483 / 549
第9章 創天国の魂編
75.巨船
しおりを挟む
同盟関係を結んだセビカ国存続の危機を救うべく志太幕府は援軍派兵を行う意向を示し、軍勢を編成し始めようとしていた。
しかし、セビカ国は創天国より海を越え遥か彼方に存在する異国の地。
それ故に幕府側としても現地に派兵するとあらば、大変な労力を費やす事となるであろう。
先月に自身がセビカ国に訪問するにあたっての苦労を知っていた貞広はそう考えていた。
だが、その問題は九条信常の子である九条守常による新たな船の発明によって解決が成されそうであるという。
貞広
「守常殿、その船とは一体どのような物にございましょうか?一度、見てみとうございます。」
貞広は守常に対してそう言っていた。
彼が発明したという船に対して非常に興味を示しているようであった。
すると守常はすぐさまに首を縦に振って答える。
守常
「よろしいでしょう。それではその船をお見せします故、港までご案内させていただきましょうぞ。」
そうして皆は守常の案内のもと、八光御所の北側に有る港まで移動する。
そこで目に映った光景に対して皆が口を開き始める。
貞広
「これが…守常殿の発明なされた船、にございますか…」
貞広は、船着き場に何隻も並んだ巨大な船たちを見て圧倒されている様子である。
政武
「おぉ!これまたでかい船じゃな!俺が乗っておった船とは全くもって大きさが違うわ!」
政武は海賊衆の頭領ということもあってか、かつて所持していた船が最高な物であろうと考えていた。
だが、今ここで守常の発明した船を見た事によってそれはただの自己満足に過ぎなかったと思わされているようであった。
宗重
「かような船を守常殿が造られたと?流石はあの信常殿のご嫡男にございますな。」
今までに見た事が無い程に規模の大きい船に対して宗重は感嘆の声を上げていた。
同時に、このような物を造り出した守常にはかつて天才発明家と称されてた九条信常の才能がしっかりと受け継がれているという事を確信している様子であった。
すると守常が恐縮して答える。
守常
「拙者は、今もなお我が父 九条信常の背中を追いかける身にござる。皆の者たちのお役に立ちたい一心で発明に励んでおりまする。」
自身は現在も父である九条信常に少しでも近付こうと日々努力を行っているという。
しかし、それでも「天才発明家」「天下の発明家」などと言った称号を持っていた信常に自身はまだまだ到底及ばない。
私はただ、この創天国 志太幕府の者たちの役に少しでも立てられれば…
今回の発明はそうした強い気持ちを忘れる事無く励んだ故に完成したのである。
守常は終始謙虚な態度を見せながらそう言っていた。
すると祐宗はそんな守常の肩を軽く叩いて言葉をかけ始める。
祐宗
「守常よ、お主はとうに信常殿と肩を並べて走っておられる。そのことを忘れるでないぞ!」
守常は既に父である信常と同様の才能を開花し、その力を充分に発揮していると祐宗は言っていた。
今回、皆がこの船を目にした事で驚きそして感嘆の声を上げている事が何よりの証拠である。
それ故に、もっと自信と誇りを持って生きて行くが良い。
祐宗は守常に対してそう熱く語りかけていた。
その言葉に守常はすかさず頭を深々と下げ始める。
守常
「ははっ、上様よりかようなお言葉を頂けて拙者は真に嬉しゅうございます!」
守常は目頭を熱くさせながら喜びの声を上げていた。
しかし、セビカ国は創天国より海を越え遥か彼方に存在する異国の地。
それ故に幕府側としても現地に派兵するとあらば、大変な労力を費やす事となるであろう。
先月に自身がセビカ国に訪問するにあたっての苦労を知っていた貞広はそう考えていた。
だが、その問題は九条信常の子である九条守常による新たな船の発明によって解決が成されそうであるという。
貞広
「守常殿、その船とは一体どのような物にございましょうか?一度、見てみとうございます。」
貞広は守常に対してそう言っていた。
彼が発明したという船に対して非常に興味を示しているようであった。
すると守常はすぐさまに首を縦に振って答える。
守常
「よろしいでしょう。それではその船をお見せします故、港までご案内させていただきましょうぞ。」
そうして皆は守常の案内のもと、八光御所の北側に有る港まで移動する。
そこで目に映った光景に対して皆が口を開き始める。
貞広
「これが…守常殿の発明なされた船、にございますか…」
貞広は、船着き場に何隻も並んだ巨大な船たちを見て圧倒されている様子である。
政武
「おぉ!これまたでかい船じゃな!俺が乗っておった船とは全くもって大きさが違うわ!」
政武は海賊衆の頭領ということもあってか、かつて所持していた船が最高な物であろうと考えていた。
だが、今ここで守常の発明した船を見た事によってそれはただの自己満足に過ぎなかったと思わされているようであった。
宗重
「かような船を守常殿が造られたと?流石はあの信常殿のご嫡男にございますな。」
今までに見た事が無い程に規模の大きい船に対して宗重は感嘆の声を上げていた。
同時に、このような物を造り出した守常にはかつて天才発明家と称されてた九条信常の才能がしっかりと受け継がれているという事を確信している様子であった。
すると守常が恐縮して答える。
守常
「拙者は、今もなお我が父 九条信常の背中を追いかける身にござる。皆の者たちのお役に立ちたい一心で発明に励んでおりまする。」
自身は現在も父である九条信常に少しでも近付こうと日々努力を行っているという。
しかし、それでも「天才発明家」「天下の発明家」などと言った称号を持っていた信常に自身はまだまだ到底及ばない。
私はただ、この創天国 志太幕府の者たちの役に少しでも立てられれば…
今回の発明はそうした強い気持ちを忘れる事無く励んだ故に完成したのである。
守常は終始謙虚な態度を見せながらそう言っていた。
すると祐宗はそんな守常の肩を軽く叩いて言葉をかけ始める。
祐宗
「守常よ、お主はとうに信常殿と肩を並べて走っておられる。そのことを忘れるでないぞ!」
守常は既に父である信常と同様の才能を開花し、その力を充分に発揮していると祐宗は言っていた。
今回、皆がこの船を目にした事で驚きそして感嘆の声を上げている事が何よりの証拠である。
それ故に、もっと自信と誇りを持って生きて行くが良い。
祐宗は守常に対してそう熱く語りかけていた。
その言葉に守常はすかさず頭を深々と下げ始める。
守常
「ははっ、上様よりかようなお言葉を頂けて拙者は真に嬉しゅうございます!」
守常は目頭を熱くさせながら喜びの声を上げていた。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
四代目 豊臣秀勝
克全
歴史・時代
アルファポリス第5回歴史時代小説大賞参加作です。
読者賞を狙っていますので、アルファポリスで投票とお気に入り登録してくださると助かります。
史実で三木城合戦前後で夭折した木下与一郎が生き延びた。
秀吉の最年長の甥であり、秀長の嫡男・与一郎が生き延びた豊臣家が辿る歴史はどう言うモノになるのか。
小牧長久手で秀吉は勝てるのか?
朝日姫は徳川家康の嫁ぐのか?
朝鮮征伐は行われるのか?
秀頼は生まれるのか。
秀次が後継者に指名され切腹させられるのか?
無職ニートの俺は気が付くと聯合艦隊司令長官になっていた
中七七三
ファンタジー
■■アルファポリス 第1回歴史・時代小説大賞 読者賞受賞■■
無職ニートで軍ヲタの俺が太平洋戦争時の聯合艦隊司令長官となっていた。
これは、別次元から来た女神のせいだった。
その次元では日本が勝利していたのだった。
女神は、神国日本が負けた歴史の世界が許せない。
なぜか、俺を真珠湾攻撃直前の時代に転移させ、聯合艦隊司令長官にした。
軍ヲタ知識で、歴史をどーにかできるのか?
日本勝たせるなんて、無理ゲーじゃねと思いつつ、このままでは自分が死ぬ。
ブーゲンビルで機上戦死か、戦争終わって、戦犯で死刑だ。
この運命を回避するため、必死の戦いが始まった。
参考文献は、各話の最後に掲載しています。完結後に纏めようかと思います。
使用している地図・画像は自作か、ライセンスで再利用可のものを検索し使用しています。
表紙イラストは、ヤングマガジンで賞をとった方が画いたものです。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

暁のミッドウェー
三笠 陣
歴史・時代
一九四二年七月五日、日本海軍はその空母戦力の総力を挙げて中部太平洋ミッドウェー島へと進撃していた。
真珠湾以来の歴戦の六空母、赤城、加賀、蒼龍、飛龍、翔鶴、瑞鶴が目指すのは、アメリカ海軍空母部隊の撃滅。
一方のアメリカ海軍は、暗号解読によって日本海軍の作戦を察知していた。
そしてアメリカ海軍もまた、太平洋にある空母部隊の総力を結集して日本艦隊の迎撃に向かう。
ミッドウェー沖で、レキシントン、サラトガ、ヨークタウン、エンタープライズ、ホーネットが、日本艦隊を待ち構えていた。
日米数百機の航空機が入り乱れる激戦となった、日米初の空母決戦たるミッドウェー海戦。
その幕が、今まさに切って落とされようとしていた。
(※本作は、「小説家になろう」様にて連載中の同名の作品を転載したものです。)

海道一の弓取り~昨日なし明日またしらぬ、人はただ今日のうちこそ命なりけれ~
海野 入鹿
SF
高校2年生の相場源太は暴走した車によって突如として人生に終止符を打たれた、はずだった。
再び目覚めた時、源太はあの桶狭間の戦いで有名な今川義元に転生していた―
これは現代っ子の高校生が突き進む戦国物語。
史実に沿って進みますが、作者の創作なので架空の人物や設定が入っております。
不定期更新です。
SFとなっていますが、歴史物です。
小説家になろうでも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる