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第9章 創天国の魂編
75.巨船
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同盟関係を結んだセビカ国存続の危機を救うべく志太幕府は援軍派兵を行う意向を示し、軍勢を編成し始めようとしていた。
しかし、セビカ国は創天国より海を越え遥か彼方に存在する異国の地。
それ故に幕府側としても現地に派兵するとあらば、大変な労力を費やす事となるであろう。
先月に自身がセビカ国に訪問するにあたっての苦労を知っていた貞広はそう考えていた。
だが、その問題は九条信常の子である九条守常による新たな船の発明によって解決が成されそうであるという。
貞広
「守常殿、その船とは一体どのような物にございましょうか?一度、見てみとうございます。」
貞広は守常に対してそう言っていた。
彼が発明したという船に対して非常に興味を示しているようであった。
すると守常はすぐさまに首を縦に振って答える。
守常
「よろしいでしょう。それではその船をお見せします故、港までご案内させていただきましょうぞ。」
そうして皆は守常の案内のもと、八光御所の北側に有る港まで移動する。
そこで目に映った光景に対して皆が口を開き始める。
貞広
「これが…守常殿の発明なされた船、にございますか…」
貞広は、船着き場に何隻も並んだ巨大な船たちを見て圧倒されている様子である。
政武
「おぉ!これまたでかい船じゃな!俺が乗っておった船とは全くもって大きさが違うわ!」
政武は海賊衆の頭領ということもあってか、かつて所持していた船が最高な物であろうと考えていた。
だが、今ここで守常の発明した船を見た事によってそれはただの自己満足に過ぎなかったと思わされているようであった。
宗重
「かような船を守常殿が造られたと?流石はあの信常殿のご嫡男にございますな。」
今までに見た事が無い程に規模の大きい船に対して宗重は感嘆の声を上げていた。
同時に、このような物を造り出した守常にはかつて天才発明家と称されてた九条信常の才能がしっかりと受け継がれているという事を確信している様子であった。
すると守常が恐縮して答える。
守常
「拙者は、今もなお我が父 九条信常の背中を追いかける身にござる。皆の者たちのお役に立ちたい一心で発明に励んでおりまする。」
自身は現在も父である九条信常に少しでも近付こうと日々努力を行っているという。
しかし、それでも「天才発明家」「天下の発明家」などと言った称号を持っていた信常に自身はまだまだ到底及ばない。
私はただ、この創天国 志太幕府の者たちの役に少しでも立てられれば…
今回の発明はそうした強い気持ちを忘れる事無く励んだ故に完成したのである。
守常は終始謙虚な態度を見せながらそう言っていた。
すると祐宗はそんな守常の肩を軽く叩いて言葉をかけ始める。
祐宗
「守常よ、お主はとうに信常殿と肩を並べて走っておられる。そのことを忘れるでないぞ!」
守常は既に父である信常と同様の才能を開花し、その力を充分に発揮していると祐宗は言っていた。
今回、皆がこの船を目にした事で驚きそして感嘆の声を上げている事が何よりの証拠である。
それ故に、もっと自信と誇りを持って生きて行くが良い。
祐宗は守常に対してそう熱く語りかけていた。
その言葉に守常はすかさず頭を深々と下げ始める。
守常
「ははっ、上様よりかようなお言葉を頂けて拙者は真に嬉しゅうございます!」
守常は目頭を熱くさせながら喜びの声を上げていた。
しかし、セビカ国は創天国より海を越え遥か彼方に存在する異国の地。
それ故に幕府側としても現地に派兵するとあらば、大変な労力を費やす事となるであろう。
先月に自身がセビカ国に訪問するにあたっての苦労を知っていた貞広はそう考えていた。
だが、その問題は九条信常の子である九条守常による新たな船の発明によって解決が成されそうであるという。
貞広
「守常殿、その船とは一体どのような物にございましょうか?一度、見てみとうございます。」
貞広は守常に対してそう言っていた。
彼が発明したという船に対して非常に興味を示しているようであった。
すると守常はすぐさまに首を縦に振って答える。
守常
「よろしいでしょう。それではその船をお見せします故、港までご案内させていただきましょうぞ。」
そうして皆は守常の案内のもと、八光御所の北側に有る港まで移動する。
そこで目に映った光景に対して皆が口を開き始める。
貞広
「これが…守常殿の発明なされた船、にございますか…」
貞広は、船着き場に何隻も並んだ巨大な船たちを見て圧倒されている様子である。
政武
「おぉ!これまたでかい船じゃな!俺が乗っておった船とは全くもって大きさが違うわ!」
政武は海賊衆の頭領ということもあってか、かつて所持していた船が最高な物であろうと考えていた。
だが、今ここで守常の発明した船を見た事によってそれはただの自己満足に過ぎなかったと思わされているようであった。
宗重
「かような船を守常殿が造られたと?流石はあの信常殿のご嫡男にございますな。」
今までに見た事が無い程に規模の大きい船に対して宗重は感嘆の声を上げていた。
同時に、このような物を造り出した守常にはかつて天才発明家と称されてた九条信常の才能がしっかりと受け継がれているという事を確信している様子であった。
すると守常が恐縮して答える。
守常
「拙者は、今もなお我が父 九条信常の背中を追いかける身にござる。皆の者たちのお役に立ちたい一心で発明に励んでおりまする。」
自身は現在も父である九条信常に少しでも近付こうと日々努力を行っているという。
しかし、それでも「天才発明家」「天下の発明家」などと言った称号を持っていた信常に自身はまだまだ到底及ばない。
私はただ、この創天国 志太幕府の者たちの役に少しでも立てられれば…
今回の発明はそうした強い気持ちを忘れる事無く励んだ故に完成したのである。
守常は終始謙虚な態度を見せながらそう言っていた。
すると祐宗はそんな守常の肩を軽く叩いて言葉をかけ始める。
祐宗
「守常よ、お主はとうに信常殿と肩を並べて走っておられる。そのことを忘れるでないぞ!」
守常は既に父である信常と同様の才能を開花し、その力を充分に発揮していると祐宗は言っていた。
今回、皆がこの船を目にした事で驚きそして感嘆の声を上げている事が何よりの証拠である。
それ故に、もっと自信と誇りを持って生きて行くが良い。
祐宗は守常に対してそう熱く語りかけていた。
その言葉に守常はすかさず頭を深々と下げ始める。
守常
「ははっ、上様よりかようなお言葉を頂けて拙者は真に嬉しゅうございます!」
守常は目頭を熱くさせながら喜びの声を上げていた。
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