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第9章 創天国の魂編
29.亀去島海賊衆の実力
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幕府の船は政武率いる亀去島海賊衆主導のもとで航海を開始。
それから丸一日の時が経っていた。
政武
「へへっ、どうじゃ爺さんたちよ。俺たち亀去島海賊衆が、いかほどのものかよぉく分かったじゃろう?」
得意気な顔をして政武は宗重らに対してそう言っていた。
宗重
「うむ、お主の腕は確かであるな。伊達に海賊衆を束ねてはおらぬというわけじゃな。」
政武に船の操縦を任せてからは船は非常に安定し、また悪天候にも見舞われる事は無かったという。
海上の荒れ具合の分析や嵐などの悪天候を事前に予測してそれらを回避していたのだ。
海賊としての実績があった故の事であろう。
これには宗重も思わず声を唸らせていた。
政武
「ははは、当たり前じゃろう。俺たちは誇りを持って海賊を生業としておるが故のことよ!」
宗重の言葉に対して政武は胸を大きく張りながらそう声を上げていた。
昨日は宗重に
「嵐によって自身の船を沈めてしまった者に舵取りなどが果たして務まるというのであろうか。」
など、痛いところを突かれていた政武ではあったが今回の件で汚名は返上出来たようである。
貞広
「うむぅ、悔しいがこればかりは政武殿の力を認めざるを得られぬな…」
どうやら貞広も宗重と同じく政武の実力を認めているようであった。
そして宗重は真剣な表情で政武に対して声をかける。
宗重
「よし、それでは改めて政武に申し付ける。セビカに到着するまでこの船の舵を取られよ。」
一日という短い期間ではあったものの、幕府は政武の海賊衆としての力を存分に知らされていたようだ。
政武
「ほほう、これでようやくお許しが出たってわけか。爺さんありがとよ!ではでは、目的地セビカまで引き続き俺たちが舵を取るぜ!」
そう言うと政武はその場から離れて再び船の舵を取り始めるのであった。
そのような調子の良い政武の様子を見た貞広が呆れた様子を見せて呟き始める。
貞広
「全く、相変わらずにござるな…調子が狂うというかなんというか…」
すると神妙な顔で宗重が言う。
宗重
「味方とあらば、かようにまで頼もしきものはござらぬものよ。じゃが、ひとたび敵となれば…真に厄介であろうな…」
貞広
「確かに。敵として政武殿とは再び戦いたくはございませぬな…」
木内政武という男は非常に頼もしい存在ではある。
それはこの場にいる幕府の者たち誰もが認める紛れもない事実となった。
だが、もし仮に再び敵として彼らの前に立ちはだかれば話はどうであろうか…
政武の父親である木内政豊は過去に一度、彼らを裏切っている。
前将軍の三浦家との戦い(三浦宮御所の戦い)である。
三浦家に唆された政豊は三浦軍として参戦し、志太軍を壊滅させるべく戦場を引っ掻き回していた。
だが後に祐藤の説得を受けた事により志太軍側に付き、勝利へと導いてはいる。
最終的には志太幕府の味方とはなった政豊ではあるが、こうした一連の傾向も子である政武にももしかすると引き継がれているかも知れない。
そう考えていた宗重らは、素直には喜べない様子であった。
一方その頃、政武は舵を握りながら威勢の良い声を上げていた。
政武
「さぁさぁ、俺たちに休む暇など無い!このままセビカまで船を進めるのじゃ!」
船はドヴェルクと長継らの祖国セビカを目指してなおも進み続けるのであった。
それから丸一日の時が経っていた。
政武
「へへっ、どうじゃ爺さんたちよ。俺たち亀去島海賊衆が、いかほどのものかよぉく分かったじゃろう?」
得意気な顔をして政武は宗重らに対してそう言っていた。
宗重
「うむ、お主の腕は確かであるな。伊達に海賊衆を束ねてはおらぬというわけじゃな。」
政武に船の操縦を任せてからは船は非常に安定し、また悪天候にも見舞われる事は無かったという。
海上の荒れ具合の分析や嵐などの悪天候を事前に予測してそれらを回避していたのだ。
海賊としての実績があった故の事であろう。
これには宗重も思わず声を唸らせていた。
政武
「ははは、当たり前じゃろう。俺たちは誇りを持って海賊を生業としておるが故のことよ!」
宗重の言葉に対して政武は胸を大きく張りながらそう声を上げていた。
昨日は宗重に
「嵐によって自身の船を沈めてしまった者に舵取りなどが果たして務まるというのであろうか。」
など、痛いところを突かれていた政武ではあったが今回の件で汚名は返上出来たようである。
貞広
「うむぅ、悔しいがこればかりは政武殿の力を認めざるを得られぬな…」
どうやら貞広も宗重と同じく政武の実力を認めているようであった。
そして宗重は真剣な表情で政武に対して声をかける。
宗重
「よし、それでは改めて政武に申し付ける。セビカに到着するまでこの船の舵を取られよ。」
一日という短い期間ではあったものの、幕府は政武の海賊衆としての力を存分に知らされていたようだ。
政武
「ほほう、これでようやくお許しが出たってわけか。爺さんありがとよ!ではでは、目的地セビカまで引き続き俺たちが舵を取るぜ!」
そう言うと政武はその場から離れて再び船の舵を取り始めるのであった。
そのような調子の良い政武の様子を見た貞広が呆れた様子を見せて呟き始める。
貞広
「全く、相変わらずにござるな…調子が狂うというかなんというか…」
すると神妙な顔で宗重が言う。
宗重
「味方とあらば、かようにまで頼もしきものはござらぬものよ。じゃが、ひとたび敵となれば…真に厄介であろうな…」
貞広
「確かに。敵として政武殿とは再び戦いたくはございませぬな…」
木内政武という男は非常に頼もしい存在ではある。
それはこの場にいる幕府の者たち誰もが認める紛れもない事実となった。
だが、もし仮に再び敵として彼らの前に立ちはだかれば話はどうであろうか…
政武の父親である木内政豊は過去に一度、彼らを裏切っている。
前将軍の三浦家との戦い(三浦宮御所の戦い)である。
三浦家に唆された政豊は三浦軍として参戦し、志太軍を壊滅させるべく戦場を引っ掻き回していた。
だが後に祐藤の説得を受けた事により志太軍側に付き、勝利へと導いてはいる。
最終的には志太幕府の味方とはなった政豊ではあるが、こうした一連の傾向も子である政武にももしかすると引き継がれているかも知れない。
そう考えていた宗重らは、素直には喜べない様子であった。
一方その頃、政武は舵を握りながら威勢の良い声を上げていた。
政武
「さぁさぁ、俺たちに休む暇など無い!このままセビカまで船を進めるのじゃ!」
船はドヴェルクと長継らの祖国セビカを目指してなおも進み続けるのであった。
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