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第9章 創天国の魂編
36.完全無欠の名城
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先刻のアルドとの謁見により、創天国志太幕府とセビカ国との間に同盟が成立。
共に敵国であるヘルト独立勢力と戦う事となった。
そしてドヴェルクがヘルト独立勢力の本拠地について説明をし始める。
そこは、セラージュの東に位置するワニア島の中央部に高くそびえるワニア山の中腹部に築かれた城であった。
宗重
「山に築かれた城ほど攻め辛きものはござらん。米村山城や、我ら志太家が長らく本城としておった志天城のようにな。それと…」
ドヴェルクによって敵国であるヘルト独立勢力の本拠地を聞かされた宗重が苦い表情を見せながらそう言っていた。
すると貞広が間に割って口を開く。
貞広
「外河家が治めしあの墨山城、にございますか…」
宗重
「うむ、あれほどにまで我らが手を焼かされた城は無かった故、これは気を引き締めねばならぬであろうな…」
志栄島の米村山城、池山国の志天城、そして墨山国の墨山城。
これらの城は、いずれも山間部や山上に築かれた山城である。
道の険しい山に築かれた城は外敵からの攻撃を受け辛い謂わば天然の要塞と言っても良い。
特に墨山城に至っては霧の発生などと言った自然の防壁効果も相まって難攻不落の城として名高い。
実際に外河家との戦いにおいて志太軍は一度ではあるが、全軍撤退を余儀なくされている。
どうやら過去に辛酸をなめさせられた事を宗重らは思い出していたようであった。
ドヴェルク
「ほう、そのような城が創天国にもあるというのですね。それも一つや二つではないのですか…」
ヘルト城のように堅固な城が創天国には幾つも存在しているという事実を知ったドヴェルクは驚いていた。
すると長継も宗重らに続いて喋り始める。
長継
「墨山城…またの名は霧の城と呼ばれておって、確かに難攻不落の堅城にござるな。しかし、ヘルト城はそれよりも遥かに格上やも知れませぬぞ。」
長継も墨山城の堅固さについては周知しているようである。
だが、ヘルト城はその墨山城よりも更に堅固なものでは無いかと言っていた。
神妙な顔つきをした長継が続けて喋り始める。
長継
「実は、カルロスが独立してから城普請を続けているとの情報が我らの元に入ってきております。」
現在のヘルト城はカルロスによって今もなお普請工事が行われており、さらなる防御力の強化を高めているとの事である。
ワニア城はセビカにおいては最も堅固な城であると言われている。
そのような十分なまでの防御力を誇る城に対して過剰なまでの普請工事を施すということ…
それは、何人たりとも侵入を許さぬ「完全無欠の名城」となった事を意味するのである。
宗重
「何と…それではあの墨山城よりも更に守りが固き城になっておるやも知れぬな…む、むぅ…これは厄介じゃ、実に厄介にござるぞ…」
その堅固さ故に志太軍によって攻略するにあたっては多大なる苦戦を強いられた墨山城。
今回のヘルト城は、それをも上回るほどの堅固さとなっている可能性があるという。
その事を知った宗重らは呆然とし始めていた。
するとそんな二人の様子を見た政武がふんぞり返って口を開く。
政武
「おう、お二方さんは天下の幕府の人間ともあろうにそんな弱気でいいのかね?」
政武は宗重らを小馬鹿にしているような表情であった。
共に敵国であるヘルト独立勢力と戦う事となった。
そしてドヴェルクがヘルト独立勢力の本拠地について説明をし始める。
そこは、セラージュの東に位置するワニア島の中央部に高くそびえるワニア山の中腹部に築かれた城であった。
宗重
「山に築かれた城ほど攻め辛きものはござらん。米村山城や、我ら志太家が長らく本城としておった志天城のようにな。それと…」
ドヴェルクによって敵国であるヘルト独立勢力の本拠地を聞かされた宗重が苦い表情を見せながらそう言っていた。
すると貞広が間に割って口を開く。
貞広
「外河家が治めしあの墨山城、にございますか…」
宗重
「うむ、あれほどにまで我らが手を焼かされた城は無かった故、これは気を引き締めねばならぬであろうな…」
志栄島の米村山城、池山国の志天城、そして墨山国の墨山城。
これらの城は、いずれも山間部や山上に築かれた山城である。
道の険しい山に築かれた城は外敵からの攻撃を受け辛い謂わば天然の要塞と言っても良い。
特に墨山城に至っては霧の発生などと言った自然の防壁効果も相まって難攻不落の城として名高い。
実際に外河家との戦いにおいて志太軍は一度ではあるが、全軍撤退を余儀なくされている。
どうやら過去に辛酸をなめさせられた事を宗重らは思い出していたようであった。
ドヴェルク
「ほう、そのような城が創天国にもあるというのですね。それも一つや二つではないのですか…」
ヘルト城のように堅固な城が創天国には幾つも存在しているという事実を知ったドヴェルクは驚いていた。
すると長継も宗重らに続いて喋り始める。
長継
「墨山城…またの名は霧の城と呼ばれておって、確かに難攻不落の堅城にござるな。しかし、ヘルト城はそれよりも遥かに格上やも知れませぬぞ。」
長継も墨山城の堅固さについては周知しているようである。
だが、ヘルト城はその墨山城よりも更に堅固なものでは無いかと言っていた。
神妙な顔つきをした長継が続けて喋り始める。
長継
「実は、カルロスが独立してから城普請を続けているとの情報が我らの元に入ってきております。」
現在のヘルト城はカルロスによって今もなお普請工事が行われており、さらなる防御力の強化を高めているとの事である。
ワニア城はセビカにおいては最も堅固な城であると言われている。
そのような十分なまでの防御力を誇る城に対して過剰なまでの普請工事を施すということ…
それは、何人たりとも侵入を許さぬ「完全無欠の名城」となった事を意味するのである。
宗重
「何と…それではあの墨山城よりも更に守りが固き城になっておるやも知れぬな…む、むぅ…これは厄介じゃ、実に厄介にござるぞ…」
その堅固さ故に志太軍によって攻略するにあたっては多大なる苦戦を強いられた墨山城。
今回のヘルト城は、それをも上回るほどの堅固さとなっている可能性があるという。
その事を知った宗重らは呆然とし始めていた。
するとそんな二人の様子を見た政武がふんぞり返って口を開く。
政武
「おう、お二方さんは天下の幕府の人間ともあろうにそんな弱気でいいのかね?」
政武は宗重らを小馬鹿にしているような表情であった。
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