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第10章 異国の大決戦編
04.発明の功績
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先刻に宗重によって使用された煙幕の効果により、連合軍の船の姿を消す事に成功。
軍議によって決定された航路でワニア島へ船を進み続けていた。
政武
「それにしてもあの煙幕がまだ創天国内にあったとはな。」
宗重
「うむ、必ず創天国の何処かに残っておるという儂の考えは正しかったようじゃ。」
信常が発明した煙幕は、政武が所持していた物全てを前回のワニア島潜入時に使用していた。
宗重を含め創天幕府の人間は、この煙幕の存在を政武によって知らされていた。
もしかすると。創天国内にまだ未使用の物が残っているかも知れない。
そう考えた宗重は藩内において調査を行った。
それから数日後の事であった。
藩内の家臣の一人が志栄島の志栄城下から遠く外れた場所に一軒の屋敷を見つけたという。
もう随分と人が住んで居ないのであろうかその屋敷は朽ち果てており、廃墟と化していた。
すると家臣が屋敷の中へと入ったところ、一冊の書物を見つける。
その書物には信常の発明した物について事細やかに書き記されていたという。
そしてさらにその近くには桐箱が置かれていた。
酷く黒ずんでおり埃まみれであった事から、かなり昔に作られた物であろうか。
家臣が桐箱を開けると中には煙幕がぎっしりと詰められていたという。
これこそが宗重が先程に使用した煙幕なのであった。
この屋敷は、信常が村上家に仕えていた頃の住まいであったという事がこの時に判明したのである。
宗重
「信常殿は、あの屋敷で日々の発明をなされておったというわけにござろう。」
今では廃墟と化してはいるが、かつてここでは様々な発明品を生み出していた地。
その事実を知った宗重は感慨に浸っているようであった。
すると政武が苦い表情をしながら言う。
政武
「人里離れた場所でひっそりと発明ねぇ…とてもじゃねえが、俺には無理じゃな…」
政武は城下から遠く離れた辺境の地において独り発明に励んでいた信常が理解出来ないようである。
もし自身がそうした環境に置かれたならば、すぐにでも音を上げてしまうであろう。
政武のそうした言葉から、いかに信常が発明を愛し発明の為にその生涯を捧げた人物であったかが良く分かる。
長継
「拙者の父上が思っておった以上に信常殿は村上家の為に動かれておったというのか…真に有難きことにござる。」
かつて信常は、長継の父である長馬の元で発明を行っていた。
それは国内の発展の為、ひいては村上家の為に…
そうした想いで日々発明に励んでいたからこそ、様々な物が生み出されたのであろう。
長継は信常に対して感謝の念を抱いていた。
崇房
「まさか、我が藩内にかような物が残されておったとは…」
信常は生前、数多くの発明品を世に送り出していた。
そのどれを取っても最上級の出来で、彼が発明を完成する度に技術革新が起こったと言われている程である。
今回の発明品である煙幕もまたその中の一つであり、それが自身の藩内で見つかったという事に崇房は驚いていた。
祐永
「こうして我らが安全に進軍できておる姿を信常殿が見られたら、さぞかし喜ばれてるおったじゃろうな…」
もし信常が生きていて自身の発明が皆の役に立っているという事を知れば、感慨無量な気持ちとなるであろう。
祐永は目を潤ませながらそう呟いていた。
軍議によって決定された航路でワニア島へ船を進み続けていた。
政武
「それにしてもあの煙幕がまだ創天国内にあったとはな。」
宗重
「うむ、必ず創天国の何処かに残っておるという儂の考えは正しかったようじゃ。」
信常が発明した煙幕は、政武が所持していた物全てを前回のワニア島潜入時に使用していた。
宗重を含め創天幕府の人間は、この煙幕の存在を政武によって知らされていた。
もしかすると。創天国内にまだ未使用の物が残っているかも知れない。
そう考えた宗重は藩内において調査を行った。
それから数日後の事であった。
藩内の家臣の一人が志栄島の志栄城下から遠く外れた場所に一軒の屋敷を見つけたという。
もう随分と人が住んで居ないのであろうかその屋敷は朽ち果てており、廃墟と化していた。
すると家臣が屋敷の中へと入ったところ、一冊の書物を見つける。
その書物には信常の発明した物について事細やかに書き記されていたという。
そしてさらにその近くには桐箱が置かれていた。
酷く黒ずんでおり埃まみれであった事から、かなり昔に作られた物であろうか。
家臣が桐箱を開けると中には煙幕がぎっしりと詰められていたという。
これこそが宗重が先程に使用した煙幕なのであった。
この屋敷は、信常が村上家に仕えていた頃の住まいであったという事がこの時に判明したのである。
宗重
「信常殿は、あの屋敷で日々の発明をなされておったというわけにござろう。」
今では廃墟と化してはいるが、かつてここでは様々な発明品を生み出していた地。
その事実を知った宗重は感慨に浸っているようであった。
すると政武が苦い表情をしながら言う。
政武
「人里離れた場所でひっそりと発明ねぇ…とてもじゃねえが、俺には無理じゃな…」
政武は城下から遠く離れた辺境の地において独り発明に励んでいた信常が理解出来ないようである。
もし自身がそうした環境に置かれたならば、すぐにでも音を上げてしまうであろう。
政武のそうした言葉から、いかに信常が発明を愛し発明の為にその生涯を捧げた人物であったかが良く分かる。
長継
「拙者の父上が思っておった以上に信常殿は村上家の為に動かれておったというのか…真に有難きことにござる。」
かつて信常は、長継の父である長馬の元で発明を行っていた。
それは国内の発展の為、ひいては村上家の為に…
そうした想いで日々発明に励んでいたからこそ、様々な物が生み出されたのであろう。
長継は信常に対して感謝の念を抱いていた。
崇房
「まさか、我が藩内にかような物が残されておったとは…」
信常は生前、数多くの発明品を世に送り出していた。
そのどれを取っても最上級の出来で、彼が発明を完成する度に技術革新が起こったと言われている程である。
今回の発明品である煙幕もまたその中の一つであり、それが自身の藩内で見つかったという事に崇房は驚いていた。
祐永
「こうして我らが安全に進軍できておる姿を信常殿が見られたら、さぞかし喜ばれてるおったじゃろうな…」
もし信常が生きていて自身の発明が皆の役に立っているという事を知れば、感慨無量な気持ちとなるであろう。
祐永は目を潤ませながらそう呟いていた。
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