410 / 549
第9章 創天国の魂編
02.異国の民
しおりを挟む
それから数日後の事である。
志栄藩口羽家の領地である徳葉の海岸において、ある一隻の船が着いていた。
船は見慣れぬ形をしていた事もあってか、物珍しく思った周辺の民たちがずらずらと集まり始める。
そうして海岸はたちまち民たちで溢れかえっていった。
やがて騒ぎを聞きつけた宗重が現地へと向かい、その船を目にする事となった。
宗重
「この船は、我が藩のものでは無いな…一体、どこから来たというのじゃ?」
そうしていると船から一人の男が姿を現した。
宗重
「むっ…お主、創天国の者ではござらぬな?どこから来なさったのじゃ?」
宗重から見れば奇抜とも言えるような衣服を身にまとい、金髪で青い目。
男の容姿を見るからには、どこか異国の者であろうか…
そう思った宗重は、慌てた様子を見せていた。
そして同時に困った表情をして言う。
宗重
「で、あらば儂の申す言葉も分からぬであろうな…むぅ、どうすれば良いものか…」
するとその男が宗重に向かって口を開き始める。
男
「いえ、大丈夫です。私はあなた方の国の言葉、少しだけ話せます。」
宗重
「何と、儂の言葉が分かると申すか。真に珍しき異国の者よのう。」
どうやら男には創天国の言葉が通じるようだ。
その事に宗重は非常に驚き、また感心した様子を見せていた。
そして男が続けて喋り始める。
男
「はい。私の名前は、ドヴェルク・セリアーといいます。セビカのセラージュという所から海を渡ってこの島に来ました。」
・セビカ
創天国より海を越えた場所に位置する大陸に存在する国。
「国王」と呼ばれる最高指導者の元で政治が執り行われており、創天国の志太幕府のような封建主義体制で成り立っている。
建国時期は創天国が建国される以前より国家として存在していたと言われており、非常に長い歴史を持つ国である。
・セラージュ
セビカ国の南部に位置する街。
海面に面している事もあり、古くから港町として栄えていたという。
それ故に、海を渡っての様々な港街との交易が盛んに行われている。
※青丸がセラージュ
宗重はドヴェルクに対して問いかける。
宗重
「ふむ、ドヴェルク殿と申したな。それで、何故に我が創天国へとわざわざ参られたというわけにござるか?」
するとドヴェルクがはきはきとした口調で答える。
ドヴェルク
「はい。私の国、セビカの危機を救う為に創天国の力をお借りしたくこちらにやって来ました。」
そうして少しばかりの間を置いて宗重が口を開く。
宗重
「ふむ?セビカと申す国の危機?それ故に我が創天国の力を借りる?はて、一体どういうことにござるか?」
創天国の力でセビカという国の危機を救って欲しい。
これまた何とも抽象的とも言えるドヴェルクの答えに宗重は再び首を傾げ始める。
すると、ドヴェルクが後ろに手を向けて言う。
ドヴェルク
「私たちは、あちらの方の導きによって海を渡って来ました。詳しいことはあの方にお聞きください。」
ドベルクが手を指した方向には、もう一人の男の姿があった。
男は宗重に対して頭を深々と下げた後に口を開く。
?
「どうも、挨拶が遅れて真に申し訳ござらん。創天国のお主たちの力がどうしても必要な故に拙者たちが参ったのじゃ。」
男は、非常に流暢な言葉で宗重に対して話していた。
その男の顔を見た瞬間、宗重は驚きの声を発する。
宗重
「はっ!お主、いや貴方様は…」
宗重は非常に混乱した様子であった。
志栄藩口羽家の領地である徳葉の海岸において、ある一隻の船が着いていた。
船は見慣れぬ形をしていた事もあってか、物珍しく思った周辺の民たちがずらずらと集まり始める。
そうして海岸はたちまち民たちで溢れかえっていった。
やがて騒ぎを聞きつけた宗重が現地へと向かい、その船を目にする事となった。
宗重
「この船は、我が藩のものでは無いな…一体、どこから来たというのじゃ?」
そうしていると船から一人の男が姿を現した。
宗重
「むっ…お主、創天国の者ではござらぬな?どこから来なさったのじゃ?」
宗重から見れば奇抜とも言えるような衣服を身にまとい、金髪で青い目。
男の容姿を見るからには、どこか異国の者であろうか…
そう思った宗重は、慌てた様子を見せていた。
そして同時に困った表情をして言う。
宗重
「で、あらば儂の申す言葉も分からぬであろうな…むぅ、どうすれば良いものか…」
するとその男が宗重に向かって口を開き始める。
男
「いえ、大丈夫です。私はあなた方の国の言葉、少しだけ話せます。」
宗重
「何と、儂の言葉が分かると申すか。真に珍しき異国の者よのう。」
どうやら男には創天国の言葉が通じるようだ。
その事に宗重は非常に驚き、また感心した様子を見せていた。
そして男が続けて喋り始める。
男
「はい。私の名前は、ドヴェルク・セリアーといいます。セビカのセラージュという所から海を渡ってこの島に来ました。」
・セビカ
創天国より海を越えた場所に位置する大陸に存在する国。
「国王」と呼ばれる最高指導者の元で政治が執り行われており、創天国の志太幕府のような封建主義体制で成り立っている。
建国時期は創天国が建国される以前より国家として存在していたと言われており、非常に長い歴史を持つ国である。
・セラージュ
セビカ国の南部に位置する街。
海面に面している事もあり、古くから港町として栄えていたという。
それ故に、海を渡っての様々な港街との交易が盛んに行われている。
※青丸がセラージュ
宗重はドヴェルクに対して問いかける。
宗重
「ふむ、ドヴェルク殿と申したな。それで、何故に我が創天国へとわざわざ参られたというわけにござるか?」
するとドヴェルクがはきはきとした口調で答える。
ドヴェルク
「はい。私の国、セビカの危機を救う為に創天国の力をお借りしたくこちらにやって来ました。」
そうして少しばかりの間を置いて宗重が口を開く。
宗重
「ふむ?セビカと申す国の危機?それ故に我が創天国の力を借りる?はて、一体どういうことにござるか?」
創天国の力でセビカという国の危機を救って欲しい。
これまた何とも抽象的とも言えるドヴェルクの答えに宗重は再び首を傾げ始める。
すると、ドヴェルクが後ろに手を向けて言う。
ドヴェルク
「私たちは、あちらの方の導きによって海を渡って来ました。詳しいことはあの方にお聞きください。」
ドベルクが手を指した方向には、もう一人の男の姿があった。
男は宗重に対して頭を深々と下げた後に口を開く。
?
「どうも、挨拶が遅れて真に申し訳ござらん。創天国のお主たちの力がどうしても必要な故に拙者たちが参ったのじゃ。」
男は、非常に流暢な言葉で宗重に対して話していた。
その男の顔を見た瞬間、宗重は驚きの声を発する。
宗重
「はっ!お主、いや貴方様は…」
宗重は非常に混乱した様子であった。
0
お気に入りに追加
98
あなたにおすすめの小説
隻眼の覇者・伊達政宗転生~殺された歴史教師は伊達政宗に転生し、天下統一を志す~
髙橋朔也
ファンタジー
高校で歴史の教師をしていた俺は、同じ職場の教師によって殺されて死後に女神と出会う。転生の権利を与えられ、伊達政宗に逆行転生。伊達政宗による天下統一を実現させるため、父・輝宗からの信頼度を上げてまずは伊達家の家督を継ぐ!
戦国時代の医療にも目を向けて、身につけた薬学知識で生存率向上も目指し、果ては独眼竜と渾名される。
持ち前の歴史知識を使い、人を救い、信頼度を上げ、時には戦を勝利に導く。
推理と歴史が混ざっています。基本的な内容は史実に忠実です。一話が2000文字程度なので片手間に読めて、読みやすいと思います。これさえ読めば伊達政宗については大体理解出来ると思います。
※毎日投稿。
※歴史上に存在しない人物も登場しています。
小説家になろう、カクヨムでも本作を投稿しております。
甲斐ノ副将、八幡原ニテ散……ラズ
朽縄咲良
歴史・時代
【第8回歴史時代小説大賞奨励賞受賞作品】
戦国の雄武田信玄の次弟にして、“稀代の副将”として、同時代の戦国武将たちはもちろん、後代の歴史家の間でも評価の高い武将、武田典厩信繁。
永禄四年、武田信玄と強敵上杉輝虎とが雌雄を決する“第四次川中島合戦”に於いて討ち死にするはずだった彼は、家臣の必死の奮闘により、その命を拾う。
信繁の生存によって、甲斐武田家と日本が辿るべき歴史の流れは徐々にずれてゆく――。
この作品は、武田信繁というひとりの武将の生存によって、史実とは異なっていく戦国時代を書いた、大河if戦記である。
*ノベルアッププラス・小説家になろうにも、同内容の作品を掲載しております(一部差異あり)。
日は沈まず
ミリタリー好きの人
歴史・時代
1929年世界恐慌により大日本帝國も含め世界は大恐慌に陥る。これに対し大日本帝國は満州事変で満州を勢力圏に置き、積極的に工場や造船所などを建造し、経済再建と大幅な軍備拡張に成功する。そして1937年大日本帝國は志那事変をきっかけに戦争の道に走っていくことになる。当初、帝國軍は順調に進撃していたが、英米の援蔣ルートによる援助と和平の断念により戦争は泥沼化していくことになった。さらに1941年には英米とも戦争は避けられなくなっていた・・・あくまでも趣味の範囲での制作です。なので文章がおかしい場合もあります。
また参考資料も乏しいので設定がおかしい場合がありますがご了承ください。また、おかしな部分を次々に直していくので最初見た時から内容がかなり変わっている場合がありますので何か前の話と一致していないところがあった場合前の話を見直して見てください。おかしなところがあったら感想でお伝えしてもらえると幸いです。表紙は自作です。
16世紀のオデュッセイア
尾方佐羽
歴史・時代
【第12章を週1回程度更新します】世界の海が人と船で結ばれていく16世紀の遥かな旅の物語です。
12章では16世紀後半のヨーロッパが舞台になります。
※このお話は史実を参考にしたフィクションです。
大日本帝国、アラスカを購入して無双する
雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。
大日本帝国VS全世界、ここに開幕!
※架空の日本史・世界史です。
※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。
※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。
墨山事件
佐村孫千(サムラ マゴセン)
ミステリー
舞台は架空世界の現代。
とある地方で謎の集団失踪事件が発生。
それから四十数年の時が過ぎたが未だ真相解明には至っていない。
この未解決事件を解決すべく一人の若き探偵が立ち上がった...。
※
この物語は、ネットの都市伝説である「鮫島事件」をモチーフに作者が独自のオリジナル要素を加えて執筆した作品です。
旧陸軍の天才?に転生したので大東亜戦争に勝ちます
竹本田重朗
ファンタジー
転生石原閣下による大東亜戦争必勝論
東亜連邦を志した同志達よ、ごきげんようである。どうやら、私は旧陸軍の石原莞爾に転生してしまったらしい。これは神の思し召しなのかもしれない。どうであれ、現代日本のような没落を回避するために粉骨砕身で働こうじゃないか。東亜の同志と手を取り合って真なる独立を掴み取るまで…
※超注意書き※
1.政治的な主張をする目的は一切ありません
2.そのため政治的な要素は「濁す」又は「省略」することがあります
3.あくまでもフィクションのファンタジーの非現実です
4.そこら中に無茶苦茶が含まれています
5.現実的に存在する如何なる国家や地域、団体、人物と関係ありません
6.カクヨムとマルチ投稿
以上をご理解の上でお読みください
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる