの机に集まって紙に向かい合っていた。
「あ、おはよう」「おはよー」「おう、おはよう」「お早う」
「おはよう……って、なにしてるの?」
「ほら、東条センセーが『科と部隊についての希望を出す様に』って言ってたじゃん。みんな科は決まったみたいだから部隊について書こうとしてたの」
「へぇ?」
俺は4人の視線が収束しているその用紙を覗き込む。
用紙の上部には『部隊編成届』と大きく印刷されており、その下に『部隊名』『隊員氏名』といくつか記入欄が設けられている。
けれどどこも白紙だ。
「あれ、白紙じゃん。どうしたの?」
「いや、東条くんが来るまで待ってたの」
「待ってた?」
森さんは「そう」と答える。
「さっきまでここにはわたしを含めて4人、でもそれじゃあ『隊員数は最低でも5人』っていう条件を満たせない」
「だから君の名前も書こうとしたんだ。だが、森さんは『本人の意思を聞いてからの方がいい』と書かないで待っていたんだ」
「ああ……そういうことか。うん、俺は大丈夫だよ」
別に俺の名を書いていても構わなかったのだが本人の意思を聞いてからという森さんの気遣いから彼女の優しさが感じられた。
彼女は触れれば脆く崩れてしまいそうな、まるで蝶の様な雰囲気通りの性格らしい。
「そっか、それじゃあ隊長は誰にする?」
「ここはじゃんけんで……」
「いや、じゃんけんで選ぶべきものではないだろう。隊長という人間は。支援を行う私と赤城君を除く3人の中で誰か自分がリーダーをやろうという人間はいないか?」
そう神崎さんは言うが誰も自ら隊長などという役割を率先して務めたがる人間はいないだろう。
物静かな俺たちの中で情熱的そうなレイも手を挙げない。
「……いないか。無理もない。隊長という立場は皆をまとめ、部隊全体を守る存在だ。その責任の重さは相当だろう。だが、君たちは3人とも部隊をまとめ上げるに相応しい存在だと私は思っている」
「誰か……みんなを引っ張ってやるってヤツはいないか?」
神崎さんと直巳はそう俺たち3人に視線を固定したまま動かさない。
俺はそんな視線によって蜘蛛の網にかかった獲物の様に動けずにいた。
けれど俺の隣にいた森さんが手を挙げた。
「森さんか。君が隊長を務めるのか?」
「いや、わたしは“推薦”しようと思って」
「推薦……?」
彼女は身体の向きを俺へと変えた。
まさか……
「わたしは東条くんを隊長に推薦したいと思います」
「え、えええっ!?」
「えっ、ヤマト。なんでそんなに驚いてるの?」
レイは俺が驚いていることに対して驚いている様だった。
神崎さんも、直巳も特に俺が選ばれたことに対して驚いている様子はなかった。
「いや、だって、俺が隊長?2人の方がもっと強いと思うよ?」
「リーダーは“強さ”だけじゃ意味がないと思うんだ」
「え?」
「“人望”とか“勇気”とか“優しさ”とか……ただ強いだけのリーダーじゃ意味がないよ」
そうレイは言った。
確かに歴史上の暗愚な為政者はごまんといる。
だからこれまでに何千何万という人間が血を流し、死んでいったのだ。
それに為政者の辿った末路はどれも悲惨だ。
やはりただ強力な権力を持つだけでは意味がない。
「でも俺にそんなものがあるとは……」
「あるよ。君は自己評価が低いだけだ。過度な卑下は時に毒となるぞ」
「それに謙遜も過ぎれば不快になるしね。東条くんはもう少し自信を持っていいと思う」
森さんはそう言う。卑下、し過ぎだろうか。
どうも俺は自分を高く評価することが苦手な様だ。
高く評価しようとしても見えない何者かに睨まれている様な気がしてならない。
「……判った。俺がリーダーを、隊長をやるよ」
「判った、それじゃあ隊長は東条くんで決定……と」
彼女は胸ポケットから万年筆を取り出すと俺の名を書いた。
天冠には青いダイヤ──恐らく偽物だろう──が嵌めてあり、胴軸にはM.M.のイニシャルが刻印されている瀟洒なデザインの万年筆だ。
M.M.……森美波か。
(万年筆を使ってるなんて……珍しいな)
学生で使っている人は滅多にいないだろう。
高価で、メンテナンスが必要で、乾燥や気温差に弱くデリケートな代物だ。
彼女の書いた整った文字からそれに使い慣れていることが判る。
「さて、副隊長はどうしようか?」
「それはやっぱり……」
レイは森さんの肩に手を置いた。
「隊長に推薦した本人がやるべきでしょ!」
「……わたし?」
森さんは声色は普段と変わらないが驚いている様だった。
「ああ。美波チャンがやるべきだな」
「でも、レイちゃんの方がわたしよりも向いてると思うよ」
「あたし?あたしよりもミナミは仕事が丁寧だと思うんだ。リーダーをサポートするにはぴったりだと思ってる」
「……判った。それじゃあ副隊長はわたし……っと」
美波は再び万年筆を紙面に滑らせ、自身の氏名を書く。
彼女の白く細い指から生み出される文字は見る者を魅了する。
「それで……最後に部隊名はどうする?」
「部隊名か……ふむ……」
「うーん……なんかこういうのって拘りたいよね」
レイはそう言った。判る気がする。
ゲームなどでも進行上問題のない名前を付ける際に俺も拘る派の人間だ。
たまに動画共有サービスなどで動画を見ているとタイムアタックなどで主人公たちの名前に『ああああ』とかいうふざけた名前をつけている人間がいるが……ゲームはじっくりと楽しむ派である俺にはどうしても理解できない……と下らない話は置いておいて。
俺も名前をひたすら考えてみる。
「名前か……日本だとゲームとかで『ああああ』っていう名前が流行ってるって聞いたけど、一体どんな意味の言葉なの?」
早速レイがそう口にした。
「……『名前を決めるのが億劫』って意味、でいいんじゃねえか?」
「変なことを吹き込むな!……というかよくそんなことを知っているな、レイ。私には君が変な日本の文化ばかりを覚えている様な気がするよ」
「あはは……っていうか文化なのかな……?」
いつの間にか日本も変な文化が確立してしまったものだ。
「けどちっとも思いつかねえな……」
「とりあえず保留にしておかないか?別にそれの提出は今日じゃない。提出日までに考えておけばいいだろう」
「そうしようか。というかそろそろ戻った方がいいんじゃない?朝のSHRももうすぐだし」
「そうだな。また後でな」
そう言って神崎さんは自身の教室である1-Aへと戻って行った。
「それじゃあこの紙はわたしが預かっておくね」
「ああ。判った」
「おはよー、SHR始めるわよー」
姉さんがそう言って入ってくる。
俺たちもそれぞれの席に着くこととする。
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