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第9章 創天国の魂編
53.いざ潜入
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ワニア山では降りかかる幾多もの脅威が宗重を襲うも無事に突破する。
そうして進み続け、やがて宗重は単身でヘルト城へと到着。
険しい山に築かれたヘルト城を見た宗重は、かつて攻略に志太軍の者たちを手こずらせた名城「墨山城」を思い出す。
このヘルト城があの墨山城のような城であらば、今回の潜入は非常に困難なものとなるであろう…
宗重はそう考えている様子ではあったが、何としてでも敵国の情報を持ち帰るという主命達成の為に意を決して潜入を開始するのであった。
宗重
「さてと、ヘルト城に着いたが一体どこから侵入するが良いかまず周りを調べるとするかの…」
そう言うと宗重はヘルト城の周りの様子を覗い始める。
城門から始まり城壁、屋根、堀、地面など様々な箇所をじっくりと観察して回っていた。
そうしてしばらくした後に元の場所に戻り、首を傾げながら言う。
宗重
「おや?どうも警備の兵たちはどこにもおらぬようじゃな。はて?これは一体どうしたものであろうか…」
どうやらヘルト城は城門はおろか、城壁の周りに至っても警備を行っている兵たちの姿が全く無い様子であった。
本来、城というものは敵からの侵入を防ぐ為に警備の兵を常時配置しておくものである。
しかし、ことヘルト城に関してはそうした気配が全く感じられないのだ。
「城」という名の建築物がただそこにぽつんと構えて存在しているだけ、という拍子抜けとも言える光景に宗重も戸惑いの表情を見せている。
するとやがて何かを感じたのであろうか、宗重が言う。
宗重
「むぅ…もしやこの城は、警備の者たちを置かずとも儂らの侵入を防ぐ何かがあるというのか?」
城の周りに警備の兵を配置していない理由。
それは、城自体が敵の侵入を防ぐ為の何らかの仕掛けがあるのでは無いか。
ひとたび足を踏み入れれば城内に何者かが侵入した事を知らせる仕掛けであろうか。
はたまた侵入者の命を奪うような罠があちこちにあるのかも知れない。
宗重はあれこれと考えを巡らせていた。
侵入検知の仕掛けや侵入者を退治する罠。
忍者としての道を生きて来た人間らしい考えである。
すると宗重は眉間にしわを寄せて腕を組み始める。
宗重
「じゃとすれば、それほど厄介なものはござらぬであろうな…」
先程に宗重自身が考えていた事がもし事実であらば、城内へ潜入する事は非常に困難な事となるであろう。
確かに宗重は忍者としての経験は豊富な人物ではある。
だが、そうした経験があったとしても全ての危険を察知出来るものでは無いと宗重は考えていた。
「鍛錬に励んでその力をつけようとも、常に死と隣合わせの状況に身を置かれるが忍びに生きる者の宿命である」
宗重が束ねた配下の者たちに対して常々口にしていた言葉である。
いくら多くの修行を積んだとしても、完璧な忍者というものは存在しない。
故に、常に緊張感を持って任務に挑まねばならぬ。
それが忍者として生きて行く者としての心得なのである。
こうした事もあってか宗重は、ヘルト城に対して非常に警戒している様子であった。
そうして一息をついた後に腕を大きく振り回し、意を決した表情を見せて言う。
宗重
「良かろう。忍びとしての力、そして意地、見せてやろう。必ずやヘルト城にこの宮本宗重が潜入してくれようぞ。」
宗重は意気揚々としていた。
そうして進み続け、やがて宗重は単身でヘルト城へと到着。
険しい山に築かれたヘルト城を見た宗重は、かつて攻略に志太軍の者たちを手こずらせた名城「墨山城」を思い出す。
このヘルト城があの墨山城のような城であらば、今回の潜入は非常に困難なものとなるであろう…
宗重はそう考えている様子ではあったが、何としてでも敵国の情報を持ち帰るという主命達成の為に意を決して潜入を開始するのであった。
宗重
「さてと、ヘルト城に着いたが一体どこから侵入するが良いかまず周りを調べるとするかの…」
そう言うと宗重はヘルト城の周りの様子を覗い始める。
城門から始まり城壁、屋根、堀、地面など様々な箇所をじっくりと観察して回っていた。
そうしてしばらくした後に元の場所に戻り、首を傾げながら言う。
宗重
「おや?どうも警備の兵たちはどこにもおらぬようじゃな。はて?これは一体どうしたものであろうか…」
どうやらヘルト城は城門はおろか、城壁の周りに至っても警備を行っている兵たちの姿が全く無い様子であった。
本来、城というものは敵からの侵入を防ぐ為に警備の兵を常時配置しておくものである。
しかし、ことヘルト城に関してはそうした気配が全く感じられないのだ。
「城」という名の建築物がただそこにぽつんと構えて存在しているだけ、という拍子抜けとも言える光景に宗重も戸惑いの表情を見せている。
するとやがて何かを感じたのであろうか、宗重が言う。
宗重
「むぅ…もしやこの城は、警備の者たちを置かずとも儂らの侵入を防ぐ何かがあるというのか?」
城の周りに警備の兵を配置していない理由。
それは、城自体が敵の侵入を防ぐ為の何らかの仕掛けがあるのでは無いか。
ひとたび足を踏み入れれば城内に何者かが侵入した事を知らせる仕掛けであろうか。
はたまた侵入者の命を奪うような罠があちこちにあるのかも知れない。
宗重はあれこれと考えを巡らせていた。
侵入検知の仕掛けや侵入者を退治する罠。
忍者としての道を生きて来た人間らしい考えである。
すると宗重は眉間にしわを寄せて腕を組み始める。
宗重
「じゃとすれば、それほど厄介なものはござらぬであろうな…」
先程に宗重自身が考えていた事がもし事実であらば、城内へ潜入する事は非常に困難な事となるであろう。
確かに宗重は忍者としての経験は豊富な人物ではある。
だが、そうした経験があったとしても全ての危険を察知出来るものでは無いと宗重は考えていた。
「鍛錬に励んでその力をつけようとも、常に死と隣合わせの状況に身を置かれるが忍びに生きる者の宿命である」
宗重が束ねた配下の者たちに対して常々口にしていた言葉である。
いくら多くの修行を積んだとしても、完璧な忍者というものは存在しない。
故に、常に緊張感を持って任務に挑まねばならぬ。
それが忍者として生きて行く者としての心得なのである。
こうした事もあってか宗重は、ヘルト城に対して非常に警戒している様子であった。
そうして一息をついた後に腕を大きく振り回し、意を決した表情を見せて言う。
宗重
「良かろう。忍びとしての力、そして意地、見せてやろう。必ずやヘルト城にこの宮本宗重が潜入してくれようぞ。」
宗重は意気揚々としていた。
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