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婚約者
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そうしてむかえた舞踏会当日。
レモンイエローのドレスを身にまとい、コテで巻かれた黒髪をハーフアップにして金のバレッタと百合の花で飾り、遥香は舞踏会の会場で壁に花になっていた。
本来踊る予定だったクロード王子は、道中の道が崩れたとかで迂回する羽目になり、馬車が遅れているらしい。
舞踏会もはじまってしまったことだし、婚約のお披露目はまた次回ということになりそうだった。
遥香の視線の先には、華やかな濃いピンクのドレス姿で、貴族の子弟たちと楽しそうに談笑しているアリスの姿がある。ハニーブロンドの髪は細かく編み込まれて一つにまとめられ、おくれ毛を撫でながらくすくすと微笑んでいる彼女の周りには、虫が蜜を求めて群がるかのように、次々と男性たちが集まっていた。
(いつもながら、すごいわ……)
あれだけの男を惹きつけるアリスの美貌もそうだが、あれだけの男性に囲まれても余裕の表情で対処している彼女はさすがである。遥香ならば緊張して挙動不審になってしまいそうだった。
「やぁねえ、主役がこんなところで」
ぽつん、と気配を消して壁と同化している遥香の元へ、シャンパングラスを片手にコレットがやってきた。酔っているのか、ほんのり頬が上気している。
コレットは遥香のためにアルコールの低い甘いカクテルを用意させた。
「今日は残念だったわね」
クロード王子のことを言っているのだろう。遥香は曖昧に笑った。
「大丈夫よ。仕方のないことだわ」
「そう? でも、だからといって壁の花になっていなくてもいいのよ」
「こっちのほうが落ち着くの」
遥香はカクテルを口に含んで、華やかな会場を見渡した。
「ダンスって苦手だし、おしゃべりも苦手だもの」
「困った子」
コレットは肩を落とした。そこへ、一人の青年がやってきて、にこやかにコレットに話しかける。確か、侯爵家の跡取り息子だったはずだ。
遥香はコレットの肩を軽く押した。
「ほら、お姉さま。こんなところでわたしに付き合ってないで、楽しんでらして」
「でも……」
「わたしは、ちょっと酔っちゃったみたい。中庭で涼んでくるわ」
遥香はコレットに向かって小さく手を振ると、中庭に続く硝子戸を押し開けた。自分が会場にいては、心配症の姉が楽しめないと判断したのだ。
遥香は中庭の噴水前のベンチに腰を下ろした。本当はほとんどお酒を飲まなかったため酔っていない。酔っていない体には春先の風は少々冷たすぎて、小さく身震いした。
コレットは残念と言ったけれど、遥香はクロードが間に合わなかったことに、少しだけホッとしていた。
婚約をなかったことにはできないけれど、まだ心の準備ができていないのだ。
自分の容姿は、おそらくクロード王子をがっかりさせることになるだろう。顔を知らない婚約者の、そのときのがっかりした表情を想像して、何度申し訳ない気持ちに襲われたことか。
遥香は持ってきた甘いカクテルを飲み干して、グラスをベンチの端においた。
春の朧がかった月を見上げて、ふーっと息を吐く。
そのとき――
「こんなところにいたのか」
すぐそばから低い声が聞こえて、遥香はびっくりした。
顔を上げれば噴水の近くに、金髪碧眼の青年が腕を組んで立っていた。
形のいい眉に整った鼻梁、口元、涼し気な目元にシャープな輪郭の、びっくりするくらいの美青年だった。だが、遥香はその顔を見た瞬間、心の中で首を傾げた。
(……あれ、この人?)
見たことがある気がしたのだ。
男はかつかつとブーツのかかとを鳴らしながら遥香に近づいてきた。月明かりの下、彼の顔がさっきよりも鮮明に浮かび上がる。
(あ――)
遥香は息を呑んだ。男の顔が、現実世界のある人と重なったからだ。ニューヨーク支社から転勤してきた八城弘貴と。違うのは髪と目の色だけで、あとはそっくりだった。
だが、当然、夢の中のリリーが八城弘貴を知っているはずはない。彼女は顔を上げると、目を丸くして首をひねった。
「あの……?」
見たことがない顔だったからだ。
男は仁王立ちで、じろじろと不躾に遥香の姿を見下ろした。そして、ふっと鼻先で嗤うと、
「間抜けな顔だ」
口もとをゆがめてそう告げる。
遥香は息を呑んだ。確かに自分は間抜けな顔かもしれないが、遥香はこの国の王女だ。思っていても口にする人はいない。
コレットやアリスであれば大声で「無礼者」と怒鳴りつけそうなものだが、遥香にはそんな気力や根性はなかった。
初対面なのに「間抜けな顔」という男の失礼さに小さな怒りを感じつつ、波風を立てたくない彼女はただうつむいて場をやり過ごそうとする。
男は黙ったままの遥香に、片眉を上げた。
「なんだ、言い返さんのか」
それでも黙ってうつむいていると、男がわずかにあいていた遥香との距離を詰めて、隣に腰を下ろして顔を覗き込んできた。
「気分でも悪いのか?」
小さく首を振ると、男がむっと眉を寄せた。
「口もきけないのか」
どうして見ず知らずの男に絡まれているのだろう。逃げ出したくても逃げ出せずに、遥香は自分の内気な性格を恨みながら縮こまる。
「いつまでここにいるつもりだ」
男は苛立ちを隠そうともしないで、不機嫌そうに言った。
「早くしないと舞踏会も終わるだろう」
そんなこと、彼に関係あるのだろうか。
遥香は顔を上げると、勇気を振り絞って返した。
「わたしのことなんて放っておいて、どうぞ、ダンスを楽しんでらして?」
噴水の音に消されてしまいそうなほどの小声でそう告げると、男が軽く瞠目した。
「……もしかして、俺のことを知らないのか?」
「え?」
遥香が細い首を傾げると、チッと舌打ちが聞こえた。
「やっぱりか。肖像画に目を通さなかったな」
「肖像画……?」
ますますわからない。
遥香が困った顔をしていると、男はうつむき加減の遥香の顎に手を当てて、くいっと上を向かせた。
「俺の顔を知らないんだろう?」
遥香は顎が固定された難しい体制で、ぎこちなく首を縦に振った。途端、はあ、とため息をつかれる。
「あきれる。婚約者の顔くらい覚えておけ」
「……え?」
遥香は徐々に目を見開いた。婚約者。彼はそう言わなかっただろうか。
「まだわからないのか? とろいにもほどがあるだろう。俺はクロード。お前の婚約者だ。覚えておけ」
イライラした口調でそう告げるクロードの青い瞳を見上げて、遥香は言葉を失った。
レモンイエローのドレスを身にまとい、コテで巻かれた黒髪をハーフアップにして金のバレッタと百合の花で飾り、遥香は舞踏会の会場で壁に花になっていた。
本来踊る予定だったクロード王子は、道中の道が崩れたとかで迂回する羽目になり、馬車が遅れているらしい。
舞踏会もはじまってしまったことだし、婚約のお披露目はまた次回ということになりそうだった。
遥香の視線の先には、華やかな濃いピンクのドレス姿で、貴族の子弟たちと楽しそうに談笑しているアリスの姿がある。ハニーブロンドの髪は細かく編み込まれて一つにまとめられ、おくれ毛を撫でながらくすくすと微笑んでいる彼女の周りには、虫が蜜を求めて群がるかのように、次々と男性たちが集まっていた。
(いつもながら、すごいわ……)
あれだけの男を惹きつけるアリスの美貌もそうだが、あれだけの男性に囲まれても余裕の表情で対処している彼女はさすがである。遥香ならば緊張して挙動不審になってしまいそうだった。
「やぁねえ、主役がこんなところで」
ぽつん、と気配を消して壁と同化している遥香の元へ、シャンパングラスを片手にコレットがやってきた。酔っているのか、ほんのり頬が上気している。
コレットは遥香のためにアルコールの低い甘いカクテルを用意させた。
「今日は残念だったわね」
クロード王子のことを言っているのだろう。遥香は曖昧に笑った。
「大丈夫よ。仕方のないことだわ」
「そう? でも、だからといって壁の花になっていなくてもいいのよ」
「こっちのほうが落ち着くの」
遥香はカクテルを口に含んで、華やかな会場を見渡した。
「ダンスって苦手だし、おしゃべりも苦手だもの」
「困った子」
コレットは肩を落とした。そこへ、一人の青年がやってきて、にこやかにコレットに話しかける。確か、侯爵家の跡取り息子だったはずだ。
遥香はコレットの肩を軽く押した。
「ほら、お姉さま。こんなところでわたしに付き合ってないで、楽しんでらして」
「でも……」
「わたしは、ちょっと酔っちゃったみたい。中庭で涼んでくるわ」
遥香はコレットに向かって小さく手を振ると、中庭に続く硝子戸を押し開けた。自分が会場にいては、心配症の姉が楽しめないと判断したのだ。
遥香は中庭の噴水前のベンチに腰を下ろした。本当はほとんどお酒を飲まなかったため酔っていない。酔っていない体には春先の風は少々冷たすぎて、小さく身震いした。
コレットは残念と言ったけれど、遥香はクロードが間に合わなかったことに、少しだけホッとしていた。
婚約をなかったことにはできないけれど、まだ心の準備ができていないのだ。
自分の容姿は、おそらくクロード王子をがっかりさせることになるだろう。顔を知らない婚約者の、そのときのがっかりした表情を想像して、何度申し訳ない気持ちに襲われたことか。
遥香は持ってきた甘いカクテルを飲み干して、グラスをベンチの端においた。
春の朧がかった月を見上げて、ふーっと息を吐く。
そのとき――
「こんなところにいたのか」
すぐそばから低い声が聞こえて、遥香はびっくりした。
顔を上げれば噴水の近くに、金髪碧眼の青年が腕を組んで立っていた。
形のいい眉に整った鼻梁、口元、涼し気な目元にシャープな輪郭の、びっくりするくらいの美青年だった。だが、遥香はその顔を見た瞬間、心の中で首を傾げた。
(……あれ、この人?)
見たことがある気がしたのだ。
男はかつかつとブーツのかかとを鳴らしながら遥香に近づいてきた。月明かりの下、彼の顔がさっきよりも鮮明に浮かび上がる。
(あ――)
遥香は息を呑んだ。男の顔が、現実世界のある人と重なったからだ。ニューヨーク支社から転勤してきた八城弘貴と。違うのは髪と目の色だけで、あとはそっくりだった。
だが、当然、夢の中のリリーが八城弘貴を知っているはずはない。彼女は顔を上げると、目を丸くして首をひねった。
「あの……?」
見たことがない顔だったからだ。
男は仁王立ちで、じろじろと不躾に遥香の姿を見下ろした。そして、ふっと鼻先で嗤うと、
「間抜けな顔だ」
口もとをゆがめてそう告げる。
遥香は息を呑んだ。確かに自分は間抜けな顔かもしれないが、遥香はこの国の王女だ。思っていても口にする人はいない。
コレットやアリスであれば大声で「無礼者」と怒鳴りつけそうなものだが、遥香にはそんな気力や根性はなかった。
初対面なのに「間抜けな顔」という男の失礼さに小さな怒りを感じつつ、波風を立てたくない彼女はただうつむいて場をやり過ごそうとする。
男は黙ったままの遥香に、片眉を上げた。
「なんだ、言い返さんのか」
それでも黙ってうつむいていると、男がわずかにあいていた遥香との距離を詰めて、隣に腰を下ろして顔を覗き込んできた。
「気分でも悪いのか?」
小さく首を振ると、男がむっと眉を寄せた。
「口もきけないのか」
どうして見ず知らずの男に絡まれているのだろう。逃げ出したくても逃げ出せずに、遥香は自分の内気な性格を恨みながら縮こまる。
「いつまでここにいるつもりだ」
男は苛立ちを隠そうともしないで、不機嫌そうに言った。
「早くしないと舞踏会も終わるだろう」
そんなこと、彼に関係あるのだろうか。
遥香は顔を上げると、勇気を振り絞って返した。
「わたしのことなんて放っておいて、どうぞ、ダンスを楽しんでらして?」
噴水の音に消されてしまいそうなほどの小声でそう告げると、男が軽く瞠目した。
「……もしかして、俺のことを知らないのか?」
「え?」
遥香が細い首を傾げると、チッと舌打ちが聞こえた。
「やっぱりか。肖像画に目を通さなかったな」
「肖像画……?」
ますますわからない。
遥香が困った顔をしていると、男はうつむき加減の遥香の顎に手を当てて、くいっと上を向かせた。
「俺の顔を知らないんだろう?」
遥香は顎が固定された難しい体制で、ぎこちなく首を縦に振った。途端、はあ、とため息をつかれる。
「あきれる。婚約者の顔くらい覚えておけ」
「……え?」
遥香は徐々に目を見開いた。婚約者。彼はそう言わなかっただろうか。
「まだわからないのか? とろいにもほどがあるだろう。俺はクロード。お前の婚約者だ。覚えておけ」
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