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第10章 異国の大決戦編
12.ワニアの戦い(4)
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宗重と政武ら率いる軍勢とアテヌの軍勢との接近戦が始まってから数刻の時が経っていた。
宗重と政武の軍勢の総兵数は二千人程度。
対するアテヌの軍勢の総兵数はそれを上回る三千人。
兵力差で見ればアテヌ側が有利という事もあってか、宗重と政武らの軍勢は押され気味の状態だ。
宗重
「くっ…アテヌ・ブラウス、なかなかの者にござるな…」
宗重は顔をしかめながらそう言っていた。
どうやら彼らが想定していた以上の反撃を受けた事に対して困惑しているようであった。
政武
「おいおい、いつもの爺さんらしくねえぞ。ここが踏ん張りどころぞ!」
たとえ兵力差があろうとも、我らの力を最大限にまで引き出してこの戦況を見事にひっくり返してやろうではないか。
弱気な態度を見せつつあった宗重に対して政武は檄を飛ばしていた。
一方、その様子を見たセビカ軍の陣営では長継が心配気な表情を見せていた。
長継
「む、宗重殿に政武殿…」
やがて崇房は、宗重らがアテヌの軍勢に押されつつある戦況に対して声を上げ始める。
崇房
「祐永様、宗重殿と政武殿は苦戦を強いられております。ここは我らも早急に彼らの軍勢と合流いたしましょうぞ!」
宗重らの軍勢は、アテヌの軍勢に対して手を焼かされている。
それ故に早急に彼らの軍勢と合流し、共に戦うべきであろう。
崇房は祐永に対して急かすようにそう言っていた。
すると、そんな崇房を静止しながら祐永が答え始める。
祐永
「待たれよ崇房殿!今、我らが宗重らの軍勢と合流すれば奴らの思う壺ぞ。」
確かに宗重らの軍勢はアテヌの軍勢に押されている状況である。
だが今、ここで我らの兵を動かす事はならないと彼は答えていた。
崇房
「し、しかし祐永様…このままでは宗重殿らの軍勢が…」
援軍として我らの兵が向かわなければ宗重らの軍勢が壊滅するのは時間の問題と言っても良い。
その事は承知の上であるにも関わらず援軍を送る事を否定していた祐永が崇房には理解出来ないようであった。
焦りの表情を見せる崇房に対して祐永が答え始める。
祐永
「良いか崇房殿よ、敵は何もアテヌの軍勢だけでは無いということを忘れるでない。あれを見てみよ。」
祐永はヘルト城の西側の城門に目をやっていた。
すると城門からはヘルト軍の兵たちがぞろぞろと出撃を始めている。
ドヴェルク
「あれは…どうやら私たちはここでカルロスの軍勢と戦わねばならないようですね…」
恐らくはこの軍勢は、ヘルト軍総大将であるカルロスのものであろう。
敵兵が目の前に現れたからには彼らと一戦を交えなければならない。
ドヴェルクは覚悟の表情を見せながらそう言っていた。
やがて大勢の兵たちの後方に一際目立った鎧を身にまとった男が現れる。
その男こそがヘルト独立勢力を治めるカルロス・ヘルトであった。
カルロス
「我が名はカルロス・ヘルト。我による新たな国の建国を邪魔する者たちに制裁を与えるべく今、戦場に立たん!」
名乗りを上げたカルロスは非常に勇ましい表情をしていた。
崇房
「あれが…カルロス・ヘルトと申す男であるか…」
カルロスの姿を目にした崇房は圧倒された様子であった。
祐永
「総大将殿が直々に我らに戦いを挑みに来られたようにござるな。」
引き締まった表情を見せながら祐永はそう言っていた。
宗重と政武の軍勢の総兵数は二千人程度。
対するアテヌの軍勢の総兵数はそれを上回る三千人。
兵力差で見ればアテヌ側が有利という事もあってか、宗重と政武らの軍勢は押され気味の状態だ。
宗重
「くっ…アテヌ・ブラウス、なかなかの者にござるな…」
宗重は顔をしかめながらそう言っていた。
どうやら彼らが想定していた以上の反撃を受けた事に対して困惑しているようであった。
政武
「おいおい、いつもの爺さんらしくねえぞ。ここが踏ん張りどころぞ!」
たとえ兵力差があろうとも、我らの力を最大限にまで引き出してこの戦況を見事にひっくり返してやろうではないか。
弱気な態度を見せつつあった宗重に対して政武は檄を飛ばしていた。
一方、その様子を見たセビカ軍の陣営では長継が心配気な表情を見せていた。
長継
「む、宗重殿に政武殿…」
やがて崇房は、宗重らがアテヌの軍勢に押されつつある戦況に対して声を上げ始める。
崇房
「祐永様、宗重殿と政武殿は苦戦を強いられております。ここは我らも早急に彼らの軍勢と合流いたしましょうぞ!」
宗重らの軍勢は、アテヌの軍勢に対して手を焼かされている。
それ故に早急に彼らの軍勢と合流し、共に戦うべきであろう。
崇房は祐永に対して急かすようにそう言っていた。
すると、そんな崇房を静止しながら祐永が答え始める。
祐永
「待たれよ崇房殿!今、我らが宗重らの軍勢と合流すれば奴らの思う壺ぞ。」
確かに宗重らの軍勢はアテヌの軍勢に押されている状況である。
だが今、ここで我らの兵を動かす事はならないと彼は答えていた。
崇房
「し、しかし祐永様…このままでは宗重殿らの軍勢が…」
援軍として我らの兵が向かわなければ宗重らの軍勢が壊滅するのは時間の問題と言っても良い。
その事は承知の上であるにも関わらず援軍を送る事を否定していた祐永が崇房には理解出来ないようであった。
焦りの表情を見せる崇房に対して祐永が答え始める。
祐永
「良いか崇房殿よ、敵は何もアテヌの軍勢だけでは無いということを忘れるでない。あれを見てみよ。」
祐永はヘルト城の西側の城門に目をやっていた。
すると城門からはヘルト軍の兵たちがぞろぞろと出撃を始めている。
ドヴェルク
「あれは…どうやら私たちはここでカルロスの軍勢と戦わねばならないようですね…」
恐らくはこの軍勢は、ヘルト軍総大将であるカルロスのものであろう。
敵兵が目の前に現れたからには彼らと一戦を交えなければならない。
ドヴェルクは覚悟の表情を見せながらそう言っていた。
やがて大勢の兵たちの後方に一際目立った鎧を身にまとった男が現れる。
その男こそがヘルト独立勢力を治めるカルロス・ヘルトであった。
カルロス
「我が名はカルロス・ヘルト。我による新たな国の建国を邪魔する者たちに制裁を与えるべく今、戦場に立たん!」
名乗りを上げたカルロスは非常に勇ましい表情をしていた。
崇房
「あれが…カルロス・ヘルトと申す男であるか…」
カルロスの姿を目にした崇房は圧倒された様子であった。
祐永
「総大将殿が直々に我らに戦いを挑みに来られたようにござるな。」
引き締まった表情を見せながら祐永はそう言っていた。
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