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別れ、そして帰還
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まだ夢見心地で、エレノアはふわふわとしていた。
「悪かったな。本当はお前に訊いてから準備を進めるつもりだったんだが――、許せ」
エレノアは今、ドレス姿のままサーシャロッドの膝の上に抱きかかえられていた。
キスをされて、サーシャロッドの指が、ドレスの背中のリボンをほどいていく。
背骨に沿って、つーっと指を這わされて、エレノアはハッとした。
「あ……、お風呂……」
風呂にはドレスに着替える前にも入ったが、化粧をしたし、汗もかいた。風呂で洗っていない体に指を這わされるのが恥ずかしくて身をよじるが、抵抗はあっさりとからめとられる。
「風呂はあとだ」
「でも……!」
「黙っていろ。……もう我慢できないし、するつもりもない」
そう言うなり、サーシャロッドはドレス姿のままエレノアをベッドに押し倒す。
すぐ真上からサーシャロッドに覗き込まれて、エレノアは真っ赤になった。
「さ、サーシャ様……、あの……」
「子作りは、帰ってきたからと言っただろう?」
――お前を抱くのは、お前が帰って来てから、寝室でだ。
サランシェス王家の離宮で、サーシャロッドに言われたことを思い出して、エレノアの肩がびくりと跳ねる。
「お前の心が追い付くまで待とうと思っていた。だが――、もういいだろう?」
サーシャロッドの顔が近づいて、首筋に舌を這わされる。思わず逃げ腰になるエレノアを押さえつけて、サーシャロッドの手がじらすようにドレスを乱していく。
「あ……、ま、って……、やっぱりお風呂……」
「だめだ」
サーシャロッドの手が背中に回り、体を軽く浮かせられて――
「もう待てない」
ウエディングドレスが、容赦なくはぎ取られた。
「ん……っ、も、やあ……っ」
ベッドの上で身をよじろうとすれば、サーシャロッドの手が優しく、けれども強引に押さえつける。
身に着けているものすべてを取り払われて、サーシャロッドの手で、唇で、舌で全身をくまなく愛撫されて、エレノアは息も絶え絶えだった。
エレノアが何度も首を振るから、編み込まれて結い上げられていたほとんど髪もほどけて、たくさんの花が散らされているベッドの上で広がる。
細い腰にはサーシャロッドの腕が回されて、エレノアの白い肌には無数の赤い花びらが散らされていた。
おへそのあたりをなめられて、エレノアは先ほどからぴくぴくと体を震わせている。
どろどろに溶かされたエレノアの胎内は、サーシャロッドの手が執拗に愛撫して、もう、頭がおかしくなりそうだった。
「エレノア――」
壮絶な色気を醸し出して、サーシャロッドがエレノアの耳元でささやく。
「もう大丈夫か?」
何が大丈夫なのかなんてわからない。
ただ、苦しいくらいに感じてしまって、とにかく楽になりたくて、エレノアはこくこくと頷いた。
しかし、サーシャロッドに足を大きく広げられて、エレノアは真っ青になる。
「や、だめっ、そんなの――」
全部見える。エレノアが慌てて逃げようとするが、それよりも先に半ば体を折りたたまれるようにして大きく足が広げられてしまった。
「や、やああぁ―――」
身をよじってなんとか足を閉ざそうとするエレノアの中心に、熱いものがあてがわれる。
「すまない。最初だけ、我慢してくれ」
サーシャロッドのかすれた声が耳朶に響いた直後――、襲ってきた痛みにエレノアは甲高い悲鳴を上げた。
「悪かったな。本当はお前に訊いてから準備を進めるつもりだったんだが――、許せ」
エレノアは今、ドレス姿のままサーシャロッドの膝の上に抱きかかえられていた。
キスをされて、サーシャロッドの指が、ドレスの背中のリボンをほどいていく。
背骨に沿って、つーっと指を這わされて、エレノアはハッとした。
「あ……、お風呂……」
風呂にはドレスに着替える前にも入ったが、化粧をしたし、汗もかいた。風呂で洗っていない体に指を這わされるのが恥ずかしくて身をよじるが、抵抗はあっさりとからめとられる。
「風呂はあとだ」
「でも……!」
「黙っていろ。……もう我慢できないし、するつもりもない」
そう言うなり、サーシャロッドはドレス姿のままエレノアをベッドに押し倒す。
すぐ真上からサーシャロッドに覗き込まれて、エレノアは真っ赤になった。
「さ、サーシャ様……、あの……」
「子作りは、帰ってきたからと言っただろう?」
――お前を抱くのは、お前が帰って来てから、寝室でだ。
サランシェス王家の離宮で、サーシャロッドに言われたことを思い出して、エレノアの肩がびくりと跳ねる。
「お前の心が追い付くまで待とうと思っていた。だが――、もういいだろう?」
サーシャロッドの顔が近づいて、首筋に舌を這わされる。思わず逃げ腰になるエレノアを押さえつけて、サーシャロッドの手がじらすようにドレスを乱していく。
「あ……、ま、って……、やっぱりお風呂……」
「だめだ」
サーシャロッドの手が背中に回り、体を軽く浮かせられて――
「もう待てない」
ウエディングドレスが、容赦なくはぎ取られた。
「ん……っ、も、やあ……っ」
ベッドの上で身をよじろうとすれば、サーシャロッドの手が優しく、けれども強引に押さえつける。
身に着けているものすべてを取り払われて、サーシャロッドの手で、唇で、舌で全身をくまなく愛撫されて、エレノアは息も絶え絶えだった。
エレノアが何度も首を振るから、編み込まれて結い上げられていたほとんど髪もほどけて、たくさんの花が散らされているベッドの上で広がる。
細い腰にはサーシャロッドの腕が回されて、エレノアの白い肌には無数の赤い花びらが散らされていた。
おへそのあたりをなめられて、エレノアは先ほどからぴくぴくと体を震わせている。
どろどろに溶かされたエレノアの胎内は、サーシャロッドの手が執拗に愛撫して、もう、頭がおかしくなりそうだった。
「エレノア――」
壮絶な色気を醸し出して、サーシャロッドがエレノアの耳元でささやく。
「もう大丈夫か?」
何が大丈夫なのかなんてわからない。
ただ、苦しいくらいに感じてしまって、とにかく楽になりたくて、エレノアはこくこくと頷いた。
しかし、サーシャロッドに足を大きく広げられて、エレノアは真っ青になる。
「や、だめっ、そんなの――」
全部見える。エレノアが慌てて逃げようとするが、それよりも先に半ば体を折りたたまれるようにして大きく足が広げられてしまった。
「や、やああぁ―――」
身をよじってなんとか足を閉ざそうとするエレノアの中心に、熱いものがあてがわれる。
「すまない。最初だけ、我慢してくれ」
サーシャロッドのかすれた声が耳朶に響いた直後――、襲ってきた痛みにエレノアは甲高い悲鳴を上げた。
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