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第10章 異国の大決戦編
02.進軍開始
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そして翌日、セラージュにおいてセビカ・志太幕府連合軍を編成して挙兵。
ヘルト独立勢力の本拠地であるワニア島を目指し始める。
ワニアはセラージュの東側に位置する島であり、軍勢は船を用いて進軍を行う必要がある。
そしてワニアまでの航路に関して先の軍議で話し合いを行った結果、宗重の案が採用されていた。
今回、採用された航路は次のようなものであった。
※赤線が航路
政武
「やれやれ、また船に乗らねばならぬのか…流石にこうも続けば飽き飽きするわい…」
政武は気だるそうな様子で舵を取っていた。
つい先月、そしてさらには数日前に長期間による船での移動を行っていた彼は退屈で仕方が無かった。
そんな政武を見た宗重が言う。
宗重
「じゃが政武よ、此度の航路は一月ほど前の航路と比べれば幾分も短くなってはおろう?」
政武
「う、うむ。まぁ…確かにそうではあるがな…」
以前に我らがワニア島に潜入を行った際の航路に比べると遥かに距離は短くなっている故、退屈などする暇は無い。
政武は宗重のその言葉に少しは納得している様子であった。
そしてセビカ軍の船は、宗重らが乗っていた船の後ろに続いていた。
長継が心配げな表情を浮かべながら呟く。
長継
「しかし、この航路でワニアへと向かって真に大丈夫なのでござろうか…」
長継は、先日の軍議によって宗重が提案した航路について疑問を感じていた。
これに対しドヴェルクは案ずる様子は無くあくまでも冷静に答える。
ドヴェルク
「宗重氏のお考えがあってのことにございましょう。」
さらにセビカ軍の船の後ろには崇房と祐宗らを乗せた船が続いていた。
宗重らの乗った船を見ながら崇房がぽつりと言う。
崇房
「これでは敵軍に我らの軍勢を見つけてくれと申しておるようなものでござろう。宗重殿は一体、何をお考えなのであろうか…」
どうやら崇房も長継に同じく疑問を感じている様子であった。
出発地点のセラージュからワニアまでの今回の航路は比較的短い距離という事から、短い時間でワニアへ上陸する事が可能である。
だが、この航路にはある事が危惧されている。
それは、敵軍であるヘルト軍に見つかりやすいという事だ。
ワニア島の西側は海を隔ててセラージュと面している故に、相手の攻撃に備えて常に警戒を敷いているはず。
そうであらば、自身たちの軍勢はワニア沖で発見される可能性は充分に有り得る。
進軍中の船に対してワニア軍からの集中攻撃を受けてしまえば船は間違いなく沈没するであろう。
崇房はそうした不安も感じていた。
祐宗
「宗重殿は案ずることは無きと何度も申されてはおったが…はて…」
この航路で船を進めれば全軍が無事にワニアへの上陸を果たす事が出来る。
先日の軍議において宗重が自信に満ちた表情でそう言い放っていた事を祐宗は思い出し始める。
本当に今回の航路で問題は何も無いのであろうか…
祐宗は宗重に対して半信半疑な様子であった。
すると、彼らのそうした様子を見た政武が宗重に対して言う。
政武
「おい爺さんよ、他の連中はあんたが決めた航路に今も納得がいってねえようだぜ?」
宗重
「ほう、そうか。ではそろそろ皆の者に答えを出すとするか。あえて儂がかような航路を選んだという理由のな。」
長継は腰をゆっくりと上げてそう言っていた。
ヘルト独立勢力の本拠地であるワニア島を目指し始める。
ワニアはセラージュの東側に位置する島であり、軍勢は船を用いて進軍を行う必要がある。
そしてワニアまでの航路に関して先の軍議で話し合いを行った結果、宗重の案が採用されていた。
今回、採用された航路は次のようなものであった。
※赤線が航路
政武
「やれやれ、また船に乗らねばならぬのか…流石にこうも続けば飽き飽きするわい…」
政武は気だるそうな様子で舵を取っていた。
つい先月、そしてさらには数日前に長期間による船での移動を行っていた彼は退屈で仕方が無かった。
そんな政武を見た宗重が言う。
宗重
「じゃが政武よ、此度の航路は一月ほど前の航路と比べれば幾分も短くなってはおろう?」
政武
「う、うむ。まぁ…確かにそうではあるがな…」
以前に我らがワニア島に潜入を行った際の航路に比べると遥かに距離は短くなっている故、退屈などする暇は無い。
政武は宗重のその言葉に少しは納得している様子であった。
そしてセビカ軍の船は、宗重らが乗っていた船の後ろに続いていた。
長継が心配げな表情を浮かべながら呟く。
長継
「しかし、この航路でワニアへと向かって真に大丈夫なのでござろうか…」
長継は、先日の軍議によって宗重が提案した航路について疑問を感じていた。
これに対しドヴェルクは案ずる様子は無くあくまでも冷静に答える。
ドヴェルク
「宗重氏のお考えがあってのことにございましょう。」
さらにセビカ軍の船の後ろには崇房と祐宗らを乗せた船が続いていた。
宗重らの乗った船を見ながら崇房がぽつりと言う。
崇房
「これでは敵軍に我らの軍勢を見つけてくれと申しておるようなものでござろう。宗重殿は一体、何をお考えなのであろうか…」
どうやら崇房も長継に同じく疑問を感じている様子であった。
出発地点のセラージュからワニアまでの今回の航路は比較的短い距離という事から、短い時間でワニアへ上陸する事が可能である。
だが、この航路にはある事が危惧されている。
それは、敵軍であるヘルト軍に見つかりやすいという事だ。
ワニア島の西側は海を隔ててセラージュと面している故に、相手の攻撃に備えて常に警戒を敷いているはず。
そうであらば、自身たちの軍勢はワニア沖で発見される可能性は充分に有り得る。
進軍中の船に対してワニア軍からの集中攻撃を受けてしまえば船は間違いなく沈没するであろう。
崇房はそうした不安も感じていた。
祐宗
「宗重殿は案ずることは無きと何度も申されてはおったが…はて…」
この航路で船を進めれば全軍が無事にワニアへの上陸を果たす事が出来る。
先日の軍議において宗重が自信に満ちた表情でそう言い放っていた事を祐宗は思い出し始める。
本当に今回の航路で問題は何も無いのであろうか…
祐宗は宗重に対して半信半疑な様子であった。
すると、彼らのそうした様子を見た政武が宗重に対して言う。
政武
「おい爺さんよ、他の連中はあんたが決めた航路に今も納得がいってねえようだぜ?」
宗重
「ほう、そうか。ではそろそろ皆の者に答えを出すとするか。あえて儂がかような航路を選んだという理由のな。」
長継は腰をゆっくりと上げてそう言っていた。
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