架空戦国伝

第１０章 異国の大決戦編

45.ワニアの戦い（戦後処理）

ヘルト軍の者たちは正気を取り戻していた。
どうやら先程のアテヌの死で彼による洗脳が解けていたようである。
やがてカルロス率いるヘルト軍の兵たちは武器を収め、戦う事を止めたのであった。

・ワニアの戦い結果

＜志太幕府軍＞
・志太祐永
戦いの中盤においてアテヌ率いる軍勢を前に苦戦を強いられる。
正攻法では勝つことは難しいと考えた彼は、九条信常の発明品である雷神を用いる。
異常なまでに発達した積乱雲から発生する雨を降り続けさせる事でヘルト城の北西部を流れる川を決壊させ、ヘルト軍を混乱させた。

・口羽崇房
セビカ軍の軍勢と共にヘルト城の西側に陣を構えるカルロスの軍勢と戦う。
終始優勢状態であったがアテヌの参戦と共に劣勢に転じ、苦戦を強いられた。

・宮本宗重
ヘルト城の南側に陣を構えたアテヌの軍勢と戦う。
始めの方はほぼ互角の戦況ではあったが、アテヌによる火炎攻撃を受けて軍勢は一時戦闘不能状態となる。
だが、配下の兵たちの必死の助けの甲斐もあり、奇跡的な生還を遂げる。

・木内政武
宗重と共にアテヌの軍勢と戦う。
やがてアテヌによって催眠術をかけられた事で連合軍に対して牙を剥くが、祐永らの必死の説得によって我を取り戻す。
最期はアテヌを抱えて激しい濁流に身を投げて共に爆死する。

＜セビカ軍＞
・セリアー 長継
ヘルト城の西側においてカルロスの軍勢と開戦状態となる。
口羽崇房率いる軍勢の助けもあり優勢状態ではあったが、アテヌの軍勢が現れた事で劣勢へと転じ、苦戦を強いられた。

・ドヴェルク セリアー
長継と共にカルロスの軍勢と戦う。
彼は武に秀でているわけでは無かったが、敵方の兵を次々と倒すという快挙をここで成し遂げる。
その数や、志太幕府軍の軍師である口羽崇房に並ぶほどの無双ぶりであったという。

＜ヘルト独立勢力軍＞
・カルロス ヘルト
開戦時より連合軍による猛攻を受け続けた事で壊滅状態に陥るが、アテヌの援軍によって持ち直す。
ここからは終始アテヌの兵力に頼りきりの状態が続き、自身は軍勢の士気の上昇させるべく鼓舞に徹していた。
やがてアテヌが死んで洗脳が解けた事で正気を取り戻した彼は、武装の解除を兵たちに命じてワニアの戦いに幕を閉じる。

・アテヌ ブラウス
火炎攻撃を行い、宗重と政武らの軍勢を壊滅状態に追い込む。
やがて祐永の策で川が決壊すると、単身で連合軍の前に姿を現す。
そして催眠術によって連合軍の兵たちを無力化する事に成功。
さらには政武に催眠術を用いて味方に引き入れようとするが、失敗に終わる。
最期は正気を取り戻した政武によって激しい濁流の中に引きずり込まれて共に爆死する。

・カーネル ギーズ
開戦時よりヘルト城内で待機していた。
やがてアテヌの危機を知ると彼の元へと駆けつけ、予備の飛行装置を提供する。
洗脳が解けた後は自責の念に駆られ、自害を試みようとする。
だがカルロスによる説得の言葉を聞いた事で思いとどまり、贖罪の日々を送る事を決意する。

この戦いの後はヘルト独立勢力軍が支配していた地域の者たちも正気を取り戻し始め、セビカ国への領土の返上が相次いだという。
そうして数日後、全ての地域がセビカ国の領土として復帰。
これにより、セビカ国の危機は救われたのであった。