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プロローグ 魔王の娘、転生する
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「痛い……」
死が差し迫ったとき、人は走馬灯のように昔の記憶を思い出すというが、それはどうやら事実のようだ。
しかしわたし、エレオノーラ・クラッセンに限っては、「昔の記憶」というのはどうやら「エレオノーラ・クラッセン」になる前の記憶のことを指していたらしかった。
それはわたしが五歳児で、しかもほぼ毎日暗い物置のような部屋に閉じ込められて生活していたため持っている記憶が少なすぎたのか、それとも単に、前世が特殊すぎたからなのかはわからない。
しかしわたしは、今まさに大量出血と骨折と内臓破裂で死にゆこうとしている中で、思い出してしまった。
――前世が、魔王の娘だったという事実を、だ。
それは千年前。
この世界には、人間のほかに、魔族と呼ばれる種族が存在していた。
魔族と聞くとおどろおどろしいものを存在する人がほとんどだろう。
なぜなら今の時代に残っている魔術の記録は改竄されていて、耳まで口が裂け顎ほどまでもある犬歯を生やした化け物だとか、蝙蝠のような羽を生やした不気味な種族だとか、あたかもそれが異形で、滅ぼされて当然であった「悪」であるかのように書かれているからだ。
けれどもわたしは知っている。
前世のわたしを含め、彼ら魔族は、人とは何ら変わりのない種族であったということを。
人間と魔族は確かにある一点においては違いがあった。
それは、魔族の体には魔力が宿っていて、魔術と言われる特別な力を行使できるという点だ。
人間はそのように魔力を持ち魔術が使える「人間」に「魔族」という呼び名をつけ、自分たちとは異なる異形の集団で、神に仇成す存在だと恐れ蔑んだ。
魔族は大陸の中でも端の端に追いやられ、彼らはそこに魔族だけの王国を築き、特に強い魔力を持った一族を王とした。それが魔王だ。
人間は魔族の住む地には決して近づかず、けれども自分たちがあたかも正義であるかのようにふるまった。
魔族は人間が何を言おうと気にしなかったが、今思えばそれが間違いだったのかもしれない。
魔族の国が興って数百年のち。
それは、突然起きてしまった。
――そう、今の時代には「聖魔戦争」と記録されている、一方的な殺戮だ。
聖魔戦争の発端は、人間の世界にのちに「聖女」と呼ばれることになる一人の娘、ヘレナが誕生したことだった。
魔力を持たない人間の中には、時折癒しの力――人間たちはそれを「聖力」と呼んだが――を持った女性が現れることがあった。
人は、その癒しの力を女神の力だと言い、力を持って生まれた女性を神聖視していたが、その中でも特に強い力を持って生まれたのがヘレナだった。
わたしに言われせれば、人が魔族と呼ぶ我々だって傷や病を癒すことはできたけれど、魔族を悪と蔑む彼らはその事実をきれいさっぱり無視をした。
都合の悪いことには目を背けるのは、彼ら人間の得意とするところなので、わたしたちも別段何も感じなかった。
彼らは彼らで勝手に生きるし、わたしたちもわたしたちで勝手に生きる。それでいいではないかと思っていたのだ。
しかし人間側は違った。
彼らは人間と違う驚異の力を魔族を、この世から消し去りたくて仕方がなかったのだ。
人間はヘレナを「初代聖女」として担ぎ上げ、聖魔戦争を起こした。
魔族の数は少ないが、魔力と言う圧倒的な力を有していた魔族は、いくら人間が攻め込んで来ようとも負けるはずがない――わたしもはじめは、そう思っていた。
わたしたちは知らなかったのだ。
聖女の持つ癒しの力は、魔族の持つ魔力とは正反対の力であり、その力がわたしたちの魔力を打ち消してしまうと言うことを。
気づいたときには遅かった。
なるほどヘレナは、確かにとてつもなく強い「聖女」だったのだ。
彼女は一人でわたしたち魔族の魔力を打ち消した。
わたしたち魔族は、魔力が打ち消されてしまえばただの人だ。
圧倒的な数を誇る人間を前に、わたしたちはなす術もなく滅んだ。
目の前で友達を殺された。母を、魔王であった父を殺された。
わたしたちを嬲り殺した勇者と聖女とその一行の、下卑た嗤いは今でも忘れない。
そして、私たちは滅んだ。
千年前に――
「の、はずなんだけど……」
わたしはむくりと起き上がった。
腕や足、背中に走った裂傷も、破裂した内臓も、ぐにゃりとあり得ない方向に曲がっていた足も、前世の記憶を思い出すと同時にすべてが元通りになっていた。
どうやら昔を思い出している間に、無意識のうちに自分の傷を癒していたのだろう。
わたしはガリガリの折れそうな小さな手を見つめて考える。
五歳児の手だ、魔王の娘――サンドリアの死んだときに比べるとかなり小さく頼りない。
けれども、わたしは確かに、自分の中に流れる「魔力」を感じた。どうやら記憶が戻った瞬間に魔力まで戻ってしまったらしい。
幸か不幸かこの力のおかげで瀕死の重傷は癒えたようだが、はて、この状況をどうしたものか。
わたしは目の前にそびえたつ絶壁を見上げる。
わたしエレオノーラ・クラッセンが重傷を負っていたのは、この高くごつごつした崖の上から突き落とされたからだ。――一歳年下の、四歳の異母妹に。
「怪我は治ったけど……服はねえ」
わたしは手のひらの次に自分の服を見る。
死ぬほどの怪我を負っていたのだ、もともとボロボロだった服はさらにぼろ雑巾のようになっていて、さらに血みどろである。
この状況でわたしが無傷だと、父や義母、異母妹はわたしのことを今まで以上に「化け物」だと思うだろう。
わたしはとりあえず崖の下に座って考えた。
わたしの髪は鴉の羽のように真っ黒で、瞳も黒曜石のような黒だ。
黒は、魔族の色だ。
千年前に滅んだ魔族は、黒い色を持って生まれることが多かった。髪だけだったり、瞳だけだったりすることもあったが、どうやら体に魔力が流れていると「黒」の色が出ることが多いらしい。
もちろん黒と魔力のつながりを知っているのは魔族だけで人間は知らなかったようだが、人間は「黒」を魔族の象徴として恐れ、千年前に至っては、人間は、我が子が黒を持って生まれるだけで殺していたと聞いた。
魔族が滅び千年たった今も、昔ほどではないにしても、やはり「黒」は嫌われる色だった。
そんな黒を持って生まれたわたしは、父からひどく疎まれていた。
母はわたしを生んですぐに死んだらしいのでよくわからない。
けれども母が死んで間もなくやって来た義母も、その後誕生した異母妹も、わたしのこの色を嫌がり、気味が悪い化け物だと罵った。
おかげでクラッセン伯爵家の長女であり、正当な跡取りであるわたしは、五歳にして狭くて暗い部屋に押し込められて、食事もろくに与えられていない。おかげでガリガリというわけだ。
そんなわたしが、この高さからの崖から落ちて、しかも血みどろな格好なのに無傷でぴんぴんしていたらどうだろう。
「さらに化け物だって騒がれるでしょうね。でもどうしたものかしら……」
せっかく怪我が治って灼熱を浴びたような激痛からも解放されたのに、怪しまれないようにするために自分で自分を傷つけるのは嫌だった。痛いのは好きではないからだ。
けれども大人でも死ぬであろうこの高さのがけから転落して無傷と言うのはあまりにも変に思われるだろう。
……目くらましをするしかなさそうね。
わたしはむーんと唸って、にぎにぎと小さな手を握ったり開いたりしながら考える。
どうやら前世と同等の魔力がこの体には宿っているようだ。魔術の知識は魔王の娘サンドリアだった時の知識がそっくりそのまま記憶に残っている。
問題は、初代聖女と同じ髪の色を持って生まれてきた異母妹ユリアの存在だが、思うに、あれはたまたま似た色の髪をして生まれただけで、聖女とは異なるものだと思うのだ。
前世の記憶が蘇ったわたしは、ユリアに特別な力が宿っていないことくらいわかるのである。
「よし!」
ということは、わたしが魔術を使っても気がつく人間は誰もいないと言うことだ。
千年たった今でも聖女は時折誕生していると聞くが、確か今の時代はちょうど聖女が途切れているはずだった。百年前に当時の聖女が死んで以来、新しく聖女に選ばれた女性はいないという。
わたしはさっそく目くらましの魔術を発動させた。
他人の目には、わたしは死なない程度の大怪我を負っているように見えるだろう。
あとはわたしが、痛がる演技をすればそれでいいのだ。
……足音が聞こえてきたわ!
わたしが死んでいると思っているのか、こちらに近づいてくる足音は複数なのに、誰一人急いでいない。
何やら話し声も聞こえるので、魔術で聴力を強化して見れば、父のゲオルグと義母カサンドラ、それから使用人たちの声がした。
――まったく面倒くさいことになった。いいか、ユリアはアレを突き落としたりしていない。アレが勝手に足を踏み外して落ちたのだ。わかったな?
ゲオルグが使用人たちにイライラした口調で命じているのが聞こえる。
――まあいいじゃないの。化け物が死んだだけなんだから。
カサンドラのくすくす笑いも聞こえる。
別に心配されるとはこれっぽっちも思っていなかったが、さすがにこれにはムカついた。
ムカムカしながら痛がる演技をしつつ待っていると、ようやく到着したゲオルグたちは驚愕し、カサンドラはうめき声をあげるわたしを見て悲鳴を上げた。
「きゃああああああ‼ なんなの⁉ どうして生きているの⁉」
その、今にも卒倒しそうな悲鳴には、ちょっとだけ溜飲が下がった。
ざまあみろ。
死が差し迫ったとき、人は走馬灯のように昔の記憶を思い出すというが、それはどうやら事実のようだ。
しかしわたし、エレオノーラ・クラッセンに限っては、「昔の記憶」というのはどうやら「エレオノーラ・クラッセン」になる前の記憶のことを指していたらしかった。
それはわたしが五歳児で、しかもほぼ毎日暗い物置のような部屋に閉じ込められて生活していたため持っている記憶が少なすぎたのか、それとも単に、前世が特殊すぎたからなのかはわからない。
しかしわたしは、今まさに大量出血と骨折と内臓破裂で死にゆこうとしている中で、思い出してしまった。
――前世が、魔王の娘だったという事実を、だ。
それは千年前。
この世界には、人間のほかに、魔族と呼ばれる種族が存在していた。
魔族と聞くとおどろおどろしいものを存在する人がほとんどだろう。
なぜなら今の時代に残っている魔術の記録は改竄されていて、耳まで口が裂け顎ほどまでもある犬歯を生やした化け物だとか、蝙蝠のような羽を生やした不気味な種族だとか、あたかもそれが異形で、滅ぼされて当然であった「悪」であるかのように書かれているからだ。
けれどもわたしは知っている。
前世のわたしを含め、彼ら魔族は、人とは何ら変わりのない種族であったということを。
人間と魔族は確かにある一点においては違いがあった。
それは、魔族の体には魔力が宿っていて、魔術と言われる特別な力を行使できるという点だ。
人間はそのように魔力を持ち魔術が使える「人間」に「魔族」という呼び名をつけ、自分たちとは異なる異形の集団で、神に仇成す存在だと恐れ蔑んだ。
魔族は大陸の中でも端の端に追いやられ、彼らはそこに魔族だけの王国を築き、特に強い魔力を持った一族を王とした。それが魔王だ。
人間は魔族の住む地には決して近づかず、けれども自分たちがあたかも正義であるかのようにふるまった。
魔族は人間が何を言おうと気にしなかったが、今思えばそれが間違いだったのかもしれない。
魔族の国が興って数百年のち。
それは、突然起きてしまった。
――そう、今の時代には「聖魔戦争」と記録されている、一方的な殺戮だ。
聖魔戦争の発端は、人間の世界にのちに「聖女」と呼ばれることになる一人の娘、ヘレナが誕生したことだった。
魔力を持たない人間の中には、時折癒しの力――人間たちはそれを「聖力」と呼んだが――を持った女性が現れることがあった。
人は、その癒しの力を女神の力だと言い、力を持って生まれた女性を神聖視していたが、その中でも特に強い力を持って生まれたのがヘレナだった。
わたしに言われせれば、人が魔族と呼ぶ我々だって傷や病を癒すことはできたけれど、魔族を悪と蔑む彼らはその事実をきれいさっぱり無視をした。
都合の悪いことには目を背けるのは、彼ら人間の得意とするところなので、わたしたちも別段何も感じなかった。
彼らは彼らで勝手に生きるし、わたしたちもわたしたちで勝手に生きる。それでいいではないかと思っていたのだ。
しかし人間側は違った。
彼らは人間と違う驚異の力を魔族を、この世から消し去りたくて仕方がなかったのだ。
人間はヘレナを「初代聖女」として担ぎ上げ、聖魔戦争を起こした。
魔族の数は少ないが、魔力と言う圧倒的な力を有していた魔族は、いくら人間が攻め込んで来ようとも負けるはずがない――わたしもはじめは、そう思っていた。
わたしたちは知らなかったのだ。
聖女の持つ癒しの力は、魔族の持つ魔力とは正反対の力であり、その力がわたしたちの魔力を打ち消してしまうと言うことを。
気づいたときには遅かった。
なるほどヘレナは、確かにとてつもなく強い「聖女」だったのだ。
彼女は一人でわたしたち魔族の魔力を打ち消した。
わたしたち魔族は、魔力が打ち消されてしまえばただの人だ。
圧倒的な数を誇る人間を前に、わたしたちはなす術もなく滅んだ。
目の前で友達を殺された。母を、魔王であった父を殺された。
わたしたちを嬲り殺した勇者と聖女とその一行の、下卑た嗤いは今でも忘れない。
そして、私たちは滅んだ。
千年前に――
「の、はずなんだけど……」
わたしはむくりと起き上がった。
腕や足、背中に走った裂傷も、破裂した内臓も、ぐにゃりとあり得ない方向に曲がっていた足も、前世の記憶を思い出すと同時にすべてが元通りになっていた。
どうやら昔を思い出している間に、無意識のうちに自分の傷を癒していたのだろう。
わたしはガリガリの折れそうな小さな手を見つめて考える。
五歳児の手だ、魔王の娘――サンドリアの死んだときに比べるとかなり小さく頼りない。
けれども、わたしは確かに、自分の中に流れる「魔力」を感じた。どうやら記憶が戻った瞬間に魔力まで戻ってしまったらしい。
幸か不幸かこの力のおかげで瀕死の重傷は癒えたようだが、はて、この状況をどうしたものか。
わたしは目の前にそびえたつ絶壁を見上げる。
わたしエレオノーラ・クラッセンが重傷を負っていたのは、この高くごつごつした崖の上から突き落とされたからだ。――一歳年下の、四歳の異母妹に。
「怪我は治ったけど……服はねえ」
わたしは手のひらの次に自分の服を見る。
死ぬほどの怪我を負っていたのだ、もともとボロボロだった服はさらにぼろ雑巾のようになっていて、さらに血みどろである。
この状況でわたしが無傷だと、父や義母、異母妹はわたしのことを今まで以上に「化け物」だと思うだろう。
わたしはとりあえず崖の下に座って考えた。
わたしの髪は鴉の羽のように真っ黒で、瞳も黒曜石のような黒だ。
黒は、魔族の色だ。
千年前に滅んだ魔族は、黒い色を持って生まれることが多かった。髪だけだったり、瞳だけだったりすることもあったが、どうやら体に魔力が流れていると「黒」の色が出ることが多いらしい。
もちろん黒と魔力のつながりを知っているのは魔族だけで人間は知らなかったようだが、人間は「黒」を魔族の象徴として恐れ、千年前に至っては、人間は、我が子が黒を持って生まれるだけで殺していたと聞いた。
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そんな黒を持って生まれたわたしは、父からひどく疎まれていた。
母はわたしを生んですぐに死んだらしいのでよくわからない。
けれども母が死んで間もなくやって来た義母も、その後誕生した異母妹も、わたしのこの色を嫌がり、気味が悪い化け物だと罵った。
おかげでクラッセン伯爵家の長女であり、正当な跡取りであるわたしは、五歳にして狭くて暗い部屋に押し込められて、食事もろくに与えられていない。おかげでガリガリというわけだ。
そんなわたしが、この高さからの崖から落ちて、しかも血みどろな格好なのに無傷でぴんぴんしていたらどうだろう。
「さらに化け物だって騒がれるでしょうね。でもどうしたものかしら……」
せっかく怪我が治って灼熱を浴びたような激痛からも解放されたのに、怪しまれないようにするために自分で自分を傷つけるのは嫌だった。痛いのは好きではないからだ。
けれども大人でも死ぬであろうこの高さのがけから転落して無傷と言うのはあまりにも変に思われるだろう。
……目くらましをするしかなさそうね。
わたしはむーんと唸って、にぎにぎと小さな手を握ったり開いたりしながら考える。
どうやら前世と同等の魔力がこの体には宿っているようだ。魔術の知識は魔王の娘サンドリアだった時の知識がそっくりそのまま記憶に残っている。
問題は、初代聖女と同じ髪の色を持って生まれてきた異母妹ユリアの存在だが、思うに、あれはたまたま似た色の髪をして生まれただけで、聖女とは異なるものだと思うのだ。
前世の記憶が蘇ったわたしは、ユリアに特別な力が宿っていないことくらいわかるのである。
「よし!」
ということは、わたしが魔術を使っても気がつく人間は誰もいないと言うことだ。
千年たった今でも聖女は時折誕生していると聞くが、確か今の時代はちょうど聖女が途切れているはずだった。百年前に当時の聖女が死んで以来、新しく聖女に選ばれた女性はいないという。
わたしはさっそく目くらましの魔術を発動させた。
他人の目には、わたしは死なない程度の大怪我を負っているように見えるだろう。
あとはわたしが、痛がる演技をすればそれでいいのだ。
……足音が聞こえてきたわ!
わたしが死んでいると思っているのか、こちらに近づいてくる足音は複数なのに、誰一人急いでいない。
何やら話し声も聞こえるので、魔術で聴力を強化して見れば、父のゲオルグと義母カサンドラ、それから使用人たちの声がした。
――まったく面倒くさいことになった。いいか、ユリアはアレを突き落としたりしていない。アレが勝手に足を踏み外して落ちたのだ。わかったな?
ゲオルグが使用人たちにイライラした口調で命じているのが聞こえる。
――まあいいじゃないの。化け物が死んだだけなんだから。
カサンドラのくすくす笑いも聞こえる。
別に心配されるとはこれっぽっちも思っていなかったが、さすがにこれにはムカついた。
ムカムカしながら痛がる演技をしつつ待っていると、ようやく到着したゲオルグたちは驚愕し、カサンドラはうめき声をあげるわたしを見て悲鳴を上げた。
「きゃああああああ‼ なんなの⁉ どうして生きているの⁉」
その、今にも卒倒しそうな悲鳴には、ちょっとだけ溜飲が下がった。
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