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第9章 創天国の魂編
61.鬼の如く
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宗重の前に突如として男が現れる。
その男とは、過去に自身が暗殺した柳幸盛であった。
「長年の恨みを晴らすべく冥府より舞い戻って来た故、覚悟いたせ」
幸盛は宗重を睨みつけながらそう言っていた。
険しい表情を見せる幸盛をよそに宗重が冷ややかな態度で言う。
宗重
「それにしても、わざわざ冥府より儂の命を取りに来るとは…真に暇な男じゃのう。」
その言葉を聞いた幸盛が怒鳴り声を上げ始める。
幸盛
「えぇい、うるさいわ!貴様が邪魔さえしなくば、今頃儂は天下を手にしておったものを!」
幸盛には野望があった。
それは天下を手中に収め、創天国全土の富を自身の物とする事である。
しかし、最終的には志太家によってその野望は打ち砕かれてしまう事となった。
志半ばで自身の命を理不尽に絶たれてしまった者の遺恨を考えた事があるのか。
幸盛はさらに険しい表情をして怒髪天を衝くほどの勢いであった。
宗重に対しては想像を絶する程の私怨を抱いている様子が伺える。
すると宗重が呆れた表情で吐き捨てるように言う。
宗重
「ふん、貴様のような邪念まみれのどす黒き天下なぞ誰も見とう無い故、儂らが貴様の命を絶ってやったのじゃ。それが分からぬと申すか。」
私利私欲にまみれた幸盛による天下など誰も望んではいない。
そのような野望は打ち砕かれて当然。
それ故に、我ら志太家は正義の名の下において柳家を滅ぼしたのである。
宗重はそう言いたげな様子であった。
宗重の態度が気に入らなかったのであろうか、幸盛は激昂して叫び声を上げる。
幸盛
「いずれにせよ宗重!貴様だけは絶対に!絶対に許せぬ!」
宗重
「どうやら話し合っても無駄のようにござるな。しからば今一度貴様を斬り、冥府へと送り返してくれようぞ!」
幸盛
「へっ、やれるものならやってみるが良い!来い!」
二人は刀を一斉に抜き、お互いを目掛けて斬りかかり始めた。
激しい鍔迫り合いの音が小屋の中に響き渡る。
共に一進一退の攻防を繰り返していたが、やがて宗重が息を切らせながら声を漏らす。
宗重
「くっ、貴様…なかなかやりおるな…はぁ、はぁ…」
始めの方こそ互角にやり合ってはいたものの、次第に宗重の表情に疲れの色が見え始めていたようである。
すると幸盛がここぞとばかりに得意気な表情をしながら答える。
幸盛
「当たり前でござろう。何しろ儂は地獄の鬼どもと一戦を交えておる身じゃからのう。それもこれも全ては宗重!貴様を討つ為ぞ!」
宗重によって暗殺された幸盛は、地獄へと送られていた。
そこで彼は手始めに鬼たちと激しい戦いを繰り広げたという。
この事からもいかに幸盛が過酷な環境で地獄での日々を送っていたかが分かるであろう。
宗重
「死してもなお戦の腕を磨いておったと申すか。何という男じゃ…」
幸盛の凄まじい程の執念深さを知った宗重は腰を抜かさんばかりの驚きようであった。
宗重は、彼のその底知れぬ力を恐れての事からか後に
「己の命尽きし後に冥府でも戦の火を燃す幸盛は地獄の鬼に値し恐ろしさなり」
という言葉を残しているほどである。
すると幸盛が声高らかに笑い始める。
幸盛
「地獄の鬼どもに比べれば貴様なぞ屁でも無いわ!はっはっはっ!」
宗重
「貴様…言わせておけば…この宮本宗重、舐めるでない!」
幸盛の顔を睨みつけながら宗重はそう声を上げていた。
その男とは、過去に自身が暗殺した柳幸盛であった。
「長年の恨みを晴らすべく冥府より舞い戻って来た故、覚悟いたせ」
幸盛は宗重を睨みつけながらそう言っていた。
険しい表情を見せる幸盛をよそに宗重が冷ややかな態度で言う。
宗重
「それにしても、わざわざ冥府より儂の命を取りに来るとは…真に暇な男じゃのう。」
その言葉を聞いた幸盛が怒鳴り声を上げ始める。
幸盛
「えぇい、うるさいわ!貴様が邪魔さえしなくば、今頃儂は天下を手にしておったものを!」
幸盛には野望があった。
それは天下を手中に収め、創天国全土の富を自身の物とする事である。
しかし、最終的には志太家によってその野望は打ち砕かれてしまう事となった。
志半ばで自身の命を理不尽に絶たれてしまった者の遺恨を考えた事があるのか。
幸盛はさらに険しい表情をして怒髪天を衝くほどの勢いであった。
宗重に対しては想像を絶する程の私怨を抱いている様子が伺える。
すると宗重が呆れた表情で吐き捨てるように言う。
宗重
「ふん、貴様のような邪念まみれのどす黒き天下なぞ誰も見とう無い故、儂らが貴様の命を絶ってやったのじゃ。それが分からぬと申すか。」
私利私欲にまみれた幸盛による天下など誰も望んではいない。
そのような野望は打ち砕かれて当然。
それ故に、我ら志太家は正義の名の下において柳家を滅ぼしたのである。
宗重はそう言いたげな様子であった。
宗重の態度が気に入らなかったのであろうか、幸盛は激昂して叫び声を上げる。
幸盛
「いずれにせよ宗重!貴様だけは絶対に!絶対に許せぬ!」
宗重
「どうやら話し合っても無駄のようにござるな。しからば今一度貴様を斬り、冥府へと送り返してくれようぞ!」
幸盛
「へっ、やれるものならやってみるが良い!来い!」
二人は刀を一斉に抜き、お互いを目掛けて斬りかかり始めた。
激しい鍔迫り合いの音が小屋の中に響き渡る。
共に一進一退の攻防を繰り返していたが、やがて宗重が息を切らせながら声を漏らす。
宗重
「くっ、貴様…なかなかやりおるな…はぁ、はぁ…」
始めの方こそ互角にやり合ってはいたものの、次第に宗重の表情に疲れの色が見え始めていたようである。
すると幸盛がここぞとばかりに得意気な表情をしながら答える。
幸盛
「当たり前でござろう。何しろ儂は地獄の鬼どもと一戦を交えておる身じゃからのう。それもこれも全ては宗重!貴様を討つ為ぞ!」
宗重によって暗殺された幸盛は、地獄へと送られていた。
そこで彼は手始めに鬼たちと激しい戦いを繰り広げたという。
この事からもいかに幸盛が過酷な環境で地獄での日々を送っていたかが分かるであろう。
宗重
「死してもなお戦の腕を磨いておったと申すか。何という男じゃ…」
幸盛の凄まじい程の執念深さを知った宗重は腰を抜かさんばかりの驚きようであった。
宗重は、彼のその底知れぬ力を恐れての事からか後に
「己の命尽きし後に冥府でも戦の火を燃す幸盛は地獄の鬼に値し恐ろしさなり」
という言葉を残しているほどである。
すると幸盛が声高らかに笑い始める。
幸盛
「地獄の鬼どもに比べれば貴様なぞ屁でも無いわ!はっはっはっ!」
宗重
「貴様…言わせておけば…この宮本宗重、舐めるでない!」
幸盛の顔を睨みつけながら宗重はそう声を上げていた。
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