8 / 36
突然の解雇宣言 4
しおりを挟む
エイジェリンは大通りに向かってとぼとぼと歩いていた。
幸いにして手持ちの金はまだあるから、ホテルを借りられるけれど、早く次の就職先を見つけなければ、それこそ路上で生活することになってしまうだろう。
冬がはじまったばかりとはいえ、朝と夜はとても寒くなった。路上で生活することになったら、凍え死んでしまう。
エイジェリンはコートの襟を立てて、首をすくめながら、冷たい風が通り過ぎていく石畳の道を進む。
(伯父様も伯母様も、もう会ってはくれないわよね。おじい様とおばあ様の耳にも、モーテン子爵の話は届いているでしょうし……二度と会いたくないはずよ)
伯父夫婦も、祖父母も頼ることはできない。ハーパー伯爵家は婚約者に奪われたので、なおのこと戻れなかった。行く当てはない。
一時間ほど歩いて、歩きつかれたエイジェリンは、大通りの近くの噴水公演で休憩することにした。
日は暮れはじめたがまだ明るい。長居はできないだろうが、十分ほど休憩する時間はあるだろう。
噴水の近くは寒いので、離れたところのベンチに座って、エイジェリンはふーっと空に向かって息を吐いた。
解雇されたショックで溢れた涙は落ち着いたけれど、泣いたからか頭がぼーっとする。
エイジェリンは、無意識のうちに左の手首に触れた。そこには、エイジェリンの瞳と同じ色の、小粒のルビーのブレスレットがある。
これは、エイジェリンの父が社交デビューを記念して十四歳の時に贈ってくれたもので、ハーパー伯爵家から持ち出せた唯一のものだった。
もともとは、これはエイジェリンの母の持ち物だったらしい。
エイジェリンの母が逝去したあと、ほどなくして父は再婚し、その時に母の持ち物のほとんどは義母のものとなってしまったが、このブレスレットだけはエイジェリンに渡そうと大切にしまっておいてくれたそうだ。
髪の色はお父様そっくりで可哀そうなことをしたが、瞳の色はお母様と同じでとても綺麗なルビー色だよと言って笑った父も、もういない。
父もまさか、自分が死んだ後に娘が伯爵家を追い出されることになるとは思わなかっただろう。
(このブレスレットは、できれば売りたくないわ……)
どうしても生活に困ったら手放すことになるかもしれないけれど、できればずっと手元に持っておきたい。父と母の、唯一の形見なのだ。これを手放さないで済むように、早く就職先を見つけなくては。
(しっかりしなさい、エイジェリン。追い出されただけじゃない。殴られたわけでも襲われたわけでもないわ。だから大丈夫)
自分を叱咤して、エイジェリンが立ち上がった時だった。
「エイミー!」
遠くからエイジェリンの偽名を呼ぶ声が聞こえてきた。
驚いて顔をあげると、キャメル色のコートの裾を翻しながら、ウィリアムがこちらに向かって走ってくるところだった。
あまりにびっくりしたので、言葉も出ないまま立ち尽くしていると、すぐそばまで駆け寄ってきたウィリアムが、肩で息をしながらエイジェリンの手首をつかんだ。
「よかった。見つけた。心配したんだ。……すまない、少し座ってもいいだろうか」
どれだけ走り回ったのか、苦しそうに息をしながら、ウィリアムがベンチに腰を下ろした。
片手はエイジェリンの手首をつかんだままで、もう片手をベンチの背もたれに回すと、上を見上げて荒い息をくり返す。
「あ、あの……伯爵様?」
状況が読み込めずに困惑するエイジェリンに、ウィリアムが、「まあ、座ってくれ。少し休みたい」と言って、隣に座るように促した。
仕方なくエイジェリンはウィリアムの隣に腰を下ろして、彼の息が整うのを待つことにした。
大通りまで出てホテルを探さなくては行けなかったので、暗くなる前に移動したかったけれど、手首が掴まれたままなのだからどうしようもない。
ウィリアムの呼吸が整うまで何気なく空を眺めて、ああ、もう遠くが夕闇色に染まりはじめたなと小さな焦りを覚える。
火が傾くごとに気温が下がっていって、ふわりと足元に吹いた風に小さなくしゃみをすれば、ウィリアムが首にマフラーを巻いてくれた。彼が身に着けていた柔らかいマフラーだ。とても暖かくて嬉しかったが、解雇されたとはいえ主人の身に着けているものを借りるわけにもいかず、外そうとすれば、「風邪を引くから」と言って、手首が掴まれていない方の手も捕らわれてしまった。
エイジェリンの両手を封じたウィリアムが、紫色の瞳を少し困ったように細めていた。
「ルーベンスから聞いたんだ。すまない。あいつの変な勘違いのせいで、君をこの寒空の下に放り出すようなことをしてしまった。君の前に雇っていたサーラは、あいつが採用した人物で、そのせいもあってか、若い女性のメイドにひどく警戒していてね。あいつも反省しているし、たまに暴走するが根は悪い奴じゃないんだ。何なら気が済むまで殴らせてやるから許してやってほしい」
「あの……」
「荷物はこの鞄だけか? 待たせてしまった俺が言うのもなんだが、いつまでもここにいたら寒いだろう? 帰ろう」
「……わたし、解雇じゃないんですか?」
帰ろうと言われて、エイジェリンが戸惑っていると、ウィリアムが薄く笑った。
「もちろん。……君がもう俺の家で働きたくないというなら話は別だけど、嫌じゃないなら戻ってほしいと思っているよ」
「でも……」
戻っていいと言われるのは嬉しかったけれど、本当にいいのだろうかと不安を覚えていると、ウィリアムはエイジェリンの鞄を持って立ち上がりながら続けた。
「君がルーベンスが疑うような人間でないことは、俺がよく知っているんだ。だから、何も問題ない。帰ろう」
(知っている?)
どうにも違和感の残る言葉に首をひねっていると、ウィリアムはくすりと笑った。
「歩きながら話そう。……俺だって、雇おうとする人のことくらい、ちゃんと見ているよ」
幸いにして手持ちの金はまだあるから、ホテルを借りられるけれど、早く次の就職先を見つけなければ、それこそ路上で生活することになってしまうだろう。
冬がはじまったばかりとはいえ、朝と夜はとても寒くなった。路上で生活することになったら、凍え死んでしまう。
エイジェリンはコートの襟を立てて、首をすくめながら、冷たい風が通り過ぎていく石畳の道を進む。
(伯父様も伯母様も、もう会ってはくれないわよね。おじい様とおばあ様の耳にも、モーテン子爵の話は届いているでしょうし……二度と会いたくないはずよ)
伯父夫婦も、祖父母も頼ることはできない。ハーパー伯爵家は婚約者に奪われたので、なおのこと戻れなかった。行く当てはない。
一時間ほど歩いて、歩きつかれたエイジェリンは、大通りの近くの噴水公演で休憩することにした。
日は暮れはじめたがまだ明るい。長居はできないだろうが、十分ほど休憩する時間はあるだろう。
噴水の近くは寒いので、離れたところのベンチに座って、エイジェリンはふーっと空に向かって息を吐いた。
解雇されたショックで溢れた涙は落ち着いたけれど、泣いたからか頭がぼーっとする。
エイジェリンは、無意識のうちに左の手首に触れた。そこには、エイジェリンの瞳と同じ色の、小粒のルビーのブレスレットがある。
これは、エイジェリンの父が社交デビューを記念して十四歳の時に贈ってくれたもので、ハーパー伯爵家から持ち出せた唯一のものだった。
もともとは、これはエイジェリンの母の持ち物だったらしい。
エイジェリンの母が逝去したあと、ほどなくして父は再婚し、その時に母の持ち物のほとんどは義母のものとなってしまったが、このブレスレットだけはエイジェリンに渡そうと大切にしまっておいてくれたそうだ。
髪の色はお父様そっくりで可哀そうなことをしたが、瞳の色はお母様と同じでとても綺麗なルビー色だよと言って笑った父も、もういない。
父もまさか、自分が死んだ後に娘が伯爵家を追い出されることになるとは思わなかっただろう。
(このブレスレットは、できれば売りたくないわ……)
どうしても生活に困ったら手放すことになるかもしれないけれど、できればずっと手元に持っておきたい。父と母の、唯一の形見なのだ。これを手放さないで済むように、早く就職先を見つけなくては。
(しっかりしなさい、エイジェリン。追い出されただけじゃない。殴られたわけでも襲われたわけでもないわ。だから大丈夫)
自分を叱咤して、エイジェリンが立ち上がった時だった。
「エイミー!」
遠くからエイジェリンの偽名を呼ぶ声が聞こえてきた。
驚いて顔をあげると、キャメル色のコートの裾を翻しながら、ウィリアムがこちらに向かって走ってくるところだった。
あまりにびっくりしたので、言葉も出ないまま立ち尽くしていると、すぐそばまで駆け寄ってきたウィリアムが、肩で息をしながらエイジェリンの手首をつかんだ。
「よかった。見つけた。心配したんだ。……すまない、少し座ってもいいだろうか」
どれだけ走り回ったのか、苦しそうに息をしながら、ウィリアムがベンチに腰を下ろした。
片手はエイジェリンの手首をつかんだままで、もう片手をベンチの背もたれに回すと、上を見上げて荒い息をくり返す。
「あ、あの……伯爵様?」
状況が読み込めずに困惑するエイジェリンに、ウィリアムが、「まあ、座ってくれ。少し休みたい」と言って、隣に座るように促した。
仕方なくエイジェリンはウィリアムの隣に腰を下ろして、彼の息が整うのを待つことにした。
大通りまで出てホテルを探さなくては行けなかったので、暗くなる前に移動したかったけれど、手首が掴まれたままなのだからどうしようもない。
ウィリアムの呼吸が整うまで何気なく空を眺めて、ああ、もう遠くが夕闇色に染まりはじめたなと小さな焦りを覚える。
火が傾くごとに気温が下がっていって、ふわりと足元に吹いた風に小さなくしゃみをすれば、ウィリアムが首にマフラーを巻いてくれた。彼が身に着けていた柔らかいマフラーだ。とても暖かくて嬉しかったが、解雇されたとはいえ主人の身に着けているものを借りるわけにもいかず、外そうとすれば、「風邪を引くから」と言って、手首が掴まれていない方の手も捕らわれてしまった。
エイジェリンの両手を封じたウィリアムが、紫色の瞳を少し困ったように細めていた。
「ルーベンスから聞いたんだ。すまない。あいつの変な勘違いのせいで、君をこの寒空の下に放り出すようなことをしてしまった。君の前に雇っていたサーラは、あいつが採用した人物で、そのせいもあってか、若い女性のメイドにひどく警戒していてね。あいつも反省しているし、たまに暴走するが根は悪い奴じゃないんだ。何なら気が済むまで殴らせてやるから許してやってほしい」
「あの……」
「荷物はこの鞄だけか? 待たせてしまった俺が言うのもなんだが、いつまでもここにいたら寒いだろう? 帰ろう」
「……わたし、解雇じゃないんですか?」
帰ろうと言われて、エイジェリンが戸惑っていると、ウィリアムが薄く笑った。
「もちろん。……君がもう俺の家で働きたくないというなら話は別だけど、嫌じゃないなら戻ってほしいと思っているよ」
「でも……」
戻っていいと言われるのは嬉しかったけれど、本当にいいのだろうかと不安を覚えていると、ウィリアムはエイジェリンの鞄を持って立ち上がりながら続けた。
「君がルーベンスが疑うような人間でないことは、俺がよく知っているんだ。だから、何も問題ない。帰ろう」
(知っている?)
どうにも違和感の残る言葉に首をひねっていると、ウィリアムはくすりと笑った。
「歩きながら話そう。……俺だって、雇おうとする人のことくらい、ちゃんと見ているよ」
12
お気に入りに追加
323
あなたにおすすめの小説
愛する旦那様が妻(わたし)の嫁ぎ先を探しています。でも、離縁なんてしてあげません。
秘密 (秘翠ミツキ)
恋愛
【清い関係のまま結婚して十年……彼は私を別の男へと引き渡す】
幼い頃、大国の国王へ献上品として連れて来られリゼット。だが余りに幼く扱いに困った国王は末の弟のクロヴィスに下賜した。その為、王弟クロヴィスと結婚をする事になったリゼット。歳の差が9歳とあり、旦那のクロヴィスとは夫婦と言うよりは歳の離れた仲の良い兄妹の様に過ごして来た。
そんな中、結婚から10年が経ちリゼットが15歳という結婚適齢期に差し掛かると、クロヴィスはリゼットの嫁ぎ先を探し始めた。すると社交界は、その噂で持ちきりとなり必然的にリゼットの耳にも入る事となった。噂を聞いたリゼットはショックを受ける。
クロヴィスはリゼットの幸せの為だと話すが、リゼットは大好きなクロヴィスと離れたくなくて……。
あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます
おぜいくと
恋愛
「あなたの秘密を知ってしまったから私は消えます。さようなら」
そう書き残してエアリーはいなくなった……
緑豊かな高原地帯にあるデニスミール王国の王子ロイスは、来月にエアリーと結婚式を挙げる予定だった。エアリーは隣国アーランドの王女で、元々は政略結婚が目的で引き合わされたのだが、誰にでも平等に接するエアリーの姿勢や穢れを知らない澄んだ目に俺は惹かれた。俺はエアリーに素直な気持ちを伝え、王家に代々伝わる指輪を渡した。エアリーはとても喜んでくれた。俺は早めにエアリーを呼び寄せた。デニスミールでの暮らしに慣れてほしかったからだ。初めは人見知りを発揮していたエアリーだったが、次第に打ち解けていった。
そう思っていたのに。
エアリーは突然姿を消した。俺が渡した指輪を置いて……
※ストーリーは、ロイスとエアリーそれぞれの視点で交互に進みます。
婚約者が他の女性に興味がある様なので旅に出たら彼が豹変しました
Karamimi
恋愛
9歳の時お互いの両親が仲良しという理由から、幼馴染で同じ年の侯爵令息、オスカーと婚約した伯爵令嬢のアメリア。容姿端麗、強くて優しいオスカーが大好きなアメリアは、この婚約を心から喜んだ。
順風満帆に見えた2人だったが、婚約から5年後、貴族学院に入学してから状況は少しずつ変化する。元々容姿端麗、騎士団でも一目置かれ勉学にも優れたオスカーを他の令嬢たちが放っておく訳もなく、毎日たくさんの令嬢に囲まれるオスカー。
特に最近は、侯爵令嬢のミアと一緒に居る事も多くなった。自分より身分が高く美しいミアと幸せそうに微笑むオスカーの姿を見たアメリアは、ある決意をする。
そんなアメリアに対し、オスカーは…
とても残念なヒーローと、行動派だが周りに流されやすいヒロインのお話です。
【完結】私、四女なんですけど…?〜四女ってもう少しお気楽だと思ったのに〜
まりぃべる
恋愛
ルジェナ=カフリークは、上に三人の姉と、弟がいる十六歳の女の子。
ルジェナが小さな頃は、三人の姉に囲まれて好きな事を好きな時に好きなだけ学んでいた。
父ヘルベルト伯爵も母アレンカ伯爵夫人も、そんな好奇心旺盛なルジェナに甘く好きな事を好きなようにさせ、良く言えば自主性を尊重させていた。
それが、成長し、上の姉達が思わぬ結婚などで家から出て行くと、ルジェナはだんだんとこの家の行く末が心配となってくる。
両親は、貴族ではあるが貴族らしくなく領地で育てているブドウの事しか考えていないように見える為、ルジェナはこのカフリーク家の未来をどうにかしなければ、と思い立ち年頃の男女の交流会に出席する事を決める。
そして、そこで皆のルジェナを想う気持ちも相まって、無事に幸せを見つける。
そんなお話。
☆まりぃべるの世界観です。現実とは似ていても違う世界です。
☆現実世界と似たような名前、土地などありますが現実世界とは関係ありません。
☆現実世界でも使うような単語や言葉を使っていますが、現実世界とは違う場合もあります。
楽しんでいただけると幸いです。
なんでそんなに婚約者が嫌いなのかと問われた殿下が、婚約者である私にわざわざ理由を聞きに来たんですけど。
下菊みこと
恋愛
侍従くんの一言でさくっと全部解決に向かうお話。
ご都合主義のハッピーエンド。
小説家になろう様でも投稿しています。
何もできない王妃と言うのなら、出て行くことにします
天宮有
恋愛
国王ドスラは、王妃の私エルノアの魔法により国が守られていると信じていなかった。
側妃の発言を聞き「何もできない王妃」と言い出すようになり、私は城の人達から蔑まれてしまう。
それなら国から出て行くことにして――その後ドスラは、後悔するようになっていた。
「白い結婚最高!」と喜んでいたのに、花の香りを纏った美形旦那様がなぜか私を溺愛してくる【完結】
清澄 セイ
恋愛
フィリア・マグシフォンは子爵令嬢らしからぬのんびりやの自由人。自然の中でぐうたらすることと、美味しいものを食べることが大好きな恋を知らないお子様。
そんな彼女も18歳となり、強烈な母親に婚約相手を選べと毎日のようにせっつかれるが、選び方など分からない。
「どちらにしようかな、天の神様の言う通り。はい、決めた!」
こんな具合に決めた相手が、なんと偶然にもフィリアより先に結婚の申し込みをしてきたのだ。相手は王都から遠く離れた場所に膨大な領地を有する辺境伯の一人息子で、顔を合わせる前からフィリアに「これは白い結婚だ」と失礼な手紙を送りつけてくる癖者。
けれど、彼女にとってはこの上ない条件の相手だった。
「白い結婚?王都から離れた田舎?全部全部、最高だわ!」
夫となるオズベルトにはある秘密があり、それゆえ女性不信で態度も酷い。しかも彼は「結婚相手はサイコロで適当に決めただけ」と、面と向かってフィリアに言い放つが。
「まぁ、偶然!私も、そんな感じで選びました!」
彼女には、まったく通用しなかった。
「なぁ、フィリア。僕は君をもっと知りたいと……」
「好きなお肉の種類ですか?やっぱり牛でしょうか!」
「い、いや。そうではなく……」
呆気なくフィリアに初恋(?)をしてしまった拗らせ男は、鈍感な妻に不器用ながらも愛を伝えるが、彼女はそんなことは夢にも思わず。
──旦那様が真実の愛を見つけたらさくっと離婚すればいい。それまでは田舎ライフをエンジョイするのよ!
と、呑気に蟻の巣をつついて暮らしているのだった。
※他サイトにも掲載中。
侯爵令嬢リリアンは(自称)悪役令嬢である事に気付いていないw
さこの
恋愛
「喜べリリアン! 第一王子の婚約者候補におまえが挙がったぞ!」
ある日お兄様とサロンでお茶をしていたらお父様が突撃して来た。
「良かったな! お前はフレデリック殿下のことを慕っていただろう?」
いえ! 慕っていません!
このままでは父親と意見の相違があるまま婚約者にされてしまう。
どうしようと考えて出した答えが【悪役令嬢に私はなる!】だった。
しかしリリアンは【悪役令嬢】と言う存在の解釈の仕方が……
*設定は緩いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる