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第10章 異国の大決戦編
15.ワニアの戦い(7)
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ヘルト城の西側では、連合軍とカルロス・ヘルト率いる軍勢による戦いが繰り広げられていた。
連合軍約10,000人の兵数に対し、カルロスの軍勢は5,000人。
倍ほどの兵力差こそあるものの、城を背にしたカルロスの軍勢も決して不利なものでは無かった。
連合軍に先手を取られた事によってカルロスの軍勢は攻撃を受ける。
これに対してカルロスは反撃を行うが、大した被害を与える事も出来ずことごとく失敗に終わってしまう。
カルロスの軍勢は半ば、連合軍の攻撃を受けるがままの状態であったという。
やがてカルロスが意を決した表情で声を上げる。
「アテヌよ、例の作戦を直ちに実行せよ。」
長継
「何じゃ?急にアテヌの名を呼んで。何が有るというのじゃ?」
アテヌに対して呼びかけの声を上げるカルロスに対してとう問い掛けの言葉を発していた。
するとカルロスがすかさず答え始める。
カルロス
「アテヌによって間もなくこの形勢も逆転する。今にみているが良い。」
アテヌによる作戦を実行する事で連合軍はたちまち混乱状態へと陥り、我が軍の前にひれ伏す事となるであろう。
カルロスは、自軍の勝利を確信したかのような様子であった。
一方、ヘルト城の南側ではカルロスの声を聞いたアテヌが少し首を傾げながら呟き始める。
アテヌ
「やれやれ、カルロス様は音を上げるには少し早すぎるように思いますが…まあ良いでしょう。」
もう少し粘りを見せてくれるかと思っていたが、この程度であったか。
どうやらアテヌは、カルロスによる連合軍の迎撃が充分に成されなかった事に対し、少し不満に感じている様子であった。
そんな彼の様子を見た政武が言葉を投げかける。
政武
「おいあんた、さっきから何をぶつくさと言っておる。お前の方こそ油断しておるのでは無いのか?」
先刻から不気味な笑みを浮かべながら一体何を呟いているというのだ。
戦の中においてそのような油断を見せるなど、武人として有るまじき行為であろう。
政武はアテヌに対して挑発の言葉を浴びせていた。
なおもアテヌは不気味な笑い声を上げながら答える。
アテヌ
「ふふふふ…今に私の力の恐ろしさを嫌でも感じることとなるであろう。それえええぇぇっ!」
そう言うとアテヌは戦場に響き渡るほどの声を上げていた。
するとたちまち宗重らは驚きの表情を見せ始める事となるのであった。
宗重
「な、何じゃと…これは一体、何が起きておるというのじゃ?」
政武
「お、おい…嘘だろ?こんなことが…こんなことがあるというのか?」
慌てふためく彼らをあざ笑うかのようにしてアテヌが口を開き始める。
アテヌ
「ほほう、創天国という国の者たちは人はそんなに珍しいのですか?人間が宙に浮くということが!」
何とアテヌは、先程の掛け声と共にその身は徐々に宙へと浮き上がり始めていたのである。
そうしてアテヌの体はみるみるうちに上昇を続け、やがては城の屋根の高さにまで達していた。
宗重
「アテヌ・ブラウス。怪しげな術を使うとは聞いてはおったが、ここまでのものとは…」
アテヌ・ブラウスという男は、様々な術を使う故に油断のならぬ相手である。
以前に宗重は、長継らからそうした噂を耳にしていた事を思い出す。
だがその術は彼の想像を遥かに超える内容のものであった事から、非常に驚いている様子であった。
政武
「お、おい爺さん!奴の手を見てみろ!」
やがて宙を浮いているアテヌの様子に異変を感じた政武が声を上げる。
宗重
「はっ!あれは…炎?炎か?」
アテヌの周りに赤く揺らめく者が見えていた。
何と彼のその手には、激しく燃え盛る炎が発生していたのである。
アテヌ
「貴方たちとはこれでもうお別れですね。少々名残惜しい気もしますが、致し方ありませんね。さようなら…」
宗重
「いっ、いかん!これはいかんぞ!」
次の瞬間、宗重らの軍勢を包み込むようにして炎が襲いかかろうとしていた。
連合軍約10,000人の兵数に対し、カルロスの軍勢は5,000人。
倍ほどの兵力差こそあるものの、城を背にしたカルロスの軍勢も決して不利なものでは無かった。
連合軍に先手を取られた事によってカルロスの軍勢は攻撃を受ける。
これに対してカルロスは反撃を行うが、大した被害を与える事も出来ずことごとく失敗に終わってしまう。
カルロスの軍勢は半ば、連合軍の攻撃を受けるがままの状態であったという。
やがてカルロスが意を決した表情で声を上げる。
「アテヌよ、例の作戦を直ちに実行せよ。」
長継
「何じゃ?急にアテヌの名を呼んで。何が有るというのじゃ?」
アテヌに対して呼びかけの声を上げるカルロスに対してとう問い掛けの言葉を発していた。
するとカルロスがすかさず答え始める。
カルロス
「アテヌによって間もなくこの形勢も逆転する。今にみているが良い。」
アテヌによる作戦を実行する事で連合軍はたちまち混乱状態へと陥り、我が軍の前にひれ伏す事となるであろう。
カルロスは、自軍の勝利を確信したかのような様子であった。
一方、ヘルト城の南側ではカルロスの声を聞いたアテヌが少し首を傾げながら呟き始める。
アテヌ
「やれやれ、カルロス様は音を上げるには少し早すぎるように思いますが…まあ良いでしょう。」
もう少し粘りを見せてくれるかと思っていたが、この程度であったか。
どうやらアテヌは、カルロスによる連合軍の迎撃が充分に成されなかった事に対し、少し不満に感じている様子であった。
そんな彼の様子を見た政武が言葉を投げかける。
政武
「おいあんた、さっきから何をぶつくさと言っておる。お前の方こそ油断しておるのでは無いのか?」
先刻から不気味な笑みを浮かべながら一体何を呟いているというのだ。
戦の中においてそのような油断を見せるなど、武人として有るまじき行為であろう。
政武はアテヌに対して挑発の言葉を浴びせていた。
なおもアテヌは不気味な笑い声を上げながら答える。
アテヌ
「ふふふふ…今に私の力の恐ろしさを嫌でも感じることとなるであろう。それえええぇぇっ!」
そう言うとアテヌは戦場に響き渡るほどの声を上げていた。
するとたちまち宗重らは驚きの表情を見せ始める事となるのであった。
宗重
「な、何じゃと…これは一体、何が起きておるというのじゃ?」
政武
「お、おい…嘘だろ?こんなことが…こんなことがあるというのか?」
慌てふためく彼らをあざ笑うかのようにしてアテヌが口を開き始める。
アテヌ
「ほほう、創天国という国の者たちは人はそんなに珍しいのですか?人間が宙に浮くということが!」
何とアテヌは、先程の掛け声と共にその身は徐々に宙へと浮き上がり始めていたのである。
そうしてアテヌの体はみるみるうちに上昇を続け、やがては城の屋根の高さにまで達していた。
宗重
「アテヌ・ブラウス。怪しげな術を使うとは聞いてはおったが、ここまでのものとは…」
アテヌ・ブラウスという男は、様々な術を使う故に油断のならぬ相手である。
以前に宗重は、長継らからそうした噂を耳にしていた事を思い出す。
だがその術は彼の想像を遥かに超える内容のものであった事から、非常に驚いている様子であった。
政武
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やがて宙を浮いているアテヌの様子に異変を感じた政武が声を上げる。
宗重
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何と彼のその手には、激しく燃え盛る炎が発生していたのである。
アテヌ
「貴方たちとはこれでもうお別れですね。少々名残惜しい気もしますが、致し方ありませんね。さようなら…」
宗重
「いっ、いかん!これはいかんぞ!」
次の瞬間、宗重らの軍勢を包み込むようにして炎が襲いかかろうとしていた。
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