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第10章 異国の大決戦編
11.ワニアの戦い(3)
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連合軍とヘルト軍による戦いは、宗重の戦線攻撃によって開戦した。
攻撃を受けたアテヌの軍勢は、すぐさまに反撃に出る。
アテヌ反撃が想像以上なものであった事からか、宗重の軍勢は混乱し始めていた。
この状況を素早く察知した政武は、すかさず宗重の軍勢と合流。
アテヌは合流した軍勢へ向けて再び攻撃を行うが政武はこれを見事に回避。
そうして互いの軍勢が激しくぶつかり合う接近戦が展開されようとしていた。
宗重
「アテヌ殿よ、お主も将であらば我らと尋常に勝負いたせ!」
創天国とセビカ国。
国は違えどアテヌもまた、主君に仕えし武士と言っても良いであろう。
それ故に、刀を交えて正々堂々と勝負を行うおうではないか。
宗重はアテヌに対してそう言っていた。
アテヌ
「やれやれ、どうやらこの鼠どもを思い知らせるには私が動かないといけないようですね…よろしいでしょう、お相手いたしましょう。」
言葉は通じなかったものの宗重の表情からは、自身に対して真剣勝負を挑もうとしているのであろう。
そう感じ取ったアテヌもまた真剣な表情をしてそう答えていた。
政武
「よし、それじゃあ爺さん、行くぜ!俺たちの力を見せつけてやろうじゃねえか!」
宗重と政武らの軍勢は、アテヌの軍勢を目掛けて突進を始める。
そうして間もなくしてアテヌの軍勢と衝突し、激しい戦いが繰り広げられていた。
まず、宗重らの軍勢がアテヌの軍勢に対して攻撃を仕掛けた。
両軍の兵たちの刀がぶつかり合う音がけたたましく鳴り響く。
先刻の政武との軍勢の合流によって士気が上昇していた事もあってか、負傷を負うヘルト軍の兵たちも少なくは無かったようである。
アテヌ
「ほほう、先程の攻撃に続いて中々の腕前ではあるな。鼠どもにしては上出来といったところでしょうか。」
アテヌはあくまでも冷静な表情でそう言っていた。
その様子を見た政武が軽く鼻で笑いながら言う。
政武
「へっ、アテヌさんよ。やけに静かじゃが、真は俺たちが恐ろしいんじゃねえのか?」
自軍が攻撃を受け、多数の負傷者が出始めているにも関わらずアテヌは冷静さを保っている。
兵を束ねし将たる者は、戦場では常に平常心を崩さぬよう心掛けねばならぬ。
故に、奴は本心では焦りを感じていたとしてもそれを表面に出す事が出来ぬのであろう。
政武はそう考えているようであった。
するとアテヌがにやりと笑いながら口を開き始める。
アテヌ
「しかし、残念ながらその程度の力では私たちに勝つことはできませんねぇ…」
自身の軍勢は、宗重らの軍勢による攻撃を受けた事でそれなりの被害は発生している。
だが、それでも決して我らの軍勢に勝つという事は出来ないとアテヌは言い放っていた。
そしてアテヌは顔を引き締めて言う。
アテヌ
「さて、次は私たちの番ですね。反撃といきましょうかね。」
反撃開始である。
そう言うとアテヌの軍勢の兵たち皆が雄叫びを上げ始める。
たちまち戦場は、数千人も居るであろう男たちが発する大声に包まれていた。
やがて兵たちは宗重らの軍勢に対して飛びかかるように一斉に攻撃を開始。
その迫力に圧倒された者たちも少なくは無かったという。
やがて身にまとった甲冑は見るも無惨な姿に変わり果て、宗重らの軍勢の兵たちは深い傷を負ってしまう。
宗重
「くっ…これは真に手強き相手にござるな…」
どうやらアテヌという男は、我らの想像を超える強さである事に間違いは無い。
宗重は歯を食いしばりながらそう言っていた。
すると政武が宗重に対して声を掛ける。
政武
「そんな顔するなよ爺さん。むしろ、戦い甲斐があって良いじゃあねえかよ。」
政武の体は武者震いを始めていた。
攻撃を受けたアテヌの軍勢は、すぐさまに反撃に出る。
アテヌ反撃が想像以上なものであった事からか、宗重の軍勢は混乱し始めていた。
この状況を素早く察知した政武は、すかさず宗重の軍勢と合流。
アテヌは合流した軍勢へ向けて再び攻撃を行うが政武はこれを見事に回避。
そうして互いの軍勢が激しくぶつかり合う接近戦が展開されようとしていた。
宗重
「アテヌ殿よ、お主も将であらば我らと尋常に勝負いたせ!」
創天国とセビカ国。
国は違えどアテヌもまた、主君に仕えし武士と言っても良いであろう。
それ故に、刀を交えて正々堂々と勝負を行うおうではないか。
宗重はアテヌに対してそう言っていた。
アテヌ
「やれやれ、どうやらこの鼠どもを思い知らせるには私が動かないといけないようですね…よろしいでしょう、お相手いたしましょう。」
言葉は通じなかったものの宗重の表情からは、自身に対して真剣勝負を挑もうとしているのであろう。
そう感じ取ったアテヌもまた真剣な表情をしてそう答えていた。
政武
「よし、それじゃあ爺さん、行くぜ!俺たちの力を見せつけてやろうじゃねえか!」
宗重と政武らの軍勢は、アテヌの軍勢を目掛けて突進を始める。
そうして間もなくしてアテヌの軍勢と衝突し、激しい戦いが繰り広げられていた。
まず、宗重らの軍勢がアテヌの軍勢に対して攻撃を仕掛けた。
両軍の兵たちの刀がぶつかり合う音がけたたましく鳴り響く。
先刻の政武との軍勢の合流によって士気が上昇していた事もあってか、負傷を負うヘルト軍の兵たちも少なくは無かったようである。
アテヌ
「ほほう、先程の攻撃に続いて中々の腕前ではあるな。鼠どもにしては上出来といったところでしょうか。」
アテヌはあくまでも冷静な表情でそう言っていた。
その様子を見た政武が軽く鼻で笑いながら言う。
政武
「へっ、アテヌさんよ。やけに静かじゃが、真は俺たちが恐ろしいんじゃねえのか?」
自軍が攻撃を受け、多数の負傷者が出始めているにも関わらずアテヌは冷静さを保っている。
兵を束ねし将たる者は、戦場では常に平常心を崩さぬよう心掛けねばならぬ。
故に、奴は本心では焦りを感じていたとしてもそれを表面に出す事が出来ぬのであろう。
政武はそう考えているようであった。
するとアテヌがにやりと笑いながら口を開き始める。
アテヌ
「しかし、残念ながらその程度の力では私たちに勝つことはできませんねぇ…」
自身の軍勢は、宗重らの軍勢による攻撃を受けた事でそれなりの被害は発生している。
だが、それでも決して我らの軍勢に勝つという事は出来ないとアテヌは言い放っていた。
そしてアテヌは顔を引き締めて言う。
アテヌ
「さて、次は私たちの番ですね。反撃といきましょうかね。」
反撃開始である。
そう言うとアテヌの軍勢の兵たち皆が雄叫びを上げ始める。
たちまち戦場は、数千人も居るであろう男たちが発する大声に包まれていた。
やがて兵たちは宗重らの軍勢に対して飛びかかるように一斉に攻撃を開始。
その迫力に圧倒された者たちも少なくは無かったという。
やがて身にまとった甲冑は見るも無惨な姿に変わり果て、宗重らの軍勢の兵たちは深い傷を負ってしまう。
宗重
「くっ…これは真に手強き相手にござるな…」
どうやらアテヌという男は、我らの想像を超える強さである事に間違いは無い。
宗重は歯を食いしばりながらそう言っていた。
すると政武が宗重に対して声を掛ける。
政武
「そんな顔するなよ爺さん。むしろ、戦い甲斐があって良いじゃあねえかよ。」
政武の体は武者震いを始めていた。
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