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第9章 創天国の魂編
84.幕府の信念
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数日間の航海の末、幕府軍は無事に目的地であるセビカへ到着。
こうして異国の地に足を踏み入れる事となった。
ほどなくして近隣の住民たちが港に集まり始める。
自国のものでは無い異国の船が並んで泊まっているという光景に驚いている様子であった。
それもそのはず、泊まっているのは大軍勢が収容できるほどの大船である故にそう思うのも無理は無いであろう。
宗重
「さてと、まずは長継殿とドヴェルク殿に我らが来たことを告げねばならぬな。」
宗重は辺りを見回しながらそう言っていた。
すると政武が何かに気付いた様子で答える。
政武
「爺さんよ、その必要は無さそうだぜ。ほれ。」
政武は集まった住民たちの中に居た二人の男を指さしていた。
その男は、長継とドヴェルクであった。
長継
「異国の船がセラージュに来たと聞いておったが、お主らでござったか。」
セラージュの港に異国の者が乗ったと思わしき大きな船がやって来た。
それを聞きつけた長継らは急いで現場へと向かった。
そこで宗重や政武らの姿を長継は見つけていたのである。
宗重は長継に対して頭を深々と下げながら言う。
宗重
「我ら志太幕府軍、セビカ国に助太刀致す故に創天国より海を渡って参りました。」
創天国 志太幕府はセビカ国存続の危機ということを受け、援軍に参った。
今こそ共に立ち上がり、再びセビカの地に平和を取り戻そうではないか。
するとドヴェルクが宗重に対して瞳を潤せながら声を上げる。
ドヴェルク
「あぁ、本当にありがとうございます!心より感謝いたします!」
今にも涙をこぼしそうなドヴェルクを見た政武が威勢の良い声を上げ始める。
政武
「俺たちが来たからにはもう安心じゃ。ヘルトとかいう奴らを叩きのめしてくれるわ!」
セビカの民たちは皆、敵国 ヘルト独立勢力の侵略に怯えて眠れぬ日々を過ごしていた。
だがそうした日々もこれで終わる、終わらせてみせよう。
創天国 志太幕府軍の副軍団長であるこの木内政武の力によって…
政武は闘志をむき出しにしてそう言い放っていた。
やがて崇房が長継らに頭を下げながら言う。
崇房
「申し遅れました。拙者、志太幕府 志栄藩の口羽崇房にございます。」
それに続いて祐永も口を開く。
祐永
「同じく志太幕府 大老 志太祐永にございます。」
祐永の名を聞いたドヴェルクはすぐに反応し、言葉を返す。
ドヴェルク
「志太…もしや、その方は将軍殿の血縁があられるということですか?」
祐永
「いかにも、将軍 志太祐宗は拙者の兄上にござる。」
それを聞いた長継は深々と頭を下げて言う。
長継
「何と…将軍殿の弟君にあられる祐永殿の御手を煩わせるなど、真に…真に恐れ多きことにございます…」
自国であるセビカが引き起こした内部争いに巻き込んでしまった事に対し、長継らは負い目を感じていたようである。
そしてさらには将軍の一門の人間をも
こうした事からも長継は非常に畏まった態度を見せている。
すると祐永は笑顔で答え始める。
祐永
「長継殿よ、どうか顔をお上げくだされ。苦しまれておる者を助けるが我が幕府の信念にございます故、遠慮は無用にございますぞ。」
「苦しみにあえぐ者あれば手を差し伸べて解放させるが我らの役目ぞ」
こうした信念の元で志太幕府は成立しているのである。
それ故に、気に病む事などはせずに共に手を取り合って再びセビカに平和を取り戻そうではないか。
祐永は長継らに対してそのように述べていた。
そうしていると次に政武が豪快に言い放つ。
政武
「祐永さんがそう言うておるのじゃから遠慮はいらぬってことじゃ。安心せい。」
宗重
「こ、こら政武!貴様という奴は…全く…」
祐永
「ふふ…相変わらず政武殿は威勢の良き男にござるな。真に頼もしい限りじゃ。」
祐永はなおも笑顔を見せながらそう言っていた。
こうして異国の地に足を踏み入れる事となった。
ほどなくして近隣の住民たちが港に集まり始める。
自国のものでは無い異国の船が並んで泊まっているという光景に驚いている様子であった。
それもそのはず、泊まっているのは大軍勢が収容できるほどの大船である故にそう思うのも無理は無いであろう。
宗重
「さてと、まずは長継殿とドヴェルク殿に我らが来たことを告げねばならぬな。」
宗重は辺りを見回しながらそう言っていた。
すると政武が何かに気付いた様子で答える。
政武
「爺さんよ、その必要は無さそうだぜ。ほれ。」
政武は集まった住民たちの中に居た二人の男を指さしていた。
その男は、長継とドヴェルクであった。
長継
「異国の船がセラージュに来たと聞いておったが、お主らでござったか。」
セラージュの港に異国の者が乗ったと思わしき大きな船がやって来た。
それを聞きつけた長継らは急いで現場へと向かった。
そこで宗重や政武らの姿を長継は見つけていたのである。
宗重は長継に対して頭を深々と下げながら言う。
宗重
「我ら志太幕府軍、セビカ国に助太刀致す故に創天国より海を渡って参りました。」
創天国 志太幕府はセビカ国存続の危機ということを受け、援軍に参った。
今こそ共に立ち上がり、再びセビカの地に平和を取り戻そうではないか。
するとドヴェルクが宗重に対して瞳を潤せながら声を上げる。
ドヴェルク
「あぁ、本当にありがとうございます!心より感謝いたします!」
今にも涙をこぼしそうなドヴェルクを見た政武が威勢の良い声を上げ始める。
政武
「俺たちが来たからにはもう安心じゃ。ヘルトとかいう奴らを叩きのめしてくれるわ!」
セビカの民たちは皆、敵国 ヘルト独立勢力の侵略に怯えて眠れぬ日々を過ごしていた。
だがそうした日々もこれで終わる、終わらせてみせよう。
創天国 志太幕府軍の副軍団長であるこの木内政武の力によって…
政武は闘志をむき出しにしてそう言い放っていた。
やがて崇房が長継らに頭を下げながら言う。
崇房
「申し遅れました。拙者、志太幕府 志栄藩の口羽崇房にございます。」
それに続いて祐永も口を開く。
祐永
「同じく志太幕府 大老 志太祐永にございます。」
祐永の名を聞いたドヴェルクはすぐに反応し、言葉を返す。
ドヴェルク
「志太…もしや、その方は将軍殿の血縁があられるということですか?」
祐永
「いかにも、将軍 志太祐宗は拙者の兄上にござる。」
それを聞いた長継は深々と頭を下げて言う。
長継
「何と…将軍殿の弟君にあられる祐永殿の御手を煩わせるなど、真に…真に恐れ多きことにございます…」
自国であるセビカが引き起こした内部争いに巻き込んでしまった事に対し、長継らは負い目を感じていたようである。
そしてさらには将軍の一門の人間をも
こうした事からも長継は非常に畏まった態度を見せている。
すると祐永は笑顔で答え始める。
祐永
「長継殿よ、どうか顔をお上げくだされ。苦しまれておる者を助けるが我が幕府の信念にございます故、遠慮は無用にございますぞ。」
「苦しみにあえぐ者あれば手を差し伸べて解放させるが我らの役目ぞ」
こうした信念の元で志太幕府は成立しているのである。
それ故に、気に病む事などはせずに共に手を取り合って再びセビカに平和を取り戻そうではないか。
祐永は長継らに対してそのように述べていた。
そうしていると次に政武が豪快に言い放つ。
政武
「祐永さんがそう言うておるのじゃから遠慮はいらぬってことじゃ。安心せい。」
宗重
「こ、こら政武!貴様という奴は…全く…」
祐永
「ふふ…相変わらず政武殿は威勢の良き男にござるな。真に頼もしい限りじゃ。」
祐永はなおも笑顔を見せながらそう言っていた。
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