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第10章 異国の大決戦編

48.エピローグ

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志太家の天下統一で新たな幕府である志太幕府を創設した事により、長きに渡って続いた戦乱の世は終わりを告げた。
ここで各国のその後を簡単に書き記し、本編の終了とさせていただきます。

・八光御所
志太将軍家による政権は今後、三百年の長きに渡って続いた。
その間にも大きな動乱は起きず、正しく「泰平の世」であったという。
だが、幕末の動乱によって志太家は将軍家としての地位は失墜し、衰退の道を辿る事となる。
「盛者必衰」の言葉通りとなった事に対して祐宗らは何を思うであろうか…

・志栄藩
藩主の口羽氏は幕末の動乱を生き延び、家名を存続する。
近世においては子孫が防衛大臣の役に就いている。
流石は武闘派として名を馳せた口羽家である。

・扇山藩
将軍である志太家発祥の地ということもあってか、一門の者が多く居たという。
その事からも現代においても「志太」姓を名乗る国民がこの地域では多い。

・竹呉藩
「忍び」「海賊」「山賊」といった集団を代々藩主の神内氏が統率していた。
身体能力が比較的高い領民が多く居たとされており、彼らの子孫たちは現代ではアスリートとして活躍しているという。

・桐丘島(志栄藩管轄)
志太幕府による復興により、大いに栄えたという。
なお、桐丘城の跡地には、前将軍である三浦家及びその縁戚とされる大月家の菩提寺が建立された。
さらに、地獄式爆弾によって犠牲となった者たちの慰霊碑もこの時に建てられたという。

・池山藩
幕府創設前の志太家の拠点地であった事からか、普代衆の者やその縁者ら(吉江氏、九条氏、大野氏、羽村氏)が多く住んでいたという。
後にこの地に築かれていた志天城は、国の重要文化財に認定される事となる。

・立天野藩
立天野山の鉱物資源を活かしてか、鉄鋼産業が大いに発展したという。
なお、鉱物資源は現代においても豊富に存在している。

・海原藩
セビカ国との交易が盛んに行われていた。
そうした事もあってか、藩内ではセビカの文化を積極的に取り入れられたという。
また藩主の秋庭氏の子孫は、後に創天国が民衆化された際に初代総理に就任している。

・柳藩
僧出身である蛭間氏が藩主という事もあり、寺社が多く建立されていった。
初代藩主 蛭間玄葉の先代の玄名の名が付いた「玄名寺」は、後に国の重要文化財に認定されている。

・国米藩
藩主を務める堀内氏は、後にお家騒動が起きた事で断絶する。
この事が後の幕末の動乱に繋がるきっかけとなったという。

・墨山藩
外河氏の元で執り行われていた独自の政は、幕府成立後も継続される。
やがて時代は近世となり、創天国に民衆化が取り入れられた際には、この地の政の形態を参考にしたという。

・十部藩
藩主の十部氏並びに松竹梅三人衆の三松氏、三竹氏、三梅氏はいずれも幕府の動乱から逃れて家名を存続する。
有名な子孫では、現代において外交官を務める三松利恵(さんまつ としえ)と幕府の動乱期に活躍した三梅元昭(さんばい もとあき)がいる。

・亀去島(志栄藩管轄)
亀去島海賊衆は宮本宗重の管轄に置かれ、幕府の庇護を受ける事となる。
他の海賊衆や山賊衆よりも気性が荒く血相盛んな者たちが多く、宗重は手を焼かされたという。
また宗重の死後は配下の者が「宮本宗重」と名乗る事で亀去島海賊衆を存続させた。
そして三代目宮本宗重が襲名した頃、幕府は亀去島に藩を配置した事で大いに栄えるのであった。

・創天御所
幕府成立後も大神としての地位は揺るがなかった。
幕末の動乱期以降も、君臨すれども統治をせずの立場を貫き通して現代にまで至る。

・セビカ国
ヘルト独立勢力による反乱の鎮圧後は、再び泰平の世が訪れた。
志太幕府との交易も盛んに行われていたが幕末期には関係が悪化した事で断交し、戦争が勃発。
そして開戦から数年後、停戦を経て両国は和解する事となる。

以上を持ちまして「架空戦国伝」は完結となります。
最後まで読んで頂いた読者の皆様、本当にありがとうございました。
心より感謝いたします。
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