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権力争いとはかくも虚しき
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「待て、どういう――」
「陛下、狼狽えられるのはわかりますがお静かにお願いします。それから、こちらの堕胎薬は王妃様がお望みになったものではありません。そうですよね?」
同様のあまり大声を上げそうになるアレクサンダーを制して、わたしはフランツィスカに訊ねた。
フランツィスカは強張った顔で大きく頷く。
「王妃様は、いつ頃に妊娠しているとお気づきになったんですか?」
「数日前よ。どうも体の様子がおかしくて……。気怠いというか、熱っぽいというか。それで侍医に診てもらったら、懐妊していると」
フランツィスカはわたしとそれからわたしの手にある薬湯の残りを交互に見て、戸惑うように視線を動かした。
「どうして知らせなかった」
アレクサンダーが責めるような響きのある声を出したので、わたしは「陛下」と彼を止める。ここでフランツィスカを非難してはいけない。アレクサンダーも動揺しているだろうが、フランツィスカはそれに輪をかけて動揺しているはずだ。
フランツィスカはそっと目を伏せて、まつげを震わせながら続けた。
「その……わたくしは、子が流れやすい体質なのだそうなのです。だから陛下には、流れる危険が去るまではお伝えしない方がいいだろうと。落胆させてしまいますから……」
「と、侍医が言ったんですよね?」
「ええ……」
「侍医にそれを最初に言われたのはいつですか?」
「え?」
フランツィスカは驚いたように顔を上げて、それからちょっと考えたあとで、「七年前ね」と答えた。
「ま、まてフランツィスカ。するとそなたは、以前にも懐妊したことがあるのか?」
アレクサンダーはおろおろしながら言った。
フランツィスカは子ができない。彼はずっとそう思っていて、だからジークレヒトとディートリヒを王太子候補にしたのだ。無事に生まれなかったにしても、フランツィスカが懐妊したことに驚きを隠せないようである。
フランツィスカが悲しそうに顔を伏せたので、わたしは彼女のかわりに答えた。
「おそらくですが、七年前と三年前、じゃないでしょうか?」
「……どうしてわかったの?」
「先ほど陛下がハルネス様と三年前と七年前にも同じことがあったとお話していましたから。たぶん、三年前と七年前にも、こちらの薬が処方されたはずです」
フランツィスカはハッと息を呑んだ。
「でも、だって……侍医は、その薬は子がお腹から流れるのを防ぐ薬だって……」
「違います」
フランツィスカが両手で口を覆う。
彼女の大きな目からぽろぽろと涙があふれると、アレクサンダーが慌てて彼女を抱きしめた。
「そんな……だって……」
「侍医が知らないはずはありません。おそらく故意的に、王妃様に堕胎薬を飲ませたのだと思われます」
ひどいことをするものだと眉を寄せて、わたしは再度フランツィスカの腹部に手を当てる。……うん。大丈夫。一時は危なかったけど、ちゃんと持ちこたえた。お腹の中のこの子は強い子だ。
アレクサンダーはしばらくフランツィスカを抱きしめていたが、侍医が連れていかれた扉を睨んで、低い声で「助かった、エレオノーラ」と呟く。
ここから先はわたしが出る幕ではない。
アレクサンダーが侍医を捕らえて吐かせるだろう。だからこれ以上は余計な言葉は必要ない。
「癒しをかけたので、子が流れる危機は回避されました。こればかりは確実にどうこう言える問題ではありませんが、安静にしていらっしゃれば、流れる危機も少ないと思います」
「では……」
「はい。ご安心ください。まだお腹にお子様はいらっしゃいますよ」
アレクサンダーが目を見開いて、フランツィスカの腹に視線を向けた。
フランツィスカが腹部に手を置くと、おずおずとその上に自分の手を重ねる。
見つめあう国王夫妻を微笑ましく思って見ていたわたしは、ふと、飲みかけの薬湯のほかに、別の薬包が棚の上に置かれているのを見つけた。
「これは……?」
「ああ、それは、昔から飲んでいるものなの。その……子ができやすくなる薬なんですって。侍医が……」
言いかけて、フランツィスカは息を呑む。
わたしは大きく頷いた。
フランツィスカに堕胎薬を飲ませるような侍医だ。この薬も、フランツィスカに説明した通り「子ができやすくなるもの」ではない可能性が高い。
わたしはフランツィスカの許可を得て薬包を開き、鼻を近づけて匂いを嗅いだ。それから小指の先に少量をつけてぺろりと舐めて、ぐっと眉を寄せる。
「……これも、侍医が持って来たと言いましたよね?」
わたしは自分の声がずいぶんと低くなっているのに気がついた。
だってこれは……、この薬に使われている薬草は、本来ならば人間界では手に入らない。
幻惑草と同じく、魔力で成長する薬草で、千年前に魔族が生活していた場所にしか生えなかったものだったからだ。
……幻惑草といい、これといい、なんでこんなものがここに……。
どちらにせよ、これを王妃に飲ませていた侍医は、この草に何の作用があるのかを理解していて処方していたということになる。
今すぐ侍医を問い詰めたいところだが、侍医を問い詰めるのは国王の仕事でわたしの仕事ではない。ここで不用意に口を挟むことはできなかった。
「それはなんだ?」
アレクサンダーが訊ねる。
わたしはこの草の生息条件などは伏せて、効能だけを答えることにした。
「これは、妊娠させやすくする薬ではなく妊娠しにくくなる薬……避妊薬ですよ」
「ああ……!」
王妃が声を上げて顔を覆う。
信頼していた侍医がずっと昔から自分を欺いていたのだ、王妃にとっては耐えがたい事実だろう。
アレクサンダーが怒りで顔を真っ赤に染めている。
「あのしれ者め‼ 今すぐに問い詰めてやる!」
「お待ちください」
今にも部屋から飛び出して行きそうなほど憤っているアレクサンダーを、わたしは両手を前にかざして止めた。侍医の件はわたしが口を出すべきではないと思ったが、今のアレクサンダーは怒りで冷静な判断ができていないように思える。差し出口だとは思うが、彼が冷静に戻るように多少の助言は必要だろう。
「何故止める!」
「陛下、少し冷静になってください。避妊薬に堕胎薬……これは、侍医の独断であるとは思えません」
「だから問い詰めて吐かせると――」
「王妃様にお子ができなくて得をするのは誰でしょう」
「……は?」
「直接にしろ間接にしろ、もしかしたら本人たちが与り知らないところで起こってしまった悲劇かもしれませんが、王妃様にお子ができなくて得をする人間でわたくしが思いつくのは二人……いえ、二家です」
アレクサンダーが瞠目して動きを止めた。
そう――
普通に考えれば、国王夫妻の間に子ができなくて得をするのは、王太子争いをしているジークレヒトとディートリヒだ。
もちろんわたしは、ディートリヒや彼の両親がこんなことをするとは思っていない。
けれども、本人たちが与り知らないところで、両者を推す勢力の誰かがこのような暴挙に及ぶ可能性もゼロではない。
これを公表すれば、国に混乱を招くことになるだろう。
犯人探しをするにしても慎重に動く必要がある案件だ。
アレクサンダーもわたしの言わんとすることがわかったのか、愕然とした面持ちでベッドの縁に座りなおした。
「……そうだな。この件は、慎重に慎重を重ねて精査する必要がある」
「はい……」
ジークレヒトやディートリヒが直接関与していなくて、彼らのどちらかを推す何者かが独断で動いてことであっても、ジークレヒトやディートリヒも無傷とはいかない。
情報が下手に外部に漏れれば、国を挙げての犯人探しに発展する可能性もあり、下手をすれば国内が大きく乱れる可能性も出てくる。
真相をうやむやにしろとは言わないが、暴くにしても慎重に、そして公表するのであればなおのこと配慮しなければならない問題だ。
アレクサンダーは腹に溜まった怒りを吐き出すように大きく息を吐き、静かに「対応についてはこれから考えよう」と言う。
本当は今すぐにでも犯人を捕らえて相応の処罰がしたいだろうに、そう言って怒りを抑え込む彼は、まさしく王だと思った。
「陛下、狼狽えられるのはわかりますがお静かにお願いします。それから、こちらの堕胎薬は王妃様がお望みになったものではありません。そうですよね?」
同様のあまり大声を上げそうになるアレクサンダーを制して、わたしはフランツィスカに訊ねた。
フランツィスカは強張った顔で大きく頷く。
「王妃様は、いつ頃に妊娠しているとお気づきになったんですか?」
「数日前よ。どうも体の様子がおかしくて……。気怠いというか、熱っぽいというか。それで侍医に診てもらったら、懐妊していると」
フランツィスカはわたしとそれからわたしの手にある薬湯の残りを交互に見て、戸惑うように視線を動かした。
「どうして知らせなかった」
アレクサンダーが責めるような響きのある声を出したので、わたしは「陛下」と彼を止める。ここでフランツィスカを非難してはいけない。アレクサンダーも動揺しているだろうが、フランツィスカはそれに輪をかけて動揺しているはずだ。
フランツィスカはそっと目を伏せて、まつげを震わせながら続けた。
「その……わたくしは、子が流れやすい体質なのだそうなのです。だから陛下には、流れる危険が去るまではお伝えしない方がいいだろうと。落胆させてしまいますから……」
「と、侍医が言ったんですよね?」
「ええ……」
「侍医にそれを最初に言われたのはいつですか?」
「え?」
フランツィスカは驚いたように顔を上げて、それからちょっと考えたあとで、「七年前ね」と答えた。
「ま、まてフランツィスカ。するとそなたは、以前にも懐妊したことがあるのか?」
アレクサンダーはおろおろしながら言った。
フランツィスカは子ができない。彼はずっとそう思っていて、だからジークレヒトとディートリヒを王太子候補にしたのだ。無事に生まれなかったにしても、フランツィスカが懐妊したことに驚きを隠せないようである。
フランツィスカが悲しそうに顔を伏せたので、わたしは彼女のかわりに答えた。
「おそらくですが、七年前と三年前、じゃないでしょうか?」
「……どうしてわかったの?」
「先ほど陛下がハルネス様と三年前と七年前にも同じことがあったとお話していましたから。たぶん、三年前と七年前にも、こちらの薬が処方されたはずです」
フランツィスカはハッと息を呑んだ。
「でも、だって……侍医は、その薬は子がお腹から流れるのを防ぐ薬だって……」
「違います」
フランツィスカが両手で口を覆う。
彼女の大きな目からぽろぽろと涙があふれると、アレクサンダーが慌てて彼女を抱きしめた。
「そんな……だって……」
「侍医が知らないはずはありません。おそらく故意的に、王妃様に堕胎薬を飲ませたのだと思われます」
ひどいことをするものだと眉を寄せて、わたしは再度フランツィスカの腹部に手を当てる。……うん。大丈夫。一時は危なかったけど、ちゃんと持ちこたえた。お腹の中のこの子は強い子だ。
アレクサンダーはしばらくフランツィスカを抱きしめていたが、侍医が連れていかれた扉を睨んで、低い声で「助かった、エレオノーラ」と呟く。
ここから先はわたしが出る幕ではない。
アレクサンダーが侍医を捕らえて吐かせるだろう。だからこれ以上は余計な言葉は必要ない。
「癒しをかけたので、子が流れる危機は回避されました。こればかりは確実にどうこう言える問題ではありませんが、安静にしていらっしゃれば、流れる危機も少ないと思います」
「では……」
「はい。ご安心ください。まだお腹にお子様はいらっしゃいますよ」
アレクサンダーが目を見開いて、フランツィスカの腹に視線を向けた。
フランツィスカが腹部に手を置くと、おずおずとその上に自分の手を重ねる。
見つめあう国王夫妻を微笑ましく思って見ていたわたしは、ふと、飲みかけの薬湯のほかに、別の薬包が棚の上に置かれているのを見つけた。
「これは……?」
「ああ、それは、昔から飲んでいるものなの。その……子ができやすくなる薬なんですって。侍医が……」
言いかけて、フランツィスカは息を呑む。
わたしは大きく頷いた。
フランツィスカに堕胎薬を飲ませるような侍医だ。この薬も、フランツィスカに説明した通り「子ができやすくなるもの」ではない可能性が高い。
わたしはフランツィスカの許可を得て薬包を開き、鼻を近づけて匂いを嗅いだ。それから小指の先に少量をつけてぺろりと舐めて、ぐっと眉を寄せる。
「……これも、侍医が持って来たと言いましたよね?」
わたしは自分の声がずいぶんと低くなっているのに気がついた。
だってこれは……、この薬に使われている薬草は、本来ならば人間界では手に入らない。
幻惑草と同じく、魔力で成長する薬草で、千年前に魔族が生活していた場所にしか生えなかったものだったからだ。
……幻惑草といい、これといい、なんでこんなものがここに……。
どちらにせよ、これを王妃に飲ませていた侍医は、この草に何の作用があるのかを理解していて処方していたということになる。
今すぐ侍医を問い詰めたいところだが、侍医を問い詰めるのは国王の仕事でわたしの仕事ではない。ここで不用意に口を挟むことはできなかった。
「それはなんだ?」
アレクサンダーが訊ねる。
わたしはこの草の生息条件などは伏せて、効能だけを答えることにした。
「これは、妊娠させやすくする薬ではなく妊娠しにくくなる薬……避妊薬ですよ」
「ああ……!」
王妃が声を上げて顔を覆う。
信頼していた侍医がずっと昔から自分を欺いていたのだ、王妃にとっては耐えがたい事実だろう。
アレクサンダーが怒りで顔を真っ赤に染めている。
「あのしれ者め‼ 今すぐに問い詰めてやる!」
「お待ちください」
今にも部屋から飛び出して行きそうなほど憤っているアレクサンダーを、わたしは両手を前にかざして止めた。侍医の件はわたしが口を出すべきではないと思ったが、今のアレクサンダーは怒りで冷静な判断ができていないように思える。差し出口だとは思うが、彼が冷静に戻るように多少の助言は必要だろう。
「何故止める!」
「陛下、少し冷静になってください。避妊薬に堕胎薬……これは、侍医の独断であるとは思えません」
「だから問い詰めて吐かせると――」
「王妃様にお子ができなくて得をするのは誰でしょう」
「……は?」
「直接にしろ間接にしろ、もしかしたら本人たちが与り知らないところで起こってしまった悲劇かもしれませんが、王妃様にお子ができなくて得をする人間でわたくしが思いつくのは二人……いえ、二家です」
アレクサンダーが瞠目して動きを止めた。
そう――
普通に考えれば、国王夫妻の間に子ができなくて得をするのは、王太子争いをしているジークレヒトとディートリヒだ。
もちろんわたしは、ディートリヒや彼の両親がこんなことをするとは思っていない。
けれども、本人たちが与り知らないところで、両者を推す勢力の誰かがこのような暴挙に及ぶ可能性もゼロではない。
これを公表すれば、国に混乱を招くことになるだろう。
犯人探しをするにしても慎重に動く必要がある案件だ。
アレクサンダーもわたしの言わんとすることがわかったのか、愕然とした面持ちでベッドの縁に座りなおした。
「……そうだな。この件は、慎重に慎重を重ねて精査する必要がある」
「はい……」
ジークレヒトやディートリヒが直接関与していなくて、彼らのどちらかを推す何者かが独断で動いてことであっても、ジークレヒトやディートリヒも無傷とはいかない。
情報が下手に外部に漏れれば、国を挙げての犯人探しに発展する可能性もあり、下手をすれば国内が大きく乱れる可能性も出てくる。
真相をうやむやにしろとは言わないが、暴くにしても慎重に、そして公表するのであればなおのこと配慮しなければならない問題だ。
アレクサンダーは腹に溜まった怒りを吐き出すように大きく息を吐き、静かに「対応についてはこれから考えよう」と言う。
本当は今すぐにでも犯人を捕らえて相応の処罰がしたいだろうに、そう言って怒りを抑え込む彼は、まさしく王だと思った。
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