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第9章 創天国の魂編
57.ヘルト城潜入
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宗重はヘルト城へと侵入する為の策を考えていた。
あれこれと考え抜いた末にある方法を思いつく。
それはヘルト城の西側に広がる林に生えていた木に登り、そこから城内へ侵入するといった内容であった。
そうして木の頂上に登った宗重は鉤縄を城壁にかけて侵入路を確保。
宗重は無事にヘルト城内への侵入を果たしたのであった。
宗重
「よしよし、何とかヘルト城へ入ることができたようじゃな…」
宗重は安堵の表情を浮かべながらそう言っていた。
そして納得した様子で口を開き始める。
宗重
「どうやら下からの警備は厳しかれど、上からの警備は浅かったようであったな。」
ヘルト城は警備兵を置かずとも周りに張り巡らせた罠によって侵入者を防いでいた。
しかし、どうやらそれは地上からのみの侵入だけを想定して配置されていたようであった。
先程に宗重が高所からの侵入に成功している事からそう考えても良いであろう。
宗重
「それにしても、墨山城と比べれば見掛け倒しでなんじゃか調子が狂うのう…」
ヘルト城は警備が厳しく、侵入するのは困難であろうと宗重は考えていた。
それは、創天国随一の名城である墨山城のような雰囲気を感じていた事が強い。
志太軍と外河軍との決戦において攻略までに何度も骨を折らされた苦い経験があったからこそ、彼はそう感じていたのだ。
だが蓋を開けてみれば何という事も無く、いとも簡単に忍び込む事に成功していた。
これには宗重も肩透かしを食らったような心情であった。
よもやヘルト城は、格好だけを見繕った張りぼての城なのでは無いかと考え始めていた。
ちょうど宗重が城内へ侵入したその頃、先程の男がにやりと笑いながら呟き始める。
「ふん、あえてやったことよ。今に自身の愚かさに気付かされ、そしてこのヘルト城に忍び込んだことを後悔するであろう。」
この男は、カルロス・ヘルト率いるヘルト独立勢力で参謀として仕えていたアテヌ・ブラウスであった。
どうやら彼は宗重が今しがた城内へと侵入した事を察知しているようだ。
アテヌ
「今までにこのヘルト城は何人もの侵入者を葬ってきたことか。貴様もそのうちの一人にもうじきなるであろう。ふふふ…」
ヘルト城の警備については、あえて侵入できる箇所を用意していたのだ。
城内へ侵入した後、しばらくすればこの城の本当の恐ろしさを知る事となるであろう、と。
薄ら笑みを浮かべながらアテヌはそう言っていた。
一方、城内の様子を見た宗重が驚きの声を上げ始める。
宗重
「何とまぁ、城内にも警備の兵がおらぬとは…一体、この城はどうなっておるというのじゃ…」
流石に城内には警備の兵は居るはず。
しかし実際に城内に侵入したところ、城の周りと同じく警備の兵は一人たりとも存在しなかったのだ。
この様子に宗重は困惑し始める。
そしてそれに追い打ちをかけるかのような事実を知り、さらなる混乱を生む事となる。
宗重
「むぅ、城の外にあったような罠は無いようじゃな。分からぬ、益々分からぬわい…」
城の周りに張り巡らせていた幾つもの罠がこの城内にはどうやら存在しないようである。
そして同様に警備の兵が居ない事からも、罠が配置されていてもおかしくは無いはず。
にも関わらず、そうした気配がここでは全くしない。
一体全体これはどうなっているというのだ…
考えれば考えるほど謎は深まるばかりであった。
そうしてしばらく考え込んだ後、ふと我に返った宗重が言う。
宗重
「しかしまぁ、城内に忍び込めたことは良し。任務を続けるとしようかの。」
あれこれ考えるよりは今は任務を全うすべし。
気持ちを切り替えた宗重は次に城の内部への潜入に取り掛かるのであった。
あれこれと考え抜いた末にある方法を思いつく。
それはヘルト城の西側に広がる林に生えていた木に登り、そこから城内へ侵入するといった内容であった。
そうして木の頂上に登った宗重は鉤縄を城壁にかけて侵入路を確保。
宗重は無事にヘルト城内への侵入を果たしたのであった。
宗重
「よしよし、何とかヘルト城へ入ることができたようじゃな…」
宗重は安堵の表情を浮かべながらそう言っていた。
そして納得した様子で口を開き始める。
宗重
「どうやら下からの警備は厳しかれど、上からの警備は浅かったようであったな。」
ヘルト城は警備兵を置かずとも周りに張り巡らせた罠によって侵入者を防いでいた。
しかし、どうやらそれは地上からのみの侵入だけを想定して配置されていたようであった。
先程に宗重が高所からの侵入に成功している事からそう考えても良いであろう。
宗重
「それにしても、墨山城と比べれば見掛け倒しでなんじゃか調子が狂うのう…」
ヘルト城は警備が厳しく、侵入するのは困難であろうと宗重は考えていた。
それは、創天国随一の名城である墨山城のような雰囲気を感じていた事が強い。
志太軍と外河軍との決戦において攻略までに何度も骨を折らされた苦い経験があったからこそ、彼はそう感じていたのだ。
だが蓋を開けてみれば何という事も無く、いとも簡単に忍び込む事に成功していた。
これには宗重も肩透かしを食らったような心情であった。
よもやヘルト城は、格好だけを見繕った張りぼての城なのでは無いかと考え始めていた。
ちょうど宗重が城内へ侵入したその頃、先程の男がにやりと笑いながら呟き始める。
「ふん、あえてやったことよ。今に自身の愚かさに気付かされ、そしてこのヘルト城に忍び込んだことを後悔するであろう。」
この男は、カルロス・ヘルト率いるヘルト独立勢力で参謀として仕えていたアテヌ・ブラウスであった。
どうやら彼は宗重が今しがた城内へと侵入した事を察知しているようだ。
アテヌ
「今までにこのヘルト城は何人もの侵入者を葬ってきたことか。貴様もそのうちの一人にもうじきなるであろう。ふふふ…」
ヘルト城の警備については、あえて侵入できる箇所を用意していたのだ。
城内へ侵入した後、しばらくすればこの城の本当の恐ろしさを知る事となるであろう、と。
薄ら笑みを浮かべながらアテヌはそう言っていた。
一方、城内の様子を見た宗重が驚きの声を上げ始める。
宗重
「何とまぁ、城内にも警備の兵がおらぬとは…一体、この城はどうなっておるというのじゃ…」
流石に城内には警備の兵は居るはず。
しかし実際に城内に侵入したところ、城の周りと同じく警備の兵は一人たりとも存在しなかったのだ。
この様子に宗重は困惑し始める。
そしてそれに追い打ちをかけるかのような事実を知り、さらなる混乱を生む事となる。
宗重
「むぅ、城の外にあったような罠は無いようじゃな。分からぬ、益々分からぬわい…」
城の周りに張り巡らせていた幾つもの罠がこの城内にはどうやら存在しないようである。
そして同様に警備の兵が居ない事からも、罠が配置されていてもおかしくは無いはず。
にも関わらず、そうした気配がここでは全くしない。
一体全体これはどうなっているというのだ…
考えれば考えるほど謎は深まるばかりであった。
そうしてしばらく考え込んだ後、ふと我に返った宗重が言う。
宗重
「しかしまぁ、城内に忍び込めたことは良し。任務を続けるとしようかの。」
あれこれ考えるよりは今は任務を全うすべし。
気持ちを切り替えた宗重は次に城の内部への潜入に取り掛かるのであった。
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