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第10章 異国の大決戦編
07.ヘルト城への進軍
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セビカ・志太幕府連合軍はワニア島へと上陸。
そこでは敵軍が待ち構えているのでは無いかといった事が危惧されていたが、そうした存在の確認は無かったようである。
ワニア島は敵軍であるヘルト独立勢力の本拠地。
それ故に、我らの軍勢による侵入をそうやすやすと許すであろうか…
不審に思いながらも連合軍はひたすらに進軍を続けるのであった。
政武
「しかし長継さんの言っておった通り、これは確かにおかしいねぇ。」
宗重
「あぁ、それは儂も思うておる。ヘルトの者どもは何か企んでおるやも知れぬな…」
島に上陸した我らに対してヘルトの軍勢は何の攻撃も仕掛けて来ない。
これは、何かの策なのでは無かろうか…
先程に長継らがそう口にしていた事を思い出した政武らも、彼らと同じように考えていた。
長継
「我らがワニア島に上陸したことはヘルトの者たちも気付いておってもおかしくは無いであろう。それなのに何故…」
連合軍が攻めて来るという事はヘルト軍も分かってはいるはず。
そうであらば島の周りには警備を敷いて上陸を簡単に許す事はしないであろう。
だが実際には連合軍は難無く上陸を果たし、ヘルト城への進軍を行っている。
長継はこの状況を不審に思っているようであった。
それに対してドヴェルクが口を開き始める。
ドヴェルク
「今、ここで兵を出して戦うまでも無いと判断しているように私は思えてなりません。」
ヘルト軍は、我らによる島への上陸をあえて見届けていたのでは無いか。
わざわざこちらから出向いて攻撃を仕掛けるまでも無いと考えて兵を出さなかったのでは…
ヘルト軍は今、一体何を考えているかは当然ながら分かるはずは無い。
ゆえに、ドヴェルクの考えもただの憶測にしか過ぎぬものではあった。
だがもしそれが真なのであれば、と考えていた長継は神妙な顔つきをし始める。
長継
「いずれにせよ、ヘルトの軍勢には気を付けねばなるまい。向こうにはアテヌという切れ者がおる故にな…」
ヘルトの陣営にはアテヌが居る。
アテヌはセビカ国において様々な功績をあげて幹部の地位に登り詰めた実力者である。
そのような者が軍を指揮しているのであれば、何を考えているかを読む事は非常に難しいであろう。
長継は、ヘルトとの戦いに対しては細心の注意を払わねばならぬと考えていたようであった。
崇房
「お二方の話を聞く限り、ヘルトの者たちは余程の自信があるということかも知れぬな。」
アテヌという様々な能力を持っている将の存在。
そして、今現在の自軍が進軍する様子を悠長に静観しているかも知れぬと言った余裕さ。
こうした事からもヘルト軍は相当な自信を持っているのでは無いか。
長継やドヴェルクらの話を聞いていた崇房は、そう言っていた。
祐永
「むぅ…此度は凄まじき戦になりそうじゃ。しかし、我が志太幕府は負けるわけにはいかぬ!」
今回の戦いは苦戦を強いられる事は間違い無いであろう。
そう思った祐永ではあったが、幕府の名誉にかけても勝利を収めるべく声を上げていた。
一方、ヘルト城では連合軍を待ちわびているアテヌの姿があった。
アテヌ
「ふふふ、良い。それで良い。早く我が城にまで辿り着いて見せよ。その時には貴様らに地獄を見せてやろう。ふははははは!」
アテヌはなおも下品な笑い声を上げ続けていた。
そこでは敵軍が待ち構えているのでは無いかといった事が危惧されていたが、そうした存在の確認は無かったようである。
ワニア島は敵軍であるヘルト独立勢力の本拠地。
それ故に、我らの軍勢による侵入をそうやすやすと許すであろうか…
不審に思いながらも連合軍はひたすらに進軍を続けるのであった。
政武
「しかし長継さんの言っておった通り、これは確かにおかしいねぇ。」
宗重
「あぁ、それは儂も思うておる。ヘルトの者どもは何か企んでおるやも知れぬな…」
島に上陸した我らに対してヘルトの軍勢は何の攻撃も仕掛けて来ない。
これは、何かの策なのでは無かろうか…
先程に長継らがそう口にしていた事を思い出した政武らも、彼らと同じように考えていた。
長継
「我らがワニア島に上陸したことはヘルトの者たちも気付いておってもおかしくは無いであろう。それなのに何故…」
連合軍が攻めて来るという事はヘルト軍も分かってはいるはず。
そうであらば島の周りには警備を敷いて上陸を簡単に許す事はしないであろう。
だが実際には連合軍は難無く上陸を果たし、ヘルト城への進軍を行っている。
長継はこの状況を不審に思っているようであった。
それに対してドヴェルクが口を開き始める。
ドヴェルク
「今、ここで兵を出して戦うまでも無いと判断しているように私は思えてなりません。」
ヘルト軍は、我らによる島への上陸をあえて見届けていたのでは無いか。
わざわざこちらから出向いて攻撃を仕掛けるまでも無いと考えて兵を出さなかったのでは…
ヘルト軍は今、一体何を考えているかは当然ながら分かるはずは無い。
ゆえに、ドヴェルクの考えもただの憶測にしか過ぎぬものではあった。
だがもしそれが真なのであれば、と考えていた長継は神妙な顔つきをし始める。
長継
「いずれにせよ、ヘルトの軍勢には気を付けねばなるまい。向こうにはアテヌという切れ者がおる故にな…」
ヘルトの陣営にはアテヌが居る。
アテヌはセビカ国において様々な功績をあげて幹部の地位に登り詰めた実力者である。
そのような者が軍を指揮しているのであれば、何を考えているかを読む事は非常に難しいであろう。
長継は、ヘルトとの戦いに対しては細心の注意を払わねばならぬと考えていたようであった。
崇房
「お二方の話を聞く限り、ヘルトの者たちは余程の自信があるということかも知れぬな。」
アテヌという様々な能力を持っている将の存在。
そして、今現在の自軍が進軍する様子を悠長に静観しているかも知れぬと言った余裕さ。
こうした事からもヘルト軍は相当な自信を持っているのでは無いか。
長継やドヴェルクらの話を聞いていた崇房は、そう言っていた。
祐永
「むぅ…此度は凄まじき戦になりそうじゃ。しかし、我が志太幕府は負けるわけにはいかぬ!」
今回の戦いは苦戦を強いられる事は間違い無いであろう。
そう思った祐永ではあったが、幕府の名誉にかけても勝利を収めるべく声を上げていた。
一方、ヘルト城では連合軍を待ちわびているアテヌの姿があった。
アテヌ
「ふふふ、良い。それで良い。早く我が城にまで辿り着いて見せよ。その時には貴様らに地獄を見せてやろう。ふははははは!」
アテヌはなおも下品な笑い声を上げ続けていた。
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