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第8章 将軍への道程編
87.第二次墨山の戦い(27)
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墨山城の地下蔵への侵入に成功した頼隆と政長は、城内の兵たちに攻撃を仕掛けるべく行動を起こす。
その様子に気付いた外河軍の兵がこれに対して応戦。
地下蔵付近はたちまち戦場へと化した。
だが、突然の攻撃により外河軍の兵たちは混乱状態に陥っている様子だ。
頼隆
「見よ、連中は怯んでおる。このまま一気に押し進むのじゃ!」
頼隆は、自軍が有利な状況である故に力で敵兵たちをねじ伏せてしまおうと考えていた。
その様子を見た政長も声を上げ始める。
政長
「十部軍の恐ろしさ、思い知らせてやろう!我らも頼隆殿に続くのじゃ!」
頼隆と政長は、非常に勇ましい目つきをしていた。
それから暫くの時が経ったが、依然として外河軍は混乱状態にある。
頼隆と政長らの攻撃をまともに受け続けた事により、外河軍の兵たちに疲弊の色が見えはじめていた。
一方、本丸付近で兵を構える将たちの元にはある情報が入ってきたようである。
国時が慌てた様子で言う。
国時
「殿!どうやら侵入した者の中に、外河頼隆の姿が見られたとのことにございますぞ!」
抜け穴を使って地下蔵に侵入した敵兵の中に、頼隆がいたとの情報を国時は入手したという。
頼信
「なに?外河頼隆…我が父上…か…我は、我は、こうなる運命であったというのか…」
父である頼隆が自身の首を狙いにここまで来ている。
「親子」という切っても切れぬ関係であるにも関わらずである。
これはまさに、起こるべくして起きた「運命」と言うべきなのであろうか…
国時による報告を受けた頼信は驚いた表情をしたが、すぐさまに落ち着いた様子を見せてそう言っていた。
国輝
「ぐっ…何ということじゃ…ちくしょうめ…」
今のこの状況は非常に分が悪いと誰よりも感じていた国輝は、悔しげな表情を見せながら言葉を詰まらせている。
そして両軍による戦いが繰り広げられている地下蔵付近では、相変わらず頼隆らの軍勢が優勢であった。
すると頼隆が政長に対して声をかける。
頼隆
「これより我は外におる軍勢を城内へと案内に参る!政長殿、この場はそなたにひとまず任せたぞ。良いな?」
どうやら頼隆は、この場から離れて城の外で応戦している味方の軍勢を城内へとなだれ込まそうと考えているようである。
しかし、いくら現在の戦況が優勢であったとしても兵数差を見る限りでは不利であった。
そのような状況であるにも関わらず頼隆は、行動を起こそうとしていた。
これには思わず政長が目を見開いて声を出す。
政長
「頼隆殿、正気にございますか?今、ここを離れてしまえば、敵兵にやられてしまいますぞ!」
すると頼隆は、自身に満ちた表情を見せながら答える。
頼隆
「政長殿よ、忘れたか?この城の主は我であるぞ。すぐに味方の兵たちを連れて必ず戻って来る故、安心なされよ!」
自身は墨山城の城主であり、この城の事は充分に知り尽くしている。
それ故に、たとえ何人もの敵兵が周りにいようとも難なく移動を行って味方の軍勢を城内へと案内できるであろう。
頼隆は、今回の作戦は必ず成功すると確信している様子である。
政長
「はっ、承知いたしました!それでは、ご武運を祈りまする!」
胸を張って答える頼隆を見た政長は、力を込めてそう声を上げた。
頼隆
「外河頼隆、これより修羅に入る!いくぞ!」
そう言うと頼隆は、外河軍の兵たちの中へと消えて行った。
その様子に気付いた外河軍の兵がこれに対して応戦。
地下蔵付近はたちまち戦場へと化した。
だが、突然の攻撃により外河軍の兵たちは混乱状態に陥っている様子だ。
頼隆
「見よ、連中は怯んでおる。このまま一気に押し進むのじゃ!」
頼隆は、自軍が有利な状況である故に力で敵兵たちをねじ伏せてしまおうと考えていた。
その様子を見た政長も声を上げ始める。
政長
「十部軍の恐ろしさ、思い知らせてやろう!我らも頼隆殿に続くのじゃ!」
頼隆と政長は、非常に勇ましい目つきをしていた。
それから暫くの時が経ったが、依然として外河軍は混乱状態にある。
頼隆と政長らの攻撃をまともに受け続けた事により、外河軍の兵たちに疲弊の色が見えはじめていた。
一方、本丸付近で兵を構える将たちの元にはある情報が入ってきたようである。
国時が慌てた様子で言う。
国時
「殿!どうやら侵入した者の中に、外河頼隆の姿が見られたとのことにございますぞ!」
抜け穴を使って地下蔵に侵入した敵兵の中に、頼隆がいたとの情報を国時は入手したという。
頼信
「なに?外河頼隆…我が父上…か…我は、我は、こうなる運命であったというのか…」
父である頼隆が自身の首を狙いにここまで来ている。
「親子」という切っても切れぬ関係であるにも関わらずである。
これはまさに、起こるべくして起きた「運命」と言うべきなのであろうか…
国時による報告を受けた頼信は驚いた表情をしたが、すぐさまに落ち着いた様子を見せてそう言っていた。
国輝
「ぐっ…何ということじゃ…ちくしょうめ…」
今のこの状況は非常に分が悪いと誰よりも感じていた国輝は、悔しげな表情を見せながら言葉を詰まらせている。
そして両軍による戦いが繰り広げられている地下蔵付近では、相変わらず頼隆らの軍勢が優勢であった。
すると頼隆が政長に対して声をかける。
頼隆
「これより我は外におる軍勢を城内へと案内に参る!政長殿、この場はそなたにひとまず任せたぞ。良いな?」
どうやら頼隆は、この場から離れて城の外で応戦している味方の軍勢を城内へとなだれ込まそうと考えているようである。
しかし、いくら現在の戦況が優勢であったとしても兵数差を見る限りでは不利であった。
そのような状況であるにも関わらず頼隆は、行動を起こそうとしていた。
これには思わず政長が目を見開いて声を出す。
政長
「頼隆殿、正気にございますか?今、ここを離れてしまえば、敵兵にやられてしまいますぞ!」
すると頼隆は、自身に満ちた表情を見せながら答える。
頼隆
「政長殿よ、忘れたか?この城の主は我であるぞ。すぐに味方の兵たちを連れて必ず戻って来る故、安心なされよ!」
自身は墨山城の城主であり、この城の事は充分に知り尽くしている。
それ故に、たとえ何人もの敵兵が周りにいようとも難なく移動を行って味方の軍勢を城内へと案内できるであろう。
頼隆は、今回の作戦は必ず成功すると確信している様子である。
政長
「はっ、承知いたしました!それでは、ご武運を祈りまする!」
胸を張って答える頼隆を見た政長は、力を込めてそう声を上げた。
頼隆
「外河頼隆、これより修羅に入る!いくぞ!」
そう言うと頼隆は、外河軍の兵たちの中へと消えて行った。
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